幸せ呼ぶ猫神の呟き ■すぐ役立つ法律問題Q&A

もし「宿題代行業者」に頼んだ読書感想文がコンクールで入賞したら・・・法的問題は?

小中学生の宿題を請け負い、代わりに済ませてくれる「宿題代行業者」。ある業者のサイトをみてみると、算数・国語などのワークブック、英文翻訳から読書感想文や自由研究の代行までラインナップされている。

【関連記事:追突され、新車がまさかの「廃車」...加害者が「無保険」だった場合、どうすれば?】

こういったサービスは学校の宿題にかける時間を無駄ととらえ、その時間を節約することで受験勉強に集中できる環境をつくることをうたっている。しかし、本来なら子ども自身がやるはずの宿題を大人が代わりにやるのは「ズル」なのではないか。そういった宿題が成績に直結していたり、コンクールなどに出品する課題だったりすればなおさらだ。

読書感想文や絵画などの宿題は、学校側でまとめてコンクールに応募することになっている場合も多い。そもそも宿題代行を請け負う業者に問題はないのだろうか。コンクールで受賞した場合はどんな問題に発展する可能性があるのか。森本明宏弁護士に聞いた。

●賞品や賞金をゲットした場合は・・・

「学校が宿題を出す目的は、生徒の学力向上や学習習慣の確立のためです。『宿題代行業者』が本人に代わって宿題を行うことは、その目的に反します」

業者に法的問題はないのか。

「理屈の上ではあり得ます。学校が生徒に宿題を出すことは、上記の目的にもとづく学校の『業務』だとします。そして、その業務を妨害されたとして、業者側に民事上の損害賠償請求(民法709条)をするという構図が考えられます。しかし、宿題の提出状況や出来が生徒の成績に関わるとはいえ、それによって学校そのものに何らかの実害が生じることまではあまり想定できません。損害賠償をしなければならないほどの違法性や損害があるとまでは、認められにくいと思います」

もし、コンクールで受賞して、後で代行業者によるものだとバレた場合、賞品や賞金を「返せ」と言われる可能性はあるのか。「コンクールの主催者は、応募されたものが生徒本人によって作成されていることを前提に受賞者を決めますので、業者によって作成されたものであることが後で判明した場合、表彰の取り消しや、賞品や賞金の返還を生徒に対して求めることができるでしょう。

業者に対して、生徒に授与した商品や賞金相当額の損害賠償請求を行うことができるかについては、上記の民法709条に基づく請求の場合、業者の過失が必要となります。すなわち、作成を代行した宿題がコンクールに応募されることを知り得たかどうかが問題となります。学校側がまとめてコンクールに応募することも多くなってきたとはいえ、そこまで知り得た、したがって、過失があったとは通常言いにくいのではないかと考えます」

【取材協力弁護士】
森本 明宏(もりもと・あきひろ)弁護士
愛媛弁護士会所属(2002年弁護士登録)。2010~2011年度、愛媛弁護士会副会長。
2017年度、愛媛弁護士会民事介入暴力対策委員会委員長。日本スポーツ法学会会員。http://www.facebook.com/lawyer.morimoto

事務所名:四季法律事務所
事務所URL:http://www.shiki-law.com/

「彼女とデートなうに使っていいよ」画像を実際に使ったら抗議が? 弁護士の見解は…

「彼女(彼氏)とデートなう」。

そもそもは、自らの充実した恋愛生活をSNSなどで自慢するための投稿が本来だが、芸能人や声優などが「#彼女(彼氏)とデートなうに使っていいよ」とハッシュタグをつけて画像を投稿したことで、一気にバズワード化。「彼女とデートなう写真コンテスト」が行われたり、和田アキ子が公式インスタグラムに「アッコとデートなう」画像をアップするなど、いまだ流行はおさまっていない。

■実際に使ってトラブルも?

「使っていいよ」は、ある種の「ネタ投稿」だが、中には実際に使う人もいるようだ。「使っていい」と記されているわけで当然とも言えるが、トラブルに巻き込まれる場合も。

#彼女に使っていいよ
これ書いてあるから使っていいのかなって思ったら真剣に怒られた件
なんか俺悪いことしちゃったかな笑

— 友和 (@1125tomokazu) July 23, 2017

■弁護士「許諾している以上は違法でない」

「使っていいよ」というタグをつけて投稿した画像を、「デートなう」と使用することに問題はあるのだろうか? しらべぇ編集部はレイ法律事務所に所属する河西邦剛弁護士に見解を聞いた。河西弁護士:法律的には被写体になっている人の「肖像権」が問題となります。肖像権とは、容姿に帰属される権利ですが、法律により認められている権利ではなく、過去の裁判例において認められてきた権利です。

さて、多くの場合には、被写体となっている人が「デートなうに使っていいよ」と写真添付でツイートなどするのでしょうが、その時点において、被写体になっている人は「第三者に対して当該写真を利用することを許諾している」といえます。そうすると、「第三者がその写真を自己のTwitterやブログで使用することが肖像権侵害と評価され、違法と認定される可能性」はかなり低いでしょう。

また「使っていいよ」というツイートをした後に、利用者に対してクレームを付けるケースが話題になっていますが、一度許諾している以上は利用者の行為が違法と評価されることはないでしょう。一度「使ってもいい」と投稿した以上、後から違法性を指摘するような行為は難しいようだ。

■無断改変や名誉毀損には注意

画像をそのまま使うのは問題ないが、使い方には注意も必要だ。河西弁護士:第三者が勝手にその写真を加工したり、その写真をアダルトサイトの掲示板にアップする等の「被写体の名誉を侵害するような方法での利用」は、違法と評価される可能性があります。

■投稿する側も「使われる意識」を

流行っているからといって、安易に「デートなうに使っていいよ」と投稿することに対しては、河西弁護士も警鐘を鳴らす。河西弁護士:Twitterへの投稿は誰にでも見られる可能性があります。このことを認識したうえで慎重にツイートすることが大切でしょう。「使っていい」を「ネタ」と受け取らない人もいる可能性がある。そうしたことも意識して、心地よくSNSを使うことが求められる。

違法残業事件に「略式起訴不相当」で正式裁判へ…一体どういうこと?

2017年7月12日に略式起訴されていた電通の違法残業事件に関して、略式起訴不相当として、正式に裁判が開かれるとの報道がありました。「略式起訴不相当」とされるケースは比較的珍しいため、あまり耳にしない言葉かもしれません。そこで今回は、今回は電通事件と併せて、「略式起訴」「略式起訴不相当」など刑事事件でよく使用される言葉について解説してみたいと思います。

■略式起訴とは

刑事事件として捜査されると、最終的に検察官が起訴か不起訴を決めます。起訴されると、通常は公開の法廷で公判が開かれ、起訴状の朗読や証拠調べといった審理が実施されます。しかしながら、全ての刑事事件で公判が開かれると時間も人手も必要になってしまうため、略式起訴(刑事訴訟法461条)という制度により、実際には裁判を行わず刑事事件の手続を進行する略式命令を求めるケースがあります。

略式命令では、100万円以下の罰金を科すことができます。それより重い刑罰を課す場合には略式命令制度は使えません。実務上は、罰金刑が定められている犯罪について、被疑者が認めており、反省の態度も示されている場合などに利用されます。勾留されている被疑者の場合は、略式命令であれば勾留満期に略式起訴され、即日略式命令が出て事件が終わり、釈放されるというメリットがあります。

