「犬」の“本当の気持ち”を見分ける方法とは?

近年は猫ブームと言われていますが、一般社団法人ペットフード協会が今年1月に発表した統計によると、日本国内の飼育数No.1は犬なんだとか。犬は愛玩動物としても昔から多くの人に可愛がられ、かの楊貴妃もこよなく愛していたそうです。今回は、そんな犬の魅力や暮らし方を、TOKYO FMの番組の中で、詳しい方々に教えてもらいました。
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◆「犬と暮らす生活はこんなに楽しい!」
~お笑いコンビ「バッドボーイズ」 佐田正樹さん

── 佐田さんはどんな犬を飼っているんですか?

僕が飼っているのはチワワです。飼い始めて13年くらいなので、もうすっかりおじいちゃんですね。当時、奥さんと一緒に福岡から東京へ出てきたばかりだったんですが、僕は泊まりの仕事が多かったので、奥さんに「友達もいないのに!」とめちゃくちゃ文句を言われまして、せめて犬でもいたら……ということでチワワを飼い始めました。結局、溺愛したのは僕のほうでしたが。

やっぱり世話は奥さんがいないと無理ですね。でも最近は便利になったもので、部屋にカメラを付けて、いま犬が何をしているか外出先から確認できたりします。さらに呼びかければ僕の声が犬に聞こえたり、エサを自動的にあげられたり、ものすごくハイテクな装置があるんです。これがあれば、ひと晩くらいなら家を空けても大丈夫なんじゃないでしょうか。

── なぜチワワを選んだんでしょう?

昔、CMで「くぅ~」と鳴くチワワがむちゃくちゃ可愛いと話題になりましたが、僕もそれを見てチワワしかない!と。それで渋谷のチワワ専門店に行ったら、生まれたばかりの子犬が6匹いて、奥さんが「名前はキョウジにする」と決めていたので、「キョウジ!」と呼びかけて駆け寄ってきた子を連れて帰りました。ただ、この選び方にはちょっと問題があって、要するにあんまり考えない子なんです。でもそれが可愛くて、今も誰が家に来ても大喜びで尻尾を振って飛びついていきます。

── しつけなどはどうされましたか?

しつけはけっこう楽で、お手、おかわり、ちんちんもすぐに覚えてくれましたね。最近はおじいちゃんになったせいかすっかり横着するようになって、こっちが言う前に左右の手をパッパッと出して立ち上がります。どうもとっとと終わらせて早くご飯を食べたいみたいです。13歳ということで、耳が遠くなったり、白内障も来たりしているのですが、今は18年くらい生きる犬もめずらしくないそうなので、長生きしてほしいと思います。

キョウジはクルマが好きで、特に窓を開けて風を受けるのが大好きですね。一度、横浜の元町まで遠出して、犬の散歩コースみたいなところに連れていったこともあります。そこは所々に犬の飲み水や、犬を連れて利用できるカフェなんかもあって、ワンちゃんのための商店街みたいになっていました。愛犬と一緒に過ごせる場所ってすごく良いですよね。

◆「ちゃんと観察すれば犬の気持ちがわかります」
~日本獣医生命科学大学 准教授、獣医師 水越美奈さん

── 動物行動学で犬の気持ちがわかるんですか?

よく言われる「犬が尻尾を振っていると喜んでいる」は、必ずしもそうとは限りません。犬が尻尾を振るのは興奮していることの表れ。だから喜んで興奮したときも尻尾を振りますが、敵や獲物を見つけて「やってやるぞ!」みたいな攻撃的な気分のときも尻尾を振ります。

よく見れば、喜んでいるときは緊張していないので尻尾の振り方がすごく柔らかいんです。敵や獲物を見つけたら緊張するので振り方が硬くなります。それから尻尾を振る高さにも違いがあって、「ちょっと怖いけど嬉しい」なら尻尾が背中よりも少し下がったところで振りますし、「嬉しくて仕方ない! 自信もあるぞ!」なら尻尾を高く上げて振ります。

── ほかにも犬の気持ちがわかるところはありますか?

