米国で定着するか? 病気になりたくなかったら靴を脱ぐ

コラム【ニューヨークからお届けします】

 ご存じのように、アメリカ人は部屋に上がる時に靴を脱ぐ習慣はありません。ところが部屋で靴を脱いだ方が健康にいいという研究結果が発表され、話題になっています。

 靴を脱ぐのは日本人には当たり前の話。ところがアメリカ人にとって、靴を脱ぐのは下着姿になるのとあまり変わらない感覚の人も多く、特に他人の家で靴を脱ぐなんて耐えられないという人もいたりします。

 ヒューストン大学の研究によれば、靴を脱いだ方がいい最大の理由は靴の底に付いたバクテリアです。靴を履いて外を歩き回るうちに、多くのバクテリアが靴の底に付着します。それが家に入って、特にカーペットの上を歩くと、靴の底から落ちてカーペットに付き、感染すると下痢などの問題が発生するというのです。

 研究では、ヒューストン市内で2500の靴底の付着物のサンプルを取ったところ、26%から腸炎の原因になる「クロストリジウム・ディフィシル菌」が見つかりました。これは家庭の台所やバスルームから検出される確率の3倍だといいます。

 また、アリゾナ大学の研究では、「靴底から平均42万種類以上のバクテリアが検出された」と発表されています。さらに、アスファルトの道路を歩く時に付着するコールタールは、発がん物質を含んでいる可能性もあるというテキサス・ベイラー大学の調査結果もあります。

 では、アメリカの玄関によく置かれている泥よけマットに効果はないのか? それについては、「自分の靴の付着物は落とせても、前の人が落としていったバクテリアが付く可能性がある」といいます。

 靴を脱いだとして、家に上がった人のソックスがバクテリアをまき散らす可能性は? この問いへの回答は、「ないとは言えないけれど、靴底よりはずっと清潔と考えていい」とのこと。アメリカでも日本のように靴を脱ぐ習慣が定着するかもしれません。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)

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