これが略式命令ではなく、通常の裁判だと、公判が終わるまで起訴後も勾留による身体拘束期間がさらに続くことになってしまいます。略式命令の手続では公開の法廷での公判は開かれません。

■どんな場合に略式起訴不相当とされるのか

上記のように、罰金刑が定められている犯罪について、被疑者が認めており、反省の態度も示されている場合に略式起訴はよく利用されます。他方で、裁判所が略式命令によることが不相当と判断した事件については、検察官からの略式起訴であっても、通常の公判を開くことになります。どのような場合に略式命令が不相当であるかは刑事訴訟法上具体的には明示されていません。

書面の証拠だけでは犯罪事実を認定できない場合や罰金刑しかなく法定刑が軽くても犯罪行為の内容が重大で、社会的影響が強い事件など、公開の公判による審理を開くべきであると考えられる事案で、通常裁判に移行されることが想定されます。

■今回の電通事件に関して思うこと

違法残業事件の罰金刑は低額であり、大企業にとっては制裁の効力があまりありません。今回の電通事件は社会的な影響が大きかったこともあり、裁判所が書面審理だけではなく、公開の法廷で、代表者社長の話も聞くべきであると判断したものと推測されます。通常の公判が開かれることになりましたので、法人の代表者社長の公判出頭が必要となりましたが、違法残業の事実関係自体に争いはないので、公判は1回、1時間程度で結審することが予想されます。

実際には、民事も刑事の公判も、裁判は公開ですが、口頭審理はかなり形骸化しており、実体的には書面が中心です。公開の裁判であっても、事件に関する事前情報、予備知識なしに無関係の第三者が傍聴しただけでは、事案の概要や当事者の主張すら正確に把握できないことも珍しくありません。通常の審理手続となった今回の電通事件の裁判も、公開の法廷で傍聴はできますが、検察官の証拠調べも概要告知だけですから、代表者の尋問くらいしか、裁判で電通側から直接口頭で説明する機会はありません。

また、基本的には公訴事実の立証と情状立証に必要な限度での審理となりますから、略式命令ではなく通常の公判になったからいって、必ずしも詳細に事件の背景事情や原因まで全て明らかになるということまでは期待できません。裁判は事実関係の調査自体が目的ではなく、事実の解明は、あくまで付随的なものでしかありません。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

生徒のSNSに文科省が指針策定 多発するトラブルを弁護士が解説

レイ法律事務所、弁護士の高橋知典です。

現在、SNSトラブルは、大人の間でも非常に多い問題であり、学校内でも遅ればせながら運用指針が設けられることになりました。

学校問題を扱う中で、近年非常に増えているのがSNS、ネットトラブルです。 SNS、ネットトラブルは、子供たちが簡単に加害者にも被害者にもなります。

その原因と考えられるのが、周囲の大人の絶対的なネットに対する知識不足による指導力の欠如です。

■多発する「なりすまし」犯罪

子供がやりがちな行為で、最近多いのが「なりすまし」です。 友人のIDやパスワードを使って、本人になりすましてアクセスしてしまうことがあります。

例えばツイッターやLINEで、本人のアカウントを使って発言をしたり、本人にしか見えないはずのログを見て、いたずらに使うことがあります。

しかし、こうした行為は、不正アクセス禁止法に該当する行為であり、「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金」になることもあります。

■SNSでの脅迫も多い

また、よく報道されるのが、SNS上での脅迫です。

子供たちは日常の会話で、簡単に人の生き死ににかかわるような発言をします。 しかし、そうした言葉遣いがかろうじて許されているのは彼らが子供だからであり、一般の社会人としてその言葉を使うと、到底許されないことがあります。

そうした事実がわからないままに、一般の社会人と同じ評価を受ける場所で執拗に激しい言葉を書き込み、結果として処罰を受けてしまうこともあるのです。

■誤った知識からの性的行為も

(高橋弁護士)

さらには、ネットで得た偏った知識を使って、性的な行為を子供同士でしてしまっていることさえあります。

ネットで得られる性の情報は非常に偏った情報であることがありますが、大人であれば偏っていると分かることも、子供にはわかりません。

結果として買春の被害に遭ったり、リベンジポルノや、大人も思わずひくような行為をしていることがあります。

■「絶対禁止」の弊害も

学校も親も、指導の仕方がわからず、子供に対してSNSやネットの「絶対禁止」か、「完全な放置」をすることが多いと考えられます。「完全な放置」が危険なのは明らかですが、一方で「絶対禁止」も弊害が大きいといえます。

近年の世界の成功者のほとんどがIT関連の業種であり、今後、子供たちが大人になっていく世界では、SNS/ネットを使えることは、英語が話せる以上に必要な知識になる可能性があります。

それにも関わらず、「絶対禁止」では、親世代の不勉強で、子供たちの生きる力を削いでしまうといわざるを得ません。

現在のSNS・インターネットの普及状況などを考えると、親が話しづらい性の知識についても隠しておくことはできません。

だからこそ、ネットの使い方も、性の知識も、家庭や学校でしっかりと話し合いをしていく必要があるといえます。

「脱サラしてFC店を立ち上げたい」どんなメリットやデメリットが?

「脱サラして自分のお店を持ちたい!」

でも、自分には飲食店経営のノウハウはないし、初期費用もどれくらいかかるかわからないから不安でなかなか踏み出せない。実は、そんな不安を軽くして夢を実現できる可能性があるのが、近年再注目されているフランチャイズです。今回は、そんなフランチャイズのメリットやデメリットを解説します。

■脱サラするとういことの意味

まず、「脱サラ」をした場合、働く環境等はどのように変化するのでしょうか。

(1)指揮監督

会社員(=給与所得者)は、雇用主の指揮監督を受けて雇用主のために経済活動を行いますが、「脱サラ」をすると、雇用主の指揮監督を受けずに、自分のために経済活動を行うことができるようになります。

(2)給与の有無

会社員は、雇用主から、労働の対価として一定の給与の支払を受けますが、「脱サラ」をすると、自分のために行う経済活動によって収入を得ることができるようになります。

(3)社会保険の種類

会社員は、原則として、協会けんぽや各社会保険組合に加入し、社会保険料は給与から控除される形で支払いますが、「脱サラ」をして、個人事業主として経済活動を行う場合には、国民健康保険に加入し、自分で国民健康保険料を支払うようになります。

(4)年金の種類

会社員は、その多くは、国民年金と厚生年金に加入しますが、「脱サラ」をして、個人事業主として経済活動を行う場合には、国民年金に加入します。

(5)税金関係

会社員の所得税は、雇用主が行う源泉徴収によって支払いますが、「脱サラ」をして、個人事業主として経済活動を行う場合には、確定申告をして、自分で支払います。

■FC店にはどんなメリットがある?

FC店には次のようなメリットがあるといわれています。

(1)独立性

FC店は、直営店や従業員とは異なり、あくまで独立した事業体としてお店を経営できます。
経営上のリスクもありますが、反面、自分で働いて得た収益を自分で得ることができます。

(2)本部のグッドウィルと経営ノウハウの利用

FC店は、本部がそれまでに確立してきた商標や営業の象徴となるもの(≒グッドウィル)の付与を受け、優れたシステムやノウハウを利用することができます。また、FC店は、経営方法についても、本部から指導や援助を受けることができます。

(3)リスク回避と時間の節約

FC店は、既に本部が開発して成功したお店の商標や経営のノウハウを利用できるため、事業の成功可能性は独自に事業を起こすよりも高く、経営リスクが低い上、独自に事業を起こすことに比べて時間を短縮することもできます。

(4)資金の節約

開業資金も、独自に店舗を設計し建設する場合よりも、一般的に少ないといわれています。

■FC店にはどんなデメリットがある?

