幸せ呼ぶ猫神の呟き 60万匹のゴキブリを育てたプロが語る「やっぱりコワい!ゴキブリの生態」――家のなかへの侵入を防ぐことは難しい
                 


60万匹のゴキブリを育てたプロが語る「やっぱりコワい!ゴキブリの生態」――家のなかへの侵入を防ぐことは難しい

 2億5千万年前には存在していたと言われる最古の有翅昆虫「ゴキブリ」。見た目が気持ち悪い、汚らしい……。ゴキブリは厚生労働省から「衛生害虫」にも指定されている。衛生害虫とは、薬機法で規定された害虫で、伝染病の病原体を運んだりすることにより、私たちの健康を脅かす存在とされている。

 ヤツらを退治するにはどうしたらいいのか。だが、私たちは意外とゴキブリのことを知らない。ネット上では様々な憶測が飛び交い、眉唾モノの対策法まで拡散される始末。それほどまでにゴキブリと私たちの生活は切っても切れない腐れ縁とも言えるだろう。

 ゴキブリ対策といえば、『ごきぶりホイホイ』のアース製薬だ。同社の殺虫剤カテゴリーでブランドマネージャーを務める渡辺優一氏は、なんと約60万匹のゴキブリを飼育室で育てた経験をもつ。今回は、そんな害虫の専門家にゴキブリの生態と対策法の真偽を聞いてみた!

◆ゴキブリの生態を害虫専門家に聞いてみた!

 ゴキブリを効率良く倒すためには、まずはその生態から探っていきたいと思う。

「暗くて暖かい場所、隙間や狭いところを好み、ジメジメした湿気の多いところに集団で住んでいます。ゴキブリは夜行性なので、人間が寝静まった頃にひっそりと移動します」

 たとえば、家ではどのような場所にいるのだろうか。

「いちばんよくいるのはキッチンです。具体的には冷蔵庫の裏など(冷蔵庫はずっと稼働しているので、暖かくなっている)。とはいえ、わざわざ調べてみない限りはなかなか発見しにくい場所。ゴキブリは基本的には警戒心が強いので、出てくるということは何か理由があるんですね。エサや水が欲しかったり」

 やはり、そこはエサが豊富なキッチン。生ゴミはもちろん、小さな米粒や食べカスなども見逃さずに群がっているイメージがある。それだけ“嗅覚”が優れているのか。

「じつは、ゴキブリは嗅覚というより、頭部の“触角”でいろんなことを感知しているんです。物理的なものはもちろん、ニオイまで触角で察知します」

 ゴキブリは、触角の嗅感覚子にある受容細胞により様々なニオイを感じ取ることができるのだという。では、外にいるゴキブリが「この家はエサがありそうだ」と近寄ってくることもあるのだろうか。

「いいえ、そこまでの感覚ではありません。たまにニュースでも話題になっているゴミ屋敷など、よっぽどのニオイを発している場合は別ですが……」

 とはいえ、もしも寝室で寝ているとき、パジャマなどに食べカスなどが付いていたら、近寄ってきてしまうこともありえる気がする。

「ゴキブリは警戒心が強いので、動いているモノに対しては逃げると思います。ですが、暗い寝室で動かずに寝ていたら“人間をモノとして認識する”こともあるかもしれません。その場合は、パジャマの食べカスに寄ってきてしまうことも無きにしも非ず、だと思いますね」

 では、ゴキブリに好きな食べ物はあるのだろうか。それがわかれば、その食べ物の処分にはより一層、気を付けようと思えるのだが……。

「好んで食べるというより、なんでも食べますよ。食べカス、壁紙や本の表紙、仲間の死骸や糞、人間の髪の毛など、あらゆるものを食べる雑食性。電気コードをかじってショートの原因になるぐらいです。それで『美味しい』と感じているのかどうかは、ゴキブリ本人に聞いてみないとわかりませんが(笑)」

 ゴキブリが出現したとき、叩こうと思っても素早くカサカサと逃げてしまう。じつは、視野もすごいのでは?

「じつは、ゴキブリの目はほとんど見えていないんです。ただ、これも触角が優れているので、少しの振動なども感じとる。ゴキブリは足の瞬発力や反射神経が高いことから、逃げられてしまうのでしょう」

 そんなゴキブリだが、一方で、じつは良いことをしているなどはあるのか?

「ないですね。ゴキブリは病原菌を運ぶということがいちばん厄介な部分。アレルギーの原因にもなります。もしかすると、生態系にとっては良いこともあるのかもしれませんが、人間にとってはないと思います」

ゴキブリの害
・病原菌の運搬(サルモネラ菌、赤痢菌、小児麻痺ウイルスなど)
・糞、死骸などがアレルゲンになる
・見た目、突然の出没、不潔さなどによる不快感
・食品や書籍、電気系統の食害(ショートさせる)

参考:『害虫と殺虫剤の基礎知識』(アース製薬株式会社)

◆ゴキブリの侵入経路はどこからやってくる?

 いつの間にやら家のなかに侵入し、私たちを驚かせるゴキブリ。果たして、どこからやってくるのか。

「ゴキブリは、カラダが薄い。つまり、外と家のなかで数ミリぐらいの隙間があれば、どこからでも入ってきますよ。通気口や換気扇、網戸、配水管……。よっぽどキッチリ密閉されていないと。ただ、現実的には完全に侵入を防ぐということは難しいですよね」

 なんとも恐ろしい話だが……。では、一戸建てやアパート、マンションなど、住居ごとに違いはあるのか。

「ゴキブリは外でも生活できますが、家のなかのほうが快適なんですよね。たとえば、一戸建てだったら。新築だったとしてもたくさん家が建ち並んでいるエリアだったり、近くに飲食店があったり、ゴミ捨て場があったり、そういった場所だったら入ってきやすいですよね。マンションやアパートだったら、新築なら比較的いないと思いますが、古いところならもう、そのなかのひと部屋でもゴキブリがいれば、移動能力があるので、ほかの部屋にも移っていきますよね」

 ビルの上のほうの階に住んでいれば、ゴキブリは来ない、という噂もあるが。

「いきなり飛んでいくことは出来ないので、確率論としては減りますが、ゴキブリはビルの何階でものぼっていきますよ」

 ここでひとつの疑問が……飛ぶのではなく、のぼるとは!?

「ゴキブリは下から上に飛ぶことって、ほとんど出来ないんですよ。滑空、いわゆるグライダー飛行しか出来ない。ですので、いきなり10階には行けません。あくまで、壁伝いにのぼっていくんです。1階に入ってしまったら、2階、3階……あとはゴキブリがのぼっていきたいかどうかですけど」

 つまり、同じ建物のなかでひとつでも不潔な部屋があれば、ゴキブリは増えていき、どこにでも出現する可能性がある。こうしたゴキブリの“負の連鎖”も起こりうるのだ!そんなやっぱりコワいゴキブリの生態。では、いよいよ気になる対策方法について詳しくは近日公開予定の後編で!(ネットに書かれているまとめ記事の対策方法も検証!)

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