知ってると楽しい『通】学! ■pariコラム
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ロシアの軍資金を断つ「経済制裁とどめの一手」 ロシア産原油の単価に上限を設けるのが有効だ

ロシアのプーチン大統領の侵略戦争を止めるには3つの経済制裁措置が必要だが、欧米などウクライナの支援国はすでにそのうちの2つを講じている。強力な金融制裁とロシア産原油の禁輸だ。欧州連合(EU)は今年末までにロシア産原油の大部分を禁輸することで合意している。だが私たちには、この制裁のパズルを完成させる3つ目の措置が欠かせない。ロシア産原油の海上輸出はプーチン氏の資金源となっており、直ちに締め上げる必要がある。

ウクライナ侵攻後に導入された金融制裁は効果を上げている。中央銀行の外貨準備を凍結されたことで、ロシアはショックに対する国家的備えの多くを失った。以来、通貨ルーブルの安定は厳しい資本統制と石油・ガスの輸出収入だけが頼みとなっている。つまりロシアはさらなるショックに対し極めて脆弱な状況となっているわけだが、EUはこうしたショックを与える枠組みをすでに持っている。

海上輸送されるロシア産原油の輸入を今後5カ月間で停止するという決定がそれだ。ロシアがEUに海上輸出している原油は1日当たり約125万バレル。その停止は、プーチン氏の資金源とルーブルの信用、そしてすでに不安定化しているロシアの金融システムに大打撃を与えるものとなるだろう。

とはいえ、プーチン氏の軍資金を断つのに5カ月もかけるのは容認できない。ロシア軍に殺されるウクライナ人の数は日々増え続けているのだ。

心臓を突く緻密な制裁

直感にはやや反するが、制裁のパズルを完成させる3つ目の措置は、EUの船舶によるEU域外への原油輸出まで禁止する「全面禁輸」としてはならない。こうした乱暴な策は原油価格をさらに高騰させ、世界に痛みを広げるばかりか、制裁に応じない国々への原油輸出でプーチン氏が手にする資金をむしろ膨らませる公算が大きい。

ただ、制裁の内容をしっかりと設計すれば、負の影響を軽減することはできるし、場合によっては完全に回避することすら可能となる。その意味で私たちが支持するのは、イエレン米財務長官とドラギ伊首相が少し前に行った提案だ。

ロシア産原油に対するバレル当たりの支払単価に上限を設ける案である。ロシア産原油の大部分(およそ7割)を運んでいるのはEUや英国などの船であり、こうした状況を利用すればEUはロシアに対して優位に立てるかもしれない。ロシアの石油生産コスト(限界費用)は並外れて低いため、プーチン氏の資金源を圧迫するには価格上限を底値水準に設定する必要があるだろう。

ロシア産原油の上限設定へ

価格上限の導入方法としては、価格を直接制限するやり方のほかに、輸入関税を賦課する方法などが考えられる。関税といった税を課す方式の利点は、EUで避難生活を送っている約500万人のウクライナ難民の受け入れ費用をカバーしたり、プーチン氏の侵略戦争の影響で生活がさらに苦しくなった低所得者層を支援したりする税収を生み出せることだ。

もちろん、ロシアが安値での原油供給を拒む可能性はある。ただコロナ禍で原油価格が1バレル=20ドル前後にまで暴落していたときでさえ、ロシアが原油を最大限輸出することに強い関心を示していたことは覚えておくべきだ。さらに、輸出を拒んで産油量を減らせば、ロシアは石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成される「OPECプラス」のメンバーとしての地位を実質的に失うことになる。ロシア経済への打撃は明白で、ルーブルも甚大な下落圧力にさらされよう。

外貨が手に入らなくなれば、プーチン氏は他国からの武器調達に難儀するに違いない。また、戦費調達のために自国通貨を増発すれば、国内のインフレは加速する。ウクライナに対するプーチン氏の戦争を止める制裁措置の立案において西側は大きな進歩を遂げている。仕事を完遂するのは今だ。

「金運がアップする部屋」のポイントって?

「数秘&カラー」とは、統計学の数秘学とカラーセラピーを融合させて日本で誕生したもの。生年月日を計算して特定の数字を導き出し、特性や運気を知ることができます。

ここでは、風水と「数秘&カラー」から、どのような部屋作りをすると2022年金運アップに役立つのかを考えてみたいと思います。

2022年は思いやりや奉仕の心を大切に

2021年はスピード感を持って、新しいことにチャンレンジしたい年でした。

しかし2022年はガラリと変わり、余裕を持って取り組むこと。思いやりや奉仕の心を持ち、愛情、情けが大切になる1年です。

数秘&カラーから導き出した数字およびサポートカラー(2+0+2+2=6)は、「6」と「ブルー&ピンク」の2色です。

インテリアに2022年のサポートカラーである、ブルーやピンクのアイテムを取り入れるなど、これらの色をベースに部屋作りをするとよいでしょう。また、植物を置いた部屋作りもおすすめです。

「6」の年の吉方位は?

数秘&カラーで吉方位を割り出していくと、「6」の年は北の方位を意味します。

さまざまな占術などで吉方位があり、迷ってしまうかもしれませんが、2022年の吉方位のベースは北であることを押さえておいてください。

北は金運アップに良いとされる方位ですので、貯金通帳を保管する場所としてよいでしょう。なおかつ、暗いところに収納するのがポイントです。箱などに入れ、クローゼットや引き出しの中に置いておくのがおすすめです。

また、北は恋愛運や健康運などにも良い方位です。北の方向にフルーツの絵を飾る、柑橘系の香りのアロマを焚くなども運気アップに◎。

整理整頓が基本中の基本

開運を目指すために大切なことは、部屋を掃除すること。これに限ります!

使っていない・使えないものは処分し、壊れているものは修理して使えるようにすると、運が回ってきます。

掃除をする箇所はどこも大切なのですが、最も重要なのが水回りです。トイレ、お風呂、キッチン等は念入りに掃除しましょう。

また、普段手の回らない窓もしっかりピカピカに掃除してください。日差しは良い運気を導くだけでなく、健康運もアップさせる働きがあります。「水回り+窓」をキレイにして、開運を目指しましょう。

水回りをキレイに保つ、整理整頓を心がけるだけでも運の流れは変わってきます。できることから、実践してくださいね。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)

金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

外国人がびっくり!日本人の「お金の使い方」「日本の嫌なところ」

外国人は日本人のお金の使い方に驚くことがある。また、日本の文化、風習に嫌だと思うことも多いという。外国人は日本のどんな部分に驚きを感じるのか?

■外国人は見た!日本で「ありえない!」と思ったお金の使い方

外国人は日本人のお金の使い方に違和感を持つ人も多いようで、「日本人のお金の使い方に驚いた」という話をよく聞く。外国人が日本で「ありえない」と思ったお金の使い方とは?

●現金払いの習慣が根強い

多くの国ではキャッシュレス決済が主流だ。そのせいか、日本では現金払いの習慣がまだ根強いことに驚く外国人が多数いる。

ある中国人は「中国では貧しい人でさえQRコードでお金を受け取る時代になっているのに」と言い、ある欧米人は「デビットカードが使える場所があまりにも少ない」と嘆く。

●会社の飲み会(飲みニケーション)

上司や同僚が集う会社の飲み会(飲みニケーション)が頻繁にあり、その度に数千円~数万円の支出が発生しても怒らない日本人に驚く外国人も多いようだ。

あるアメリカ人は「就業時間外まで親しくもない会社の人間と飲みに行く理由がわからない。そのためにお金を払う理由はもっとわからない」という。

上の世代の多くは飲みニケーションを社内のコミュニケーションを円滑にする手段と受け止め、その費用は必要経費と考える。

しかし外国人にはそれが奇妙に感じるようだ。

ただ、最近は日本でも若い世代の多くは同じ考えを持っている。その点では日本の国際化が進んでいると言えるかもしれない。

風水的に金運ダウン?玄関に置くべきではないモノ3選

■外国人から見た「日本の嫌なところ」3選

国が違えば文化や生活習慣、考え方も違う。日本人にとってはあたりまえでも、外国人から見れば「嫌だ」「おかしい」と思うことは多々ある。

●「本音と建前」がある

多くの外国人は「本音と建前」を使い分ける日本人を「信用できない」と嫌うことが多いようだ。

日本人の「本音と建て前の使い分け」は、ストレートな表現で相手に不快な思いをさせないための対人マナーだ。

それが分かっている日本人同士なら、双方が場の空気を読んで良好な関係を築けるだろう。

しかし外国人は、日本人の本音と建前のギャップが嫌いなようだ。

●トントンと体を触って人を呼ぶ

「ねえねえちょっと」と、肩や腕をトントンと親しみを込めて触ってお店の人を呼んだりすることもあるが、海外では他人の体に触れて人を呼ぶのはNG行為だ。時と場合によってはトラブルに発展してしまうこともある。

マイナンバーカードを保険証代わりにすると損?知っておきたい3つの注意点

●交通費が高い

多くの外国人が「高すぎる!」と思うのが交通費です。公共交通機関の運賃や車コストが自国より高いと感じる外国人が多いようだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

頭がいい人ほど陥りがちな「社会的洗脳」 思い込みを解除して人生の選択肢を増やす

 私たちの思考や行動は、無意識のうちに親、企業、メディアから縛られている。何げない「思い込み」を解除するだけで、視界の外に追いやっていた情報や選択肢に気づき、人生は前に進む。AERA 2022年7月4日号より紹介する。

*  *  *

「給料が安くても、やっぱり好きな仕事を選ぶほうが人生、幸せだと思う」

 こう言われてNOと答える人は何人いるだろうか。本誌読者のアンケート回答を紹介する。

「稼げないけど、好きな仕事をしているので文句はない」(個人情報の記入なし)

「好きでないと仕事を続けられないと思います。給料とモチベーションの落としどころを見つけないと生活が破綻しますよね。だいたい給料なんて“がまん料”みたいなものでは?」(東京都・会社員・60代以上)

 好きな仕事で十分な収入を得られるなら理想的だが、そうでない場合は、いわゆる“やりがい搾取”に陥ることもある。それでも「私は好きな仕事をがんばっている」という思いを拠り所に薄給かつ長時間労働を続ける人は少なくない。アンケートに答えてくれた人がそうとは言えないが、「好きだからOK」という思考が生まれるのはなぜか。勝間和代さんに聞いた。

「それは脳にプログラミングされた『ブレインロック』の影響です。日本語でいうと“社会的洗脳”でしょうか。幼少期には親や学校からのブレインロック。社会に出てからは企業またはメディア発のブレインロック。人間が無意識のうちに埋め込まれる価値観や、思想の刷り込みのことを指します。ブレインロックにかかると思考や行動に余計な制限が生まれがちです」

■思い込みの自覚なし

 怖いのは、本人は“偏った思い込みを持っている”という自覚がない点だという。

「無意識に合理性のない選択をすることで、お金や時間を失っているケースが多い。でも本人は脳にプログラミングされた通りに行動しているだけなので、なんの疑問も抱きません」

 好きな仕事をしているが給与が低い人はどうすればいい?