FC店の最大のデメリットは、フランチャイズに縛られるということです。

FC店は本部とは独立の事業体ではありますが、FC店は、本部の商標等や経営のノウハウを用いて、同一のイメージのものとに事業を行う権利が与えられるものですので、これに反するお店の経営をすることはできません。

また、本部によって、これら権利が付与されるフランチャイズ契約が一方的に解約されたり、契約の更新を拒絶をされてしまうなど、FC店を継続できなくなる問題が生じてしまう可能性があります。不測の問題に巻き込まれないためにも、FC店を始めたいという方は、本部とのフランチャイズ契約をする前に、その内容につき、弁護士等の専門家に相談することが重要です。

あなたも「脱サラ」して自分のお店を持つ、その形の一つとしてのFC店を経営するという選択肢を検討してみてはいかがですか。

*著者:弁護士 牧野孝二郎(交通事故、労働災害、企業法務分野を扱う。この弁護士とであれば一緒に戦っていける・安心できるという印象を持てるような弁護士でありたいと思っています。)

7月13日から施行された「強制性交罪」 今までと何が変わるの?

7月13日、「強姦罪」が「強制性交等罪」となり、内容も大幅に改正されました。刑法の改正は実に110年ぶり。特に大きな違いは被害者が告訴しなくても起訴できるようにする親告罪の削除ですが、さらにその内容がどんなふうに変わったのかをアディーレ法律事務所所属の岩沙好幸弁護士にお聞きしました。

1:これまでの強姦罪とは、具体的に何が違うのでしょうか?

名称を「強制性交等罪」に変更し、被害者の性別は女性のみではなく、男性も含むこととしました。また、姦淫行為だけでなく「肛門性交又は口腔性交」も併せて「性交等」として処罰されます。さらに、法定刑も「3年以上の有期懲役」から「5年以上の有期懲役」へ厳罰化されました

2:親告罪の規定を削除し告訴を不要としたことによって、例えば強制性交をされた被害者に変わってどんな第三者が告発することができるのでしょうか?

実は告発は、誰でも、犯罪があると思料するときは捜査機関に対してすることができるものですが、今回の改正とは無関係です。
親告罪は告訴、すなわち被害者やその法定代理人などが訴追がを求めないと起訴できませんが、今回の改正で、強姦罪などは親告罪でないことになりましたので、告訴がなくても起訴することができるようになりました

3:男性に対して強制性交を行った加害者への罪が、これまでよりも重くなるのでしょうか?

従来は、男性が被害者の場合、強姦罪を適用できず強制わいせつ罪で処理していました。ところが、強姦罪の法定刑が「3年以上20年以下の懲役」なのに対し、強制わいせつ罪は「6月以上10年以下の懲役」と低いという実情がありました。
今回の改正で、男性が被害者の場合も強制性交等罪が適用され「5年以上の有期懲役」になります。したがって、加害者の量刑は重くなるでしょう

4:新設された「監護者性交等罪」についてですが、監護者による18歳未満への性交について、両者間に恋愛関係があった場合はどうなるのでしょうか?

18歳未満が性交に同意していた場合に本罪を成立させるかは難しい問題です。もっとも、類型的に真摯な同意が期待できない立場を利用した犯罪なので、同意があったとしても「監護する者であることによる影響力があることに乗じて」と言えるのであれば、本罪は成立するでしょう

5:準強姦罪の場合は、今までと何か変わるのでしょうか?

準強姦罪も準強制性交等罪に名称が改められました。その余の改正点は1のご質問と同じです

■改正されて何が良くなったのか

一番大きな改正点は、親告罪でなくなったことですが、それに加えて被害者が女性であっても男性であっても変わらない罪の適用がされることになったのは、今まで声を上げることができなかった男性被害者にとって光となることは明確です。そして、18歳未満の監護者、すなわち実親や義親などの監護者による「監護者性交等罪」は、これまで声を上げることができなかった児童の強い助けとなることが予想されます。強制性交罪は施行前に起きた事件にも原則適用されるため、泣き寝入りしてきた被害者たちが報われることも増えるのではないでしょうか。

相手を強制的に意のままにすることは、あってはならないこと。
一説によると、性犯罪者には「相手は喜んでいる」という顕著な認知の歪みがあるとされています。そして、自分では制御できない性衝動と闘っている場合があったり、そもそも性犯罪自体、自分のスキルアップのためゲーム感覚で行っている場合もあると言われています。誰もが性犯罪に合う可能性が0ではない昨今、厳罰化されたことで犯罪に手を染めかけている人々がその現実を正しく把握し、少しでも性犯罪が減ることを祈るばかりです。

<記事化協力>
弁護士法人アディーレ法律事務所

岩沙好幸弁護士
東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。
パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。

<参考>
『性犯罪者の頭の中』鈴木伸元 幻冬舎新書 2014年

が上司に連れられ風俗へ…離婚は認められる?

上司に連れられて夫が風俗へ……なんて話、よく聞くかと思います。

「上司に言われたら仕方がないね……」と許せるかたもいらっしゃれば、「断ることが出来たでしょ!」と怒りを覚えるかたもいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、夫の風俗通いが原因で離婚が可能かどうか解説していきたいと思います。

■ そもそも離婚はどう法律で定められている?

まず、離婚について整理しますが、相手方が合意してくれるのであれば、どんな場合であれ、離婚が出来ることになりますので、離婚できるかどうかを争う場合は、相手方が合意してくれない場合となります。

相手方が話し合いに合意してくれない場合、「次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる」として1号から5号までが民法770条1項に規定されており、これが離婚原因にあたります。

「配偶者に不貞な行為があったとき」(1号)や、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(5号)というものが、一般的には問題になることが多いです。

なお、ここでいう離婚原因というのは、“相手方が話し合いによる離婚に応じない場合に、裁判所に離婚を認める判決を書いてもらえるための条件”という意味なので、“離婚話が持ち上がった理由や経緯”というような意味ではありません。

離婚の訴えでは、“離婚原因があるとはいえ、夫婦間の修復可能性は本当になくなったといえるのか?”ということを諸般の事情から裁判官が修復可能性がなくなったかどうかを判断し、離婚を認める・認めない判決を下すことになります。

■ 「不貞な行為」とは?

それでは、民法770条1項にある「配偶者に不貞な行為があったとき」というのは、具体的にはどういうことなのでしょうか。

この点について、最高裁は、「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」だと述べています(最高裁昭和48年11月15日判決)。

性交渉を行ったときはもちろんのこと、性交渉自体はなくてもそれに類似する行為を行ったのであれば、性的関係を結んだということになります。民法上は不貞行為の回数は問題とされていません。

■ 上司に連れられて、風俗に継続的に通っていた場合は?

上司から誘われたとはいえ継続的に通っていたわけですから、夫は、自分の自由な意思で、風俗嬢と性的関係を結んだということになるでしょう。

特に夫が自腹で風俗代を支払っていたのであれば、なおさらです。したがって、「不貞な行為があったとき」に該当し、夫には離婚原因があるということになるでしょう。

もっとも、その場合でも、諸般の事情から裁判官が“まだ夫婦関係は修復可能だ”と考えた場合には裁判離婚が認められない可能性があります。

■1回だけ行った場合は?

