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急に歯が…糖尿病かも/照山裕子お口の悩み

<歯科医照山裕子が答えるお口の悩み(9)>

 元モデルの照山裕子クリア歯科新宿院院長が、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q 歯周病は、糖尿病とか心臓病とか脳梗塞とか、さまざまな病気につながると言いますが…。

 A 歯周病は、男女を問わず40歳以上の8割がかかっている感染症です。毒素を出すばい菌と体が闘って炎症を起こす。炎症が起きると、サイトカインという物質が出ます。口の中で発生したサイトカインは、血流に乗って全身に運ばれる。サイトカインの問題は、血管の壁に脂肪沈着を起こすことです。血管の内側を分厚くし、徐々に通り道が細くなる。動脈硬化の原因です。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞につながります。歯周病の人は、そうでない人の2倍以上も脳梗塞になりやすいといわれています。

 米国では1990年代、「Floss or Die(フロス・オア・ダイ)」という歯周病予防のキャンペーンがありました。フロスで口腔(こうくう)ケアをして歯周病を予防しますか、それともほっておいて動脈硬化で死にますかというキャンペーンです。日本ではデンタルフロスの普及はまだまだですが、米国では男性も当たり前のように使いこなしています。

 心臓の手術をする前に、歯石を取ったり歯周病の治療をしたりと、必ず口腔ケアをするようになりました。口の中が汚いと感染リスク、再発リスクが高くなる。健康な体を作るならまず口腔ケアという考えです。

 糖尿病と歯周病の関係はより密接です。糖尿病になると代謝が悪くなり、抵抗力が弱る。一番分かりやすい症状が出るのが口の中で、歯茎が腫れる、代謝が悪いと骨も弱りやすくなるので、歯がぐらぐらしてくる。急に歯が悪くなった、どうしてなのか調べたら、糖尿病だったということがよくあります。糖尿病の人は歯周病にかかっている人が多いと報告されています。逆に歯周病になると糖尿病の症状が悪化することも分かってきました。

 歯周病に特効薬はありません。歯を磨く、フロスをする、定期的にクリーニングすることが全身疾患につながる歯周病の最大の予防策です。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。

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