無料動画再生ボタンで「登録完了」 金銭請求への対処法

インターネットの悪質アダルトサイトによる架空請求被害が、高齢男性に増えている。実際にどんな手口で騙すのか。

 例えば、無料動画の再生ボタンを押したら、いきなり別画面に「登録完了」と出て、有料アダルトサイトの入会金30万円の請求画面と支払い方法が表示されるケース。

〈登録完了〉という文字で、「自分が何かをクリックして登録してしまったのか?」と思わせる。アダルト動画を観ようとした“後ろめたさ”から、請求に応じてしまうケースも少なくないが、承諾していないお金を支払う必要はない。仮に催促する表示が出ても「無視する」のが基本だと、IT事情に詳しい弁護士の岡田崇氏は言う。

「有償(有料)である旨がサイト上に表示されていなければ、契約が成立したとはいえません。どこかに表示されていたとしても、有償であることが分かりやすく表示された確認画面がなければ、契約は無効となります(『電子消費者契約法』3条)。このようなことから、消費者が明確に同意したといえない場合、法律的には支払い義務はないので、相手にしないのが鉄則。延滞料や損害料を請求してきても、放置しておけばいいのです」

【スーツやお土産も!】会社員でも使える「経費」があるって本当?

早くも4月。確定申告を終えてひと息ついた方や、「私は会社員だから、確定申告は関係ない!」という方などさまざまな方がいるのではないでしょうか。 しかし、「会社員だから、確定申告は関係ない!」とお思いの方はちょっと待って。実は、会社員でも「経費」として申告でき、そのぶん税金が還付される場合もある事をご存知でしょうか? まだ「確定申告」の言葉の記憶が新しいうちに! どんな項目が会社員の方でも経費として使えるのか、今の時期から一緒にチェックしてみませんか?

そもそも、「経費」ってどんなもの?

「経費」という言葉は良く聞くけれど、具体的にどんな仕組みかわからない……という方も多いかもしれません。まずは経費について基本からおさらいしてみましょう!

そもそも経費とは、調べると「ある事をするのに必要な費用」と出てきます。所得税や住民税の計算に使う経費もその意味の通りで、所得税や住民税の額を計算するとき(=確定申告の時)、その業務をするうえで必要なかかった費用(=経費)は所得分から差し引く事ができる、という意味合いで使われています。業務上でかかった経費が多いほど、収めるべき所得税や住民税額が少なくなるということですが、自営業者やフリーランスの方であれば通常自分自身で確定申告をし、経費部分も自分で計算、申告する必要があるので特に意識している項目とはなりますが、会社員の方の場合、税金などはお給料をもらう時点で自動的に会社が計算、天引きしてくれているため自分自身で申告の必要が少なく、経費も関係ないものと一般的には思われがちです。

しかし!会社員の方でも必要経費として申請ができるものとして、「特定支出控除」という仕組みが設けられています。会社員の方でも仕事に関わる自分自身で支払った費用が一定以上を超えたら確定申告をし、所得税が再計算されることで払いすぎていた税金が還付される!という仕組みです。では、具体的にはどんな項目が特定支出控除で使えるのかまずはチェックしていきましょう。

「特定支出控除」の対象となるものとは?

資格取得費

例えば業務に必要な資格を取るために自費で専門学校や大学院などに通うための授業料が当てはまります。

研修費

こちらも、資格取得費と少し似ていますが、業務に必要な技術や知識を得るために自費で参加したセミナー代、講習費用などが当てはまります。

図書費

本や新聞、雑誌等の購入費用が当てはまります。(上限あり)

衣服費

仕事用に着るためのスーツ、制服等の購入費用。(上限あり)

交際費

お客様や営業先などとの接待費やお土産、差し入れ代などを自費で支払った部分が当てはまります。(上限あり)

転居費

会社からの転勤命令で転勤にかかる引っ越し費用などが当てはまります。

スキルアップのための資格取得費用や図書代、スーツ等の衣服代と会社からの補助がなく全額「自分で」支払った場合にはこちらの「特定支出控除」として当てはまる可能性が出てきます。ただ、全額が所得税から控除されるわけではないため、注意点も予めチェックしていきましょう。

特定支出控除を使う際の注意点は?
控除の計算で収入から引けるのは「全額」ではない!

例えば、スーツの購入、資格の取得費、図書代などを含めて今年は100万円自己負担があった! となった場合、100万円全てが収入から差し引けるわけではありません。ポイントとなるのは、「給与所得控除額の2分の1を超えた額から差し引ける!」ということ。具体的な「給与所得控除額」は、以下の計算式で計算できます。

■年収180万超〜360万以下 →年収×0.3+18万
■年収360万超〜660万以下→年収×0.2+54万

この計算式で見てもわかりにくい!という方も多いと思うので、
先程の「一年で100万円の経費の自己負担分があった、年収500万円の方のケース」で考えてみます。

まずは「給与所得控除額」の計算式を当てはめると、
年収500万円→500万×0.2+54万=154万円

154万円という数字が出てきます。この額の2分の1=「77万円」を超えた額から差し引けるため、こちらのケースだと100万円の自己負担は77万円から23万円分オーバー=収入から23万円分が差し引ける、という計算となります。

領収書、会社からの承認も必要なケースも。

確定申告の際には、それらにかかった費用の領収書はもちろん必要となってきます。また、資格取得費などは勤務先の担当部署に提出し、勤務に必要なものを証明してもらうハンコが必要な場合もあります。また、証明書は国税庁のサイトからもダウンロードできますよ。

交際費、衣服代、資格取得費など、会社員でも意外と自己負担分がかかっている経費。自費でまとまったお金がかかるときには、会社員の方でも領収書を管理する意識を持ちたいところ! 今年の確定申告をする際には「会社員でも使える経費がある!」ということを忘れぬよう、意識してかしこく税金と向き合っていきたいところですね♪

以上、はぴマネレッスンvol. 45でした。

Information

参考:国税庁HP「給与所得控除」(解説した年収以外の方もこちらをチェックしてみて下さいね。)

就業規則を社員が自由に閲覧できない…これって違法じゃないの?

皆さんは自分の会社の「就業規則」を見たことがありますか?入社時に内容について説明を受けたり、写しを配布されたりするのが一般的ですが、中には自社の就業規則なんて一度も見たことないよ、という方も多いのではないでしょうか。

じゃあ見てみようかな、と思ったら会社に就業規則のありかを聞いてください。でも、もし「就業規則は会社の重要書類だから見せられない」という解答だったら、その会社はブラックである可能性が高いかもしれません。Q.自社の就業規則が自由に見られない……違法では?

A.違法です。就業規則はいつでも従業員が閲覧できる状態にしておかなければなりません。そもそも就業規則とは会社の「憲法」のようなもので、働く時間や給与額、休みの日、罰則など働く上で会社と従業員の双方が守らなければならないルールが定められている書類です。そういう意味では確かに「会社の重要書類」と言えます。

ただし、就業規則は作成するのであれば必ず従業員へ周知しなければならないと労働基準法で定められています。周知の方法は掲示しておく、社内の共有フォルダに入れておくでもなんでも構いませんが、とにかく「従業員が見たい時にいつでも見ることができる」状態にしておかなければなりません。

なお、判例は従業員にしっかりと周知されていない就業規則の効力を否定しているため、あたかも機密書類かのように保存して従業員に見せない就業規則の内容を根拠に懲戒処分などを行うことはできないとされています。

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

悪質ないじめ…いじめる子の親に法的な責任を問うことはできる?

