蘇生望まぬ場合、救命中止を 学会が初の提言 終末期患者、意思表示書など条件

 治療効果が見込めない終末期の患者が、心肺蘇生(そせい)を望まない本人の意思に反して救急搬送される現状を受け、日本臨床救急医学会は7日、本人の意思が確認できる書面と医師の指示があれば、救急隊員が心肺蘇生を中止できるとする初の提言を公表した。全国の救急現場では、心肺蘇生を望まない患者の蘇生中止手順などの統一基準はない。

 提言では、終末期の患者が、心肺停止した場合に蘇生を望むかをかかりつけ医や家族らと事前に話し合い、望まない場合に作る意思表示書面を例示。119番通報を受けて駆けつけた救急隊員が書面を示された場合、かかりつけ医などの指示があれば心肺蘇生や救急搬送を中止できるとした。提言に拘束力はないが、専門家による指針が示されたことで、全国の消防隊が取り入れる可能性がある。

 終末期の救急搬送をめぐっては、平成25年度の調査で、一定経験を持つ救急隊員295人中16%に当たる47人が「心肺蘇生を望まない本人の意思表示書面を提示されたことがある」と回答。しかし救急隊員は患者の救命を行うのが原則で、蘇生を望まない本人や家族の意向との間で、対応に苦慮する例が増えている。

 学会の坂本哲也代表理事(帝京大医学部付属病院長)は「心肺蘇生を望んでいないなら119番通報しないなど、終末期の救急車の使い方について国民で考えてほしい」としている。

関連記事
最新記事