【レポート】結婚指輪は右手につけるのがドイツ式! - ドイツで暮らす日本×台湾カップル

アジアにある母国を離れ、欧米で暮らす人たちにとって、国は違っても面立ちの似た東洋人というのは親しみを感じるものなのでしょう。日本人の小西康介さんと台湾人の王(ワン)馨(シン)梓(ズ)さんはドイツのフランクフルトで出会い、小西さんは仕事を、王さんは留学生として勉強をしながら交際を深めて結婚。ドイツで暮らすことを決めました。

■お二人のなれそめを教えてください。

出会ったのはフランクフルトです。私(夫)は就職をしていて、妻は留学中でした。友人同士の集まりがきっかけでした。私はずっとフランクフルトですが、妻は留学先の大学を卒業後、まずボンで、次いでハンブルグで働くことになったので、遠距離で交際していました。週末には極力時間をつくり、彼女に会いに行きましたね。

ここ数年でドイツ国内では、都市間高速バスが発展しましたが、当時はまだなく、mitfahrgelegenheit(ミットファーラーゲレーゲンハイト)と呼ばれる「相乗り」システムをよく利用しました。アジアや欧米の他国ではヒッチハイクも危険なところが多いですが、これは事前に申し込んで待ち合わせるため、予定通りに移動することができます。

時間にうるさいドイツ人だから成り立つシステムかもしれません。3~4年間毎月2~3回利用していましたが、ドタキャンされたことは一回だけです。女性がツーシーターの車に乗せてくれたこともあって、治安が良いのと女性も強い国民性ならではだなと思います。もちろん相乗りなので、価格も列車より割安で助かりました。

■結婚して何年目ですか? どんな結婚式を挙げましたか?

今、結婚4年目です。お互いにジミ婚希望で特に式らしい式も挙げていません。ただ、結婚後台湾へ帰国した際に、何もしないのはいけないと親戚のおじさんの呼びかけにより、台湾の親族一同と会食をしたくらいです。妻の国、台湾の結婚式は結納、挙式、披露宴があり、最近はあまり日本と変わりません。大きく違うのは、披露宴に参加する人たちは必ず「紅包」といって赤い紙にお金を包んできます。

一番大変だったのはむしろ結婚届です。日本から取り寄せた戸籍謄本を台湾へもっていって台湾で入籍登録を行い、台湾で結婚証明書というのを発行してもらってからドイツの役所と日本の役所へ提出しました。日本語から中国語、中国語からドイツ語と日本語に翻訳が必要で、書類準備は面倒でしたね。それから、ドイツでは結婚指輪は右手薬指にします。私たちも右手にしているので、たまに日本やその他の国の知人から、「なぜ左手じゃないの?」と尋ねられますが、ドイツに住んでいるので郷に入れば郷に従えということで。

■さしつかえなければ、世帯年収はどれくらいですか?

昨年、11月に2人めの娘が生まれたばかりで、妻は仕事に復帰していません。夫の収入のみでなんとか暮らしています。世帯収入としてはドイツでは中の下くらいでしょうか。

それでも日本と台湾のおじいちゃん、おばあちゃんに孫の顔を見せなくてはいけませんので、最低でも年に一回はそれぞれの母国に里帰りをするようにしています。台湾の旧正月時期(通常2月が多い)は、皆さん、かなり奮発して赤い袋のお年玉を子供たちに渡すのが習わし。私たちは家計の都合で、この時期ばかりは台湾に帰れません。

■家計はどちらが管理していますか? うまくやりくりするコツは?

今のところは、夫が管理していますね。特にうまくやりくりできているわけではありませんが、必要な生活費の引き落としはなるべく一つの口座にまとめて毎月の使用額を分かりやすくしています。また大きな買い物は互いに相談してから決めます。ドイツ人ほど細かくあれこれ議論はしませんが(笑)。

■どんな家に住んでいますか?