「『自分が息を吸って吐くようにできてしまうことに対して、ほめてくれる職場へ転職すること』、これに尽きます。好きだが自分の得意分野が生かせない仕事では努力をしても評価されず、収入も上がらないでしょう。自分にとっても雇用者にとってもメリットがありません」

 現代社会では、長時間労働をしても成果に結びつきにくい。

「今は資本とテクノロジーが企業の付加価値を生む時代。つまり労働者個人が毎日数時間余計に働いたところで、企業の利益にはほぼ影響がないのです」

 代表的なブレインロックの18例を勝間さんが挙げてくれた。冒頭のアンケートは本誌読者の“ブレインロック度”を測るため、あえて勝間さんの名前は出さず「今の日本人の一般的なモノの考え方を探るため、かっこつけない正直な意見」を聞くとしてYESとNOだけで回答してもらった。YESが多い=ブレインロック率が高い項目の順に並べてある。

 その結果、飲酒に関するブレインロックが筆頭にきた。

「飲み会で盛り上がった相手とは、やはり関係性は深くなると思う」(個人情報の記入なし)

「お酒は趣味なので『多少』ではなく『けっこう』楽しむ。周りに迷惑がかからないのであればよいのでは」(同)

 確かに多少の飲酒を楽しんでもいいかと問われたら、YESと答えたくなる。勝間さんも飲酒厳禁と言ってはいない。

「お酒で問題なのは人生の優先順位が狂ってしまうケースです」

 酔いゆえの失言で人間関係にヒビが入る。失言こそ無いにしても、二日酔いで仕事のパフォーマンスを落とすことはありそうだ。翌日に酒が残るほど飲んでしまうことが増えてきたら危険水域。仕事や人間関係以上に酒が大事という人は少ないだろうが、酒にはその大前提をひっくり返すだけの力がある。

■「安いが正義」の是非

 ブレインロックはお金に関するものも多い。日々の買い物に関する埼玉県の女性(47)の意見を紹介しよう。

「食料・日用品の値上げが家計に響き、週末のまとめ買いを始めました。肉は『肉のハナマサ』で1キロの豚こま肉、ひき肉、鶏むね肉。お米やペットボトル、調味料は夫に車を出してもらい『業務スーパー』へ。それぞれ1時間強かかりますが、これまでとほぼ同じものを買い、月5千円は節約できています」

 首都圏在住でもネットスーパーを使わない理由は?

「昼間は働いているので受け取りづらいという物理的な理由です。生鮮食品は、手にとって確かめたものを買いたいですし」

 買い物をするなら安いもののほうがいいという考え方に関して、勝間さんはこう言う。

「節約を楽しむのはよいことですが、時間に余裕がない方は一考の余地があります。5千円の節約のため、せっかくの休日に二つのスーパーで各1時間、月にして8時間かけているのはもったいないのでは」

“自分の目で見て選びたい”という意見には、こう答えた。

「スーパーの生鮮食品は生産者とバイヤーを通じて選び抜かれています。もし不良品にあたっても、すぐ返金または交換してもらえます。そもそも不良品にあたる確率は低いのです」

■大銀行安全説は崩壊

「素人の投資は危険」というブレインロックも根強い。今回のアンケートでも3位に入った。

「個別株の値動きを予想することはプロでも難しい。リスクは実際、高いです。私はインデックス型の投資信託を毎月、定額で積み立てる方法を勧めています。投資は危険というブレインロックにかかると、初心者にもできる方法があるという情報を脳が受け付けなくなります」

 なお、「大銀行のおすすめなら安全」についてはほぼ崩壊、否定的な意見が多かった。

「大銀行なら安心なんて、勉強不足の情報弱者。こんな人、いるのか? 信じがたい」(埼玉県・会社員・40代)と辛口の意見も。「努力すれば成功できる」「真面目に働けば出世する」「がんばらないと稼げない」も軒並み下位に来ている。

「ずる賢さがないと出世にはつながらないと思う。昔の会社員のように年功序列の世の中ではないので」(個人情報の記入なし)という現実派が目立った。その脇で「真面目さで損をすることも多いが、損得では考えない生き方の人間がいてもいい」(愛媛県・職業記載なし・60代)など、成功は二の次という考え方も。そもそも出世に対する欲や人より多く働く姿勢が薄れているように見受けられた。

 ブレインロックは、いわば日本人を何十年もやってきた末に陥った「罠」だ。親や学校からしっかり教育され、企業の理想通り真面目に働き、メディアや書籍から最新情報を吸収──そういった、よりよく生きようと努力する賢い人ほどブレインロックにハマりやすい。

 ではロックを解除するにはどうすればいいのだろう。

「新しい情報に触れること。家族や職場とは違う世界にいる人と話すこと。情報のポイントは『質より量』です。たとえば親から刷り込まれた一つの考え方とは違う情報が二、四、六……と増えていくたびに刷り込みが薄れます。そして一定の量を超えた時に思考がひっくり返ります。その繰り返しです」

(エディトリアルライター・木村直子、編集部・中島晶子)

※AERA 2022年7月4日号

気を利かせたつもりが…妻が「夫に言われて傷ついた」NGフレーズ3選【公認心理師が解説】

◆夫婦の「ボタンの掛け違い」を防ぐには? NGフレーズを振り返ろう

「口は禍の元」ということわざがあるように、夫婦の間でも悪気なく口にした言葉が、互いを傷つけてしまうことがあります。 パートナーの言葉に傷つくと、思い返すたびに悲しい気持ちになるものです。

ところが、その言葉をかけた側には傷つけるつもりなどもなく、「気を利かせているつもり」であることが多いもの。 「ボタンの掛け違い」を防ぐためにも、夫婦は互いを傷つける可能性のある言葉を理解しておく必要がありそうです。

◆妻を気遣ったつもりが大失敗! 夫のかけがちNGフレーズ3選

私がカウンセリングの中でよく伺う夫婦関係の悩みのなかから、夫から言われて傷ついたという言葉を3つお伝えしたいと思います。

▼1. 「昼は簡単なものでいいよ。チャーハンとかおにぎりとか」

忙しい主婦にとって、休日の昼食の準備はとても煩わしいもの。そんなときに夫が「昼は簡単なものでいいよ」と言ってくれると助かりますが、「チャーハンやおにぎり」といった一言がつくだけで「料理の大変さを何もわかってない」と感じてしまいます。

チャーハンは具材が多く、細かく刻む手間もあり、意外に時間がかかります。おにぎりも具材を複数用意し、人数分握るのは大変です。しかも、単品ではすまず、スープやおかずもあった方がいいだろう、ということになってしまいます。

どんなメニューでも、一から家族の食事を用意するのは大変なのです。その理解が足りない言葉をかけられると、妻はがっかりしてしまいます。

▼2. 「子どもは自分の力で育つんだから、そんなに頑張らなくていいんじゃない」

「子どもは自分の力で育つ」は、よく知られる育児の一般論。でも、実際の子育ては聞き分けのない子に言い聞かせたり、ぐずる子をなだめたりの連続です。

つまり、親の陰の苦心があってこそ、「子どもは自分の力で育つ」のです。そこに対して何の言及もなく、一般論をもとにして「そんなに頑張らなくていい」と言われたら、妻は「子育てのこと、何もわかってない」と落胆してしまうでしょう。

▼3. 「もっと動いたほうがいいよ」「休んでいると余計に疲れるよ」

「いつも笑顔ではつらつとしていてほしい」「疲れた顔を見たくない」、パートナーにそんな願いを抱く人は多いことでしょう。 妻は、外ではつらくても笑顔を見せて頑張っているのかもしれません。

その分、家では緊張をほどいてソファでごろり。そんなひとときに、癒しを求めたくなることもあるでしょう。 一晩寝ても、取れない疲れもあるものです。男性とは異なる、女性ならではの体調の影響もあるかもしれません。

そうした状況を想像せず、男性の価値観で活発に動くことを勧めたり、こまめな休息を否定したりすると、妻は「私の体を労わってくれないんだな」とがっかりしてしまうでしょう。

◆正解の言い方は? 少し変えるだけで差がつく「思いやりの言葉」

このように、夫が気を利かせているつもりでかけた言葉で、妻の心に後味の悪い気持ちが広がってしまうことがあります。夫婦は互いを思いやり、それを誤解なく伝えることが、何よりも大切。気遣いの気持ちが伝わらない上記のような言葉が出かかったときには、次のように言いかえてみてはいかがでしょう?

▼1. 「お昼を準備するのは大変だよね。手伝うよ」

休日の昼は、妻も少しは休みたいのです。料理を妻任せにするのではなく、何か手伝えることはないか、考えてみましょう。たとえば、「弁当を買ってこようか?」「たまには外に食べに行こうか」。家事の負担を軽くする提案してもらえると、妻は大助かりです。

▼2. 「子育ては大変だよね。ママの体が大切だから、一人で頑張らないでね」

妻に子育てを頑張りすぎないでほしいと思うなら、子育ての負担を分かち合いたいという意思を伝えることです。そもそも、夫に頼っていられないと感じるから、妻は一人で頑張ろうとしているのではないでしょうか。夫の方から手を差し伸べてくれたら、妻の気持ちは楽になります。

▼3. 「疲れてるみたいだね。体の求めに従って、ゆっくり休むといいよ」

妻だって、本当は家の中ではつらつとしていたい……。でも疲れているから、ソファでごろ寝をしてしまうのではないでしょうか。 そうした妻の体調を思いやり、まずはゆっくり疲れを癒してもらってはいかがでしょう。疲れが癒えれば、気力も湧いてきます。そのときに、元気になれることを勧めてみるといいでしょう。

◆気持ちに寄り添う言葉をかけると、夫婦の絆は強くなる

夫婦は相手の立場を考えずに、思ったことをそのまましないようにすることが大切。自分の価値観を押し付けたり、一般論をそのまま伝えたりしないように気をつけたいものです。 思いやりの欠けた言葉は相手を傷つけ、夫婦関係にひびを入れる元凶になります。

逆に、相手の気持ちに寄り添う言葉をかけると、夫婦の絆は年月と共に強くなります。 ぜひ、日頃かけている言葉を振り返り、思いやりの言葉でパートナーに接していきませんか?

▼大美賀 直子プロフィール

公認心理師 、精神保健福祉士 、産業カウンセラー 、キャリアコンサルタント の資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。

タスクを早く処理できない原因は心のクセ? 「とっちらかる人」が仕事上手になるためのコツ

「仕事へのやる気はあるのに、つい遅刻してしまう」「タスクの締め切りを破り、いつも上司に怒られる」といった悩みを抱えている人は、実は少なくない。やる気とは裏腹に結果が出ないとき、どう対応したらいいのだろうか。産業医の森しほさんに話を伺った。

遅刻、締め切り遅延、電話でのミス……やる気と結果のミスマッチに苦しむ人々

——先生が日頃、会社員の方から受けている「仕事がうまくいかずに困っている」という相談の中には、具体的にどのような内容が多いのでしょうか。

「タスクを早く消化できない」「仕事の段取りが悪い」といったお悩みはとても多く、本人が困って相談に来られるケースもあれば、周囲の人から相談されるケースもあります。

例えば「何度も注意されているのに遅刻癖が治らない」という方。遅刻について上司に叱責されて反省文を提出していたり、処分もあり得ると厳しく指導されていたりするのに、なかなか改善できないというのです。

遅刻する理由は「朝出かける直前にいろいろと用事ができてしまうから」とおっしゃいます。一例を挙げると「朝の情報番組で冷蔵庫の掃除テクニックが放送されていたので、つい冷蔵庫の整理を始めてしまった結果、遅刻した」という具合です。

この方のクセは、目の前に出現したタスクにすぐに取りかかってしまうこと。他人から見れば、冷蔵庫の整理は、遅刻してまで行うほどのタスクではないのですが、本人は大真面目です。

——こうしたクセは、他の業務にも現れるのでしょうか。

そうですね。この方は仕事の能力は高いのに、優先度が高い業務を後回しにして優先度が低い業務に取りかかってしまうことが多々あるとのこと。

重要な業務に取り組んでるときに、偶然通りかかった他部署の人に「給湯室が散らかっているからきれいにしたら?」と声をかけられると、重要な業務を脇に置いて掃除を始めてしまうこともあったとか。

優先順位の高さを判断できずに仕事をしていると、当然ながら重要なタスクの締め切りを守れなくなってしまいます。

——電話に関する業務が苦手な方も多いと聞きます。電話対応に関する相談もありますか?