民法上は、1回だけであろうが継続的であろうが「不貞な行為」にあたることに変わりはありません。

しかし、先ほど述べたように、離婚裁判の裁判官は、諸般の事情から修復可能性を検討することになります。

そして、風俗に連れていかれたのが1回だったということも、この諸般の事情の中で考慮されます。継続的であった場合と比べると、1回だけの場合には、離婚を認める判決が下される可能性は低くなるでしょう。

■ 上司の強制に逆らえなかった場合は?

風俗についてこなければ降格を仄めかされたなど上司から事実上の強制があり、夫はそれに逆らえず渋々ついていったということも、ありえなくはないでしょう。

この場合、夫が自由な意思に基づいて風俗嬢と性的関係を結んだとまでは言い切れず、したがってそもそも離婚原因にならないとも考えられます。

また、仮に離婚原因にあたるとしても、最終的に離婚を認める判決を下すかどうかにあたっては裁判官の裁量が働きます。その中で、上司の強制があったという点が考慮される可能性は十分あると思われます。

■ 遊んだ相手が男性だったら?

ちなみに、先ほど述べた最高裁判決では「配偶者以外の者」と表現されているだけですが、不貞行為の相手方は異性であることが前提です。夫が風俗で性的関係を結んだ相手が男性であった場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(5号)の問題となります(見た目が女性のニューハーフであっても、です)。

この5号の離婚原因がある場合であっても、最終的には裁判官が“修復可能性”を判断するのは同様です。

*著者:弁護士 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)

松居一代、船越の『ごごナマ』ギャラ暴露 「リベンジ暴露」は訴えられないのか弁護士に聞いた

ブログ、YouTubeなどを駆使して、夫・船越英一郎(56)の秘密を暴いている女優・松居一代(60)。これまでさまざまな暴露を続けている松居だが、19日更新のブログでは船越のギャラを公開して話題になっている。

■『ごごナマ』出演料40万円を暴露
不倫をしている船越がNHKに出演しているのが許せないという松居。番組を降板させるようNHKに苦情を入れているとのことだが、自身のファンに対してもブログで呼びかけた。また、松居はNHKで船越が司会を務めている『ごごナマ』の1回の出演料が40万円であることも暴露。

■ネット民からも否定的な声
ネット民からも「やりすぎだ」「これはアウト」と松居を非難する声があがっている。

・人として、女として、妻として、芸能人として…どれをとってもしてはいけない一線を超え過ぎている。だれか止める手段はないのかな? こんな名指しでNHKがどうとかって、野放しでいいの?

・離婚調停中だからって、怒ってるからって、何でも言うのは下品だと思います

・善悪の区別もつかないような人をいつまで野放しにするのか。事実であってもプライバシーに関することを許可なく公表するのは問題だ

・ギャラを勝手に暴露するなんてアカンのとちゃうの? NHKからも訴えられるで。最初はどちらかというと心配やったけど、嫌いになったわ

■松居の暴露は責められるべき?
『ごごナマ』ギャラ暴露について、あくまでも松居の発言のため、正確なのかは定かではない。しかし事実がどうあれ、いちタレントの金銭事情を、「正義」の名目のもとに公開する松居の姿勢には疑問が残る。また、自身のファンにもそれを訴えかけ、苦情を入れるよう誘導するのはいかがなものか。

■弁護士の見解は…
©sirabee.com

しらべぇ取材班は、芸能界の問題にくわしいレイ法律事務所・松田有加弁護士に話を聞いた。松田弁護士:別れた恋人や、元夫、元妻の情報を暴露することを「リベンジ暴露」と呼んでいるのですが、これが最近非常に増えており、問題視しているところです。

「リベンジ暴露」は、名誉棄損や、プライバシー権侵害等にあたる可能性があり、場合によっては犯罪となります。今回松居さんが行った行為についても、「リベンジ暴露」の一種ととらえることができます。もっとも、松居さんが公開した情報は、「一回の出演料40万円」という情報ですので、これによって船越さんに対する社会的評価(世間からの評価)が低下するとは言い切れません。そのため、名誉毀損が成立する可能性は低いと考えられます。

また、出演料がいくらかということは、一般的に秘密にしておきたい事項ですから、プライバシー侵害になる可能性はありますが、今回の場合、損害賠償まで請求できる可能性は低いと考えられます。なお、現状、実際に処罰される可能性は低いですが、NHKに対して電話をするようにブログの読者に求めている点については、業務妨害罪が成立する可能性があります。

高校生の息子が同級生からカツアゲされた! 学校と警察、どっちに相談すべき?

「高校生の息子が同級生から現金を要求(かつあげ)されていたそうです」。そんな相談が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられました。

相談者によると、同級生から5か月の間、複数回に分けて計6万8千円をカツアゲされたそうです。相手の対応次第では警察に訴えることも考えていますが、「警察はこの金額でも取り扱ってくれるのか」と相談を躊躇しているようです。高校生同士で起きたカツアゲに対し、どう対応したらいいのでしょうか。東山俊弁護士に聞きました。

●まず学校に相談をするべき

子どもがカツアゲを受けたら、まずどこに相談をしたら良いのでしょうか。同級生に脅されて現金を渡した場合、その同級生の親と直接話をする、学校に相談する、警察に相談するという3つの方法が考えられます。

その中でどの方法を選ぶべきかですが、私は、まず学校に相談するべきだと考えます。学校に相談すれば、学校内の環境や同級生との人間関係の改善に取り組んでくれることが期待できますし、親同士の話し合いを仲介してくれる場合もあるため、同級生との関係や渡した現金の返済等の問題が一挙に解決することもあるからです。

親同士の話し合いという方法は、うまく行けば一気に解決に向かう可能性もありますが、互いに感情的になり、かえって状況が悪化する可能性もあります。また、警察は、そもそも犯罪の捜査をするための組織であり、同級生との関係や金銭の返済等に直接かかわってくれる訳ではありません」

●学校が変わらなければ、教育委員会に相談を

学校に相談したところ、学校が事実を隠ぺいしたり、事情を確認できなかったとしたりして、思うような解決につながらなかった場合はどうすべきでしょうか「その場合には、教育委員会に相談し、学校の方針を変更させることが考えられます。それすら難しい場合には、警察に相談し、犯罪であることを明らかにしてもらった上でもう一度学校と話し合うという方法も考えられます」

●警察に動いてもらうためには、脅し内容の録音やメールを証拠として提示を

警察に相談した場合、すぐに警察は動いてくれますか。「警察は、犯罪の疑いがあると判断して初めて動いてくれますので、証拠がなければ動いてくれないことが多いでしょう。例えば、息子さんが同級生に脅されている内容の録音やメール等が証拠となります」警察が捜査した場合、同級生はどのような処分になるのでしょうか。

「息子さんが脅されて現金を渡したのであれば、同級生には恐喝罪が成立します。同級生は未成年でしょうから、少年法が適用され、家庭裁判所の処分を受けることになります。ただし、今回のケースでは金額がそれほど高額ではありませんので、余罪があるといった例外的な場合でなければ、すぐに少年院ということはなく、反省や弁償といった事情次第では、特に処分はされないことが多いでしょうし、重くても保護観察を受ける程度でしょう」

【取材協力弁護士】
東山 俊(ひがしやま・しゅん)弁護士
東山法律事務所所長。大阪弁護士会所属。家事事件はもちろん、一般民事事件や刑事事件も幅広く取り扱っている
事務所名:東山法律事務所 事務所URL:http://www.higashiyama-law.com/

