プロ直伝!初心者でも失敗しない梅干しの作り方

6月は全国的に梅の収穫期だ。スーパーにも青梅が並び、梅酒を作るための瓶や氷砂糖などが販売される季節だ。梅酒に比べると手間がかかるとはいえ、自宅で梅干しを漬ける人もいることだろう。「教えて!goo」にも「手作りの梅干しの作り方を教えてください」という内容と類似する投稿が多数寄せられていた。そこで今回は、テレビや雑誌などのメディア出演も多数ある梅干し研究家の小川睦子さんに、初心者でも失敗しない梅干し作りのコツを教えてもらった。

■梅の選び方と下ごしらえ

まずは梅干し作りに適した梅の選び方と下ごしらえについて伺った。

「品種では、有名な『南高梅』を使うとやわらかく美味しく仕上がりますが、他の品種でもそれぞれの個性を楽しめます。購入するなら、『梅干し用』と表示されたものがよいでしょう。購入時にまだ青ければ、紙袋や段ボール箱などに移してください。室内で2~3日置けば黄色くなり、桃のようなよい香りがしてきます。そうなったら仕込みOKです。梅の木から収穫する場合、実がふくらんだ後、少し熟し落ち始めてきた頃のものが最適ですよ」(小川さん)

熟した梅を使うとふっくら美味しく仕上がるとのことなので、熟度はしっかり見極めよう。漬け込む段階になったら梅を水洗いするが、水気が残っているとカビの原因になるため注意が必要だ。

「清潔なふきんやタオル、ペーパータオル等で水気をしっかり拭き取ります。漬け込みには、密閉できるガラス容器かジップ付きのビニール袋を使ってください。そうすれば重石などは必要なく、かつ失敗しにくいです。ガラス容器を使う場合、事前に容器をきれいに洗い、乾かしておきましょう」(小川さん)

漬け物樽やカメを使うと本格的だが、梅が空気に触れてカビが生えやすいため、初心者にはオススメできないそうだ。

■味付け

続いて味付けについて聞いた。

「甘めがお好みの場合、『氷砂糖や白砂糖』を加えるとすっきりした甘さになります。また、素朴な甘さにしたければ『きび砂糖』、コクのある甘さには『黒砂糖』、まろやかな甘さには『はちみつやメープルシロップ』を加えるとよいでしょう。分量は、梅1キロに対し塩100g+砂糖100g(はちみつやメープルシロップは200cc)程度が目安です」(小川さん)

甘い梅干しは苦手……という人には、どのような配分がよいのか聞いてみた。

「梅1kgに対し、160~180g(塩分16~18%)で漬けると、できた直後は塩辛すぎと感じるかもしれませんが、徐々にしょっぱくて酸っぱい、深みのある味わいに変わっていきます。昆布を加えると旨味が増し、乾燥唐辛子(輪切り)を加えると辛味のあるユニークな梅干しになります」(小川さん)

また、色合いの調節についても教えてもらった。

「味付け後に天日干しするだけでも赤く色づきますが、塩もみした赤ジソを加えることで真っ赤な梅干しになり、香りもよくなります。より鮮やかな赤色にしたい場合は、漬け込む際に梅1kgに対し、50~100cc程度の酢を加えてみてください」(小川さん)

酢を加えると色鮮やかになるだけでなく、風味も爽やかになるそうだ。

以上の味や色付けのための材料を加えたら、常温で寝かせる。最初の1週間は、容器やビニール袋を軽く振ると、美味しく梅干しが漬かるという。

■美味しく食べて健康になろう

梅干しは、1週間程度漬けたらすぐに食べられるというが、味付けによって食べ頃の時期が異なるそうだ。

「塩のみで漬け込んでいれば、常温保存で半年~1年間程度が食べ頃です。もちろんそれ以降も食べられ、年月が経ったほうが熟成した味わいになります。塩少量(10%程度)に糖分などを加えているものは、できあがったら冷蔵保存しましょう。3~4カ月後が食べ頃ですが、1年間程度楽しめます」(小川さん)

梅干しは、疲労回復や熱中症予防などの効能も認められており、暑い季節には心強い一品である。小川さんいわく、山芋や海藻、茹でた青菜などと一緒に梅和えにするのはもちろん、梅干しの旨味や塩分を、煮物やドレッシングなどの隠し味として利用するのもオススメとのこと。何かと重宝する梅干し、今年は自家製にチャレンジしてみては?

●専門家プロフィール:小川 睦子
梅干研究家。梅干研究所主宰。梅干し作りや梅干し研究を継続しながら、その魅力を伝えるべく「梅干し作り講座」などを開催。フリーの編集者・ライターとしても活動し「はじめてでもおいしくできる梅干し・梅レシピの基本」を監修。

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