あるとき「仕事に行くのがつらい。仕事のことを考えると眠れない」と悩んでいる方がいらっしゃいました(※)。彼が心身に不調を来した直接的な原因は、電話対応に関する大クレーム。彼はもともと電話対応が苦手で、電話をとってメモを取りながら話を聞き、上司に報告するといった流れをこなすことが難しく、いつも頭が混乱してしまうのだそうです。

そんな彼が先日、電話で難しい質問を受けてしまい、保留にして調べていたところ、突然の来客があって電話を長時間放置してしまった……というのが大クレームの概要でした。

これをきっかけに、彼はさまざまな「苦手」によって、生きづらさを感じていたと吐露。電話が苦手という特徴を掘り下げていくと、「マルチタスクが苦手」や「耳から聞いた指示が残りにくい」という問題も明らかになりました。口頭で手順を説明されると右から左に抜けてしまい理解できず、上司からは「仕事の覚えが悪い」と指摘されていたのです。

こういった悩みを抱えている方は、決して仕事へのモチベーションが低いわけではありません。むしろ真面目で実直にお仕事に向き合っている方ばかりです。

※相談者が特定されないよう、表現に配慮しています。

苦手な業務が多いからといって「ADHD」だと悩む必要はない

——こうした相談をされる方には、何か共通点があるのでしょうか。

こうした困りごとを抱える方の中には、「ADHD(注意欠如・多動症)」と診断される方もいます。ADHDは、活動に集中できないなどの「不注意」と、待つことが苦手などの「多動-衝動性」が平均水準よりもひんぱんに見られる特性で、発達障害の一種です。この傾向が12歳以前より認められる場合には、発達検査などを行って診断します。

近年は「大人のADHD」という言葉もあり、大人になってから診断を受けるケースも増加しました。しかしADHDの厳密な診断基準を満たしていなくても、「生きづらさ」を感じている方はいらっしゃいます。たとえば以下のような困りごとですね。

・思考が散らかりがち

・ミスが多い

・場にそぐわない発言をしてしまう

・目の前に現れたタスクをつい優先してしまう

・聴覚よりも視覚優位

・計算はとても速くて正確

こういった特性を「発達障害」「ADHD」「グレーゾーン(ADHDの診断は下りないものの、近しい特性が見られる状態)」という言葉に結びつける方もいますが、そもそもこの分類には意味がないと考えます。

ADHDだからといって、ADHD専用の対処法があるわけではありませんし、グレーゾーンだからADHDの方よりも日常生活で支障を感じにくいわけでもありません。グレーゾーンにはグレーゾーンの辛さがあります。一人ひとり、得意なことや苦手なことがそれぞれ違うため、その方に合った対処が必要です。

精神は物理に勝る! 能力のデコボコは「仕組み」で解決

——今の話を受けて「自分はADHDやグレーゾーンかも?」と感じた方は、どのように対処すればよいのでしょうか?

「気合いで性格を変えよう」なんて考える必要はありません。得手不得手は誰にでもありますし、特性そのものは欠点ではありませんから。

大切なのは、日常生活で困った場面をしっかりと掘り下げて、トラブルを防ぐ仕組みを考えていくこと。意識を変えるのではなく物理的な仕組みを作って対策しましょう。

【仕組みで解決した事例】(困りごと/対処法)

仕事の締め切りを守れない

・タスクを細分化して細かく締め切りを設定する

・上司に進捗のチェックを依頼する

タスクの優先順位を判断できない

・重要なタスクを付箋に書き出してPCに貼る

・周囲の人にもタスクを見える化する

寝坊が多い

・家族や友人に電話で起こしてもらう

テレビの情報に気を取られて遅刻する

・朝はテレビをつけない

電話対応で聞くこととメモを取ることが苦手

・電話対応用のメモ用紙を作る(相手の名前、連絡先、要件を記入するフォーマット)

指示を聞きながらメモを取ることが難しい

・動画や写真を撮影して、視覚的に理解できるようにする

こちらでご紹介している事例はあくまでも、私が患者さんと向き合う中で見出した解決策であり、万人に効果があるとは限りません。しかし、似たような悩みを抱えている方にとっては参考になるのではないでしょうか。

「しっかりしないと」と自分を追い込まないで!

「しっかりしないと」と気を張り続ければ、自分が疲弊してしまいます。あなたはすでに十分にがんばっているからです。疲れ果ててしまわないよう、できる限り周囲を巻き込んでミスを防ぐ仕組みを構築してみましょう。「困った時は人に相談する」「ミスやトラブルの原因を一緒に考えてもらう」などは、当たり前に思えるかもしれませんが、非常に大切な取り組みです。

「自立」とは自分一人で物事を解決することではなく、「頼れる先をたくさん持つこと」だと思います。特定の人に頼りすぎるとその相手も疲れてしまいます。日頃から多くの人と良好な人間関係を築いておき、都度頼るようにすることは、社会人として大切なテクニックといえるでしょう。

日頃から感謝の気持ちを伝えておくこと、率先して周囲をサポートすることを心がけていれば、あなたが頼ることを先方が不快に感じることはありません。

とはいえ困りごとを抱えている方は、小さい頃から忘れ物やミスで怒られている方が多く、人とのコミュニケーションに不安を感じてしまいがちです。周囲の人に頼ることが難しい場合、頼ることがストレスに感じる場合には、勤務先の産業医や街の心療内科・精神科へ、気軽に相談してみましょう。

ひろゆきが語る「無能で取り残される人の特徴」ワースト1

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。

彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「言われたこと」だけをやる人

 日本は、年収200万円以下の人が1200万人以上います。

 どんどん稼げない人が増えている状態で、「無能な人」は取り残されていっています。

 昭和の時代であれば、無能でも「言われたことだけ」をやっていればよかったのに、そういった仕事は海外に出て行ってしまっています。

 そんな状況の日本で生き抜くために、あるいは取り残されないために、いま考えておくべきことを述べようと思います。

「無能な人」がやるべきこと

 安い労働力は東南アジアに流れていきます。

 肉体労働は安ければ安いほどよく、日本にいるのであれば「高い言語能力」が必要になるような仕事は残ります。

 それはクリエイティブ系の仕事だったり、人々をまとめるマネジメント系の仕事などです。

 そのポジションを守れるように、高い学歴を獲得したり、20代や30代の社会人生活を過ごさないといけないんですよね。

 でも、一方で「私は無能だ」と自覚している人は、それでも生きていけるマインドセットを身につけたほうが早かったりします。

「実家暮らしでもいい」「年収200万円でも楽しく暮らせる」など、生き方についての考え方を身につけておくことですね。

 ただ、無能な人に限って、生活レベルを上げたり、見栄を張るお金の使い方をしてしまうので、「借金をする」「長時間労働をする」といったダメな行動に流れてしまうんですよね。

「ムダ」に気づける人になろう

「無能な人」の人生を歩まないためには「頑張ってる」を言い訳にしないことが大事です。

 ちゃんと利益を上げられるような「質の高い頑張り」が必要なのであって、そうではない「無駄な頑張り」は極力なくすべきです。

 それなのに、日本の企業では「無駄な頑張り」が評価につながったりします。

 形骸化した仕事に意味を持たせたり、利益に結びつかない仕事に価値を持たせたり……。

 そういうことに自覚的になりましょう。

「あれ、これってムダじゃない?」と個人レベルで気づくことができ、「これって海外の安い労働力で十分じゃない?」「バイトの子にもできるんじゃない?」と疑うことです。じゃあ、どんなことを自分がやるべきなのかが明確になるはずです。

 無能で取り残されないように、自分がいまやっていることの意味をちゃんと考えるようにしましょう。

ひろゆき

本名:西村博之

1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

初対面で「できると思われる人」と「大したことない人」の違いとは

過去の成功例が通用せず、優れた手法はすぐに真似される「正解がない時代」。真面目で優秀な人ほど正攻法から抜け出せず、悩みを抱えてしまいます。リクルートに入社し、25歳で社長、30歳で東証マザーズ上場、35歳で東証一部へ。創業以来12期連続で増収増益を達成した気鋭の起業家、株式会社じげん代表取締役社長執行役員CEO・平尾丈氏は、「起業家の思考法を身につけることで、正解がない時代に誰もが圧倒的成果を出すことができる」と語ります。「自分らしく」「優秀で」「別の」やり方を組み合わせた「別解」を生み出すことで、他人の「優等生案」を抜き去り、突き抜けた結果を実現することができるのです。本連載では、平尾氏の初の著書となる『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』に掲載されている「現代のビジネスパーソンが身につけるべき、起業家の5つの力」から抜粋。「不確実性が高く、前例や正攻法に頼れない時代」に自分の頭で考えて成果を生む方法を紹介します。

質問は10問以上用意しておく

会いたい人に実際に会えたときは、どうすればいいのでしょうか。

相手のほうから積極的に話をしてくれることはありません。

その場の空気はこちらがつくらなければなりません。

人と出会ったときに何を質問するかは、非常に重要です。質問によって、質問する側の実力が、ほぼわかってしまうからです。

その時に武器となるのが、あらかじめ用意した質問メモです。

私は初対面の人に会うとき、質問を10問以上用意していきます。

人に会うときは準備をし、絶対に聞きたい話を聞いて帰ります。

食事の場でも、料理そっちのけで質問するので、相手には強い印象を与えるようです。

相手のSNSやインタビュー、著書に目を通せばわかるような質問をしてはいけません。

よく聞かれる質問も、相手を辟易させるだけです。

聞きたいのは、その人の持つ意見や考え方のはずです。

押さえるべき情報は押さえ、そのうえで相手の意見を引き出すような質問を考えてください。

私の場合、経営者に対しては同じ質問を用意します。

普遍的で、経営者ごとに価値観の違いが出る質問です。

「経営指標のうち、どれをもっとも重視していますか」

在庫系の指標を追っている経営者もいれば、純資産しか見ていない経営者もいます。

成長率を重視したり、売上と利益の数字と言う人もいます。

そこには、過去に倒産を経験している人、銀行とうまくコミュニケーションがとれなかった人など、過去の経験が反映されている場合もあります。

それぞれの特性がよく出ていて、その人をつかむうえで非常に参考になります。

就職活動のときは、その企業で活躍している人に「あなたのマーケットバリュー(市場価値)はどのくらいですか」と聞いていました。

給料だけでなく、業界のなかでの相対的な価値、自分の価値に関する自己評価などを、客観的に言えるかどうかを見る質問です。

用意した質問をすべて聞けるとは限りません。

優先順位をつけ、これだけは聞いておきたいと強く思っている質問からしていくといいでしょう。

どれだけ準備したか、相手が共鳴してくれるか、自分のファンになってくれるか。

会う機会がもらえたら、初見で自分の力を示せるかが勝負です。

言うまでもなく、話の流れのなかで疑問に思うことや、話を広げる質問をするのもテクニックのひとつです。話の全体像やその人の意見の方向性、場の雰囲気などを総合して質問しなければなりません。

(本原稿は、平尾丈著『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』から一部抜粋・改変したものです)

試験に「出る問題」「出ない問題」超単純な見分け方 資格試験の勉強で最も重要なのは過去問だ

「さあ、資格をとるぞ」と意気込んでいる人、ちょっと待って! いきなり勉強を始めてはいけません。まずは「合格までの最短コース」を調べるために基本情報を集めましょう。その中でも、過去問を「解く」のではなく、よ〜く「読む」ことをお勧めします。

本稿では多くの試験に一発合格してきた資格試験の達人、鬼頭政人氏が著書『資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない 忙しい社会人のための「割り切る勉強法」』より、効率よく勉強する方法を伝授します。

最初に「過去問を読む」のが重要なワケ

 資格試験の勉強を始めるにあたって、最初にやるべきことは何でしょうか? 答えは、「合格までの最短コース」を調べることです。そのために、まずは、その資格試験に関する客観的な情報を集められるだけ、すべて集めます。

 税理士や行政書士、中小企業診断士、社会保険労務士、建築士、宅建士(宅地建物取引士)、社会福祉士などの国家資格試験であれば、それぞれの資格を管轄している省庁のホームページに試験の概要から、受験資格、試験科目、過去の試験問題(以下、過去問)、試験結果などの情報が掲載されています。

 国家資格ではないファイナンシャル・プランナー(FP)などの資格でも、その資格試験を運営する団体などのホームページに同様の基本的な情報が掲載されています。

 こうした基本情報を集めることは、おそらく誰もがやっていると思います。試験制度や受験者数、合格者数、合格率などは、みなさん、よく知っていることでしょう。ただ、勉強を始める前に過去問を読む人はほとんどいません。解けるはずがないので、手に取らないのでしょう。しかし、それでも私は過去問を手に取ることをお勧めします。

 ここで大切なのは、問題を解くことではなく、どれくらいのレベルの答えを求められるのかを知ることだからです。もちろん、選択式なのか、記述式なのか、といったレベルで出題形式を把握している人はいると思います。ですが、もう一歩だけ踏み込んだ読み方をしてみませんか?