相変わらず減ることのない学校内での「いじめ」。最近は東日本大震災による原発事故の影響で避難した子どもが、いわれのない誹謗中傷を受ける事案が相次ぎ、社会問題化しています。

いじめについては、いじめている子どもの親に責任を問うべきだと言う声があります。実際に自分のかわいい子どもがいじめを受けている場合、相手の親にもそれ相応の責任をとってもらわなければ気が済まないものですから、当然かもしれません。

しかし、両者は血のつながりこそあれど、別人であるだけに、問うことは難しいような気もします。「いじめを行う子どもの親」に法的な責任を問うことは、はたして可能なのでしょうか?

和田金法律事務所の渡邊寛弁護士に見解を伺いました。

Q.息子が学校でいじめられた……いじめた子の親に法的な責任はある?

A.いじめの加害児童・生徒の親は、被害児童・生徒に対して損害賠償責任を負うことがあります。

「いじめが不法行為となる場合、原則として加害児童・生徒本人は、被害児童・生徒に対して、不法行為による損害賠償責任を負います。

もっとも、自分の行為の責任を理解する知能もないほど幼いときは、未成年者は法的責任を負いません。具体的な年齢が法律で何歳と決められてはいませんので、責任能力の有無は事案毎個別に判断されますが、概ね12歳程度になると法的な責任能力が認められるようになります。

加害児童に法的な責任能力がない場合、本人は損害賠償責任を負いませんが、その親が監督義務者として被害者に対して損害賠償責任を負います(民法714条)。親は、監督義務を果たしていたことを立証すれば損害賠償責任を免れますが、監督義務の範囲は生活全般に及ぶ広いものですので、親の免責は簡単には認められません。

加害生徒に法的な責任能力が認められる場合、民法714条の適用はありませんが、監督義務者である親は、その監督上の過失に基づき、被害者に対して損害倍責任を負うことがあります。

民法714条の適用がある場合と比べると、親の監督上の過失をどちらが証明しなければならないかという立証責任の点と、監督上の過失と損害との因果関係も立証しなければならない点で、請求する側の負担が大きくなります。

未成年者の親には子を監護・教育する義務がありますから、このように、いじめの加害児童・生徒の親は、被害児童・生徒に対して損害賠償責任を負うことがあります。

ただし、親の責任は結果責任ではありませんので、例えば、親元から通学する中学1年生と全寮制の高校3年生とでは、同じ様な学校内でのいじめでも親の責任の有無の判断が異なることはあり得ます」(渡邊弁護士)

いじめが「不法行為」となる場合、親が監督義務者として損害賠償責任を問われることもあるそう。我が子かわいさから、「うちの子に限ってそんなことはしない」と目を背ける親もいるようですが、それは監督義務を問われます。

自分の子がいじめをしている可能性があると感じた場合は、直ちにやめさせるようにしてください。

*取材協力弁護士: 渡邊寛 (和田金法律事務所代表。2004年弁護士登録。東京築地を拠点に、M&A等の企業法務のほか、個人一般民事事件、刑事事件も扱う。)

あなたは分かる?交通事故に遭ったらするべき4つのこと

いつ、どんなときに事故に巻き込まれるかは誰にも分かりませんよね。

そして、事故が起こった際には、大抵パニックになって何をすれば良いのか分からなくなってしまう方も多いと思います。

そこで、今回は、被害者・加害者を問わず、交通事故を起こしてしまった際にするべき4つのことをご紹介したいと思います。

■1.警察への届出

交通事故を起こした場合、物損か人損(人身)かを問わず、警察への届出義務があります(道路交通法72条1項)。

したがって、救急車等を手配すると同時に、可能な限り、速やかに警察に通報するなどして事故を届出することが必要です。

■2.証拠等の確保

現場の状況は、後で裁判で争われることがあります。

事故後の車両の位置や損傷状況、現場の状況、自己の状況等について、できる範囲で保全をしましょう。

事故の目撃者なども、いったん現場を離れてしまうと後日証人として探し出すことは困難となります。

重く負傷している場合は同乗者などが代わりに目撃者に後日証人となってくれるよう連絡先交換などをお願いして下さい。

相手方の情報も必要となりますので、当事者双方で交換するようにしてください。

現場の状況は、全体が分かるように携帯のカメラで撮影するくらいでも構いません。

■3.保険会社への連絡

加入している保険会社にも連絡を入れましょう。

示談交渉の代行や保険金支払などについても相談できます。

治療費は、相手方保険会社から直接支払われることもありますので、相談してください。

また、民事裁判等をする場合は、自動車保険に附帯した弁護士特約を使用し、保険金から弁護士費用を充当して弁護士に相談したり、裁判を依頼したりできます。

弁護士特約を利用して弁護士費用を保険金から充填するだけであれば、保険料の等級が下がらないこともあります。

なお、弁護士特約を使用する場合、保険会社と弁護士会から弁護士を紹介してもらうこともできますし、知り合いなど自分で相談したい弁護士を決めて、弁護士特約を利用することも可能です。

■4.損害に関する資料の保全

交通事故による損害は、治療費など事故後に発生するものも多いです。

損害額を後で立証できるように治療費や通院交通費などはしっかり領収書を残してください。

休業損害については、職場から休業損害に関する証明書を発行してもらうよう依頼してください。

事故後に事故に起因する出費をした場合は、後で認められるかどうかはともかく、念のため、支出した領収書などは残しておきましょう。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

■知らなきゃ損!白バイ隊員が教える覚えのない交通違反の対処法

交通違反には、運転者本人には違反したという認識がなくても取り締まりを受けるケースがあります。なかでも、一時停止違反は本人がしっかり停止したつもりでも、白バイ隊員に呼び止められることが多い交通違反です。白バイ隊員が教える覚えのない交通違反の対処法を紹介しましょう。

一時停止違反を取り締まる白バイ隊員

一時停止違反は、月末によくノルマ稼ぎで取り締まられる交通違反。「一時停止違反は大抵の場合、交番勤務の警官か、ノルマを達成するべく必死な白バイ隊員が1人で取り締まりをしていることが多い」と話すのは元白バイ隊員です。

「一時停止をした」「していない」といういい争いになったとしても、証拠がないので警察は立証できないといいます。ただ、近くのコンビニなどの防犯カメラで実際に一時停止できていなかったか確認できてしまうこともあるのです。

こういった場合、徹底して自身のプライドを盾に戦おうとする白バイ隊員だと、違反を立証されてしまうこともあります。バイクが特に捕まえやすいので、片側の足を停止ラインのところへ出しておけば、ある程度見逃されることもあるそうです。

歩行者等妨害を取り締まる白バイ隊員

歩行者等妨害は、道路を横断しようとしている歩行者などの横断を妨害する行為。交差点で歩行者信号が赤になる前に右左折したクルマを、白バイ隊員などが歩行者等妨害で取り締まります。

ここで、歩行を妨害されたという当事者が現れないと、警察はそれを立証することができません。青キップを切られないようには「妨害されたという被害者が訴えを起こさないのはおかしい」と頑なに突っぱねるのが効果的だそうです。

とはいえ、警察官が2名以上いる場合は証人となってしまうので100%回避できるわけではありません。「歩行を妨害した覚えはない」など、意思を固くして挑む必要があります。ただし、違反したと認識した時は素直に取り締まりに従いましょう。

