<子育て>どう向き合えば小学1年生 交友関係見守り冷静に

1学期も半ば。小学1年生も友達ができ、子どもだけで遊びに行く時期だ。親には成長がうれしい半面、友達づきあいやよそでのマナーも気になる。どう向き合えばよいだろうか。

 ◇「うちはうち」説明

 子育て情報サイト「あんふぁんWeb」でブログを掲載する森藤理絵さん(44)は、神奈川県内の公立小に通う小3の長女と小1の長男がいる。「小学生になると子どもだけの世界ができ、急に目が届かなくなりました」

 長女とは入学後、子どもだけで遊ぶ時、「マンション敷地内の公園で」「自転車は禁止」「ゲーム機は家から持ちださない」といったルールを決めた。だが、交友関係が広がるにつれ、しつけやマナーも家庭により違い、戸惑った。遠方でも自転車で行く子、コンビニでおやつを買い食べる子もいる。自転車やゲーム機に関しては条件付きで緩めた。門限は他の家庭に比べ早いため、遅くするよう長女にせがまれたが、「うちにはうち、よそにはよそのルールがある」と説明している。

 当初、友達の家には上がらないように教えたが、「外は危険だから」と自宅で遊ばせる家庭もあり、「保護者が在宅し、許しがあれば上がってよい」と変更した。あいさつや靴の脱ぎ方の他、出されたおやつは他の人のことも考えバランスよくいただくよう教えている。

子どもの友達を招く場合は、家で仕事をしているため原則、家族で交流のある家庭の子に絞っている。ソファで跳ねる子や冷蔵庫を勝手に開ける子もいると聞くが、知らない家庭の子は叱り方の判断が難しく「けがやトラブルのあった時が心配」と話す。

 幼稚園時代は「みんなと仲良く、親切に」と教えたが、大人のいない場で仲間はずれやいたずらをする子もいる。今は「全員と仲良くしなくてよいし、嫌なことは無理せず断ってよい」と教える。習い事など学校以外の人間関係も保つようにしている。学校で行き詰まった時の逃げ場になるからだ。

 ◇「是非」は伝える

 学校生活情報誌「おそい・はやい・ひくい・たかい」編集人で愛知県の小学校教員、岡崎勝さん(64)は、小学校低学年を「未知のタイプの友達を見つけ、新しい世界を作りたくなる時期」という。学校という社会で長時間過ごすようになり、自己表現への欲求も高まるが、そのスキルは未熟で戸惑いもある。学業で評価されるようになり、他の子と比べて自分を意識するようにもなる。

 親はいじめや学習の遅れが気がかりだが「遠目で見守るしかありません」。ただ、親も、知り合いが増えれば心強い。保護者がつながっていると、もめごとが起きても解決が早いという。

 子どもの友達が遊びに来て行儀の悪さが目に付く場合は我が子同様、是非をはっきり伝えた方がよい。「物がなくなった」「壊れた」のトラブルは、最初から子どもを疑わず、しかし事実は相手の親にも伝えた方がよい。「ただ、頭から“うちの子はやっていない”と言い切る保護者は、どこでも一定割合いるので、織り込み済みで伝えましょう」。真相がわからなくても、大人が騒ぐのを見て子どもたちは学ぶことがある。

 岡崎さんが最近気になるのは、大人の方に寛容さが欠ける場合という。子どもだから大目に見るという認識は常に持ちたい。また校外で起きたトラブルでも、相手が同じ学校の子なら、担任の先生に知らせていい。「教員も目が届かない場合があり参考になる。緊張感を持ち子どもを観察できます。ただし、事実関係と保護者の思いを分けて伝えるように注意してください」とアドバイスする。

 ◇子の判断信じて

 「家事塾」(東京都台東区)を主宰する辰巳渚さん(51)は「友達づきあいの基本を教えるなら『自分がされて恥ずかしいことはしない』『人にされていやなことはしない』でしょうか」。抽象的だが、小さな子ほど伝わるという。


 外での行動も、子どもの判断を信じて考えさせる。よその家で物を壊したとき、親にどう知らせるか。黙っているとなぜよくないのか。「なぜ黙っていたの!」と叱るより、こんな時はどうすればよかったか考えさせる。あいさつができない子には家庭で家族が繰り返しやってみせる。「生活関連の講座を開き感じるのは、大人も子どもも繰り返し体験してこそできるようになるということ。親は言い続けるしかない。でも一度身につけば体が自然と動きます」

 マナーやしつけが、よその家庭と違う、との相談はよく聞くという。「いろいろな考えがあるように、違いはあって当然。よその家ではそこのルールに従うのが基本です」と辰巳さん。違いが気になるのは、我が子がよそでどう見られるのか心配する気持ちがあるためかもしれない。辰巳さんは「気になる気持ちをよその子にも向けて」と勧める。「我が子だけでなく、その子が育つ環境も大切です。ドアの閉め方が乱暴な子が気になるなら、静かに閉めるよう声をかけて教えましょう」と提案する。【大和田香織】

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