幸せ呼ぶ猫神の呟き 肺にカビ侵入し"クモの巣"も夏型敏性肺炎にも要注意! 梅雨時に厄介なカビの危険度(2)
                 


肺にカビ侵入し"クモの巣"も夏型敏性肺炎にも要注意! 梅雨時に厄介なカビの危険度(2)

しかし、自他ともに「カビ博士」と認める千葉大学真菌医学研究センターの宮治誠教授は、自著『カビ博士奮闘記 私、カビの味方です』(講談社)の中で、こう述べている。 「水虫ならまだましな方で、ときには内臓や脳など、身体の奥深くにまでカビが入り込んでしまうことだってあります」

 放っておけば、体内がカビだらけの人が出るということ。加えて同教授は、こうも警鐘を鳴らしている。 「カビは命に関わる場合も少なくない。あまり知られてはいないのですが、体の中で繁殖するカビの病気は、日本の医療現場で、今、非常に深刻な問題になっているのです。カビが体内に侵入する経路は、口から気管、そして肺へというパターンです。問題なのは、病原性が強い細菌も同じ経路をたどって侵入することです。そのため体力が落ちた病弱な人は、さしずめ細菌性の肺炎に侵されている。命取りになるケースもあるのです」

 過去に結核や気管支拡張症などを患い、肺に空洞ができていると、そこにカビの胞子が入り込んで繁殖する。揚げ句、患部は菌球と呼ばれる塊でびっしりと埋め尽くされてしまうのだ。これを取り除くには、当然カビを殺さなければならないが、薬を投与しても成分が浸透しないため、結局は重症化して最悪の事態を招く可能性さえある。

 宮治教授は、他にも体の中(肺)に“クモの巣”ができる、と話す。
 「肺の中に入り込んだ菌糸は、まるでクモの巣のように急速に広がるところからこの表現になったが、短期間のうちに患者が亡くなることもあるので怖い病気。腎移植の患者にも同じような現象が見られるので注意が必要です」とはいえ、もともと人の体内には、白血球の一種が病原体を運ぶ胞子の処理をする“防御システム”が備わっており、健康である限りは、胞子を吸い込んでも過剰な心配は不要とも言える。

 ここまで散々カビを悪者扱いにしてきたが、我々はさまざまな場面でカビの恩恵を受けていることも忘れてはならない。生活圏を見渡せば、アルコールの発酵に欠かせない酵母菌や、パンの製造に欠かせないイースト菌もカビと無関係ではない。また、食卓に欠かせない醤油や味噌、納豆や漬物も、コウジカビなどの働きによって美味しく食べることができる。しかし、一方で有害なカビによって健康を阻害することもあり、知識と対策はしっかりと入手しておくべきだ。

 「家庭内でカビが生えやすい場所は、風呂場、洗面所、トイレなどの水回り。換気が悪く、湿度が高くなりやすい下駄箱や、クローゼットの中、家具や家電製品の裏側などにも潜んでいます。気密性の高い近年の住宅は、外気との温度差が大きくなり、湿気の原因となる結露が発生しやすい。基本的には除湿に努め、風通しのよい生活環境を作ることです」(専門家)そして、前述のように、ある一定の場所にいると発生するような咳には要注意。原因をはっきりさせるためにも、まずは医師の診断を仰ぐべきだ。

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