「還付申告5年間有効」の落とし穴 確定申告したのに住民税では無効になる控除も

確定申告で還付になる場合は、5年さかのぼって申告できます。国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、平成24年分の所得税申告までは対応しています(平成29年3月現在)。還付申告5年間有効の制度もかなり知られてきて、サラリーマンで医療費控除やふるさと納税などの申告を遡って行う方も多いですが、ここにも落とし穴があります。
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住民税への影響

■住民税のしくみ

例えば平成26年分の還付申告を行った場合、平成26年分の所得が確定します。住民税については、平成26年分の所得に基づくものでは平成27年度(平成27年6月~平成28年5月)にすでに支払っています。 平成26年分の確定申告を行っていないのに、平成27年度の住民税が決められて支払っている(多くの場合、給与天引き)のは、サラリーマンの場合、会社が従業員お住いの自治体に「給与支払報告書」を提出しているためです。期限後に平成26年分の確定申告を行った場合、住民税の計算資料も変わりますから、平成27年度の住民税でも還付が生じることがあります。

■住宅ローン控除や上場株の損失などは注意

住民税においては、5~6月に行われる納税通知書の送達時までに申告しないと、下記のような控除・損失は無効になってしまうので注意が必要です。

・住宅ローン控除(所得税から引ききれない場合)
・上場株式等の配当を総合課税で申告し配当控除を活用する
・上場株式等の譲渡損失の損益通算・繰越控除

平成29年3月に、平成27年分の住宅ローン控除の所得税申告をした場合でも、平成28年度住民税において住宅ローン控除はもう活用できないということです。また青色申告65万控除や、マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除は、確定申告を期限内に行わないと活用できません。 関連記事を参照:「今年からはマイナンバーで紐づく…確定申告終了後のマネー(税・公的保険料)を整理しよう」

社会保障制度(所得制限などがある)への影響

確定申告した所得が、数多くの社会保障制度の利用に影響を及ぼします。所得制限の所得に関しては、住民税の計算資料に基づきますので、住民税の計算で控除等が無効になってしまうと、社会保障制度の活用においても困ることが出てくることになります。平成28年分の確定申告を先送りして平成30年6月に医療費控除の還付申告をしたとします。

一般に医療費控除の申告をすると、児童扶養手当などの所得制限では有利に働きます。しかし平成30年6月の期限後申告では、平成28年の所得に基づく制度の活用(遡及して手当をもらう等)に関しては、改めて手続きが必要になり面倒なことになります。

関連記事を参照:
確定申告によって自分の受ける社会保障はどう変わってくるのか(1)
寡婦(夫)の受けられる手当・年金~死別・離婚にまつわる制度のお話(2)

4月頃までには還付申告を

上記の影響を考えると、5年間権利があるからといつまでも還付申告を先送りできるものではないことが分かっていただけたと思います。還付申告の先送りで多い理由の一つは、確定申告期間(2月16日~3月15日)における税務署の混雑があります。そうであっても、3月後半~4月頃のまだ住民税額決定がされていないうちに行ったほうがいいと言えます。(執筆者:石谷 彰彦)

TV番組で紹介された健康法を実践したら健康被害…賠償請求できる?

3月、NHKの生活情報テレビ番組が糖尿病の治療について事実と異なった情報を流し、謝罪する一幕がありました。健康被害などは報告されていませんが、実際に番組を見て実践しようとした人もいたようです。

生活お役立ち番組や医療を扱った番組はこれまでも数多く放送されており、納豆やココアなど、番組で取り上げられたことをきっかけに品薄状態になるほど売れることもありました。

本当に健康になることができるのなら良いのですが、なかには今回のように後に誤っていることが発覚し、番組が打ち切りになったケースも発生しています。

仮に番組内で紹介された健康法を実践し、体調不良や病気になった場合、謝罪だけでは納得いかないでしょう。

放送したテレビ局に治療費はもちろん、慰謝料や損害賠償を請求したいところ。そのようなことは、可能なのでしょうか?

ともえ法律事務所の寺林智栄弁護士に見解をお伺いしました。

Q.テレビ番組が間違った健康法を紹介し、実践して健康被害がでた場合、テレビ局に損害賠償請求できますか?

A.放送内容によりますが、かなり難しいと思われます。

「放送内容にもよりますが、原則的には損害賠償請求の対象にはならないと考えます。損害賠償の請求が認められるためには、(1)他人の権利利益の侵害、(2)これに対する故意又は過失、(3)故意または過失と発生した損害の間の因果関係という要件をすべて満たす必要があります。

仮に、放送された健康法が誤ったものであり、放送局側に過失があるとしても、実際に発生した健康被害、これに基づく損害の発生との間に因果関係を認めることが難しいと思われるからです。

例えば、なんらかの運動法が紹介されてこれを実践した後に、負傷したというケースでも、そもそも実践した人に疾患があった場合には因果関係は認めにくいでしょう。

何らかの食品を摂取する健康法が紹介されてこれを実践した後に、体調を崩したというケースでも、当時の体調や、過剰摂取、元々持っていた疾患などが関わっているケースもありえ、やはり因果関係を認めることは難しいのではないかと考えられます。

但し、かなり詳細に健康法が紹介され、それを忠実に再現したこと、他に健康被害が生じる原因がなかったこと、これらを全て証明できた場合には、損害賠償請求が認められる余地があります」(寺林弁護士)

健康被害が生じる原因が他に考えられないことを立証できるうえ、紹介された健康法を忠実に再現したとみなされた場合は損害賠償請求が認められる可能性がでてきますが、健康被害と放送との因果関係を立証することが困難と思われるため、基本的に損害賠償を請求することは難しいようです。

「テレビが言っているから正しいだろう」ではなく、「間違っているかもしれない」と注意深く話を聞くことが重要かもしれません。

*取材協力弁護士:寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

管理職になると、残業代は出ないって本当?【名ばかり管理職問題】

夫は「名ばかり管理職」で残業代が出ず、上司の暴言も悩み…

私の夫はいわゆる「名ばかり管理職」です。大したお給料ももらっていないのに残業代もなく、1日14時間ぐらい会社に拘束されています。また、上司の暴言にも悩まされています。訴えるより、人事に相談して異動させてほしいのですが、万が一を考えて証拠もそろえておきたいと思っています。一般の社員と、管理職では何が違うのか教えてください。(40代・女性)

「管理職になると残業代が出ない」にだまされないで

島田さくら弁護士の回答
4月は、異動で仕事の内容が変わったり、昇進して管理職の仲間入りをしたりする方も多いでしょう。

お給料が増える分、責任も重くなりますが、新しい自分や違った角度からの仕事のやり甲斐が見えてくるかもしれませんね。

期待に胸を膨らませる時期ですが、一方で、ご相談者さんのように「うちは課長以上になると管理職扱いで、残業代はつかないから」「店長になると残業代は出ないよ」といった話を耳にしたことはないでしょうか。

実際に長時間働いているのに、残業代が出ないなんていうことが許されるのでしょうか?

