意外と知らない、身体のための“正しい入浴方法”

 世界的にみても、日本人ほどお風呂が好きな国民はいないそうだ。生まれてすぐには「産湯」へ入り、毎日のように入浴を欠かさない。80歳まで生きるとすれば、入浴回数はじつに3万回、時間にすると1万時間にも及ぶという。

 しかし、お風呂の入り方は誰かに学ぶものではない。学校で教えてくれるわけではないし、誰かに「お風呂はこう入るんだよ」と教えられた記憶もないだろう。そんなことを考えていたところ『入浴検定 公式テキスト~正しいお風呂の入り方』(早坂信哉、古谷暢基/日本入浴協会)という、一冊の本が目に留まった。

 入浴検定という言葉も初めて知ったのだが、本書では、今日からでも実行できるさまざまな入浴方法を知ることができる。

 例えば、お風呂の主な目的はやはり疲労回復だ。汗水垂らして働いてから、ビールを飲む前に「ひとっ風呂浴びる」なんていうのは、その言葉だけ聞いても幸せを感じずにいられないほどである。

 では、私たちの身体にとって効果的な入浴方法とは何か。シャワーだけで済ませてしまう人たちもいるだろうが、本書はやはり「湯船に浸かる」ことが第一だと挙げる。ここで決め手となるのは「お湯の温度」「お湯の水位」「お湯に浸かる時間」の3点だという。

 お湯の温度はゆっくりと浸かっていられるよう、40度前後が望ましい。年齢が高かったり、体力がなかったりする人にとっても身体へ負担をかける危険性のない温度だそうだ。また、水位は肩までお湯に浸かる程度が目安。いわゆる“全身浴”であるが、これによりお湯の圧力で血流を整えるなどのマッサージに似た効果が得られるという。

 そして、ちょうどいい温度や水位のお風呂を準備できたら、10~15分間を目安に入浴する。これは、お風呂の持つもう一つの効果「温熱作用」をもたらすための時間である。

 人間には皮膚の表面から分かる体温のほか、内臓などの体内における「深部体温」と呼ばれるものがある。この正常値の37度を保つことで、基礎代謝がはかどり健康も維持できるそうだ。一日中、動き回る人たちにとってこれを調整する役割を持つのがお風呂であり、そのためにはやはり湯船へ浸かるのがベスト。深部体温が約1度上昇するのをめざし、目安として、顔や額が汗ばんでくるまでじっくりと入浴しよう。

 これらに加えて、入浴剤などを使えばさらなるリラックス効果も期待できる。また入浴後は、タオルで全身の水分をすばやく拭き取り、せっかく上がった体温が冷めないうちに布団や毛布にくるまって安静を保つのもポイントだ。

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