SNS画像はニュース報道に使っていいの? 法律の視点から弁護士がズバリ解説

レイ法律事務所、弁護士の河西邦剛です。

刑事事件の被疑者が逮捕されると、かつては卒業アルバムの写真がテレビ報道されることが少なくありませんでした。

しかし最近は、被疑者のFacebookやTwitterに使用されているアイコン写真が使用されることが増えています。

SNS上のアイコン写真等を逮捕報道等の際に使用することは、著作権法との関係においては「基本的に適法」と言えます。

■SNS画像の報道利用は適法

著作権法との関係においては、「引用」または「報道目的利用」と言える場合には適法に写真を使用することができます。

まず、著作権法32条は「引用に該当すれば著作権侵害にならない」旨規定しています。引用といえるためには、

(1)公表されている著作物であること

(2)引用する側の著作物と引用される側の著作物が明瞭に区別できること

(3)前者が主たる内容になっており、後者が従たる内容になっていること

が必要です。

また、出所を明示する慣行がある場合には、出所表示義務が生じます。最近では、「Facebookより」と顔写真に併記されることもありますが、「まだ出所を明示する慣行がある」とまでは言えないでしょう。

さて、Facebook上で公開されていれば、公表されていることは明らかですし、また、顔写真部分は視聴者の誰が見ても一目して判別できるので、明確に区別できるといえるでしょう。

そして、通常想定されないようなよっぽど被疑者の顔写真のみを強調した報道のされ方等でない限り、「報道が主で写真が従」ということができます。

よって、著作権法上の引用と言え、適法に報道することができます。

■知る権利を守る『報道目的利用』

また、報道目的利用と言えれば、著作権法上は適法にアイコン写真等を使用することができます。著作権法41条の規定する報道目的利用とは、「国民の知る権利を保護する目的」で規定されているもの。

事件を構成する著作物や、事件の過程で見たり聞いたりされる著作物の利用は著作権侵害とはならない旨の規定です。

例えば、著名な彫刻の破損事件があった場合に、「その彫刻を映してテレビ放送すること」が事件を構成する著作物の利用となり、甲子園の開会式の放送時に「入場曲として音楽が入り込む場合」が事件の過程で聞かれる著作物の利用となります。

■著作権法32条・41条から見て適法

さて、Facebookに掲載されている被疑者の顔写真そのものは、厳密にいうと事件を構成する著作物とは言えず、また事件の過程で見られる著作物とも言えないでしょう。

もっとも「事件と相当の関連性があれば報道目的利用を認める」という見解もあり、その場合には顔写真の使用は著作権法との関係においては適法と言えます。

このように、ニュース報道の際に被疑者のアイコン写真等が使用されることは、「著作権法との関係では原則適法」と言えるのです。

■何が「報道」にあたるか

なお、報道目的利用を認める著作権法41条には「写真、映画、放送その他の方法によって」と規定されていますが、インターネット上のウェブサイトも放送に類する手段として「その他の方法」に含まれると十分言えるでしょう。

また、近年増加傾向にあるユーチューバー等の個人レベルによるインターネット上の報道についても、知る権利に資するという観点から「その他の方法」に含まれると考えられます。

(文/レイ法律事務所・河西邦剛弁護士)

出張で発生する「移動日」…移動時間は労働時間になる?代休はもらえる?

世の中には「全国を股にかける仕事」というものがあります。飛行機や新幹線、あるいは自動車に乗って、津々浦々を回る。「羨ましい」という声もありますが、遊びではないだけに、苦痛に感じている人も多いことでしょう。

とくに海外などかなり遠方となる場合は、移動だけで1日が終わってしまうこともあります。当然、移動時間も出張扱いとなるはずです。

しかし、零細企業に勤めるMさんは、出張先での仕事が終わり、本来休みである土曜日に1日かけて帰宅して、代休をとったところ、社長から「移動だけなんだからその日は出勤にはならない。有休扱いにする」と言われたそう。

当然Mさんは激怒したのですが、社長の権力で押し潰されてしまったそう。移動だけの時間は、勤務時間にならないのか。そして代休支給の必要性はないのか?

いずみ法律事務所の小泉始弁護士に真相を聞いてみました。



■移動だけの日は出勤にはならない?

「一般に出張は直行・直帰の場合には自宅を出発したときから自宅に帰着するまでが出張時間であり、抽象的な使用者の業務遂行となるものの、使用者の現実の具体的な指揮命令の下における業務の従事時間ではないことから、所定労働時間の労働とみなされることになります。

そして移動時間については、使用者が労働者に出張旅行のために利用する交通機関の種類、乗車時間について、所定就業時刻後のものを指定して出張命令したようなときであっても、この場合の命令は、その列車等の中での行うべき用務を指示したものではなく、旅行して目的地に着くことが指示内容であり、労働内容を具体的に特定して指示したものではなく、所定労働時間内の労働とみなされることになります。

したがって出張のための一日移動であって、所定労働時間内の労働とみなされ、休日出勤したことにはならないことになります」(小泉弁護士)

■代休は与えなくても良い?

「移動時間等について命令があった場合であっても、交通機関に乗車中は自由に休息しておればよく、拘束時間であるとしても労働基準法上の労働時間には該当しない休憩時間に類似した時間と解されていることから、時間外手当・休日の支給対象となる実勤務時間にはあたらないことになります。

なお例外的に、移動中に会議の準備をするよう指示がなされていたり、物品等を運搬すること自体が目的である場合や一度会社に出勤してから出張したり、出張先から会社に立ち寄ることを指示されている場合には、当該移動時間も実勤務時間に該当することになります」(小泉弁護士)

移動だけの出張時間は原則として実勤務時間にはあたらず、休憩時間に類似した時間ということになりますので、仮に時間がかかったとしても時間外手当や休日の支給対象にはならないそう。

Mさんのケースの場合、“休日に移動”をしているものの、休日に労働しているわけではないので、必ずしも代休を認める必要はないことになります。

もっとも、事実上拘束されている時間であることや出張者の過労防止や身体的負荷軽減の観点からは、やはり何らかの手当を支給したり、代休を認めるなどの配慮をすることが望ましく、そのような措置をとっている会社も多くあると思います。

世の中には権力で社員を押しつぶそうとするブラック社長がいます。そんな人間と戦うために、しっかりとした法律の知識を身につけたいものです。また、経営者も同様に社員に法の範囲内で気分よく仕事をしてもらえるようにするべきでしょう。

*取材対応弁護士:小泉始(いずみ法律事務所代表弁護士。目の前に起こったトラブルに1人で悩み不安な毎日を過ごされていることと思います。そんな時の為に、弁護士はいます。依頼者を守る「折れない頑丈な傘」として、お役にたてるよう全力で向き合います。まずは、お気軽にご連絡ください)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

軽い気持ちや正義感が犯罪に 侮辱罪・名誉毀損になりうるネット投稿に弁護士が警鐘

レイ法律事務所・弁護士の松田有加です。

先日、「西田敏行さんが違法薬物を使用した」という嘘の書き込みをブログ上で発信したとして、男女3人が偽計業務妨害罪の容疑で書類送検されたことがニュースになっていました。

■芸能人の噂を流したら罪になることも
西田さんの所属事務所は、「書き込みした人物を特定し、業務妨害及び名誉毀損を理由として、刑事、民事の責任追及を現在進めているところです」と告知を掲載していたようです。

