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プロ野球で乱闘事件発生!当該者は傷害罪にならないの?

4月4日に京セラドーム大阪で行われたプロ野球セントラル・リーグ阪神タイガース対東京ヤクルトスワローズ戦で、乱闘事件が発生。藤浪晋太郎投手の投げたボールが、畠山和洋選手の頭部付近に直撃。畠山選手が激昂すると、両軍入り乱れて揉み合いに。そこへ入ってきたウラディミール・バレンティン選手が矢野輝弘コーチを突き飛ばすし、反撃とばかりに同コーチが跳び蹴りをする事態に。

このような乱闘事件は最近少なかったこともあり、ネット上では「藤浪が悪い」「バレンティンが悪い」などの意見があがり、論争になりました。どちらが悪いかについてはそれぞれの主張があるためどちらが正しいのかはわかりません。しかし、暴力行為については、野球というスポーツのなかで行われたこととはいえ、許されるべきものではないでしょう。

このようなプロ野球の試合で行われる暴力行為は罪にならないのでしょうか?

Q.プロ野球の乱闘で行われる暴力行為は罪にならないのですか?
A.暴力行為を受けた選手が重大な怪我を負った場合は傷害罪、そうでなくても暴行罪になる可能性があります。

暴力を受けた選手が怪我をした場合、当然ながら傷害罪になります。また、怪我をしなくても暴行罪が成立するでしょう。プレー中の接触はともかく、乱闘は選手・監督の業務とはいえず、なんらの正当性が認められないのは社会一般と同じはずです。

プロ野球の乱闘の場合、暴力行為といっても重大な怪我を負ったケースがないこと、プロ野球を管理する日本プロ野球機構からペナルティが課されること、警察に訴えでる人がいないことなどから、傷害罪にまでは至らないことがほとんどです。それ自体、社会的に許容すべきことか否かわかりませんが。

今回の阪神対ヤクルトも、バレンティン選手と矢野コーチに制裁金と厳重注意処分がそれぞれ課せられており、既に事後処理は完了。罪に問われるようなことにまでは、至っていません。しかし、暴力による骨折や失明など日常生活に支障がでるような怪我を乱闘によって負った場合は、警察が動き傷害罪になる可能性が高いと思われます。

このような場合、傷害罪は親告罪ではありませんので、たとえ届け出がなくても、警察が動き、場合によっては罪に問われることになるでしょう。乱闘も野球の醍醐味という人もいますが、厳密に言うと人を殴るという行為は犯罪であり、暴行罪・傷害罪になるということは、選手もファンも忘れない必要がありますね。

*記事監修弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)

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