職場でノンアルビール、弁護士は「法的に問題あり」と指摘 「周囲の勤労意欲を阻害し、業務効率が落ちる可能性」

キャリコネニュースでは先日、「就業期間中にノンアルコールビールはダメ?出勤停止になった30代女性に批判殺到」という記事を配信した。会社の休憩時間中、自席でノンアルコールビールを飲んでいたところを上司に注意され、1時間の話合いの末、翌日の出勤停止を命じられたというエピソードだ。

寄せられた反響は「休憩時間中ならいいのでは」「いくらノンアルでもTPOに反する」など意見が割れていた。この問題、法的にはセーフなのかアウトなのか。弁護士に聞いたところ、「多くの企業では法的に問題があります」との反応が返ってきた。
「ノンアルコールビールは享楽にふけるための飲み物」

休憩時間中の社内でノンアルコールビールを飲む行為のどこが問題なのだろうか。

休憩時間は労基法34条3項で、「使用者は、休憩時間を自由に利用させねばならない」と定められているように、労働者の自由が認められている時間だ。であれば、休憩を兼ねて飲んでも構わないのでは?と思わなくもない。

しかし、労働問題に詳しいアディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士(東京弁護士会所属)は「一切の制約を加えることが禁止されているわけではなく、労働時間の途中という点から、使用者の施設に対する管理、企業の秩序を維持するために必要最小限の制約は加えられ」るという。

「ノンアルコールビールは、宴会の席で振る舞われ、享楽にふけるための飲み物といえます。とすれば、周囲が仕事をしている中でノンアルコールビールを飲むことは、いくらアルコールではないとはいえ、仕事に悪影響を与えます」

多くの企業の就業規則では、懲戒事由を「素行不良で社内の秩序及び風紀を乱し、又はそのおそれのあったとき」としている。休憩時間内に社内でノンアルコールビールを飲むことは「周囲の勤労意欲を阻害し、業務効率が落ちる可能性」があることから、懲戒事由に値する可能性が高いとの見解を示した。

やはり、「飲んでる気分」の人が職場にいることがだめのようだ。
出勤停止処分は「懲戒権の濫用として無効になる可能性」
懲戒の種類は軽い順に、戒告、減給、出勤停止、降格、論旨解雇、懲戒解雇がある。職場でノンアルコールビールを飲むことが問題だとして、出勤停止という処分は妥当なのだろうか。

岩沙弁護士は「懲戒事由をするとしても、最も軽い戒告処分が適切で、出勤停止処分は重すぎます」と言う。

「今回の件では、飲み物がノンアルコールのため、アルコールの場合と比べ、『社内の秩序及び風紀を乱し、又はそのおそれ』は低いと言えます。部下が『ノンアルコールビールです。本物ではありません。間違えちゃいました?』と答えたのは、部下と上司の関係、状況にもよりますが、少し軽率な発言とは言え、回答そのものが反抗的とは断定できません」

また、その後1時間ほど言い合いになったことについては「内容によりますが、1時間は長い」と言い切る。「出勤停止処分は、懲戒権の濫用として無効となると考えられます」。

そもそも「社内でノンアルコールビールを飲むことが認められていれば問題ない」というが、就業規則で明記しているところはまず無いだろうし、認められているかどうか社内で確かめるのも憚られる。会社にいる間は、例えノンアルコールビールでも我慢するほうが無難のようだ。

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