最近はインターネット上の書き込みであっても、酷いものについては厳正に対処するというスタンスを採る芸能事務所が増えている印象があります。

芸能人である以上、ある程度の評価の対象になることはありますが、「芸能人だから何を言っても大丈夫」ということは決してないのです。

■どういう罪になる?
たとえば、「死ねばいいのに」や「クズ」など、人の名誉を侵害する暴言は、侮辱罪に該当する可能性があります。

実際に、刑事事件でないですが、過去には「DQN」という表現が侮辱表現であると認められた裁判例もあります。

ネット用語でいうと、「メンヘラ」「BBA」などの言葉も侮辱表現とされる可能性があるでしょう。また、西田さんが被害を受けたケースのように、「薬をやっている」という具体的なことまで書き込めば名誉棄損罪に該当する可能性があります。

■名誉毀損罪と侮辱罪の違いとは
ちなみに、名誉棄損罪と侮辱罪は、どちらも人の社会的評価を低下させた場合に成立する犯罪なので、よく混同されます。

「社会的評価を低下させる具体的な事実を書き込んだ場合」には名誉毀損罪が成立し、具体的な事実を書き込まずに「社会的評価を低下させる暴言などを書き込んだ場合」には侮辱罪が成立する、という違いがあります。

また、名誉毀損・侮辱的な書き込みによって、業務が妨害される可能性がある場合には、業務妨害罪が成立することもあります。

さらには、「電凸」と称して何度も電話を掛けたり、メール送付を繰り返したりする行為も、業務妨害罪に該当しうる行為です。

■書き込みは特定される?
インターネット上の名前は、本名以外のニックネームを用いることが多いので、匿名であるようにみえます。

しかし、それはネット上での表示であって、実際には、書き込んだ人の情報というのは、各サイト管理者が保管しており、弁護士が裁判手続きを踏めば、書き込んだ人の情報の開示を求めることができます。

そうして、その人に対し損害賠償請求をしたり、刑事告訴をして刑事的な処罰を求めたりすることもできるのです。

■軽い気持ちや正義感も犯罪になりうる
軽い気持ちで書き込む前に人を傷つける嘘の事実を書き込んだり、人を攻撃する書き込みを繰り返したりする行為は、れっきとした犯罪になります。

おそらくそういった書き込みをしている人の中には、面白おかしく書き込んでいる人もいるでしょう。ときに「正義感」や義憤にかられて投稿が行われる場合も。

しかし、軽い気持ちで書き込みを続け、感覚が麻痺してしまうと、犯罪者になってしまうこともあるのです。

■ネット拡散という恐ろしさ
インターネットは、情報の発信力が極めて高く、一度発信してしまった情報は次々に拡散されてしまいますので、後になってそのすべてを消し去ることは困難です。

インターネットで他人の情報を発信したり、他人の評価をしたりする前に、是非自分の書き込みの影響力の高さを十分に考えてみてください。

人工知能が無料で法律相談? AI『レイ子』に養育費を算定してもらったら…

法律は、生活に密接に結びついているものだが、何かトラブルが起きていざ弁護士に相談しようとなると、どうしたらいいか悩んでしまう人も少なくないだろう。

無料相談ができる公的サービス『法テラス』や、短時間の法律相談に乗ってくれる法律事務所もあるが、その扉を叩くのも勇気がいる。

そんな中、人工知能(AI)が法律相談に答える無料サービスが登場。チャットボット『レイ子』を発表した、レイ法律事務所・代表弁護士の佐藤大和先生に話を聞いた。

■ゲーム感覚ながら正確に
佐藤弁護士:LINEで法律相談ができるチャットボットを本格導入するのは日本初の試みなのです。法律事務所に相談するのは、「敷居が高い」と感じる人がかなり多いのが実情です。

その結果、トラブルがこじれて、法律的な手の打ちようが限られる状況になってから相談に来られるケースもあります。

このサービスは、ゲーム感覚で楽しんでいただけるくらいの気軽さですが、私たちが法律相談で判断基準とする要素や計算式を正確に取り入れています。

レイ子は、債務整理診断/過払い金返還請求診断/未払い残業代計算/養育費計算の4つのサービスからスタートした。

しらべぇ取材班もさっそく試してみることにした。

■まずはLINEで友達登録
まずはLINEを立ち上げ、QRコードもしくは「@ryl5102c」をID検索する。

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「レイ子」が現れるので、友達に追加してみる。

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■離婚後の「養育費」を計算してみる
友達登録が済むと、知りたい項目を質問してくるので…

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今回は、「養育費」を選んでみた。

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最初に、養育費を「支払う相手」の年収を入力し…

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相手が給与所得か自営業か、0~14歳の子供の人数、15~19歳の子供の人数を入力。

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また、支払う側についても年収(今回は800万と設定)や扶養する子供の人数、再婚しているか否かなどの質問に回答していくと…

■気になるレイ子の回答は…
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「夫:800万/妻:500万の年収でともに給与所得、14歳以下の子供が2名、夫はすでに再婚」という元夫婦の場合、妻が子供を養育して受け取れる養育費は5万円ほどとのことだ。

養育費の目安などは、ネット上や書籍などに情報があるものの、一人ひとり異なる状況に合わせてAIが計算してくれるのは、説得力がある。

■人生の決断を下す参考に
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従来は「有料の法律相談」として受けていた業務を無料化した背景には、最新技術を活かして、法律をより身近に活かしてほしい思いがある、と佐藤弁護士は語る。

佐藤弁護士:たとえば離婚が頭をよぎったとき、養育費の額がそれぞれのケースに合わせて予想できれば、「これなら別れても生活できる」「この額だったら、再構築しようか」などと判断できるでしょう。

トラブルに至る前の判断材料にしていただきたいと考えています。最初は件数の多い「金額の算定」からサービスを始めましたが、今後はたとえば「身に覚えがない痴漢冤罪」を疑われた際、保存すべき証拠や証人などをアドバイスするといった内容も検討しています。

弁護士が語る児童相談所の実際 「保護する勇気」と「親への配慮」の難しさ

レイ法律事務所、弁護士の高橋知典です。

11日、児童相談所(児相)での対応を巡って、母親が火炎瓶のようなものを投げ込み、逮捕される事件がありました。彼女はなぜここまで追い詰められてしまったのでしょうか?