5世帯入りアパートに住んでいます。長女(現在3歳)が生まれたのをきっかけに周りに幼稚園、小中学校があり通園、通学に便利のいいところへ引っ越しました。子供は二人くらいかなという互いの意見もあり、1LDK+3部屋を選びました。子供に家庭菜園などを見せてあげたかったので地上階の部屋です。

■家事はどのように分担していますか?

現在の家に引っ越す前は、部屋の掃除は夫、洗濯は妻、料理は交互にと分担していましたが、最近は夫の仕事も忙しく、家事もさぼりがちで部屋の掃除、洗濯も妻に任せっぱなしです。料理も最近は子供の就寝時間が早いために妻が作ることが多くなりました。その代わりではないですが、週末の庭の芝刈りや家庭菜園は、夫の仕事になっています。

昨年の11月に次女が誕生しましたが、台湾や中国には「坐月子(ズオユエズ)」という風習があります。これは、基本的には産後1カ月間のお母さんが体力回復のために行うものです。たとえば、冷たいもの(ヨーグルト、アイスクリームなど)は口にしない、滋養強壮にいいもの(麻油鶏など、ごま油と酒で煮込んだ鶏肉など)を作って食べるといったことをします。人によっては1カ月頭を洗わないこともあります。これはたぶん、ドライヤーがなかった昔、入浴すると風邪をひきやすかったからでしょう。

この1カ月間は外出も控えるので、生後2~3日くらいの子を抱いて平気で散歩をしているドイツの状況は、台湾的にはありえないようです。華僑の方が多いアメリカなどでは、1カ月間、ズオユエズセンターという施設に入ることもあるそうですが、ドイツにはないので妻の母が来てくれました。

■ちなみに、昨日の晩ご飯は?

台湾風な家庭料理です。特に手の込んだものはなかなか互いにできませんが、やはりドイツ料理よりもアジアの食事が落ち着きます。この日は、炒十錦(チャオスーチン/野菜炒め)、?鶏腿(カオチートイ/鶏もも肉の炙り)、炒波菜(チャオポーツァイ/ほうれん草の炒め物)でした。

■お互いの好きなところは?

夫: 細かなことをくよくよ考えないところ。気風が良くて男前なところが魅力です。

妻: 無駄遣いをせず堅実なところでしょうか。娘のものとなる財布も緩みがちですが……

■逆に嫌いなところは?

夫: 嫌いというほどでもありませんが、スマホのゲーム等に没頭している時間が多くなったこと。妻いわく、育児のストレス発散らしいです。

妻: ちょっと優柔不断なところ。私が背中を押すこともしばしばです。

■結婚生活が長続きする三カ条を教えてください。

1.互いに相手を思いやれるよう気持ちの余裕を大事にすること。

2.意見の相違にも3つに1つは自分が折れる。

3.週末はなるべく家族で出かける。

■将来の家族の夢は?

いつも笑っていられる楽しい家族でいたいですね。それと家族皆が健康であればそれで満足です。お互いの母国でないドイツで過ごすということは、子育てなどでおじいさん、おばあさんなど近くにいなくて大変なときもありますが、逆にお互い家族、親戚に気を使うこともなく気楽にすごせます。必要なときはいつでもスカイプなど最近は便利になりましたので、家族とのやり取りには困りません。

将来子供がどこの国籍を取るかは気になりますが、それは子供たちに任せます。そのためにも、長女が生まれるまでは、夫は日本語で妻に話しかけ、妻は中国語で答えるといったふうに適当だったのを、長女が生まれてからは家の中では夫は日本語、妻は中国語で話すことにしました。

娘は幼稚園でも、ひとりで遊んでいるときもドイツ語です。外国語なまりのドイツ語を覚えては困るので、親は家のなかでは母国語だけにしています。

身近な夢としては、娘たちが少し大きくなったら夏休みにみんなで海水浴に行ければと思います。あとは娘たちがすくすくと元気に育ってくれれば十分です。

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