「管理監督者」かどうかは、肩書きではなく実態で判断される

一般の社員の場合、所定の労働時間を超えて働かせた場合は、会社は残業代を支払わなければなりません。一方、労働基準法第41条2号には、「監督若しくは管理の地位にある者」については、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しない、すなわち、管理監督者には残業代を支払わなくてよいと記載されています。

ただし、どの役職が「残業代を支払わなくてもよい管理監督者」にあたるかを会社が決めたら、それが絶対的基準になるというものではありません。

そもそも管理監督者は、社内での十分な権限を持っていて、いわゆる“社長出勤”のように自由な出勤も許されているし、残業代がないことを考えても十分高い給料をもらっており、ほぼ経営者と考えてよい人だから、残業代は払わなくていいですよというものです。

ですから、管理監督者にあたるかどうかは、肩書きにとらわれることなく、職務権限、勤怠状況、賃金等の待遇によって判断されます。会社が「店長は管理職とする」「課長以上は管理職だから残業代は支払わないと就業規則に書いた」というだけで、管理監督者にあたるというわけではありません。

相談者さんの夫の場合も、ほかの従業員の人事に関する権限や金銭の管理に関する権限があったか、会社全体の経営に関する会議に参加していたか、定時出勤やシフトによる出勤か、同業他社や一般社員と比べて賃金は高額かというような事情を考慮して、経営者と一体といえるか、管理監督者にあたるかが判断されることになります。

会社が管理監督者の範囲を広く見積もっていることも多いので、実際に相談を受けてみたら、とうてい「管理監督者」とは言えない…ということは頻繁にあります。

残業代の請求やパワハラの証拠をそろえるためには?

残業代を請求するためには、何時から何時まで働いたかという証拠が大事になります。タイムカードや、入退室の記録、パソコンのログイン・ログオフの記録などを確保しましょう。

「管理職には残業代を出さなくてよいので、タイムカードは押さなくていい」と言って、タイムカードを押させない会社もありますが、会社には社員の労働時間を管理して健康を害さないよう気を付ける義務がありますし、管理監督者であっても深夜割増分の残業代は払わなければならないので、タイムカードは打刻させなければなりません。

上司の暴言については、のちのち「言った、言わない」という争いになるのを防ぐため、会話を録音することをおすすめします。今は、スマホでも録音できますし、上司や話している相手の許可をとる必要はありません。

また、上司からされたこと、言われたことについては、メモを残しておくのもよいでしょう。その際は、「暴言を受けた」「パワハラを受けた」というざっくりした内容ではなく、「何月何日、何時頃、ほかの課員5名の前で、○○さんから『役立たず。給料泥棒』と言われた」など、具体的に書くようにします。

勤めている会社に残業代を請求したり、何かを要求したりするのは勇気のいる行為ですし、家族のことや生活のことを考えて、なかなか会社に物申すことができないという状況もありますよね。

毎日長時間の労働を強いられていると、労働者はへとへとになって、思考力を奪われていくこともあります。ご家族の方も、働き方について一緒に考え、サポートしていってください。

今回のポイント
・「管理監督者」にあたるかどうかは、肩書きではなく、職務権限、勤怠状況、賃金等の待遇によって判断される
・残業代を請求するためには、何時から何時まで働いたかがわかる証拠を集めること
・上司のパワハラの証拠は、録音や具体的なメモを残しておこう

島田さくら(しまだ・さくら)弁護士
大阪大学大学院高等司法研究科卒業。司法修習第65期。弁護士法人アディーレ法律事務所所属。東京弁護士会所属。元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられるなど、過去の男運のなさからくる波乱万丈な人生経験をもとに、悩める女性の強い味方として男女トラブル、債務整理、労働問題などの身近な法律問題を得意分野として扱う。離婚等の豊富な知識を有する夫婦カウンセラー(JADP認定)、2級知的財産管理技能士の資格も。家庭では1児の母として子育てに奮闘するシングルマザー。報道・情報番組「キャスト」(ABC朝日放送)にレギュラーコメンテーターとして出演中。その他、さまざまなメディアで活躍中。アディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/

忌引休暇は必ず認められるものではない 必要なら有給を使え

竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「休暇を申請しても認められません。どうすればよいのでしょう?」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 スーパーでパートとして働いています。先日、母親が亡くなったので忌引休暇を申請しようとしたら、「パートには認められない」といわれました。忌引などの慶弔休暇は、福利厚生の一環として認められるのが普通と思っていました。従業員の休暇について、一般にはどうなっているのでしょうか。

【回答】
 忌引による休暇は、誰でも当然に認められるものではありません。労働者が権利として請求できる休暇は、まず労働基準法の定める年次有給休暇です。勤務時間等の条件がそろえば、有給休暇を与えるのは法令上の義務であり、使用者は休暇を取る時季の変更ができる特別な場合を除いて、労働者の請求通り認めなくてはなりません。

 このほかに、就業規則で特別な休暇が定められることがあります。たとえば、病気休暇などです。忌引もこれに当たります。就業規則の内容が雇用契約となっているので、労働者は契約上の権利として要求できます。

 しかし、特別休暇を就業規則に定めることは義務ではないので、就業規則になければ労働者は請求できません。会社が認めないのに休めば、不就労として債務不履行になり、賃金カットをされることもあります。忌引が認められない場合、年次有給休暇を使い休むしかありません。

 年次有給休暇は、勤務年数に応じて最低日数が法定され、半年経過後、最初は10日で毎年増えていき、入社日から6年半以上経過したときに年間20日になり、以後変わりません。但し前年の8割以上の出勤が条件です。パート労働者の場合でも、労働時間が週30時間以上であれば同じ扱いですが、それ未満だと週のうちの出勤日数に応じて取れる有給日数が決まります。詳細は会社に聞いてください。

 また、特殊な休暇の権利として、業務上の負傷等の治療のための休暇や育児・介護休暇、さらに産前産後の休暇などがあります。権利といっても、これらの休暇中には解雇や不利益扱いはされないというだけで、給料は補償されません。その代わり、一定の条件を充たせば労災保険による補償給付や雇用保険から育児・介護の休業給付金、健康保険から出産一時金の支給を受けることができます。

「午後から有休を」の申請を却下した会社に問題はない?

厚生労働省が行った「就労条件総合調査」によると、2016年の日本の有給休暇取得率は48.7%で、5割にさえ達していない。これほど取得率が低ければ、「有休を使える時に使って取っておきたい」と考えるのは当然だが、「午後から有休を」と願い出たものの拒否されてしまった場合、会社側に問題はないのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 有給休暇に疑問があります。というのも先日、二日酔いで気分が悪かったので、午後から有休を取って休みたいと上司に伝えたところ、その理由では認められないといわれました。有休は労働者の当然の権利であり、特別な理由がなくても休めると思います。上司の判断はおかしいのではないでしょうか。

【回答】
 有給休暇の使途目的に、制限はないという点では間違っていませんが、有休取得は何でも自由というわけではありません。半日の有休取得については問題があるのです。

 年次有給休暇は、労働者が健康で文化的な生活を営むために、日ごろの疲れを癒し、休息を取るとともに、娯楽及び能力の開発のための機会を確保する制度です。二日酔いの回復は、この制度目的からは少し外れますが、労働者が有給休暇を申請したときに、使用者が時季変更権を行使しない限り、当該労働者の就労義務は当然免除されると解されています。

 そして、使用者が時季変更権を行使できるのは、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においてのみです。それ以外は時季変更権を行使できません。なので使用者は休暇の使い途によって、時季変更権を行使することは許されません。

証人喚問で飛び交った「偽証罪」…適用されるのはどんな時?