 問題文は何行ぐらいなのか。選択肢は何個あるのか。選択式なのか、穴埋め式なのか。また、「次の中から正しいものを選べ」といったシンプルな問題もあれば、「次の中から正しいものの個数を答えよ」といった、ひとひねりした問題もあります。

 あるいは、選択肢が「1徳川家康」「2織田信長」「3豊臣秀吉」レベルなら迷いませんが、「1山田太一郎」「2山田太一」「3山田一太」レベルなら、正確に覚えていないと「どっちだっけな?」と迷ってしまうのではないでしょうか。

 「選択式」の問題1つとっても、まるで難易度が違います。難易度が違えば、勉強に求められる精度も当然、変わります。これは、過去問をよく読まないとわかりません。だから私は、過去問を解くのではなく、「読む」ことを受験生に勧めているのです。問題の形式はもちろん、選択肢のレベルや問い方などで問題の難易度は変わるので、過去問を読んで、そこまで把握しておくことが勉強の準備として大切なのです。

1ページ目から勉強を始めてはいけない理由

 過去問に目を通したら、次は参考書。ですが、参考書や教科書の1ページ目から勉強を始めるのは、効率をまったく無視したムダだらけ。勉強の効率を上げるために、私は「正しくヤマを張れ」といつも伝えています。参考書の1ページ目から真面目に勉強を始めるのは、効率を考えるとアウトです。その理由は、参考書や教科書は出題頻度の高い分野から解説してくれているわけではないからです。

 例えば、司法試験を受けるなら憲法についての勉強は必須ですが、仮に『憲法』という参考書なり教科書があったとしたら、1ページ目から解説されるのは憲法の歴史でしょう。しかし、司法試験に憲法の歴史が出題されることは、実はあまりありません。日本史の教科書は通常、縄文時代から始まりますが、大学入試の日本史で縄文時代に関して出題されることが非常に珍しいのと同じです。

 大学入試の日本史で一番出題されるのは近現代だと思いますが、近現代は当然ながら教科書の最後です。だから学校によっては、近現代まで授業が進まなかったり、大急ぎでやることになって手薄な授業になったりします。歴史授業の「あるある」ではないでしょうか。

 つまり、資格試験の参考書も、出題頻度の高い分野から解説してくれているわけではない以上、1ページ目から真面目に勉強する必要はないということです。資格試験によっては、最初の単元すべて、合格のための勉強には必要がないケースすらあります。

 参考書や教科書というのは、すべての分野を基本的には平等に扱っています。網羅性が重視されているため、ヌケやモレはありませんが、その分、試験に出ないことまで解説されているのです。したがって、参考書を1ページ目からじっくり読む必要もなければ、全部を一言一句読む必要もないということです。出題されないのであれば、まったく読まない分野があっても資格試験に合格するためには何の問題もありません。

 全体像を知るために、1回だけサラっと読んでおけば十分という分野もあるのです。

試験に頻繁に出題される分野とそうでない分野

 それでは、試験に頻繁に出題される分野と、出題されない分野はどうすれば見分けられるのでしょうか。これは過去問を見れば一目瞭然です。「過去問を読む」ことは、この出題傾向を把握することにも非常に有効なのです。

 3〜5年間分の過去問を見れば、どの分野から何問出題されたかは、数えてみればわかるでしょう(多くの問題集や過去問集にはこういったデータが付いていることが多いです)。参考書によっては、こうした出題傾向を分析して、分野ごとに星の数などで出題頻度を表しているものもあります。ただ、それよりもよりわかりやすいのは問題集です。

 問題集は、出題頻度の高い分野の問題が多くなりますので、問題集の分野ごとの問題数やページ数で、どの分野の出題頻度が高いのかがわかります。

 逆に、出題頻度が低い分野は、問題数も少ないので、こちらもすぐにわかります。こうして出題頻度が高い分野、中程度の分野、低い分野、出ない分野をあらかじめ頭に入れておけば、勉強に濃淡がつけられますし、どこから勉強を始めれば効率的に資格試験を攻略できるか、目途がつけられます。

 ハッキリ言ってしまえば、「合格までの最短コース」を歩みたければ、出題頻度の高い分野を重点的に勉強すればいいのです。そうすれば、必然的に出題頻度の高い分野を数多く勉強することにもなり、勉強の効率が格段に上がることは間違いありません。

「ネット検索で情報収集」時間で損する人がやりがちな致命的な行動

「あれ、何調べようと思っていたんだっけ?」。ひとつの情報を調べたかっただけなのに、気づけば驚くほど時間が経っている。手軽に検索できるようになった反面、必要な情報にたどりつきにくくなったと思考の整理家鈴木進介さんは言います。不要な情報「ノイズ」に振り回されない方法とは?

1日の情報量は平安時代の一生分!?

気になることはすぐネットで検索、スキマ時間にはネットサーフィンやSNS利用 ——。私たちは毎日さまざまな情報に触れています。

 

ネット上でよく言われるひとつに、「私たち現代人が1日に受け取る情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の1年分である」というのがあります。

 

出所はハッキリしておらず、あくまで都市伝説レベルですが、現代の情報社会がいかに目まぐるしいのかがイメージできるのではないでしょうか。

特に、スマホによって“常時ネット接続状態になり、大量の情報を瞬時にインプットすることが可能になりました。

 

しかし、それは便利な一方でリスクも。情報が集まりすぎて、本当に使える情報を見つけられないことです。

 

同じような情報ばかりで欲しい情報が出てこない、もしくは、何が有益な情報かを判断できずに、情報収集が止まらなくなってしまうのです。

“とりあえず検索では何も見つからない

印象的だったクライアントの話があります。Aさんは、シニア層向けの市場開拓の新たな切り口を求め、意気揚々と情報収集に着手しました。

 

しかし、しばらくしてから「たくさん情報は出てくるものの、どこまで手を広げて集めればよいのかわかりません」と言うのです。

 

詳しく聞いてみると、「シニア、ビジネス」や「シニア向け、新規事業」といった漠然としたキーワードで検索していて、結果的に集まったのは、浅く膨大な情報だけ。

 

もちろんこの検索方法で有益な情報がヒットするかもしれません。ただ、多くの人が同じ情報にアクセスしているはずですから、独自性のある仕事へつなげることは難しいでしょう。

 

有益な情報にたどりつくには、自分にとってどんなことが有益かを先に定義する必要があります。つまり、検索する前に仮説を立てて、検索の方向性を決めるべきなのです。

 

例えば、「シニア層が増える社会ではどんな状況が想定されるか?」という問いに対しては、次のような思考の流れで仮説が立てられます。

 

高齢になれば足腰が悪くなる可能性がある→買い物に行けない人も増えてくる→宅配の比率が高まる→シニアのスマホ所有率も高まる背景を考えると、ネット通販の需要が高まる。

 

このように仮説を立てれば、検索の方向性を「シニア向けのスマホを使った通販ビジネス」に絞ることができるでしょう。

 

「シニアの買い物の実態」や「ネット通販企業の動向」など、調べる範囲も具体化でき、大量の情報に翻弄されることもなくなるはずです。

 

“とりあえずで検索を始めても、多くは価値のないノイズばかり。

 

仮説もなく検索するなんて、料理のメニューも決めずにスーパーへ行って、セール品や好きな食材を、次々と買い込んでしまうのと同じことです。

情報を集めすぎない人ほどリサーチ上手

情報のノイズに振り回されないためには、情報を「量」重視から「質」重視へと変えていくのが賢明です。

 

「努力するほど成果が出る」と教育を受けてきた私たちは、情報も大量に収集しようという固定観念が強すぎるのかもしれません。

 

新たな情報を得ると知的好奇心がくすぐられ、なんだか自分が賢くなったような快感を覚えたり、もっと詳しく知りたい欲望が生まれます。

 

また、集めた分だけ安心感が増して、情報を得る行為そのものに充実感を感じてしまいがちです。

 

しかし、それは自分の不安を解消することにしか役立っておらず、本来の目的達成には無意味な場合がほとんどです

情報に振り回される人と振り回されない人
情報に振り回される人と振り回されない人

質の良い情報をつかむには、情報の使用目的をしっかり決めて、目的から脱線しない意識をもちましょう。先ほどのように仮説を立ててキーワードを絞って検索したり、不要な情報はバッサリ切る。

 

目的に合った情報かを判断するだけなら簡単で、時間もかかりません。そうすれば必要な情報にフォーカスして、より深く調べる時間も生まれます。

 

すべての情報が価値を持つわけではなく、大切な情報は少ないものです。「もっと」という衝動を抑えて、「本当に重要な厳選した情報にフォーカスできるか」が、私たちには問われているのです。

 

PROFILE 鈴木進介さん

株式会社コンパス代表取締役。独自の情報活用術や問題解決の視点を武器に、人材育成トレーナー・経営コンサルタントとして活動中。“思考の整理家®”と称され、多くの企業や経営者から圧倒的な支持を得ている。近著に『ノイズに振り回されない情報活用力』

監修/鈴木進介 取材・文/大浦綾子

結婚後に「孤独」を感じている人へ。“逃げる”のは逆効果、寂しさと上手に付き合うコツ

「結婚したら、寂しくなくなる!」なんて思っていても、実際は孤独を感じている人は少なくありません。それは、どうしてなのでしょうか。また、どうやって孤独と付き合っていけばいいのでしょうか。

結婚しても、誰もが孤独と付き合っていく

家族がいようと、友達がいようと、人は孤独と付き合っていきます。それは、誰もが自分の人生を“1人で”歩んでいくからです。

どんなに愛する人がいても、他の人の人生に乗っかることはできず、自分は自分の人生を歩むしかありません。人に依存したり、甘えたりしていても、乗り越えられない問題に直面したときには、1人で戦わなくてはいけない場面もあるでしょう。

また、どんなにパートナーと愛し合っていても、全ての価値観や考えが合うということはありません。時に意見が衝突したり、すれ違ったりすることもあります。そんなときに人は、孤独を感じるものでしょう。

孤独な人は「自分だけが孤独なのだ」と思ってしまい、余計に寂しさを感じてしまうこともありますが、誰もが皆、ある意味“孤独な存在”です。だから、自分だけが孤独だと思わないで、「みんなそれぞれ、孤独と戦いながら生きている」ことを理解しましょう。

孤独と上手に付き合っていく方法とは?

では、逃れることのできない孤独とどうやって付き合っていけばいいのでしょうか。

まず大切なのは「孤独は“必ず存在するもの”として、受け入れてしまうこと」です。孤独から逃げようとすると、ますます孤独を恐れ、寂しさを感じてしまいます。ですから、むしろ孤独は「常にあるもの」と認め、うまく付き合っていこうと決意してしまったほうがいいのです。

そして、寂しいときは、人から手を差し伸べてもらうことばかりを求めないで、自分から、積極的に人と関わろうとしたり、孤独な人に話しかけてあげたりするといいでしょう。他人の孤独を癒してあげると、自分が寂しかったことを忘れてしまう、なんてことはよくありますしね。

自立心を持つことが大切!

