幸せ呼ぶ猫神の呟き 軽い気持ちや正義感が犯罪に 侮辱罪・名誉毀損になりうるネット投稿に弁護士が警鐘

軽い気持ちや正義感が犯罪に 侮辱罪・名誉毀損になりうるネット投稿に弁護士が警鐘

レイ法律事務所・弁護士の松田有加です。

先日、「西田敏行さんが違法薬物を使用した」という嘘の書き込みをブログ上で発信したとして、男女3人が偽計業務妨害罪の容疑で書類送検されたことがニュースになっていました。

■芸能人の噂を流したら罪になることも
西田さんの所属事務所は、「書き込みした人物を特定し、業務妨害及び名誉毀損を理由として、刑事、民事の責任追及を現在進めているところです」と告知を掲載していたようです。

最近はインターネット上の書き込みであっても、酷いものについては厳正に対処するというスタンスを採る芸能事務所が増えている印象があります。

芸能人である以上、ある程度の評価の対象になることはありますが、「芸能人だから何を言っても大丈夫」ということは決してないのです。

■どういう罪になる?
たとえば、「死ねばいいのに」や「クズ」など、人の名誉を侵害する暴言は、侮辱罪に該当する可能性があります。

実際に、刑事事件でないですが、過去には「DQN」という表現が侮辱表現であると認められた裁判例もあります。

ネット用語でいうと、「メンヘラ」「BBA」などの言葉も侮辱表現とされる可能性があるでしょう。また、西田さんが被害を受けたケースのように、「薬をやっている」という具体的なことまで書き込めば名誉棄損罪に該当する可能性があります。

■名誉毀損罪と侮辱罪の違いとは
ちなみに、名誉棄損罪と侮辱罪は、どちらも人の社会的評価を低下させた場合に成立する犯罪なので、よく混同されます。

「社会的評価を低下させる具体的な事実を書き込んだ場合」には名誉毀損罪が成立し、具体的な事実を書き込まずに「社会的評価を低下させる暴言などを書き込んだ場合」には侮辱罪が成立する、という違いがあります。

また、名誉毀損・侮辱的な書き込みによって、業務が妨害される可能性がある場合には、業務妨害罪が成立することもあります。

さらには、「電凸」と称して何度も電話を掛けたり、メール送付を繰り返したりする行為も、業務妨害罪に該当しうる行為です。

■書き込みは特定される?
インターネット上の名前は、本名以外のニックネームを用いることが多いので、匿名であるようにみえます。

しかし、それはネット上での表示であって、実際には、書き込んだ人の情報というのは、各サイト管理者が保管しており、弁護士が裁判手続きを踏めば、書き込んだ人の情報の開示を求めることができます。

そうして、その人に対し損害賠償請求をしたり、刑事告訴をして刑事的な処罰を求めたりすることもできるのです。

■軽い気持ちや正義感も犯罪になりうる
軽い気持ちで書き込む前に人を傷つける嘘の事実を書き込んだり、人を攻撃する書き込みを繰り返したりする行為は、れっきとした犯罪になります。

おそらくそういった書き込みをしている人の中には、面白おかしく書き込んでいる人もいるでしょう。ときに「正義感」や義憤にかられて投稿が行われる場合も。

しかし、軽い気持ちで書き込みを続け、感覚が麻痺してしまうと、犯罪者になってしまうこともあるのです。

■ネット拡散という恐ろしさ
インターネットは、情報の発信力が極めて高く、一度発信してしまった情報は次々に拡散されてしまいますので、後になってそのすべてを消し去ることは困難です。

インターネットで他人の情報を発信したり、他人の評価をしたりする前に、是非自分の書き込みの影響力の高さを十分に考えてみてください。

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