幸せ呼ぶ猫神の呟き 膝痛を運動で改善 ストレッチ、太ももの筋肉を鍛える

膝痛を運動で改善 ストレッチ、太ももの筋肉を鍛える

 膝に水がたまって痛む「変形性膝関節症」は、日本に約2500万人の患者がいると推定される。進行すると歩くのもつらくなる。簡単な運動で太ももや膝の筋肉を鍛えたり、関節の動きをやわらかくしたりすることで、膝にかかる負担を軽減し、痛みを和らげることができる。膝が痛いと動きにくくなり、筋力も落ちていく。気長に毎日続けたい。
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 大阪府に住む62歳の男性は最近、左膝に痛みを感じるようになった。痛み止めを飲んでも数日しか効かず、大阪回生病院(大阪市)の指導で膝の運動を始めた。しばらく続けると痛みが和らぎ、痛み止めがいらなくなった。岩木稔裕リハビリテーション科部長は「運動することで、膝にかかる負担を減らせたため」と話す。

 男性は変形性膝関節症だった。膝は太ももとすねの大きな骨をつなぐ。骨の表面は滑らかな軟骨が覆い、その隙間を埋めるように半月板があり、全体を靱帯が包む。運動時の衝撃を和らげ、滑らかに動くための優れた仕組みだ。加齢やけがで軟骨が減ると骨同士が直接ぶつかり、関節に炎症が起きる。軟骨は元には戻らない。進行すると半月板が割れたり、靱帯が傷ついたりする。関節を満たす液体が増え、いわゆる「膝に水がたまった」状態になる。これが変形性膝関節症だ。

 最初は階段の上り下りや歩き始めに痛んだり、正座やしゃがむ姿勢がつらくなったりする。さらに進むと起床時に膝がこわばる。最後は安静時にも激しい痛みが出て、歩行困難になる。関節に変形がある潜在的な患者は60歳以上の男性で5割、女性で7割にも達する。このうちで痛みを伴うのは2~4割だ。太った人や女性、O脚やX脚の人、若い頃にスポーツをしていた人に多い。

 加齢による筋力低下が進行を早める。脚の筋力は70歳では30歳の半分になる。脚の筋肉を鍛え、膝にかかる負荷を軽減できれば、病気の進行を遅らせ、痛みを減らせる。日本整形外科学会が勧める方法を紹介しよう。鍵を握るのは太ももの筋肉だ。まず、いすに腰掛けて片方の脚を足首を立てたまま水平に伸ばし、5~10秒止めた後に下ろす。次に膝を伸ばして床に座り、膝の下にタオルや枕を置く。置いたタオルなどを膝裏で床に押しつけ、5~10秒そのまま保って、力を抜く。この2つの運動で、歩くときの蹴り出しを担う太ももの筋肉を鍛える。加齢で特に弱りやすいところだ。

 横向きに寝て片方の脚を20センチ上げ、5秒止めてゆっくり下ろす。この運動で太ももの外側の筋肉を鍛えることで、O脚になるのを防ぐ。O脚は膝に負担をかけるため、改善しておきたい。膝や股関節、足首など脚全体を鍛えるにはスクワットがよい。肩幅より少し広めに脚を開いて立ち、いすに腰掛けるようにお尻をゆっくり下ろす。あまり深くしすぎず、膝の角度が90度を超えないようにする。

 筋トレは息を止めずにやる。回数は筋力や痛みに応じて調整する。「痛みを感じたら無理をしない。自分に合う運動法を選ぶとよい」と岩木部長は助言する。毎日続けることが大切で、筋力が増せば、膝関節への負荷を減らせる。膝の動きをよくするストレッチも有効だ。歩行や立ち上がる際に、関節にかかる負荷が軽い動き方になる。床に膝を伸ばして座り、かかとの下にタオルなどを置く。かかとをゆっくり滑らせて膝をできるだけ曲げ、再びゆっくり伸ばす。湯船でやってもよい。

 病気が進むと膝の裏側がこわばり、膝を伸ばしにくくなる。そうなったら脚を伸ばして座り、5秒ほど膝に力を入れて伸ばすことで、かたさが取れる。つま先は伸ばしても反らしてもよい。兵庫医科大学の中山寛助教は「膝痛で体を動かさないと筋力が下がって関節が動きにくくなり、立ったり歩いたりする能力が落ちるロコモティブシンドローム(ロコモ)になりやすい」と警鐘を鳴らす。ロコモが進むと介護が必要になるので、日ごろの運動で予防に努めたい。

■正座や和式トイレ 要注意

 変形性膝関節症を防ぐには、まずは膝に負担がかかる姿勢を避ける。長時間の正座や和式トイレを使う習慣などは症状の悪化につながる。体重が重い人は膝に大きな負荷がかかる。肥満の人はできるだけ減量するといい。夏場の冷房などで膝を冷やさない工夫も必要だ。タオルケットなどを膝にかけて温め、血行をよく保つ。膝の筋肉を鍛えても痛みがひどくなる場合は、痛み止めを使ったり、関節にかかる重みや衝撃を和らげるヒアルロン酸を膝に注射したりする。専門家の指導のもと、膝の関節のリハビリをすることもある。

 それでも治らない場合は、すねの骨を切ってO脚を治す、膝に人工関節を入れるなどの手術をすることもある。ただ人工関節は、10年程度で再手術して入れ替える必要がある。

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