■「一時保護」の可能性

今回の母親の状況は、一部報道によると、「生まれた直後から子供を児相が保護していた」ということです。これについては「一時保護」の可能性があります。児童福祉法ではその1項で、必要な場合には 「児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行」うことができると定めています。この事件で、児相は保護の必要性があると判断し、一時保護に踏み切ったのだろうと考えられます。 一時保護は、子供を守るために行われます。しかし、実際に一時保護を受けた親御さんは計り知れないほどに苦しみます。

■出産直後に保護されるケースも

今回の事件とは別の過去の例では、出産後、母親が子供の顔を見る前に保護をされていたということもありました。子供を産んで、これから大事にして行こう、子供を愛していこうという親御さんにとって、この出来事はあまりにも衝撃です。一方で児相は、何よりも子供を守ることを考えています。 これまでの親の生活状況や経済状況、子供の両親の関係を含む家族関係から、保護が相当であると判断すると、多少強引に見えても保護を行います。とくに乳幼児が遺棄されるなどの痛ましい事件が新聞を賑わす昨今では、保護の判断についても待ったなしの状況にあるのです。

■親の感情が児相の不安を刺激する

このような両者の状況は、双方共に子供のことを大事に考えている点では共通ですが、その方法が大きく異なるために対立します。私の知っている先の例では、「早く返してくれ、人さらいだ、許せない」と感情的になっていく親を見て、児相はより不安感を強めてしまう状況にありました。こうした場合、事件解決のためには、「子供の保護の解除に必要な条件」を冷静に児相から引き出し、同時に親の抱える不安を丁寧に聞きとることが必要です。

■周囲の協力も不可欠

子が生まれ、親となるはずがそうはなれなかった親の絶望も、保護しさえすれば救えたかもしれないと遺棄事件を見るたびに悔やむ児相の気持ちも本当のものです。せめて両者の橋渡しになるよう、周りが協力していく必要があるのです。合わせて読みたい→子供の行く末が心配! 元保育士が語る「とんでもない親」3選文/レイ法律事務所・高橋知典弁護士)

添い寝フレンド「ソフレ」、一線越えてなくても慰謝料請求も

「セックスレス夫婦」が社会問題となって久しい。そんな中、「ソフレ」なる関係が老境を迎える男女の新たな“性のかたち”となっているという。大人気ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)でも登場するソフレは、「添い寝フレンド」の略。肉体関係を持たずに傍らにいて、ただ添い寝するだけの異性を指す。そんな関係を羨ましく感じる男性は少なくないかもしれないが、トラブルが起きやすいのは「独身女性」をソフレにする場合だ。

「結婚していない女性が相手だと、割り切った関係のはずなのにいつしか女性が恋愛感情を持ってしまうこともある。次第に男性の妻への嫉妬心がむき出しになり、“奥さんと別れて”と言い寄るケースもあります」(『友達以上、不倫未満』=朝日新書の著者でフリージャーナリストの秋山謙一郎氏)

 最悪の場合、離婚・別居にいたることもあるというから要注意だ。「一線を越えていないから大丈夫」と考えるのも禁物である。アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹・弁護士は、こう指摘する。

「確かに民法の『不貞行為』は“性器の挿入”を指し、添い寝は該当しません。ただし添い寝が繰り返されると、民法の『その他婚姻を継続しがたい重大な事由』に該当し、パートナーが精神的苦痛を感じた場合、妻や相手の夫から慰謝料請求などを受ける可能性があります」

「自殺してこいよ」妻が「旦那デスノート」に投稿…夫にバレた場合の法的リスク

「旦那デスノート」がネット上で話題となっている。サイトにある説明によると、「旦那へ死んで欲しいという願いを書くものである。書く人物が自分の旦那じゃないと効果は得られない」とある。

6月27日現在で1200件以上の「デスノート」が集まっている。内容を見てみると、「保険金残して逝って下さい。」、「包丁あるから自殺して来いよまじで」、「死因はなんでもいい即死で」などと言った過激な書き込みも多い。

中には、夫や自分の職種や実家の場所、出会ったきっかけや自分の年齢、出身地などを記載し、個人の特定につながりかねないものもある。

夫が「旦那デスノート」を見て、「これは明らかに自分のことだ」と確信できる情報があった場合、妻の法的責任を問うことや、法律上の離婚理由とすることは可能なのだろうか。山岸陽平弁護士に聞いた。

●プライバシー権の侵害や名誉毀損に該当するおそれ

近年は、離婚問題にインターネットでの情報発信に関するトラブルが関わってくることが増えています。

インターネットにおける情報発信には多様なものがあります。ここで重要なのは、まず、情報の内容が個人特定可能なものか否か。次に、個人特定可能なものだとすれば、書き込まれた人の権利を侵害する程度のものか否か。さらには、特定の人たち相手の発信なのか公開の場での発信なのか、です。

「旦那デスノート」は、匿名による公開の場での情報発信です。書き込みはハンドルネームで行われていますし、その内容は第三者から見ると誰のことかわからないものが多くなっています。

しかし、ハンドルネームではあっても、同一人の書き込みはリスト化されていますので、知り合いが見たときに個人特定可能に至ることがありえます。そして、個人特定可能となった場合には、書き込みの内容が実際の出来事に基づいているかいないかにかかわらず、夫に対するプライバシー権の侵害や名誉毀損に該当するおそれが高いといえます。

●リスクの高い行為をしていることを忘れないで

しかし、それが即座に離婚事由となるわけではありません。書き込みの内容のひどさにもよりますが、もし、妻による書き込みが夫に発覚しても、親族や知人に情報が広まらないうちに真摯に謝って書き込みを消すなどすれば、夫についての情報の拡散が一応防止されたことになりますから、その後夫婦としての共同生活を続けていける客観的な可能性はまだ残っているようにも思われます。

もちろん、「旦那デスノート」に個人特定できる形で書き込んでいたことが発覚したことで別居が始まり、別居期間が長くなることにより離婚理由に該当することは考えられますから、万が一書き込みが発覚したとしても謝れば大丈夫と思ってはいけません。本当の意味でやり直していくためにはかなりの努力が必要でしょう。

いずれにしても、「旦那デスノート」に書き込む女性は、誰にも見せない日記帳に夫の悪口を書くのとは全く異なる、リスクの高い行為をしているということを頭に置いておく必要があります。

【取材協力弁護士】
山岸 陽平(やまぎし・ようへい)弁護士
金沢弁護士会所属。富山県出身。京都大学法学部・同法科大学院を経て弁護士登録。北陸地方を中心に、相続、成年後見、離婚、交通事故、会社法務、不動産、行政事件などへの取り組み多数。ブログなどを通じてわかりやすく情報を発信している。
事務所名:金沢法律事務所 事務所URL:http://bengokanazawa.jp/

松居"EDと不倫"暴露は違法も「船越バイアグラ不倫」暴露は合法? 離婚にくわしい弁護士の答えは

俳優・船越英一郎(56)が妻で女優の松居一代(60)に離婚調停を申し立てていることを、5日、『文春オンライン』が報じた。

■松居はSNSで暴露投稿
一方の松居は、4日、YouTubeアカウントを開設して2本の動画を公開。「夫・船越がED治療薬のバイアグラを使用して不倫している」といった情報を顔出しで暴露している。

また、5日午前には、ツイッターアカウントも開設し、別居して滞在していると見られる住居の持ち主と見られる高齢女性とのツーショット動画などを投稿した。

離婚の際、それまで夫婦だったふたりが対立し、泥試合になることは少なくない。しかし、こうした松居の行動は適切なのだろうか?

