死ぬまで現役 下半身のツボ 精子の“無駄打ち”も大切

 「精力減退を理由に“無駄打ちをしない”と考える中高年男性もいますが、あれは大間違いです」こう語るのは、医学博士の志賀貢氏だ。無駄打ちとはつまり、オナニーをして精子を放出することだ。 「確かに、精子を溜めることで性欲は高まり、勃起時の“膨張率”も高くなります。とはいえ、ずっと溜め込んでいては、それこそ無駄。むしろ、精力を弱めてしまう危険が高いのです」

 なぜなのか。その理由を解くには、精子が作られる過程を知る必要がある。 「精子は睾丸で作られるんです。精子の製造工場が睾丸。そして、精子が放出されるたびに、睾丸は新たな精子を大急ぎで作り始めるのです」

 “若い頃は何発もできた”という人も多いだろう。それは精子の製造工場も元気で、稼働率が高いからだ。 「20代ぐらいの男性は、精子がなくなってもすぐに作れるんです。しかし、加齢とともに製造工場の機能も低下。次第に生産スピードも落ちていくのです」

 その結果、1回放出後はしばらく性欲が湧かない。また、精液も出ない、という現象が起こる。「そう考えると、やはり無駄打ちは避けたほうがよさそうですが、工場の機械もずっと使っていなければ、だんだん錆びて性能も悪くなりますよね。それと同じです。しばらく使わないでいると、睾丸の機能も悪くなるのです」

 お分かりだろうか。睾丸は精子を放出しない限り、新しい精液を作らない。逆に、日頃から放出していれば生産ペースは多少落ちてきても、睾丸は一生懸命、新しい精子を作ろうと稼働するのだ。「常に製造工場が動いていれば、睾丸の機能低下も防げるのです。また、新しい精子はやはり元気です。それが溜まっているほうが、ムラムラしやすく、勃起時の膨張もすさまじい」

 その証拠に、60代、70代になっても現役バリバリの男性は、基本的にオナニー好きだという。 「頻繁に精液を出しているから、工場も休むことがない。またオナニーするたび、新しい精液が生産されるので、また放出したくなるんですね。こういうサイクルを作り出すことが、まさに生涯現役でいる秘訣です」

 それだけではない。精子を作る源は男性ホルモン。つまり男性ホルモンは睾丸からも分泌されるわけだ。 「新しい精子を作っている最中、男性ホルモンも大量に分泌されるのです。すると、ペニスだけでなく肉体全体が“男らしく”なり、体型もガッチリしやすい。また、男性ホルモンの分泌が強ければ性格も男っぽくなり“闘争心”も生まれやすいのです」

 いくつになってもモチベーションが高く、仕事にも女性にも情熱的でいられるというワケだ。むろん、なかにはオナニーやセックスをする時間も場所もないという方も多いだろう。 「そういう時は、入浴中でも就寝前でも構わないので、軽く睾丸マッサージをしてください。精子を放出しなくても、何かしらの心地よい刺激を睾丸に与えることで、精子の製造工場も稼働するのです」

 これは最後の手段。基本的には日頃から精子の放出を心掛けて、どんどん無駄打ちをするべきなのだ。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。

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