資金難で学生を留年させる大学…法的な問題はない?

大阪府にある追手門学院大学が、資金難により、バスの運行本数を減らしたり、ほとんどの授業で抽選にしたりなど、学生に対して不都合なことをして、学生からはひんしゅくを浴びています。こういった行為は大学側が資金難に陥っているから行っているのではないかと噂されています。

そして、このような大学側の行為に対して、大学に爆竹が投げ込まれたりするといった行為がされているようです。本記事では、大学側のこういった行為が法律に触れるのかどうか、解説してみたいと思います。

■意図的に留年生を輩出し、資金を稼ぐことは違法性が無いのか

まず、上記の行為が意図的であるかどうかは定かではない事を前提に話をすすめたいと思いますが、これは、意図的に留年生を輩出する方法によって異なってきます。バスの運行本数を減らすのは学校の資金難からは致し方がないかと思いますが、極端に減らしてそもそも通う学生の足にもならないというのであれば、学生の授業を受ける権利を侵害する行為に当たりますね。

授業が抽選というのも、それに外れても他に履修できる授業が用意されているのであれば良いですが、抽選に漏れたらそもそも履修できるものがなく、留年確定というのであれば、基本は4年間で必要な単位を履修させるのが大学の義務ですので、それに違反するということになります。いずれにしろ、大学側の債務不履行責任が発生するものと考えますし、場合によっては詐欺などの不法行為にもなりうるものと考えます。

また、国公立の大学だった場合は、憲法の適用がありますので、学生の学問の自由(憲法23条)の侵害が問題となります。債務不履行のほか、国賠請求の対象となるかと思います。なお、少し前のことではありますが、ある私立医大で、医師国家試験の合格率が低いと助成金が出ないということで、意図的に学生を留年させ、限度いっぱいまでいさせて自主退学させるということがあり、裁判をしたことがありました。本件でも争点になりましたが、この問題も本当に“意図的”にやったのかどうかの立証が難しいですね。

*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

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