さらに、孤独とうまく付き合うためには、「自立心を持つ」ことが大切。できる限り、「自分の足で立とう」と思えるようになることが重要なのです。

他の人に依存してしまう人ほど、孤独を味わう機会が多い傾向があります。依存心があると、何か叶えたいことがあったとき、すぐに人の力を借りようとします。それによって、大切な人を自分の思い通りにコントロールしようとしてしまい、関係を壊してしまうことがあるからです。

「相手には相手の人生がある」ということを、きちんと認識することが大事。そうしたら、やみくもに相手の時間と労力を自分に費やしてもらおうなんて、甘い考えはなくなっていきます。頼ってばかりいないで、自立心をもって「できる限り自分でやろう」と思えるようになることが大切なのです。

時には、人に頼ってもいい

もちろん「困っていても、誰にも助けを求めるな」と言っているわけではありません。ただ、自立心を抱いている人とそうでない人とでは、「頼り方」に違いが表れます。

自立心を抱いている人は、助けてもらいながらも、その後は自分1人でもやっていけるような方法を探ります。逆に、依存心の強い人は、「ずっと助けてもらおう」と甘えっぱなしになってしまいます。

そうすると、助けてくれる相手の反応は随分変わります。前者に対しては応援してくれる人も多いですが、後者には自分が都合のいいように使われている感じがして、離れたくなる人も多いでしょう。だから、人を頼る前にまずは自立心を高めたほうがいいのです。

「孤独」を理由に人を求めがちですが、人との関係を良好に保つためにも自立心を持ち、孤独感と上手に付き合っていく必要があります。逆を言えば、孤独をきちんと受け止められる人は、人と上手に付き合っていけるようになるので、寂しい思いをしにくくなるのです。

孤独から逃れようとするのではなく、しっかり受け止め、自立心を鍛え、人と良い関係を築けるようになりたいものですね。

早期退職&リストラ対象になる人の8つの特徴。最近給料が上がっていないetc.

 コロナ禍による業績悪化などで、早期退職を募集する上場企業は2年連続で80社を超え、募集人数も1万5000人以上となった。会社員に忍び寄る“クビ切り”が現実味を帯びるなか、長年勤めた会社に“棄てられる”人たちに特徴はあるのか。クビ切りの新基準を識者2人に取材した。

◆会社から棄てられる人には“相応の理由”がある
 2月1日、総務省が発表した労働力調査によれば、’21年の完全失業率は2.8%。うち「勤め先や事業の都合」で職場を離れた人は36万人に上る。

 コロナによる経済大打撃が連日報じられているわりに、一見、目立った数字には表れていないが、実際の日本企業の経営は厳しい。もはや余力を失った会社は今後、社員を棄てざるを得なくなる。

「給料の高い人ほど、比較対象になる人材が横や下に多く、より人事評価がシビアになり、クビ切り対象に。特に、長年同じ役職にとどまっていて給料が高止まりしているような人は要注意です。業績悪化で構造改革を余儀なくされるため、今後の成長が見込める若手にポストを任せたいというのが経営側の本音です」(人事コンサルタント・曽和利光氏)

◆CHECK LIST ① 会社に棄てられやすい人

・最近給料が上がっていない人

・「会社のプロ」になっている人

・そのポジションに長くいる人

・機械的なルーティンワークの人

・長幼の序の変化を恐れる人

・ギブよりもテイクばかり求める人

・批判精神の強い人

・社内派閥をつくろうとする人

 上は、クビ切り対象になる人の特徴を挙げたチェックリストだ。ひとつでも該当する人は近い将来、会社に棄てられる可能性が高い。

「年上の部下は、そもそも使いにくいもの。チームへの貢献や後進の育成のためにギブ的行動ができる人なら重宝されますが、そうでない独立独歩タイプのベテラン社員は不要です。

 また、若手に擦り寄って派閥的な人間関係を広げ、そこで会社批判を繰り返す人も最悪。社内の士気を下げる要因になるため、候補に挙がるでしょう」

◆コツコツ中堅社員も安心できない

 ただ、こうした悪目立ち組と違ってコツコツと日々の業務をこなしてきた中堅社員もクビ筋は寒い。

「広く浅くを極めた『会社のプロ』は、その会社の方針が変わると急に『取りえのない人』と見なされがち。AIで代替できるような事務的ルーティンワークを担っている人は特に危ないですね」

◆早期退職&リストラに踏み切る会社の特徴

 では、早期退職&リストラに踏み切る会社にはどんな特徴があるのか。人事ジャーナリストの溝上憲文氏はこう解説する。

「年功序列型の会社では、50歳のヒラ社員に年収1000万円を払うようなケースがあります。仕事に見合った成果を上げていない中高年の賃金を減らし、若い社員を入れる動きを最近よく見ます」

 過去のリストラ実績も、大きな指標になり得るという。

「リストラに要した経費を特別損失として処理すれば、翌年度は人件費が減る分、黒字化が見込める。株主重視の経営をしている会社は黒字決算が重要なので、この甘い蜜を一度味わうと、二度三度と繰り返す可能性が高い」

◆業績好調でもリストラの可能性あり
 そして、業績好調の優良企業ですらリストラの可能性があるというのだから、油断は禁物だ。

「最近実施されたリストラの4割が黒字企業です。象徴的なのは自動車メーカーのホンダで、EVへの転換という事業構造改革を理由に、2000人規模の早期退職を募りました」

 会社に棄てられる現実から目を背けてはいけない。

◆CHECK LIST ② リストラしがちな会社の特徴

・年功序列型の会社

・株主重視の会社

・事業構造改革に熱心な黒字企業

【人事コンサルタント 曽和利光氏】

リクルート人事部GMなどを経て、人材研究所を設立。心理学を活用したワンランク上の採用コンサルティングを担う

【人事ジャーナリスト 溝上憲文氏】

経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして、精力的に取材・執筆活動を行う。著書に『人事部はここを見ている!』など

<取材・文/沼澤典史(清談社)>

※週刊SPA!2月15日発売号の特集「[クビ切り]の新基準」より

2人にひとり「友だちがいない」50代男性の衝撃。“一人のほうが楽”に危険な落とし穴

 青春時代、仲間たちと思い思いに語り合ったのも今は昔。50代、人生の終盤戦に臨もうとする男たちに「友だちがいない」のは、今やデフォルトのようだ。そして孤独がもたらす悪影響を、50代男たちはあまりに安く見積もっている。そんな彼らがこれから支払う“代償“とは――。

◆孤独が男の人生に及ぼす影響とは?
 コロナ禍において、孤独は世界的な社会問題として注目されている。昨年2月、日本でも孤独・孤立対策担当大臣が任命された。このことからも事の重大さがうかがえるが、今回、取材班が50代の男性400人を対象に実施したアンケートの結果は驚くべきものだった。実に半数以上が「友だちがいると明言できない状況にある」ことが判明したのだ。

Q1 プライベートで誘えるような友だちはいますか?

・いない 16.8%

・ほとんどいない 12.8%

・パッと思いつかない 7.6%

・多分いる 13.8%

(ここまでの計51%)

・いる 49%

Q2 <Q1で「いる」以外と答えた人に対して>いつ頃から友だちが減った/いなくなったと感じましたか?

・20代 42.2%

・30代 27.9%

・40代 17.7%

・50代 12.2%

※50~59歳の男性400人に、交遊関係についてWebアンケートを実施した

=====

◆友だちをつくる暇などなかった50代

 果たして、この数字をどう評価すべきなのだろうか。健康社会学者の河合薫氏の分析はこうだ。

「バブル期入社で当時“新人類” ともてはやされた今の50代は、急激なパラダイムシフトに晒されながらも、最も適応できていない世代。

 会社では24時間働けますか?と煽られ、家庭でも昭和のお父さん世代には求められなかったマイホームパパを理想とされ、友だちをつくる暇などなかったというのが実情でしょう。それなのに、そのツケがこれから回ってくるかわいそうな世代です」

◆友だちが減った理由
 実際、アンケートでも「友だちが減った理由」として「仕事が忙しくプライベートの時間がなかった」という回答は多い。

Q3 友だちが減った理由は?(複数回答)

1位 一人のほうが楽だから(56.5%)

2位 人間関係が煩わしくなったから(40.8%)

3位 仕事が忙しくプライベートの時間がなかったから(34.0%)

4位 結婚したから(19.7%)

5位 子供が生まれたから(10.2%)

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「今年の正月に自分宛ての年賀状があるのか久しぶりに確認したら、近所の整骨院から届いたDM一通だけでした。30代の頃は地元の友だちから子供の写真付きはがきが届いていた記憶もあるのに……これが仕事に打ち込んできた結果かと思うと、愕然としました」(51歳・メーカー)

 興味深いのは、物理的な理由以上に「一人のほうが楽」「人間関係が煩わしい」と、自分から友人と距離を置く声が多いことだ。しかし、そこにこそ落とし穴がある。

「日本は孤独を美徳とする風潮がありますが、孤独が及ぼす影響は“皮膚の下に入る”といわれるほど、ストレスとなり心身に影響を及ぼします。孤独を起点に大病を招く因果関係も明らかになっています」(河合氏)

◆退職後に友人が激減!50代で友だちゼロの喪失感

 証券会社を定年まで勤め上げ、経済コラムニストとして活躍する大江英樹氏も「50代友だちゼロ」の喪失感を実感した一人。

「50代は仕事ばかりで、プライベートの友人はほぼゼロ。当時はそれで満足していたのですが、役職定年直後、メールや飲み会の数が激減し、『必要とされてない』と痛感しました。退職後、経済評論家としてなじみの仕事関係者に売り込みに行くも、玄関先であしらわれるだけ。つくづく『自分は会社の肩書で生きていたんだ』と恥ずかしかったです」

Q4 職場と家庭以外に、自分の居場所だと思える場所はありますか?

・ない 27.5%

・ほぼない 38.4%

・多分ある 15.3%

・ある 18.8%

=====

 ここで大江氏は一念発起し、新しい趣味を始めるなど交友を広げ、孤独を意識的に回避。

「仕事関係の人は、定年後交流がなくなる。なるべく早い段階でプライベートな友だちをつくらないと孤独な老後一直線です」

◆幸福度の低下や不健康を招く…

 とはいえ、現実問題として友だちはすぐにはつくれない。その上で気になるのがQ5の回答だ。

Q5 <Q1で「いる」以外と答えた人に対して>友だちがいないことで現在だけでなく定年後など含めて不安はありますか?