しらべぇ取材班は、離婚や浮気問題にくわしいレイ法律事務所の松下真由美弁護士に話を聞いた。

■社会的評価を下げる暴露は民事・刑事のリスク
松下弁護士:今回、松居一代さんはYouTubeを開設し、船越さんの不倫や勃起不全、バイアグラ使用などを暴露しています。こういった行為は、船越さんの社会的な評価を下げる行為だと思います。

また、船越さんのこういった事実は、公共の利害に関わる事実でもないため、たとえ内容が真実であっても、名誉毀損として民事・刑事どちらでも問題になる可能性はあると言えますね。

名誉毀損について誤解している人も多いと思いますが、内容が真実であっても、その人の社会的な評価を下げる内容であれば、原則として違法となる恐れがあるのです。

■離婚調停への影響は?
松下弁護士:また本日、「船越さん側の代理人弁護士から離婚調停の申立てがあった」との報道がありましたが、それが事実だとすれば、今回の松居さんの発言等は離婚調停に少なからず影響を与えます。

離婚調停は、あくまで話し合いにより離婚を求める手続きですが、そこでお互いに話がまとまらない場合、裁判になる可能性があります。

今回、「船越さん側が離婚調停を申し立てた」とのことですが、たとえば仮に松居さん側が「離婚したくない」と主張した場合であっても、松居さんはメディアを使った名誉毀損的な発言をしているため、「婚姻関係を継続しがたい重大な事由」にあたるとして、裁判でも離婚が認められる可能性があります。

そうすると、裁判の前段階の離婚調停でも「離婚が認められてしまう可能性がある」などと、調停委員から松居さんへ説明するかもしれませんね。また、離婚調停でよく争いになるのが、財産分与や慰謝料など、お金に関する問題です。

松居さん側からは、船越さんの不倫を理由に、船越さんに対して、慰謝料請求をすることが考えられます。しかし、今回のことで、船越さん側からも松居さんに対して名誉毀損を理由に損害賠償請求をすることが考えられるので、ある程度は事実上相殺される可能性がありますね。

もっとも、離婚調停は話し合ううちに泥沼になることも多く、その結果長引いてしまい、双方のイメージにとって大きなマイナスを与える可能性もあるため、一定程度の金額を支払って、すぐに終わらせる可能性もあります。

松居さん側が離婚を求めているのか現段階では分かりませんが、しかし、今の松居さんの様子をみると、離婚やその条件についてもそう簡単に納得するような感じではないため、相当程度は長引くかもしれませんね。

■法律的にはバツ
©sirabee.com

というわけで、松居に限らず誰でも、離婚の際に「名誉毀損的な発言・行動」を行うのは、民事・刑事の両面で法に触れるリスクと、離婚条件が不利になる場合も。

しっかり覚えておきたい。



交通事故が原因で旅行に行けずキャンセル料発生…相手に請求できる?

夏の行楽シーズンが近づいてきました。中には、海外旅行などの計画を立てている人もいらっしゃるのではないかと思います。

しかし、いつにもましてこれからの時期に気をつけたいのが交通事故。

浮かれ気分で車でレジャーに向かう人が多いぶん、いつもより危険があります。仮に交通事故に巻き込まれてけがをしてしまい、楽しみにしていた旅行に行けなくなったとしましょう。

場合によってはキャンセル料が発生することもありえます。このような場合、事故の加害者に対して、旅行のキャンセル料は請求することができるのでしょうか。今回はこの点について解説していきたいと思います。

■損害賠償に含まれる損害とはどういうものか?

一見、事故と関係がありそうな損害であっても全てが損害賠償の対象となるわけではありません。

判例は、事故と「相当因果関係」がある損害に限り、賠償の範囲に含まれるとしています。典型的な例は、治療費や入通院費、後遺障害に対する慰謝料等が含まれます。

■旅行のキャンセル料も賠償の範囲に含まれる

交通事故のために旅行に行けなくなった場合、そのキャンセル料についても賠償の範囲に含まれるという判例が複数あり、原則的に、加害者に対して請求できるという実務が定着しているようです。

ただ、例えば、事故が起こる前に仕事の予定が入って旅行をキャンセルする必要が生じ、その後事故が発生したという場合には、キャンセル料の発生と交通事故の間には相当因果関係がないと判断されることになるでしょう。

このような場合には、キャンセル料を請求できないと考えられます。

いくらキャンセル料が返ってきたとしても、楽しみにしていた旅行に行けなくなるのは困りますし、その後けがの後遺症が残っては、後々大変な思いをすることになります。

事故を起こさないのはもちろんのこと、交通ルールを守るなどして事故に遭わないようできる範囲での自衛をすることも大切です。

*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

有名人の不倫醜聞の影響で慰謝料の相場が下がっている!?

渡辺謙(57)、仲間由紀恵の夫・田中哲司(51)、そして最近では『とくダネ!』の小倉智昭(70)……。昨年の「ゲス不倫ブーム」は今年上半期も健在で、著名人の不倫疑惑が次々と報じられている。

 それが世間一般の“不倫相場”にも影響を及ぼしているという。離婚や不倫問題に詳しいフラクタル法律事務所・堀井亜生弁護士が解説する。

「不倫に関する慰謝料の相場が、近年大幅に下がっているのです。ここでいう『相場』とは、不倫によって訴えられて裁判となり、判決で出される金額を指します。10年ほど前は夫の不倫が原因で離婚裁判となれば、慰謝料は300万円ほどでした。ですが、最近は100万円台が多い

。円満な家庭を不倫によって崩壊させ、離婚に至ったケースでも200万円ほどでした。裁判費用などの経費や、費やした時間を考えると安すぎると言わざるを得ない」

 慰謝料とは、不法行為によってこうむる損害賠償金のうち、精神的損害を慰謝するための金銭。不貞行為は慰謝料の対象となるが、金額は支払う側の財力によってピンキリ。タイガー・ウッズは640億円、小室哲哉は7億円と高額な慰謝料を支払って世間を騒がせたが、これらは両者の話し合いで決められた額で、「相場」とは無関係だ。慰謝料相場の“下落”を引き起こす原因は何か。

マンション購入時に知らされなかった臭いや騒音…損害賠償請求はできる?

今年3月、大阪市城東区の分譲マンションに住む男性が、購入した部屋の近くに設置された生ごみ処理機(ディスポーザー)の臭気がひどく住み続けられないとして、不動産会社に約5,800万円の損害賠償請求を起こす事案がありました。

購入時、不動産会社から臭気について説明がなく、入居後間もなくひどい臭いと騒音がするようになり、住めないほどになったそう。原告は不動産会社の過失を主張しています。

しかし、被告側は「売買締結時には臭気がなく、管理の問題」として請求棄却を求めているようです。

このようなことはレアケースですが、分譲・賃貸にかかわらず、物件に住んだあと、知らされていなかった事態が出てくることも稀にあります。

そのようなとき、部屋を買った・借りた人間は不動産会社に損害賠償請求することはできないのでしょうか?

銀座ウィザード法律事務所の小野智彦弁護士にお聞きしました。

■損害賠償を受け取ることができる?

「大阪のケースのように、部屋の近くにディスポーザーの排気口があり、臭くて日常生活を送れないというのであれば、正当な家賃を払って住んでいる意味がありませんね。

賃貸借契約における貸主の義務は、借主に貸した家屋を支障なく使ってもらう義務がありますし、借主はその義務の履行に対しての対価として家賃を支払うわけです。

部屋の近くにディスポーザーの排気口があって、臭くて支障をきたすというのであれば、それをなんとかしてもらう権利が借主に発生し、家主はそれに従う義務があります。

家主は、その義務を行わない限り、債務不履行ということになり、家賃の値引きに応じる、あるいは、借主からの解約に応じなければならなくなります。解約の場合には、敷金礼金、引っ越し代などの損害賠償請求をされる可能性が高いものと思います。

仲介会社については、あらかじめそのような事情を知っていたながら、借主に説明しなかったということになりますと、やはり支障をきたす物件を仲介したということになりますので、仲介手数料や引っ越しにかかる費用など、損害賠償請求される可能性が高いものと思います。

またこれは分譲についても同様です」(小野弁護士)

不動産会社がその事実を知りながら、借主や購入者に説明をしなかった場合は、損害賠償請求される可能性が高いのですね。

*取材協力弁護士:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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