3月、国会では「証人喚問」が開かれ、証人が国会議員に喚問を受ける様子がテレビ中継されました。開かれたことについては賛否両論ありますが、視聴率は16.1%にまで及んでおり、高い注目を集めたことは間違いありません。

今回の喚問で盛んに聞かれたのが「偽証罪に問われますよ」という言葉。真実を引き出すための「揺さぶり」として発せられたフレーズです。

ところでこの偽証罪とは、どのようなものなのでしょうか?

■証人が嘘をつくと3ヶ月以上10年以下の懲役

証人喚問では初めに証人が「良心に従って真実を述べ何事も隠さず、また、何事も付け加えないことを誓います」と書かれた宣誓書を朗読したうえ、署名・捺印します。

当然ながら、嘘をつくと偽証罪に問われ、3ヶ月以上10年以下の懲役に問われます。つまり、証人喚問での偽証罪は「嘘をつかないと宣誓したにもかかわらず、嘘をついた罪」ということになります。

ただし、審査や調査の終了前に自ら偽証したことを自白した場合、罪が減免されることがあります。これは、事実を究明しやすくするためです。

偽証罪に問われるケースは、証人喚問だけではありません。民事・刑事を問わず裁判所に証人として出廷した人間が嘘をついた場合にも適用されます。

これは嘘の供述による誤審を防止するもので、裁判の判決を揺るがしかねない「証言」となるわけですから、このような措置が取られています。

当然ながら、裁判所でも宣誓書への署名捺印と読み上げを行うことになります。なお、あくまでも「証人」のみに適用されるため、原告・被告の当事者や被告人が嘘をついても偽証罪は適用されません。

■記憶違いの場合は罪に問われる?

人間には記憶が曖昧なケースが多く、自分が記憶していたことと事実が異なっていることが多々あります。また、受け取り方の違いや見間違いということもあるでしょう。仮に証人の発言がこれに該当する場合、どうなるのでしょうか?

このような場合、基本的に故意に嘘をついていた場合のみに偽証罪は適用されるため、「間違い」による事実との相違は罪に問われません。ありのままを話せば、偽証罪に問われることはないといえます。

一般人にとってはあまり縁のない偽証罪ですが、「証人喚問や裁判などで証人が故意に嘘をついたら問われる罪」ということは、覚えておいて損はないでしょう。

*記事監修弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

なぜ、児童相談所にも格差が生まれてしまうのか――その現状と解決策とは

日々起こる子どもたちを巻き込んだ事件や事故の数々。親の虐待、貧困、子どもの非行、置き去り、疾患などの理由から一時的に家族や社会から保護することが必要であると判断されると通常、子どもたちは児童相談所に併設された一時保護所に行くこととなる。

 なかなか外部に内情が公表されにくい一時保護所の実態を、保護された子ども、保護所の職員、里親という異なる立場の人間から話を聞くことで明らかにした本がある。『ルポ児童相談所-一時保護所から考える子ども支援』(慎泰俊/筑摩書房)だ。告発本やニュースから見える部分的な姿ではなく真実の姿を伝えたいと、100人以上もの関係者からのインタビュー、住み込みと訪問により、偏りのないリアルな実態が明らかにされている。多角的に現状を捉え、一時保護所の暗部だけではなく良い点もしっかりと把握できているため、より具体的に改善策が提案されているのだ。

 問題が起こり解決へと向かうためには、まず事実を正確に知ることをしなければ始まらない。しかし児童相談所の内部の取材はとても難しい。“児相たたき”をするマスコミが多いことでさらに取材が困難となる中、これだけの内情と多くの人の言葉を得ることができた理由には著者の“社会起業家”である立場が大きく活かされていた。

 児童相談所や一時保護所での職員による暴行事件や性犯罪など、ニュースで目にするものは耳を疑うものばかりだ。実際に著者が出会った子どもたちの中には「あそこは地獄だ」と口にするものもいる。起床と消灯、入浴や遊びの時間が決まっている監視と管理をされた集団生活。テレビを付けたりトイレに行く際には職員の承諾が必要だ。自由時間に使用する紙には通し番号が入れられ、遊びが終わったら回収される。脱走防止に過剰なランニングを強いられることもあるという。虐待などで愛着障害が懸念される子どもでも人に抱き着くことは禁止だ。性問題を防ぐためである。すべてはトラブル防止のためだが、それはまるで囚人のような生活だ。保護は自らの非行が原因の場合もある。しかし多くの場合、被害者なのだ。

 しかし、一方で「安心できた」と一時保護所を評価する子どもの声もあるという事実をニュースで知る機会は少ない。外出も運動も自由。職員に多少の生意気な口を利けるほどの自然な関係。監獄のような施設とはまったく異なった家庭的な雰囲気を持つ施設もある。

 地獄に行くか安らぎの場へ行けるのか、子どもたちには選べない。意思とは関係のないところで行き先が決まり、直前まで自分の明日を知ることもできず、友達との別れの機会も持てないままに知らない土地へと連れていかれる。そして、これから生活する境遇はすべて運命にゆだねられるのだ。

 日夜激務に明け暮れる児相の悪者論を唱えるだけでは子どもたちを助けることはできない。著者は児相格差問題の原因として管理・監督機能が利きにくい構造であること、企業のように監査や株価が存在せずに外部の目が入らないこと、情報確認が進まなくなりガラパゴス化してしまうことを挙げている。そして解決策として児相一極集中の現状を問題とし、体制の整備や里親への支援強化、地域ぐるみの子ども支援など具体的な対策案を挙げているのだ。

 学生時代にたった1~2学年下の後輩という理由だけで殴られたときの理不尽さ、経済的に裕福ではなく親が集めたお金と奨学金でどうにか高校を受けたという経験から身をもって知ったお金の大切さ。そんなかつての経験から著者は「人は生まれながらに平等であり、みなが自分の境遇を否定することなく、自由に自分の人生を決められる機会が提供されるべきである」という想いを引き起こした。そして、その想いは信念となり本書とともに世界の弱者を支援するさまざまな活動へもつながっている。

「生まれ落ちた境遇に関係なく、誰もが自分の運命を勝ち取ることができる世の中を」と望む著者が願うのは課題解決の第一歩として世の中の人が現状を知ることだ。平等を願う著者の偏りのない取材から見る子どもたちの実態を知ることで、あなたも社会養護を考える第一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。

大手企業で相次ぐ「労災」問題。私たちの労働環境を守る「労働基準監督官」の実態とは

 電通、三菱電機、パナソニック……大手企業で相次ぐ「労災問題」。政府が基準に考えている「残業100時間未満」も「過労死ライン」と言われ、賛否両論があるようだ。

 そんな時代だからこそ、行政や会社まかせではなく、「これからの働き方」は、もっと自主的に考えた方がいいのではないだろうか? そこで私は、労働基準監督官として労働基準局に勤務していた著者の『労基署は見ている。』(原論/日本経済新聞出版社)をおススメする。

「労働基準監督官の目線で見る職場環境を理解していただくことで、現在お勤めの会社や経営されている会社が、より良い方向性に向かっていく一助になれば」と、著者が情熱をかけて全うしていた「監督官」という仕事、考え方などを豊富なエピソードと共に紹介している本書。実際に勤務した人だからこそ分かる「実態」は、ドキュメンタリー番組のような読み応えがあった。

 労働基準監督官(略して「監督官」)とは、厚生労働省所属の国家公務員のことだ。監督官として採用された後は、全国の労働基準監督署に配属される。(一般的に「労基署」と呼ばれているが、内部の人間は「監督署」と略す)。