・ない 34.7%

・あまりない 44.2%

・ややある 10.9%

・ある 10.2%

=====

 8割近くの人が「友だちがいなくても不安はない」と思っているようだが、この回答結果に河合氏は「人間として未熟で危険な考え」と警鐘を鳴らす。

◆たった一人でもいい

「人は環境につくられる生き物。社会との関わりが無縁では、幸福を得られません。2000年代に入り孤独に関する研究は急増し、孤独が精神的な面だけでなく心臓病や脳卒中、がんのリスクになり、早死にに繋がることもわかってきた。特に健康に影響する要因として、若年期と老年期は人間関係の“広さ”、30代から60代の壮年期から中年期には人間関係の“質”が求められます。

 たった一人でもいいので、家族以外に心の距離感の近い親密な友だちをつくってほしい。それができないようでは、あらゆるリスクに身を晒すことになりかねない」

 河合氏が指摘するように、「友だちゼロ」の環境が人生を蝕む実態が取材の過程で見えてきた。中年を取り巻く人間関係の闇は深い。

【健康社会学者 河合 薫氏】

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。気象予報士。『THE HOPE 50歳はどこへ消えた?半径3メートルの幸福論』が発売予定


【経済コラムニスト 大江英樹氏】

オフィスリベルタス代表。大手証券会社で25年にわたり資産運用に従事後、独立。近著に『となりの億り人』などがある


<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/高橋宏幸 モデル/丸井大福 アンケート/パイルアップ>

※週刊SPA!2月8日発売号の特集「50代男[友だちゼロ]の衝撃」より

心が絶対熱くなる「ジェフ・ベゾスの仕事の名言」

『アマゾンの最強の働き方──Working Backwards』が刊行された。アマゾン本社の経営中枢でCEOジェフ・ベゾスを支えてきた人物が、アマゾンの「経営・仕組み・働き方」について詳細に公開した初めての本として大きな話題になっている。

アマゾンで「ジェフの影」と呼ばれるCEO付きの参謀を務めたコリン・ブライアーと、バイスプレジデント、ディレクター等を長年担ったビル・カーが、「アマゾンの働き方を個人や企業が導入する方法」を解き明かした、画期的な一冊だ。

本稿では『アマゾンの最強の働き方』より特別に、ベゾスが大きな失敗に直面して語ったことを紹介する。

史上最大規模のプロジェクト

 アマゾン・ファイアフォンについて簡単に触れておきたい。発売するまでのプロセスは適切だったが、失敗に終わったプロダクトだ。

 その開発は、アマゾン史上最大規模のプロジェクトだった。第一の差別化要因は「ダイナミック・パースペクティブ」と呼ばれる機能だった。4つのカメラとジャイロスコープを駆使して3D画像を表示する機能である。そのほかにも数々のイノベーションが生まれ、もちろん電話としての標準的な機能についても顧客体験の向上を追求した。

 総勢1000人以上が開発に携わり、ワンタッチ・カスタマーサービス、アマゾンのクラウドに写真を無料で保存するサービス、時計、カレンダー、音楽プレイヤー、キンドルなど、30ほどのアプリが搭載された。

 ファイアフォンは2014年6月に発表、7月に発売された。そして2015年8月に製造を中止した。

 何が起こったのだろう?

 ファイアフォンでも「PR/FAQ」の手法を駆使したが、顧客にとっての本当に重要な課題を解決することも、特段素晴らしい体験を提供することもできなかった(「PR/FAQ」とは、新商品を考案するに際して、開発に着手する前にまずプレスリリースを書くことによって完成形のイメージをつかむアマゾン独特の方法。詳細は本書参照)。

 私(ビル)は、2012年にこのプロジェクトの概要を初めて知ったとき、クールではあるが、本当にスマートフォンに3D効果は必要なのだろうかと疑問に思ったのを覚えている。発売日当日のプレスリリースを一部紹介しよう。

ビジネスワイヤー、シアトル、2014年6月18日(ナスダック:AMZN)

 アマゾンは本日、同社がデザインした初のスマートフォンとなるファイアを発表しました。ファイアはダイナミック・パースペクティブとファイアフライという、2つの画期的な技術を搭載した唯一のスマートフォンであり、まったく新しいレンズを通して世界を見て、触れ合うことを可能にします。

 ダイナミック・パースペクティブは、ユーザーのファイアの持ち方、視点、動かし方に反応する斬新なセンサーシステムを用い、ほかのスマートフォンでは不可能な体験を実現しました。ファイアフライは、現実世界に存在する物事──ウェブやメールのアドレス、電話番号、QRコード、バーコード、映画、音楽、無数の商品など──を素早く認識し、用意されたボタンによって簡単に操作することができます。

できるのは「意思決定の質を高める」ことだけ

 もう1つの反省点として、ファイアフォンは値段が高かったことがあげられる。アマゾンの基本理念の1つは「倹約」であり、それまで世界に対し、コスト効率が高く、既存のビジネスモデルを打破する企業であることを示してきた。

 顧客にとって、基本原則はあくまでも低価格だ。ところがこのときはiPhoneと同額の200ドルで販売し、さらにキャリア(通信会社)との2年契約が必須だった(200ドルはいまでは安く感じるかもしれないが、当時の携帯電話はキャリアの費用負担があり、価格がずっと安かった)。私たちは価格を99ドルに下げ、その後さらに無料にした。だが効果はなく、だれも欲しがらなかった。

 最後に、ファイアフォンは市場への参入が遅く、しかも使えるキャリアがAT&Tの1社しかなかった。当時、iPhoneは4つのキャリアで利用でき、各キャリアが複数ブランドの機器を幅広く展開していた。

 仮にファイアフォンを、機能はそのままで、プライムの会員権もつけてiPhoneより安く提供していたら結果は違っていただろうか? ひょっとしたら違ったかもしれない。

 だがこの話のポイントは、正しいプロセスによって成功の確率は高まるにしても、決して保証されるわけではないということだ。

 ファイアフォンの開発にはジェフ(ベゾス)も深く関わっていた。プロジェクトリーダーのイアン・フリードとキャメロン・ジェーンズと並び、実質的にPR/FAQの執筆者の1人だった。

 ジェフもチームも顧客が喜ぶスマートフォンを開発していると信じていた(あるいは、そう考えて自分を納得させていた)が、間違っていた。どんなにすぐれたプロセスでも、できるのは意思決定の質を高めることだけだ。人間に代わって完璧な意思決定をすることはできない。

「ホームランを打つにはそうするしかありません」

 ファイアフォンが失敗しても、ジェフが開発のプロセスを疑問視することはなかった。彼はこう書いている。

「ホームランを狙ってフルスイングすれば、何度も三振に終わるのは目に見えていますが、いずれホームランを打つにはそうするしかありません」

 ホームランを打っても最大4点しか入らない野球とは違い、ビジネスで大きく当たれば無限に近い得点が入ることもある。大事なことは、何度も失敗し、冴えない成果しか生まない実験を何度も繰り返せる少数の企業だけが、大成功を収めることができるという事実だ。

 ファイアフォン撤退後のあるインタビューで、この失敗について問われたジェフはこう答えている。「あれを大きな失敗だと言うなら、私たちはいま、もっと大きな失敗をめざしています。冗談を言ってるんじゃないですよ」

 発明の規模、そしてそれに伴う失敗の規模は、組織の成長に合わせて大きくしていくべきだ。そうでなければ、企業を次の段階に発展させるに足るインパクトのある発明は実現しない。

「一方通行」と「往復可能」のドアを区別する

 企業は大きくなるほど、「発明マシン」として動き続けるのが難しくなる。その妨げの1つとなるのが、状況と関係なく発動される画一的な意思決定パターンだ。

 ふたたび2015年の株主への手紙を引用すると、ジェフはこう書いている。

「意思決定のなかには、必然的で、ほぼ後戻りできない、一方通行のドアのようなものがあります。このタイプの決定は、系統的かつ慎重に、熟考と議論を重ねて行わなければなりません。結果に納得できなくても、元の場所には引き返せません。これをタイプ1の決定と呼びましょう。しかし、大半の決定はそうではなく、往復可能なドアを通るタイプ2の意思決定です。うまくいかなかったら我慢する必要はなく、ふたたびドアを開けて後戻りしてやり直せばよいのです。判断力にすぐれた個人や規模の小さなグループなら、このタイプ2の決定を迅速に行うことができます。というより、そうすべきなのです」

 有料会員サービスのアマゾン・プライムは往復可能なドアの決定だった。サブスクリプション、無料配送、迅速な配送という組み合わせが支持されなければ、うまくいくまで組み合わせをあれこれ試していただろう。

 現にプライムは最初から成功したわけではない。それ以前にスーパーセイバー・シッピング(配送を急がないことで配送料を安くできるサービス)という、やり直し可能な決定があり、それが最終的にプライムへと姿を変えたのだ。

 一方でファイアフォンは、一方通行の決定に近かった。アマゾンは市場から撤退を決めたとき、Uターンして「仕方ない、別のスマートフォンで試してみよう」と考えることはなかった。

 大企業は、一方通行ドアの意思決定を想定したプロセスを構築しがちだ。誤った決定によって大惨事を招くことを恐れているからだ。そのプロセスは一般的に緩慢で煩雑、リスク回避に満ちている。往復可能であるべき意思決定についても、深く考えずに一方通行のプロセスを当てはめてしまう。

 その結果、前進する速度が鈍り、アイデアを生む力が損なわれ、イノベーションが停滞し、開発サイクルが長期化する。

 だからアマゾンは、スタートアップの精神を失わないよう、スピード、敏捷性、リスクを受け入れる姿勢を重視する。もちろん、最高の水準にこだわり続けながら。このような気質は、創業間もないころから「アマゾニアンであること」の一部となっている。

 1999年にジェフはこう書いている。

「私たちはあらゆる試みにおいて、継続的な改善、実験、革新にコミットしています。私たちのDNAにはパイオニア精神が組み込まれています。成功を収めるためには、パイオニア精神が不可欠なのです」

(本原稿は『アマゾンの最強の働き方』からの抜粋です)

多くの人が勘違いしている!? 「英語を学ぶ」前に知っておくべきこと

2022年が始まった。新しい年を迎えるにあたり、新年の誓いを立てた人も多いであろう。今年はゴルフで100を切りたい、絶対に結婚相手を見つける、海外赴任者として選出されるよう英語をモノにしたい……といった具合であろうか。

●英語を話せますか?

 さて今回のテーマは英語である。特に、海外で仕事をする際に必要となる「英語力」にフォーカスしてみたい。私はこのコラムの第1回で、日本の人口がこれから減少していくので、中堅・中小企業であっても海外と接点を持たないと生き残っていけないということを書いた(参考:ASEANでモテモテだった日本の企業 その将来に漂う暗雲)。だから、M&Aや海外企業との合弁会社の設立は必須となる。一方で、海外のM&Aにおいて経営統合がうまくいかず、撤退を余儀なくされる例も少なくないということも指摘した。M&Aの経営統合においては、派遣された人物の経営能力が鍵となるが、それがしっかりとした語学力で裏付けされていなくてはならない。

 日本人は、中学、高校、大学とそれなりの時間を使って英語の勉強をさせられる。20年からは小学校でも英語学習が必修となり、日本人が英語と向き合う時間はますます増えている。しかし、英語の能力を問われると、「読むのは何とかなるが、書くのは苦手、話すのはもっと苦手」という人が多い。なぜこれほどの時間をかけて勉強してきて、英語が話せるようにならないのであろうか。

 端的にいえば、話すのに必要なトレーニングをしていないことがその理由として挙げられる。それだけのことである。小学校から始まる英語学習において、日本人が最も時間を使うのは読解と文法である。これらは、入試はもちろん、英検やTOEICのような英語能力試験においても出題の中心である。リスニングもあるが、これは会話などの音声を聞きながら設問を読む訳で、半分は読解である。学ぶ時間が多い順に並べると、読む>書く>聞く>話すという学校が大半だろう。

●話す・聞く能力が重要な海外赴任

 では、英語を使うビジネスの現場ではどうだろうか。海外企業を買収してマネジメントするために現地に赴く場合、次のような英語力が必要になる。

【話す・聞く】

・さまざまな会議や取引先との交渉の場において司会進行ができる

・会議参加者の間で意見の相違がある場合は、その差異が生じる原因を明らかにし、妥協案を提示し、目指すゴールに向けて意見の集約ができる

・テクニカルな領域(製造設備やITなど)に加え、人事評定面談やセクハラ相談といったセンシティブな内容も対応できる

・従業員との懇親の場において話題豊富に歓談ができる

【書く・読む】

・さまざまな会議における議事録の作成が自分でできる

・趣意書や覚書のようなシンプルなビジネス文書のドラフトが書ける

・非常に長文の契約書であっても、過去に作成した類似契約書からのコピペと新たな加筆でドラフトを書くことができる

・弁護士が作成した契約書を読み込み、自らの利益を必ずしも代弁していない箇所を指摘し、あるべき表現に変更ができる

 英語の議論をする前に、これらを日本語でできますか? と問いたい。ビジネスを遂行するためには、相応の日本語能力が必要になる。これを過小評価してはいけない。

 われわれは日本人であって英語ネイティブではない。ベースとしての母国語のコミュニケーション力を駆使しながら、それを英語に転換してビジネスをしていくのである。

 そもそもどんな状況で英語を使うのだろうか? それは、日本語の文化圏にない相手とコミュニケーションをして、何らかの目的を果たさなくてはならない時だ。海外でのビジネスはその典型である。日本人であれば当然理解できるコミュニケーション上の文脈や、「読むべき空気」が通じない。そんな相手に対して、自分の意図を伝え、目的を達成するためのツールが英語(外国語)なのだ。

