幸せ呼ぶ猫神の呟き 貧しいと成績も落ちるのか、子供の脳に貧富の差が影響

貧しいと成績も落ちるのか、子供の脳に貧富の差が影響

貧困家庭で育つことと学業成績が悪いことの関係性が言われて久しいが、これが一つには、所得が低い家庭で育つと子供の脳などに実際に物理的影響が生じ得るためであることを研究が示した。
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この研究では数百人の子供たちの脳のMRI(磁気共鳴映像装置)検査結果を分析。すると、貧困家庭の子供の脳では学習に必要な機能をつかさどる部分の灰白質が通常よりも少ないことが分かった。

小児科専門誌JAMAぺディアトリクスが今週掲載した研究結果によれば、裕福な家庭と貧困層の子供たちの成績格差の最大20%がこの構造上の違いによって説明できるという。
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概して、貧困層の子供たちは学業で後れを取るとされるが、富が学習に実際にどう影響するのかの解明はまだ始まったばかりだ。
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米国は4人家族なら年収が約2万4000ドル(約300万円)未満の世帯を貧困層と定義しているが、こうした世帯の子供たちの灰白質は正常に発達する脳で想定されるよりも7-10%少なかった。この格差は年収がその水準から3万6000ドルまでの「準貧困」層ではより小さかったという。
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研究リポートの共同執筆者、ウィスコンシン州立大学マディソン校のセス・ポラック教授(心理学)は「貧困の度合いが本当に悲惨というべき水準に達すると、格差が顕著になり始める」とし、4歳児で既に格差が見られ、これは幼稚園入園前に差が生じていることを示していると語った。
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いったい何がこの差を生むのだろうか。ポラック教授は貧困層の子供たちのまわりには「脳の発達に必要なものが足りない一方、脳の成長を阻むものはあふれている」のではないかとみている。

つまり、親から刺激が少ないほか、クレヨンや児童書、ゲームなどのモノがないということだ。さらに、劣悪な住環境で睡眠が妨げられたり、新鮮な食材を売る店がない地域に住んでいることによる栄養欠乏も考えられる。
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同教授は、研究後は貧困を純粋な社会問題というより医療問題として考えるようになったという。

「米国では教育が人々を平等にする役目を果たし、誰もが公平にチャンスを持っているとわれわれは信じたがっているが、研究結果は、その公平なチャンスを与えられずに幼稚園に入る子供もいることを示唆しているようだ」と考察した。

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