 仕事内容をざっくり説明してしまうと「企業の労働環境・条件に違法はないか、良好に保たれているか」を「指導・是正」すること。そのため、監督官は「働くこと」に関する様々な法律や、安全衛生に関する幅広い知識が必要とされ、死亡事故の災害調査なども行う。実際に企業(「事業場」と呼ぶ)を訪問することが基本的な仕事なので外出が多い一方、司法事件を処理するための書類を作成したりと、デスクワークもしている。

 また、チーム制ではなく原則一人で仕事を処理し、監督する事業場の数にノルマも存在する。さらに、労働現場で問題が見つかった際には、その責任者に指導を行う。中には従業員の賃金を未払いのまま逃亡したり、労災を隠蔽したりと、一筋縄ではいかない経営者もいるのだが、どんな時でも毅然とした態度で応じなければならない。高いコミュニケーション能力や臨機応変さが必要な職務である。労災が起こった現場で、ダンプカーに轢かれた被災者の遺体を見ることもあったそうだ(第2章「職場の安全と健康を守る」に詳細が書かれているが、結構ショッキングな内容だった……)。

 読んでいて、率直に「大変だな」と感じた。誰でもできる仕事ではないと思う。
 だが、著者の原論さんはそういった「困難な状況」や「労災による人の死」に直面した時、一層「仕事へのやりがい」を感じるようだ。「働く人が安心して安全に働く職場環境をつくることを目指す」という信条を持ち、現在も同じ想いで、社会保険労務士として活躍している。

 現在、「働き方」は大きく変わろうとしている。行政も動き出した今、「過重労働対策」は企業にとって避けては通れないだろうし、いわゆる「ブラック企業」の情報は「申告常習事業場」としてマークされている。

 変化していく「働き方」を見つめ直すためにも、労基署の実情を知っておくことは、ムダではないのではないだろうか? 日経プレミアの『◯◯は見ている。』シリーズは私の大好きな企画なのだが、本書もやはり、読んで損のない一冊だった。

就業時間中に抜け出して通院したい…法的な問題はある?

花粉症が蔓延する3月末。目のかゆみやクシャミなど、悩んでいる人にとっては地獄の日々かもしれません。もう少々の辛抱ですから、病院から処方された薬で乗り切りたいところです。しかし、土日休みの社会人にとっては、通院も一苦労。多忙のため、病院の診療時間に仕事が終わらないという人も多いはず。そんなときは、就業時間にちょっと抜け出して病院に行ってしまいたいもの。

花粉症にかぎらず、風邪や身体の痛みなど体調不良ならば、就業時間中に通院することはやむを得ないことでしょう。しかし、なかには、会社が認めないところもあるようで、責任者が叱責してくることもあるとか。

一体、「就業時間中の通院」は違法なのでしょうか?

Q.就業時間中に通院することは違法ですか?

A.責任者が許可をすれば許される会社もあります。

就業規則がどのようになっているのかによりますが、定めがない場合、就業時間中は職務に専念する義務があるわけですから、私的な用事で勝手に職場を離れることは許されないという考えが一般的です。ただし、「通院」が私的な用事であるか否かは意見の分かれるところで、「絶対に不可」というところもあれば、責任者の許可をとることで、通院が許されている会社もあります。

また、緊急性の高い症状のみと就業規則に定められている場合もあるようです。

このように会社の業務内容やカルチャーによって対応が異なる事案で、法律というよりは、企業が社員をどのように考えているのかが問われる問題といえます。従業員としては体調不良の場合には病院に行かせて欲しいところですが、それをサボりの口実に使われることもあります。仮に許可を出す場合は、責任者が病院に行くことを提案してきた人間の状態を見抜く力が必要になりそうですね。

*記事監修弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

花見シーズン到来…わがままな場所取りは罪になる?

0月21日東京都心でソメイヨシノが開花したとの発表が気象庁よりありました。春のお楽しみである、花見。気の置けない仲間や、職場の人々と綺麗な桜を見ながら酒を飲む。日本独特の文化です。そんな花見の計画を立てている人も多いのではないでしょうか。

■楽しい花見が…場所取りをめぐってトラブルも

楽しいイベントである一方、毎年トラブルが発生しています。昨年、横浜市の企業が公園の8割をブルーシートで覆ったうえ、「この時間以外はご自由にお使いください」などと書いた張り紙を掲示し、5日間に渡り場所取りをしたことで、猛批判を浴びました。

このほかにも企業や個人による過剰な「花見の場所取り」がたびたび問題になっています。本来なら人間の「良心の範囲内」で行われるべきことなのですが、残念ながら度を越した場所取りが横行しているようです。あまりにもおかしな場所取りを見かけた場合、法的に訴えたくなります。違法性を問えるような場所取り行為とはどのようなものなのでしょうか?

■違法になる場所取りは?

まず違法性を判断するうえで肝となってくるのが、私有地か公有地かということ。

当然ながら、私有地の場合は所有者の許可を得ない形で勝手に「花見をするから」といって場所をとるのは、所有者の権利を違法に侵害するもので、不法行為に基づく損害賠償(民法709条)の対象となるばかりでなく、建造物侵入罪(刑法130条)となる可能性もあります。

次に公有地についてですが、こちらは管理者の意向がどのようなものかが鍵になってきます。管理者が一切の場所取り行為や花見を禁止している場合、それを破る形になる場所取りは違法となる可能性が高く、不法行為責任が生じ得ます。

また、条例等で地域ごとに規制をしている場合には、刑事上の責任が生じる可能性もあります。一方、管理者が許可している場合は場所取り可能ということになりますが、社会常識を大きく逸脱していると思われる場合、違法性を問われることがあります。また、公園の場合は都市公園法で、

「都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければならない」(都市公園法6条)と定められており、違反した場合は六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金が課される可能性があります。

いずれにしても社会的に見て常識外と感じられる行為は、法に触れる可能性があるということ。常識を持った場所取りをするよう心がけましょう。*記事監修弁護士: 大達 一賢(エジソン法律事務所。第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」、「戦略&リーガル」の3つの思いを胸に、依頼者のために全力を尽くします)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

弁護士も使う、交渉の行き詰まりを解決してくれる「便利な言葉」

ビジネスで欠かせない交渉の場での悩みのひとつに、お互いが譲らず話が前に進まない「膠着状態」があります。これがために決裂してしまったという苦い経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では、著者で現役弁護士の谷原誠さんが、弁護士ならではの「膠着状態を脱するテクニック」を記しています。

膠着状態ではこの質問

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

交渉では、ある論点で双方とも譲らず、話が前に進まなくなる膠着状態に入ることがあります。膠着状態のまま、進展しない状態が長く続けば、その交渉は決裂ということになるでしょう。この膠着状態は、言い方を変えると、どちらかが妥協、譲歩しないと動かない状態です。

たとえば、商品の価格についての話し合いが、こちらが90万円、相手は100万円と主張して膠着しているとします。この場合、どちらが折れて、相手が主張する価格にするか、双方が譲歩して、たとえば95万円とするか、といったことが考えられますが、互いに譲れない条件であるとき、こういったことは容易ではないでしょう。

このような膠着状態を脱する方法の一つに、視点を変えるという方法があります。交渉の論点は、一つであるということはほとんどありません。

商品・サービスの売買の場合、料金だけではなく、納期や保証期間、品質等々、様々な要素があります。視点を変え、これらの条件について聞き、相手が本当に料金のニーズしか持っていないのか、試してみるのです。