 実際、海外でビジネスをする際に必要となる能力のウエイトは、話す=聞く>書く>読むという順序である。しかし、中学・高校・大学の10年間において、「自分の意図をなんとか英語で相手に伝えて目的を果たす」というトレーニングをする機会はほとんどない。入試には合格できても、ビジネスの現場では使い物にならない理由はここにある。

●英語上達の必勝法は「サバイバル経験」

 われわれはネイティブスピーカーにはなれないし、なる必要もない。同時通訳者のようなスキルも不要だ。ただビジネス上の目的を遂行するに足る英語力があればいいのだ。それにはどうしたら良いのだろうか。

 話す・聞くという能力を伸ばすためには相手が必要だ。こちらの言い分がすんなりと通じなかったり、もしくは突拍子もないことを言ってくる相手だったりすると、こちらの負荷はグッと上がるが、対応するスキルは向上するのである。

その意味で最も効果的なのは、日本語が通じない世界でサバイバル経験をすることだ。サバイバルとは、英語を使わないと自分の処遇に悪影響が出たり、自分や家族の健康や安全が守れなかったりする状況に身を置くことだ。そして、冷や汗をかきながらも、何度もそのような状況を乗り越える経験をすることだ。

 ここで、自分の経験談をご紹介したい。

 私は20代後半から、米国とシンガポールで10年に及ぶ海外赴任をした経験がある。米国赴任の辞令が出た時、これで「バイリンガルになれる」と思った。しかしそうはならなかった。米国における3年間の勤務において、同僚は米国人であったが、日本人の上司がいたので彼に相談すれば業務上の問題は全て解決した。

日本人同士でつるんでランチや飲み会に行き、日本人がたくさんいるアパートに住み、週末は日本人とゴルフ。そのため、米国人同僚との業務中の会話が、私にとっての英語の全てだった。これでは、何年たっても英語は上達しない。

 状況が変わったのは、米国からシンガポールに転勤してM&Aの業務を担当するようになってからだ。シンガポールは米国以上に濃い日本人コミュニティーがあるが、業務環境が全く違った。

 上司はシンガポール人で、M&A案件を遂行する日本人スタッフは私だけ。M&Aの交渉に臨むクライアントに同行して、私が交渉のサポートを一人で行うのである。M&Aという会社にとっての重要プロジェクトを任される担当者のプレッシャーは非常に大きく、だからこそ私の英語が原因でクライアントを不利な状況に置くことは絶対許されない。まさに「サバイバル」な環境だ。

 そこでまず私が心掛けたのは、全てのミーティングや交渉の場の司会を自分で行い、常に会議をリードするようにすることだ。こちらの語彙レベルは中学生ぐらいだが、だからこそ相手に主導権を握らせないように、知っている言葉を駆使してグイグイいくのである。交渉の最中、当然知らない単語や表現が出てくる。1~2度であれば聞くことはできるが、回数が増えると相手にバカにされるし、クライアントからの信用も失う。

 そこで私は、意味不明の言葉が出てきた場合、自分の知っている単語に置き換えて相手に確認することを習慣付けた。例えば「jeopardize(危険にさらす)」という難しい単語が出たとしよう。

話の文脈上、良い話ではなさそうだと思えば、「Are you uncomfortable?」や「Do you think it risky?」などと聞いてみる。相手が同意すれば、とりあえずその場の論点は分かるというやり方で、非常にうまくいった。もちろん今でも活用している。このような経験を積み重ねて、私は英語をマスターしていったのである。

●「阿吽の呼吸」からの脱却

 サバイバルとはいうものの、そのような環境を作るのは難しい。M&Aの後に役員として現地に派遣されれば、それは間違いなく「サバイバル」な環境であるが、英語で四苦八苦している間に経営統合が失敗したら元も子もない。楽天のように英語を社内公用語にしてサバイバル環境を人為的に作る方法もあるが、相当な覚悟がないとできない。ではどうするか。普段の日本語での生活や業務において、自分が意見を表明するスタイルを変える方法を紹介したい。海外赴任の際にも役立つやり方だ。

 それは、何かの意思決定の場面において明確なYes/Noを表明し、それに対する理由を3つ述べるという訓練だ。まずは日本語で、そしてそれを英語に直すのだ。

 先に、「日本人であれば当然理解できるコミュニケーション上の文脈や、『読むべき空気』」と書いた。日本には「阿吽(あうん)の呼吸」という言葉が象徴するように、全てをいわなくても分かり合えるという言語的・文化的な特徴がある。何らかの意思表示をする際に賛成/反対、好き/嫌いを明確にしなくとも分かり合えるのは、普段の生活やビジネスにおいても感じることであろう。

 「いかがなものか」という便利な言葉もある。以前勤務していたメガバンクでは、役員からよく発せられた言葉である。明確な否認ではない。ただしそのニュアンスは間違いなく可決ではない。そしてその場の“空気”を察し、若手は役員にチャレンジすることなく案件を取り下げるのである。

しかし、海外の経営においてこれは通用しない。「いかがなものか」はYesではないという意思表示であり、その理由を明示する必要がある。この理由を列挙することがポイントで、阿吽の呼吸の中に生きている日本人は、これを言語化する訓練ができていないのである。

●「明確な意思表示」と「3つの理由」

 コロナ下におけるイベントの開催企画があったとしよう。昨年は開催できず、クライアントから今年こそはと要望されているイベントである。自社にとっての収益機会も大きい。これに対する判断を求められているとして、自分の立場と3つの理由を明確に述べてみる。3つにこだわるわけではないが、2つではやや弱いし、4つ以上だと相手の心に残らないから、3つが適量だと考えるのである。

 立場が「反対」であるとしよう。

理由(1):どんなに感染対策をしても万全ということはあり得ない

理由(2):仮に感染者が出た場合にはクライアントに多大な迷惑がかかる

理由(3):レピュテーションにも影響があり、その場合のコストは計り知れない

 そしてこれを英語に直すのだ。完全訳する必要はなく、キーワードの列挙でも良い。できるだけ簡潔に表現することがポイントだ。

【Disagree.】

(1):no infection control can be perfect

(2):great inconvenience for client if patients appear

(3):reputation risk, which cost may exceed the profit

 もちろん賛成の立場で考えても問題ない。一人ディベートのような感じで、賛成・反対双方の立場の理由を列挙してみても良いだろう。

 繰り返しになるが、ここでの訓練のポイントは、阿吽の呼吸をいったん横に置いて、あえて明確な意思表示とそれに対する理由を言語化するというものである。英語をモノにするためには、最終的にはサバイバル環境を生き抜く必要がある。だが、このような事前訓練は、ネイティブではない日本人が明確な意思表示をするのに役に立つと思うのである。

 目下、オミクロン株が猛威を奮っているが、今年は国際間の往来が少しでも復活することを願う。そして多くの日本人が海外に赴任し、サバイバルな環境で英語を身につけていってほしいと思う。

恨み・怒りは「持つだけ無駄」と言える納得の理由 不満をぶちまけるのは「一種の快感」だが…

衣食住には困らず、娯楽もあふれている現代の世の中で、なぜかいつも心が満たされない。まじめに頑張っているのに、なぜかうまくいかない。なんだか疲れるばかりで、前に進めない……。

そう感じているなら、まずは、自分自身を解放するために“ネガティブな感情”を手放すべきだというのは、アップル、グーグルほか名だたる企業のコンサルティングを行うグレッグ・マキューン氏です。「不足思考」から「充足思考」へと変えるべき理由や心のあり方についてお伝えします。

※本稿は『エフォートレス思考』より一部抜粋・再編集してお届けします。

フランス文学でも描写される「不足思考」

 フランスの作家モーパッサンの作品に「紐(ひも)」という短編がある。

 まじめな実業家がひょんなことから、無実の罪を着せられる。道ばたで紐を拾っただけなのに、誰かの財布を盗んだという噂が立ってしまったのだ。なんとか無実を証明しようとしたが、噂はとどまるところを知らず、誰もが彼を泥棒だと信じ込んでしまう。町中の人が彼から距離を置き、村八分の状態になる。

 放っておけば、そのうちみんな忘れたかもしれない。噂が立つのは仕方のないことだし、気にせずいつもどおりに過ごしていれば、人々も普通に接してくれるようになったかもしれない。

 だが、彼はあきらめられなかった。意地でも真実を認めさせようと奮闘し、誰にも聞き入れられないせいで心身を病んでしまった。体はどんどん衰弱するが、彼はどうしても町の人が許せない。

 死ぬ直前まで「紐だ。ただの紐だ」と、うわ言のようにつぶやいていた。

 不運な出来事が起こったとき、それをあきらめて受け流すのは難しい。どうしても不満や怒りが湧いてくる。

 不満を言うのは簡単だ。あまりに簡単なので、多くの人は不平不満を言うのが日常になっている。誰かが待ち合わせに遅れた、隣人がうるさい、急いでいるときに限って駐車スペースが空いていない。

 不満をぶちまけるのは、一種の快感だ。

 ソーシャルメディアを見れば、ありとあらゆる不満が並んでいる。みんなが攻撃的になっている。巻き込まれまいとしても、知らず知らずに影響を受けてしまう。

 他人の愚痴を見るうちに、心が少しずつむしばまれ、世の中の悪いところばかりが目につくようになる。

 不満というものが、脳にどっかりと居座ってしまうのだ。

 不平不満を口にするうちに、あるいは他人の不平不満を見聞きするうちに、どんどん不満が増えてきた経験はないだろうか。

 一方、感謝しようと努めるうちに、感謝すべきことが以前よりたくさん見えてきた経験はないだろうか?

