ひざの痛みに安静は逆効果?

しばらく前から痛みはないものの、ひざがカクカクするようになった。整形外科でレントゲンを撮ったところ、ひざの軟骨のすり減りがはじまっていることが判明した。医師からはまめに電気治療に通うといいと言われ、しばらく通院してみたが、特別によくなっているという実感はなし。

で、今は、とりあえず軟骨維持のためにサプリメントのグルコサミンを飲みはじめているのだが……。

サプリメントはひざ痛に効くのか?

巷には“ひざの痛みが治る”と謳ったサプリメントの広告がいっぱい。あれやこれや試している人はとても多いだろう。しかし、本当にそれらは効くのだろか?

『ひざの痛みをしっかり治すコツがわかる本』(黒澤尚・監修/学研プラス・刊)では、医学博士の黒澤先生がこの問いに答えている。

グルコサミンは糖にアミノ酸が結びついた単糖類の一種で、コンドロイチンの構成成分にもなります。コンドロイチンは多糖類で、たんぱく質などと結びついて軟骨や皮膚などに存在しています。アメリカなどの研究では、どちらも初期や中期の変形性ひざ関節症の痛みをやわやげる効果があるとの報告があります。これらの成分が有効なのは、吸収されてすり減った軟骨を補修するからというよりも、炎症を抑えて痛みを軽減するからと考えられています。

(『ひざの痛みをしっかり治すコツがわかる本』から引用)

しかし、グルコサミンも重症の場合は効果は期待できないというし、またコンドロイチン硫酸はグルコサミンより効果が出るのに時間がかかり、有効ではないとする研究結果もあるそうだ。また、コラーゲンや飲むヒアルロン酸については、残念ながら医学的な効果は認められていないという。

つまりサプリメントには頼りすぎず、本来の治療や運動をすべき、ということになる。

中高年に急増しているロコモ症候群

骨、筋肉、関節、神経などの"運動器”の障害のことをロコモティブシンドローム(ロコモ)と呼ぶそうだ。40歳を過ぎる頃から運動器は衰え始め、それがどんどん進行すると、自立した生活ができにくくなったり、要介護や要支援のリスクが高くなった状態がロコモだ。

運動器の機能低下はいつの間にか進行していく。つまずきやすくなった、階段を上るときに手すりにつまかるようになるのは、脚を持ち上げる筋力や、バランス能力の衰えのサインだという。


日常生活を無理なく送るためには、片脚で体重の約60%を持ち上げるだけの筋力が必要だといわれています。また、いすから立ち上がる、階段を上るなど、自分の体を持ち上げる動作をするためには、体幹や脚の筋力が必要です。

(『ひざの痛みをしっかり治すコツがわかる本』から引用)

本書では、足腰の筋力とバカンス力をアップするために、自宅の椅子を使って簡単にできる体操、昔ながらの竹踏み体操などをイラスト解説付きで紹介している。毎日コツコツ続けることで、ロコモは予防できるというから、運動器の衰えの自覚症状がではじめたら、すぐにでも始めたい。

ひざの痛みに安静は逆効果?

本書によれば、現在、日本では2500万人を超える人々が変形性ひざ関節症を抱えているそうだ。多くの病院では、電気、注射、飲み薬で対応するのがほとんど。が、そのような治療を継続しても、状態は徐々に進行し、加齢とともに弱体化していってしまうという。

本書の著者、黒澤先生はこの問題を解決すべく、1980年代から”自宅で決まったやり方で穏やかに脚を動かす「運動療法」を開発、実践。その効果は確かなもので、著者によると現在では国際的にも、運動療法は変形性ひざ関節症の人がまず最初に行うべき、効果ある方法とされているそうだ。


ひざ痛の最も効果的な治療は「動かすこと」です。(中略)安静にしすぎるのは逆効果。また、痛み止めや注射は根本的な治療にはなりません。(中略)「自分で治す」という意識で自己治療に取り組む人は、早く治ります。

(『ひざの痛みをしっかり治すコツがわかる本』から引用)

脚上げ体操、横上げ体操、ボール体操という3種の筋肉体操、お風呂の湯船の中でのストレッチング、風呂上りのマッサージ、そしてウォーキングなど。この本ではイラストで正しいやり方を詳しく紹介している。これらは、今ある痛みをなくし、健康な状態に戻すための治療の体操なのだ。

本書によると、ひざが痛いからといって、安静にして動かさないでいると、ますます痛みは悪化し、やがて寝たきり、さらには認知症という悪循環をたどるそうなので注意したい。

関節軟骨は動かすと元気になる!


関節軟骨に含まれるプロテオグリカンは、関節の表面を覆うヌルヌルとした粘り気のある液体状のものに含まれています。この物質は、関節に力がかかるとしみ出します。

ひざだけでなく体中の関節で、力がかかるたびに関節軟骨からしみ出し、力が抜けるたびにしみ込みます。こうすることで、関節の潤滑剤となると同時に、関節液から関節軟骨に栄養や酸素を届けます。つまり、関節軟骨の健康のためには、関節に力をかけて動かすことが重要なのです。

(『ひざの痛みをしっかり治すコツがわかる本』から引用)

黒澤先生によると、関節が痛いからと、かばって動かさないでいると、最終的には軟骨は溶けて関節の骨同士がくっついて、動かなくなってしまうそうだ。

ひざの健康のためには、歩くことがなにより大切。私も軟骨がすり減ってきた今こそ、体を鍛えなければ!

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