そのケースで、便利な言葉として「仮に~」があります。いったん料金に関する話を横に置き、「ところで、仮に、〇月まで納期を伸ばすとすると、どうでしょう」「仮に支払いサイトを短くすればどうですか」と、ほかの条件について、仮の話として軽く話題を振ってみます。

「仮に」のよいところは、こちらにとってあくまで仮の話であり、そこでいくら突っ込んだ発言をしても、言質を取られるわけではないということです。自分の立場を表明せずに、相手のニーズを探ることができます。

ここで「まあ、納期が長ければ別にできないことはないんだけど」などと、ぽろりと隠れたニーズが表れることがあります。もし、こちらに、そのニーズを満たす用意がある場合、改めてその条件を含め打診してみると、話は再び動き出します。

相手が考える要望、ニーズの情報は、交渉において最も武器になるもの。相手のニーズがわかればこちらのカードも増えます。人は前に言ったことと矛盾する行動をとりにくいという「一貫性の法則」がありますので、「仮に」の話での発言は、心理的に人を拘束します。

交渉が膠着状態に入り、「これはなかなか動かなそうだな」と感じたら、自分の要求をひたすら通そうとするのではなく、相手に膠着している論点以外のことで本音を語ってもらう工夫をすることが大切です。

「仮に話法」は、その際のきっかけになってくれるかもしれません。

今回は、ここまでです。
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『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』
著者/谷原誠(弁護士) 記事一覧/メルマガ
人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などでもお馴染みの現役弁護士・谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。

「諭吉は商標登録OK、龍馬は商標登録NG」これってなんで? 知れば知るほど面白い知的財産権のコト

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)でも議題にのぼる「知的財産権」。一昨年の「東京五輪エンブレム問題」も記憶に新しいなか、昨今も、ピコ太郎の『PPAP』を発端とした商標出願問題や、任天堂とマリカー社による“マリオカート”を巡る争いなど、関連した様々な話題が取り上げられている。

 かつては企業や団体など、組織間における問題としてのイメージもあった知的財産権。しかし、ネットで自由に情報を発信できる現代においては、私たちの身近にも寄り添う問題だ。そんな知的財産権の問題を、様々な具体的事例を織り交ぜて伝えてくれる一冊が『楽しく学べる「知財」入門』(稲穂健市/講談社現代新書)である。

◆よく目にする「著作権」「商標権」などは知的財産権の一部

 導入として、ここで少し知的財産権を学んでみたい。その定義は「人間のち的な創造活動によって生み出された経済的な価値のある情報を、財産として保護するための権利」だというが、さらにそこから「著作権」「産業財産権」とその他の権利へと枝分かれしている。

 比較的、頻繁に目にする「著作権」とは、文章や音楽などの「著作物」を創作した場合に発生する権利を差す。特徴としては手続きをふむことなく「国に登録しなくとも自動的に権利が発生する」ものであるが、根本的なねらい「著作物を創作した者の努力に報いること」による文化の発展だ。

 その保護期間は、現在の日本の法律では著作者の死後50年間。創作物自体を財産として守る著作権のほかに、意図しない形での流用などで著作者が精神的に傷付けられないようにする「著作者人格権」や、アーティストなど、著作者に代わり創作物を広める役割を持つ人に認められる「著作隣接権」もある。

 一方、産業財産権とは、著作権とは異なり「国に登録することで権利が発生する」知的財産権の一種だ。

 例えば、昨今のピコ太郎にまつわる『PPAP』の商標出願問題などで話題になった「商標権」はそのひとつだ。現行の「商標法」によれば、権利が存続されるのは特許庁に登録された日から10年だというが、更新が可能なことから実質的には「半永久的な権利」となっているのが特徴。商品やサービスに付けられる名称やシンボルマークなど、いわゆる「営業標識」の使用上で認められる権利である。

 この他、技術的なアイデアを守る「特許権」や、物品の形や構造についての工夫を保護する「実用新案権」。物品の形や模様、色彩などのいわゆるデザインを保護する「意匠権」も産業財産権にあてはまる。

◆商標登録のミステリー「諭吉はセーフで、龍馬はアウト?」

 知的財産権とひとくちにいっても、その範囲が多岐にわたることはお分かりいただけただろう。その前提からここでひとつ、昨今取り上げられる機会の多い商標権にまつわる事例を本書から紹介していく。

 先ほどもふれたが、商標とは商品やサービスに付けられる名称やシンボルマークなどを表す。特許庁に出願して、審査を受けて「商標権者」として認められるまでが初めのひと区切りとなるが、じつは、様々なルールもあらかじめ設けられている。

 例えば、本書にあるのは「『他人の肖像』や『他人の氏名』などを含む商標は、原則、登録NG」であるというルールだ。加えて、「著名な芸名・筆名・雅号・略称」も禁止であるが、個々の事例によるものの、「『生きている人』に対してのみ適用されるものであり、『死んでしまった人』については適用されない」というのがおおむねの見解だという。

 これについて、歴史上の人物が議論されたケースもある。その一人が、福沢諭吉だ。現在は、その意思を継ぐ慶応義塾大学が「福沢諭吉」として登録商標を持っているが、当初はいったん歴史上の人物の氏名を独占するのは「社会公共の利益に反する」といった理由から拒絶された。しかし、福沢の子孫から承諾書を入手、意見書と共にようやく受理されたという。

 一方で、故人が認められなかった事例もある。高知県は過去に、坂本龍馬のゆかりの地として独自のイラストとその名前を商標として出願した。しかし、龍馬について「観光スポットが高知県以外に多数あること」「グッズ等が全国的に販売されていること」を理由に特許庁は拒絶理由通知を提出。その後、高知県は意見書を提出したものの、結果的に「坂本龍馬」の登録商標は“幻”となってしまったという。

 これらの事例について「『龍馬は全国的に大人気だから高知県が独占するのはダメ』ということらしい」と締める本書は、「福沢諭吉は龍馬ほど人気がないから登録商標OKだったということだろうか?」と疑問を投げかけている。

 ただ、個々の事例についての是非はさておき、数十もの事例から知的財産権を解説する本書は、さながら“ミステリー”のようにも楽しめる。人のアイデアが源になっている以上、明らかな正解がないのも事実。法律的な教養はもちろん、読み終えたときにきっと“事実は小説よりも奇なり”を体感しているはずえである。

妊婦のお腹にパンチ!「子どもの過失で流産」したら責任は誰が?

