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国民も震撼 同志を強制捜査で葬る“卑劣な安倍恐怖政権”の手口

 疑獄まみれの国会が無理やり閉じられた翌日、口先謝罪で汚名返上を狙った安倍首相の記者会見が終わるのを待ち構えていたかのような強制捜査である。19日夜、ついに森友学園問題が刑事事件化した。午後7時20分ごろ、大阪地検特捜部の捜査員が森友系列の幼稚園へ家宅捜索に入り、その後、籠池泰典前理事長(64)の自宅にも捜索に入った。容疑は、国の補助金を不正受給したとする補助金適正化法違反と大阪府の補助金をダマし取ったとする詐欺で、いずれも告発と告訴をされている。

「安倍首相、もうお父さんをいじめないで」

 籠池氏の妻・諄子氏が捜索中に窓から顔を出し、集まったメディアに向かってこう叫ぶ一幕があったが、特捜部は籠池氏の立件を視野に入れている。今年3月、「首相を侮辱した」という驚くべき理由で証人喚問が決まった時から「籠池氏は逮捕されるんじゃないか」と言われていた。本当にその通りの展開になってきた。

 安倍強権政権が、国家権力を使って疑惑を封じるという実力行使に打って出たのである。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(政治学)がこう言う。

「ちょうどNHKの午後7時のニュースで安倍首相の会見映像を流している時に、『森友学園に強制捜査』という速報が字幕で入りました。その直前に安倍首相の『国会を政策論争にしたかったが、そうならなかった』という発言があり、まるで、『その理由がコイツ(籠池前理事長)だ!』と言わんばかりでした。計ったかのような絶妙なタイミング。偶然が重なっただけかもしれませんが、森友問題は政治マターですから、強制捜査のタイミングも政治が絡むのは想像に難くありません」

■これは「人の道」の問題

 補助金詐欺というが、今後、籠池氏ひとりが血祭りに上げられることになるのか。それは誰がどう考えてもおかしい。そもそも森友問題の本丸は、森友学園が開設を予定していた小学校の許認可と土地取得に絡む疑惑だ。国有地が8億円も値引きされ、不当な安値で払い下げられていたことである。関係者である財務省や国交省、大阪府の捜査も必要だ。

 そして、最も取り調べが必要なのは、安倍首相夫妻だろう。籠池氏が役所から“便宜”を得られた発端は、「安倍晋三記念小学校」という当初の名称や昭恵夫人が小学校の名誉校長に就いていたことが背景にあるのは間違いない。籠池氏が「想定外の値下げにびっくりした」と、夫人の強い影響力によって財務省との交渉が進展したことを明らかにしているのだ。

 夫人付ノンキャリ職員が財務省のキャリア官僚とやりとりしていたことといい、霞が関の常識ではあり得ない特別扱いが横行していた。役所は昭恵夫人の先に首相の存在を見ていたのであり、「森友イコール安倍案件」だったのである。森友問題とは安倍夫妻による「行政の私物化」の問題だ。安倍夫妻は籠池氏と“共犯関係”にあるとみられてもおかしくない。

 政治評論家の森田実氏がこう言う。

「森友学園を強制捜査するなら、財務省や安倍夫妻の自宅も捜索しなければおかしいですよ。この問題は安倍夫妻の意向があってこそ起きた。安倍夫妻の威光をバックに、おだてられた籠池氏がいろいろなことをやったわけです。もっとも、今回の一件を補助金の不正受給など、狭い法律の問題だけで終わらせてはなりません。これは『道義』の問題です。安倍首相が、人として踏み行うべき正しい道をとっているのかどうかという問題です。道義にもとる行為をしながら、権力者は逃げ、籠池氏だけが配所の月を眺める。古い言葉で、刑務所に入れられるという意味です。そんなことが許されていいのでしょうか」

安倍がいかに人としての道を踏み外しているか。籠池氏に対する手のひら返しを思い返してみれば、誰もがうなずくはずだ。小学校の認可申請撤回に追い込まれる直前、籠池氏は「この学園をつくろうとしたのは皆さんのご意思があってこそ」と訴えていた。時代錯誤の教育勅語を暗唱させる戦前回帰教育を徹底する愛国小学校。まさに、安倍や安倍を支える右翼団体「日本会議」が理想とする学校であり、それを推し進める籠池氏は安倍の同志だったのである。

 だから当初、安倍は国会で籠池氏のことを「私の考え方に非常に共鳴している方」と当然のように評価していた。ところが、問題が噴出し、雲行きが怪しくなると態度を一変させる。「非常にしつこい」「教育者としていかがなものか」と罵倒し、切り捨てた。同志だろうが仲間だろうが、役に立たなくなればバッサリ。そのうえ、籠池氏がトカゲの尻尾切りに抵抗して“不都合な真実”を暴露し始め、「昭恵夫人から100万円の寄付をもらった」と口にした途端、「首相を侮辱した」と、私人にもかかわらずいきなり証人喚問に引っ張り出した。そして、ついには強制捜査である。

「安倍政権はやることが本当にえげつない。『(自分にとって)悪いヤツは捕まる』という見せしめであり、『ボスが誰なのか、わかっているな』という脅しです。仲間だろうが、自分にとって損になると判断すれば、すぐに手のひらを返す。籠池前理事長の現状を見れば、安倍政権の利害関係者はみな、はしごを外されないように今まで以上に媚びを売るか、泣き寝入りした方がまだましだと考えるようになるでしょう。内部告発もリークも怖くてやれなくなる」(五野井郁夫氏=前出)

■「信頼できない」と、国民は目覚めた

 身内だとて安心してはいられない。あっという間に切られる。歯向かう者は、国家権力を総動員して徹底的に弾圧する――。これが安倍政権だ。今度の強制捜査は、権力を敵に回した者が行き着く先の、とてつもない結末を世に思い知らせた。その容赦ない仕打ちに、多くの国民は震撼している。加計学園問題でも、「行政が歪められた」と告発した前川喜平前文科次官が、安倍政権から徹底的な人格攻撃でおとしめられたが、こうした一連の経緯で、安倍のゾッとするような人間性と北朝鮮さながらの恐怖政治が国民にもハッキリと見えたことだろう。

「安倍首相というのは、本当に人間の血が流れているのかと言いたくなるほど、冷酷で情けがない。自分さえよければいいから、平気で手のひらを返す。安倍夫妻には『あなたたちの責任はどうなったのか』と言いたい。こんな酷い政治をやっていて国民に信用されるわけがありません」(森田実氏=前出)軒並み支持率が急落した最新の世論調査で、特筆すべきは、親安倍メディアの読売新聞の調査でさえも、安倍内閣を支持しない理由のトップが「首相が信頼できないから」(48%)だったことだ。

 国民は安倍のおぞましい本性を見抜き始めた。政策ではなく、人物が信用ならないのだ。こうなると簡単には支持率は戻らない。森友強制捜査は、安倍政権による“局面打開”の一環だろうが、そうは問屋が卸さない。支持率はまだまだ下がる。

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