幸せ呼ぶ猫神の呟き 歯のインプラント治療、ここに注意を!

歯のインプラント治療、ここに注意を!

インプラント(人工歯根)が夢の治療法のように宣伝されている。そんな中、国民生活センターでは、歯科インプラント治療のトラブル増加に警鐘を鳴らし始めた。治療を受ける際の注意点を東京医科歯科大学大学院の春日井昇平教授(インプラント・口腔再生医学)に聞く。

 ■歯科医選びが重要

 歯科インプラントとは、歯が抜けた部分に人工歯根(チタン製)を埋め込み人工の歯を作る治療法のこと。

 春日井教授は開口一番、「インプラントの歯科医選びは、結婚相手よりも慎重に選ぶべき」と忠告する。というのも、結婚はやり直しが利くが、インプラントは『失敗するとやり直しが困難』という大きな欠点があるからだ。

 しかも費用は保険適用外で、1本当たりの相場が30万円台後半から40万円台とセレブな価格帯。安易に受けて失敗したとなったら泣くに泣けない。

 ■派手・自慢に要注意

 全国の消費生活センターに寄せられた身体的トラブルの事例は、継続する歯や口腔の痛み・腫れ、インプラント体の破損などさまざま。国民生活センターは「治療水準に差がある恐れがある」と指摘している。

 春日井教授も「技術・知識・倫理性が低い歯科医が少数存在する。派手に宣伝している施設は要注意。そもそも腕のいい歯科医は自慢しない」と話す。

 インプラント治療では、歯科医の高度な技術力は当然必要。だが、受ける患者がインプラントに適さない場合がある。そこを的確に診断・鑑別するのも歯科医の技量だ。

 「糖尿病や高血圧などの持病をもつ人。抗血液凝固剤やステロイド、骨粗鬆(こつそしょう)症の薬などを常用している人では、インプラントが勧められない場合が出てきます」

 ■治療後は周囲炎対策

 失敗しないインプラント治療の条件は「歯科医師の腕」と「患者の体の状態」。そして、もうひとつ重要になってくるのが「治療後のケア」だ。

 「治療が終了しても、必ず半年に1回ぐらい定期的にメンテナンスが必要。それに細菌感染に弱くなるので、毎日歯磨きでケアしないと成功してもダメになっていく」

 治療後、最も要注意なのが“インプラント周囲炎”。インプラントの歯を失うほとんどが、この病気が原因になるという。

 もちろん、いい状態を保つことができれば40年ももつ場合があり、入れ歯やブリッジと異なり他の歯に負担をかけない。長期的には歯が多く残る。高額だけあって、成功すればメリットの多い治療法であることは間違いない。

 春日井教授は「患者によっては必ずしもベストな治療法でないことを忘れずに。インプラントは『両刃の剣』なのです」と話している。

 ■歯科医を見極める10のNGポイント

□いきなりインプラント治療を勧める
□インプラント埋入本数あるいは症例数を自慢する
□主訴、既往歴、現病歴に関する質問を十分にしない
□現在医科で治療を受けているにも関わらず、その担当医に問い合わせをしない
□自分の症例を含め全てにおいて、CT検査をおこなっていない
□費用と治療期間の説明がない
□治療の利点ばかりで欠点と危険性の説明をしない
□承諾書を作成しない
□セカンドオピニオンを受けることを容認してくれない
□施設内が清潔でない

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