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先日、発言小町で、“子どもが妊婦のお腹をパンチした”件での書き込みが、2012年公開にも関わらず4年以上たったこのタイミングで再度ランキング入りするなど、にわかに注目を集めました。これに限らず、子どもに悪気はないものの、不注意で大事故につながってしまうことも考えられます。悪気のない“子どもの過失”は法的にどこまで問われるのでしょうか? 弁護士の筆者がお答えします。「悪気のない子どもの過失」は親が責任を負わなければならないのが原則

法律上、未成年者のうち、自分の行為がいいことか悪いことか判別する能力に乏しい子どもについては法的責任を負わない(責任能力がない)こととされています(民法712条)。そして、責任能力のない子どもの過失(不注意)によって他人に損害を与えてしまったときは、両親などの監督義務者が損害を賠償しなければなりません(民法714条)。なぜこのようなルールになっているかというと、“責任能力がなければ自分の行為が違法かどうかがわからないため本人には法的責任を負わせないこととしますが、他方、それでは被害者保護に欠けてしまうので、代わりに監督する義務を負っている人に損害を賠償させるべき”だと考えられているからです。

まさに、子どもには悪気がないがゆえに、監督する両親が代わりに損害を補てんしなさいという発想です。裁判例では、12歳くらいの子どもであれば責任能力があるとされていますが、発達の程度などによって判断が分かれています。「親が責任を負わなくてもよい場合」はかなり例外的民法714条では、監督義務者が子どもを適切に監督していたことを立証できれば損害賠償責任を負わないとされています。しかしながら、いままで両親が損害賠償責任を負わないとされた裁判例はきわめて少なく、「きちんとしつけをしていました」程度の立証では責任を免れることができません。

たとえば、両親と一緒にいないときにキャッチボールをしていた子どもが他人にボールをぶつけてけがを負わせたケースで、両親に損害賠償責任を認めた裁判例があります。冒頭のケースで流産した場合「両親が損害賠償責任」を負うことに一方で、両親の日頃の監督はある程度一般的にならざるを得ないため、通常は人に危険が及ぶものとは考えられない行為によってたまたま損害が生じたときは、特別の事情がない限り監督責任を負わないとした最高裁判例が最近出ましたが、冒頭のように、子ども(責任能力のない子)が妊婦のお腹をパンチしたようなケースにおいて、妊婦が流産してしまったなどの損害が発生したときには、両親が損害賠償責任を負うことになるでしょう。

ほかにも、子どもの不注意により他人に損害を与えるケースとしては、遊んでいて友達にけがをさせたり、自転車に乗っていて人にぶつかったりということが考えられます。日頃から子どもをしつけていても、子どもは夢中になると注意を忘れてしまうことがありますから、もしものときのために個人賠償責任保険に入っておくこともいいかもしれません。

【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。

知っておいて損はない「浮気と職業」の深い関係

浮気と職業は関係がある?
私は長年、“恋人・夫婦仲相談所”を主宰しておりますので、「浮気と職業には関係がありますか?」というご質問を、これから結婚をしようという未婚女性からよくいただきます。あるいは「若い女性の多い職場だから、夫が浮気をしないか、ちょっと心配」という妻の皆様、「最近、妻の仕事は帰りが遅いけどもしかして浮気?」と疑心暗鬼のだんな様方など、既婚者の方からも、仕事と浮気の関連性については、ご相談をいただきます。

もちろん、浮気をする・しないは最終的にはその人自身の気持ち次第です。しかし「浮気ができそうなシチュエーションになる」、「周囲に浮気をしている人が多い」など、「仕事の環境」も重要な要素といえます。そこで、その「仕事の環境」に大きな影響のある、「職業」と浮気について考えてみましょう。

浮気発生の4大要素
人が浮気に走る理由は様々ですが、大きく分けると以下の4つの要素が大きくかかわっていると考えられます。

・時間
・お金
・出会いの機会
・ストレス

これらの「浮気発生の4大要素」がそろっている職に就いている場合、パートナーが浮気に走ってしまう可能性が高いところといえます。では、この4要素に沿って浮気が多いといわれる職業を見てみましょう。

【時間】の自由度が高い職業
時間が自由、というのは浮気相手と一緒に過ごす機会が取りやすい、ということにつながります。平日の日中に空いている時間があったり休みが取りやすい場合は、「出張」と称して、不倫旅行などにも出かけやすい環境だといえます。該当する職業としてはいわゆる「士業」とよばれる、弁護士、税理士、会計士、社労士、建築士などが代表的です。個人事務所を持っている方などは、特に時間の自由度が高いでしょう。ミュージシャン、アーティスト、作家といったクリエーター系もこれに該当します。また、看護師さんでも、非常勤の方は比較的時間の自由度が高いといわれています。

【お金】の自由度が高い職業
自由になるお金がふんだんにある、というのは、遊びに使える資金がたくさんあるということ。「金の切れ目が縁の切れ目」ということばもありますように、お金持ちは放っておいても異性からちやほやされるものです。年収の高い職業といえば医師やベンチャー企業の社長、トレーダー、外資系金融マン、そして売れている芸能人。これらは「浮気の多い職業」ともいわれています(あくまでも噂の域ということで)。前述の弁護士なども、時間もお金も自由度が高い職業に分類することができます。

【出会いの機会】が多い職業
いくら年収が高くて時間に自由があっても、そもそも異性と出会うチャンスがなければ浮気はできません。多くの人と接する仕事は、魅力的な異性との出会いの可能性が高いとも言えます。営業職・販売職、あるいはホテルマン、美容師などのサービス業・接客業は、さまざまな異性との出会いが仕事の中であります。また、販売職の中でもアルバイトを多く使っている飲食店などの「店長」は、学生やフリーターなど時間の制約の少ない若い異性と出会うチャンスが多いポジションです。

そのほかには水商売も夜、お酒、パーソナルな接客というシチュエーションに、下心を持つお客様が多く、その手の誘惑は多いでしょう。また、意外に塾の講師・水泳など習い事のインストラクターというのも、多くの子供たちの母親と接する機会が多く、出会いの多い職業です。

【ストレス】が多い職業
浮気という非日常を求める行為に至る原因は、日常での不満や過剰なストレスからの逃避である場合が多いです。家庭の環境や日々の仕事に満足をしている人は敢えてリスクの高い浮気には手を出しません。ストレスの多い職場といえば介護系の仕事が、その代表格です。また、教師、公務員など「堅い仕事」も、閉鎖的・硬直的な環境で、働く人のストレスが高いですから、浮気への願望も多いかもしれません。教師は若い異性との出会いが多い職業でもありますね。優良会社だけれどたまたま上司が嫌な奴という場合もあります。それも充分ストレスになります。

浮気を生む種は身近なところに
もちろん、職業によって浮気をするかしないかが決まるのではなく、最後はその人自身の判断です。浮気によって現在の自分の持っている家庭や社会的地位などを失うリスクがあると理解しているのか、「ちょっとぐらい大丈夫、ばれやしない」とリスクを理解していないのか。あるいは理解していても、それらを失っても構わないと思っているかどうかが実際に浮気に踏み出すかどうかのポイントになることは言うまでもありません。

浮気しやすい職種と言われている男性の意見を聞くに「絶対にばれない」と根拠が無い自信がある人が多数というイメージを持ちました。また「バレた時のゴタゴタより、その時の魅惑的な雰囲気に飲まれた」という弱い気持ちも見えました。パートナーがそのような感情を抱くのかどうかは、日々の夫婦関係の積みかさねの結果を、正直に反映しているのです。浮気を生む小さな種は、実は日々の生活の中に存在しています。

パートナーが浮気をしているのでは? と心配な方は、まず、パートナーが「今の家庭を失いたくない」と思っているかどうか、そんな家庭が築けているかどうかを振り返ってみることです。パートナーが「家庭を失ってもいい、現在の生活を捨ててでも浮気相手に向く」と思っている場合、それはパートナー一人の問題ではありません。浮気の原因は両者にあると考えてください。浮気にも段階があります。火遊びか、離婚を前提の本気愛か、その段階の見極めを冷静に行いましょう。「浮気しやすい仕事だから転職して」など決して言ってはいけません。まずは足元を固めるように。

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