SNS画像はニュース報道に使っていいの? 法律の視点から弁護士がズバリ解説

レイ法律事務所、弁護士の河西邦剛です。

刑事事件の被疑者が逮捕されると、かつては卒業アルバムの写真がテレビ報道されることが少なくありませんでした。

しかし最近は、被疑者のFacebookやTwitterに使用されているアイコン写真が使用されることが増えています。

SNS上のアイコン写真等を逮捕報道等の際に使用することは、著作権法との関係においては「基本的に適法」と言えます。

■SNS画像の報道利用は適法

著作権法との関係においては、「引用」または「報道目的利用」と言える場合には適法に写真を使用することができます。

まず、著作権法32条は「引用に該当すれば著作権侵害にならない」旨規定しています。引用といえるためには、

(1)公表されている著作物であること

(2)引用する側の著作物と引用される側の著作物が明瞭に区別できること

(3)前者が主たる内容になっており、後者が従たる内容になっていること

が必要です。

また、出所を明示する慣行がある場合には、出所表示義務が生じます。最近では、「Facebookより」と顔写真に併記されることもありますが、「まだ出所を明示する慣行がある」とまでは言えないでしょう。

さて、Facebook上で公開されていれば、公表されていることは明らかですし、また、顔写真部分は視聴者の誰が見ても一目して判別できるので、明確に区別できるといえるでしょう。

そして、通常想定されないようなよっぽど被疑者の顔写真のみを強調した報道のされ方等でない限り、「報道が主で写真が従」ということができます。

よって、著作権法上の引用と言え、適法に報道することができます。

■知る権利を守る『報道目的利用』

また、報道目的利用と言えれば、著作権法上は適法にアイコン写真等を使用することができます。著作権法41条の規定する報道目的利用とは、「国民の知る権利を保護する目的」で規定されているもの。

事件を構成する著作物や、事件の過程で見たり聞いたりされる著作物の利用は著作権侵害とはならない旨の規定です。

例えば、著名な彫刻の破損事件があった場合に、「その彫刻を映してテレビ放送すること」が事件を構成する著作物の利用となり、甲子園の開会式の放送時に「入場曲として音楽が入り込む場合」が事件の過程で聞かれる著作物の利用となります。

■著作権法32条・41条から見て適法

さて、Facebookに掲載されている被疑者の顔写真そのものは、厳密にいうと事件を構成する著作物とは言えず、また事件の過程で見られる著作物とも言えないでしょう。

もっとも「事件と相当の関連性があれば報道目的利用を認める」という見解もあり、その場合には顔写真の使用は著作権法との関係においては適法と言えます。

このように、ニュース報道の際に被疑者のアイコン写真等が使用されることは、「著作権法との関係では原則適法」と言えるのです。

■何が「報道」にあたるか

なお、報道目的利用を認める著作権法41条には「写真、映画、放送その他の方法によって」と規定されていますが、インターネット上のウェブサイトも放送に類する手段として「その他の方法」に含まれると十分言えるでしょう。

また、近年増加傾向にあるユーチューバー等の個人レベルによるインターネット上の報道についても、知る権利に資するという観点から「その他の方法」に含まれると考えられます。

(文/レイ法律事務所・河西邦剛弁護士)

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