耳も見てみましょう。怖いと耳は下がり、自信があると耳は前を向きます。立ち耳の犬だとわかりやすいですが、垂れ耳の犬も付け根の部分が前に行ったり後ろに行ったりするので、よく観察してみてください。

それから「無駄吠え」なんて言葉がありますが、犬にしてみれば無駄に吠えているわけではありません。嬉しい、寂しい、暇、警戒しているなど、なにかしらの理由があって吠えています。だから無駄吠えと言わずに、なぜ吠えているのか周囲を観察してください。

そして吠えたときに叱るだけでは、犬はどうしたら良いのかわかりません。たまたま吠えなかったときに褒めてあげることも重要です。犬から見たらスリッパも犬用のおもちゃも区別が付かないんです。だから犬用のおもちゃをかじったときに褒めて、正解を教えてあげてください。なでられるのが好きな犬もいれば、おやつが好きな犬もいます。自分の犬が何を好むのかをよく観察しておくことも大切です。

── 犬とお出かけするときのコツはありますか?

犬とドライブをするなら、3歳児を乗せているという感覚を持ってください。長いとすぐに飽きますし、人間よりも酔いやすいので、1時間ほど走ったら休憩を取ってあげましょう。最近はドッグランがあるサービスエリアも増えています。

ちょっとしたコツとしては、水が変わるとあまり飲みたがらない神経質な犬もいるので、家でいつも飲んでいる水道水を持っていくと良いでしょう。泊まりならいつものベッドや食器なども持っていくと、犬が安心して寝られます。そうやって楽しい体験を積ませてあげると、クルマのドアを開けただけで「今日はどこに行くんですか!?」と大喜びする犬になってくれます。


◆「犬種によって犬はこんなに違います」
~ヤマザキ学園大学 動物看護学部 講師、認定動物看護師 福山貴昭さん

── 今、犬って何種類くらいいるんですか?

だいたい約400犬種くらいですね。それが10個ぐらいにグループ分けされています。たとえばトイ・グループは小さい犬たちのグループ。チワワもこのグループを代表する犬種です。その小ささから子どもの遊び相手や愛玩犬として昔から重宝されてきました。さらに寒い夜には湯たんぽがわりに抱いて寝たり、飢饉のときには貴重なタンパク源として食べられていたりしたようです。

鳥の猟をするために作られた犬種もいます。たとえばゴールデン・レトリバーがそうですね。「撃ち落とした鳥をレトリーブ(回収)する」という意味ですから。イングリッシュ・ポインターは猟師さんに鳥の居場所を報せる(ポイント)のが仕事。アメリカン・コッカー・スパニエルは茂みの中を思いっきり走り回ってウズラやキジをビックリさせて飛び立たせ、そこを猟師さんが鉄砲で狙います。

── ほかにどんなグループがあるんですか?

ワーキング・グループはその名のとおり、働く犬のグループです。すごくマッチョで体の大きな犬が多いですね。たとえばマスティフはアレキサンダー大王が世界初の軍用犬として訓練した犬でした。アレキサンダー大王がかなり広い範囲を征服したので、各地で子孫を残して世界中に大型犬が増える原因になったという説もあります。

ちょっと変わっているのがダックスフンドで、世界100ヵ国が加盟するケネルクラブの統括団体「FCI」では、ダックスフンドだけひとつのグループとして独立しています。これはFCIの会長がダックスフンドの大ファンシャー(愛好家)で、「ダックスは、ほかとは違う」と言ったからだと伝わっていますが(笑)。

── 飼いやすい犬種と飼いにくい犬種ってありますか?

もともと猟犬だった犬たちは、それだけエネルギーやスタミナがあるので欲求不満になりがちです。都内のマンションで飼うにはちょっと向いていないかもしれません。なにせ1日に100~400kmも走れる身体能力があったりしますから。でもアウトドアが好きでアクティブな飼い主さんでしたら、いくらでも付き合ってくれるので犬との生活を楽しめると思います。

頭を使わせるゲームを日常生活に入れてあげると、犬はすごくエネルギーを消費できます。犬は匂いを嗅ぎたがる動物で、人間が目で見て確認したがるのと同じように、鼻から情報を得ようとするんです。そこで大好きなおやつを部屋のあちこちに隠すと、匂いで一生懸命探そうとします。どんな犬でも夢中になるので、そんな遊びでエネルギーを消費させてあげてください。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」5月13日放送より)
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