 不平不満は、簡単で価値のないものごとの典型だ。

 不満を言うだけなら誰にでもできる。そして不満に身をまかせるうちに、頭の中に無価値なゴミがたまり、自由に使えるスペースがどんどん減っていく。

一方、感謝に目を向けると…

 不満ではなく、感謝に注意を向ければ、世界の見え方はがらりと変わる。

 「不足思考」(後悔、ねたみ、将来への不安)がいっぺんに消え、「充足思考」(順調だ、恵まれている、将来が楽しみだ)へとシフトする。自分がすでに持っているリソースや資産やスキルを正しく評価し、存分に活用できるようになる。

 この図を見てほしい。

 足りないものに目を向けると、足りないことばかりが増えていく。逆に、すでにあるものに目を向ければ、心はどんどん満ち足りていく。

 感謝は強力な触媒だ。感謝の心は、ネガティブな感情から力を奪う。そして、ポジティブな感情が広がりやすい環境をつくってくれる。

 「拡張─形成理論」という心理学の理論によれば、ポジティブな感情はよい影響をどんどん広げる性質がある。

 ポジティブな気分が高まると、視野が広がり、新たな可能性に目を向けやすくなる。心が開放的になり、創造性が高まり、社会性が増す。

 すると私たちの心身は成長し、知的にも肉体的にもより高いパフォーマンスが出せるようになる。「正のスパイラル」が生まれ、ものごとがうまくいく確率が高まる。

 恩恵を受けるのは自分だけではない。

 感謝の心は他者に向かい、周りの人たちの心を明るくする。心の重荷が軽くなり、新たな可能性が見えてくる。ポジティブなサイクルが、自分をも他人をも成長させるのだ。

 一方、不平不満をため込むと、「負のスパイラル」が生まれる。

 ものごとがうまくいくのではなく、どんどん困難になっていく。ネガティブな気分が高まると、視野が狭まり、新たなアイデアや他者に対して心を開くことができなくなる。心身が縮こまり、使えるリソースがどんどん少なくなる。

 その結果、そもそも不満の原因だった状況を変える力さえなくなってしまう。そしてまた不満が増えていく。

 このように、動きだしたら止まらない現象を、ジム・コリンズは、「弾み車の法則」と呼ぶ。

 「一度回転がつくと、それ以上力を入れなくても、弾み車はどんどん速く回りだす」とコリンズは言う。「2回転、4回転、8回転。弾み車に勢いがつく。16回転、32回転。どんどん動きが速くなる。1000回転、1万回転、10万回転。そして、ブレイクスルーがやってくる。もう止められない速さで、弾み車は勝手に回りつづける」。

 要するに、ポジティブな態度はどんどんポジティブな効果を生む。最初の勢いさえつけてしまえば、成果を出すのはどんどん簡単になり、やがてはエフォートレスになるのだ。

交通事故で家族を失ったある人の話

 クリス・ウィリアムズは、人生の最優先事項を知っていた。家族だ。彼にとって家族とは、何ものにも代えがたい価値のあるものだった。

 ところが2007年のある冬の日、悲劇が起こった。家族を乗せて車を運転していたときに、若者の運転する車が全速力で横から突っ込んできたのだ。ウィリアムズの妻と、お腹にいた赤ちゃんと、9歳の娘と、11歳の息子が亡くなった。

 6歳の息子はかろうじて生き延びた。14歳の息子は、そのとき友人の家にいて事故には遭わなかったが、ショックでふさぎ込んでしまった。

 そんなことがあったら、打ちのめされるのも無理はない。理不尽な出来事への怒りと悲しみに、普通は圧倒されるだろう。事故の加害者への恨みを何十年も抱きつづけたとしても仕方ない。ところが、ウィリアムズはそうしなかった。

 事故の数分後、大破した車の中で、彼の意識は奇妙に明瞭だった。その瞬間、悲劇のど真ん中で、彼は2種類の未来をまざまざと想像した。

 ひとつは、その瞬間に生まれた怒りと苦しみを背負いつづける未来だ。その未来を選べば、一生のあいだ、ネガティブな感情にさいなまれるだろう。苦しみは生き残った息子たちにも伝わり、心に癒えない傷を残すことだろう。

 もうひとつは、そうした重荷から解き放たれた未来だ。生き残った息子たちの心身の傷が治ったとき、彼らに向き合い、そばにいてやれる父親になる未来だ。そこにあるのは後悔や恨みではなく、意味と目的に満ちた人生だ。

 この道を選びとるのは簡単ではない。それでも、選びとる価値のある未来だと思えた。

 その瞬間に、彼は許すことを決意した。

 怒りや苦しみがなかったわけではない。だが、その苦しみに流されて、加害者への恨みを抱えつづけるべきではないと思った。

 エネルギーを過去に向けるのではなく、未来のために、手放すことを選んだのだ。

怒りを持ちつづけることにメリットはない

 人に傷つけられて、怒りを抱えつづけた経験はないだろうか。心の貴重なエネルギーを、恨みや不満に費やしてしまったことはないだろうか。その傷はどれだけの期間つづいただろう。数週間、数カ月、数年、それとも数十年?

 ウィリアムズの話は、別の可能性を示してくれる。

 彼のような悲劇の中でさえ、怒りや恨みを手放すことは可能なのだ。本当に大切なもののために、困難な道を選びとることができるのだ。

 そのために、ちょっと変わった質問をしてみよう。

 「この怒りを、なんの仕事のために雇用したのか?」

 これはハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授の考え方だ。マネジメント論の権威であるクリステンセンによれば、人は商品やサービスをただ購入するのではない。特定のジョブを達成するために「雇用」しているのだ。

 感情についても、同様に考えることができる。

 怒りの感情を雇用する目的は、たとえば満たされないニーズを満たすためだ。すっきりしない気持ちを、怒りが解決してくれるのではないかと期待する。

 ところが、業績を評価してみると、怒りはあまりいい仕事をしていないことに気づく。リソースを食うばかりで、投資に見合った効果が得られないのだ。その場合、怒りを解雇したほうがいい。

 自分が優位に立ちたいために、怒りを雇用することもある。自分が正しく、間違っているのは他人だと思うためだ。他人に責任をなすりつければ、自分はまっとうで強い人間だと感じるかもしれない。

 だがそれは、かりそめの満足感だ。怒りはまるで『ロード・オブ・ザ・リング』の登場人物グリマ(蛇の舌)のように、あたかも忠実な部下のごとく振る舞いながら、主人の座を奪うことを虎視眈々と狙っている。怒りに支配されてしまえば、私たちはずっと他責と自己正当化と自己嫌悪から逃れられない。

 他人の関心を引きたくて、怒りを雇用することもある。自分が不当な目に遭った話をすれば、周りの人は同情し、慰めてくれるだろう。やさしくされるのは気持ちがいいから、私たちは何度も何度もその話をしてしまう。

 だがそうするうちに、聞くほうも疲れてきて、以前のように同情してくれなくなる。あなたは周りの人に失望し、話を聞いてくれる人を求めてさまよう羽目になる。

 自分を守るために、怒りを雇用することもある。自分を傷つけたことのある人に敵意を抱き、距離を置けば、もう傷つけられなくてすむからだ。怒りを持ちつづけることで、心をガードする戦略だ。

 だがこれも、結局はうまくいかない。自分を守っているつもりでも、実際は傷つきやすく、不安だらけになってしまう。人を信じることができなくなり、孤立する。

「雨の日にできる最善のこと」とは

 詩人のヘンリー・ワーズワース・ロングフェローも言っている。

 「雨の日にできる最善のことは、雨を降らせておくことだ」

 自分を傷つけた人に対するネガティブな感情を、手放してみよう。

 相手を自由にするためではない。自分自身を解放するためだ。

 怒りや不満を、感謝と思いやりに変えてみよう。

 それはただの交換ではない。革命的な変化だ。

 これを1つひとつ積み重ねるたびに、私たちは少しずつ、エフォートレスな精神に近づくことができる。

「とにかく安くてラクに暮らせる」世界の若者が"東京に住みたい"と話す意外な理由

いま海外の若者から東京はどのように見られているか。マーケティングアナリストの原田曜平さんは「先進国に比べて、物価が安くて過ごしやすい都市だと思われている。アメリカのドラマには、日本に移住した友人に対して『ゆっくり人生を楽しむことを覚えたのね』と声をかけるシーンもある」という――。

※本稿は、原田曜平『寡欲都市TOKYO 若者の地方移住と新しい地方創生』(角川新書)の一部を再編集したものです。

ドラマ『GIRLS/ガールズ』が描いたアメリカの若者の困難

アメリカで2012年から2017年まで、全6シーズンが放送された『GIRLS/ガールズ』(HBO)という大ヒットしたTVドラマシリーズをご存じでしょうか。ニューヨーク(NY)に暮らす、夢はあるものの人生がうまくいかない20代男女の毎日を描いたラブコメ作品です。日本ではあまり有名になりませんでしたが(恐らく日本人は『SEX AND THE CITY(SATC)』や『ゴシップガール』のように、裕福だったりイケてるアメリカ人の物語を見たいのかもしれません)、本国アメリカでは、若者たちを中心に圧倒的な支持と共感をもって受け入れられ、数々の賞を受賞した作品です。

高評価の理由は、2010年代にアメリカの若者が直面した、そして現在も直面し続けている就職難、恋愛難、経済的困難といった、あまり日本人が知らないアメリカの若者の「生きづらさ」が、高いリアリティをもって克明に描かれていたからです。

「仕送りは打ち切るわ」主人公が親から受けた宣告

ドラマのシーズン1の冒頭のシーンは、主人公のハンナとその両親が久しぶりに一緒にディナーを食べているシーンから始まります。最初は娘の近況を聞いていた両親でしたが、急にハンナの母親が話を切り出します。「仕送りは打ち切るわ」。

その後、ハンナとお母さんは言い合いになります。「でも私は無職よ」「大学卒業後2年も養った。十分だわ」「不景気で友達も皆、親がかりよ。(中略)一人っ子で浪費もしないのに一方的すぎる」「うちに余裕はないの。(中略)家賃に保険代、携帯代まで親持ちよ」「(中略)友達のソフィーは親に援助を断たれて転落よ。頼る人もなく二度中絶。私の夢が叶う直前なのにバッサリと手を切るわけ?」「もうお金は出せない」「いつから?」「今すぐよ」。

コロンビア大学出身でも十分に稼げない

多くの日本人には想像できないかもしれませんが、実はこの冒頭のシーンが、アメリカの大都市部の若者たちのリアルを象徴しているのです。コロナで日本以上の多数の死者を出した現在のアメリカでは、この若者の状況がもっと深刻化しているかもしれません。

世界中、そして、アメリカ全土から人が集中し、物価が上昇し続け(日本が長く続いたデフレで物価が落ち込み続けたのとは対照的)、超名門大学であるコロンビア大学出身の主人公のハンナでさえ、高い家賃や保険代を自分で出すことができません。超格差大国アメリカで、中流階級であるハンナの親も余裕がなくなり(両親2人とも大学教授なので、日本の感覚で言えば「上流」家庭と言えるかもしれませんが、物価の高いアメリカの大都市部では必ずしもそうではありません)、大切な一人っ子の娘への援助の打ち切りを申し出るに至ったわけです。

このドラマにはハンナ以外にも、様々なタイプの若者たちの「生きづらさ」や「転落」がリアルに描かれています。これがアメリカの「今」なのです。

地味でモテないキャラが日本で解放感を味わう

さて、こうして「生きづらい」若者たちがたくさん描かれる中、2016年に放映されたこのドラマのシーズン5では、主要登場人物のひとりであるショシャンナという女性が急遽転勤を命じられ、東京で働くことになったシーンの描写があります。そのシーンをざっと拾ってみましょう。

まずはシーズン5の第3話「JAPAN」です。

地味でモテなくアメリカで生きづらいオタクキャラのショシャンナでしたが、移り住んだ東京で水を得た魚のようになり、自信満々に肩で風を切って出勤します。オフィスでは笑顔で朝の挨拶。日本人は皆、笑顔で挨拶を返してくれます。

会社帰りには同僚の日本人の女子たちと銭湯へ。湯船につかりながらのガールズトークで、ショシャンナが想いを寄せている上司・ヨシ(水嶋ヒロ)の話が出て周りから冷やかされますが、悪い気はしません。そこでショシャンナはこう言います。

「(日本に)来たばかりだけど、皆が家族みたいに感じるの。アメリカなんて恋しくない」

自宅PCのビデオ通話でアメリカ本社の同僚女性と話す時も、「この仕事環境、最高よ。毎日がまるで夢みたい。本当にもう最高。“問題から逃げるな”って人は言うけど、私は逃げて成功した。皆、間違ってる」とご満悦のショシャンナ。しかしその直後、アメリカの同僚から会社の業績悪化を理由に、彼女は突然クビを言い渡されてしまいます。

「ゆっくり人生を楽しむことを覚えたのね」

次に、同じくシーズン5の第5話「TOKYO LOVE STORY」です。

結局日本に残り、東京の猫カフェで働くショシャンナ。ある日、彼女に解雇を言い渡したアメリカ本社の同僚女性が店にやって来て彼女に謝罪します。しかしショシャンナは怒るでもなく、「本当に日本が気に入ってるの」。その言葉に驚く彼女を原宿の竹下通りに連れて行き、こう言います。

「日本人のいいところは、好きなものを全力で突き詰めてかわいくするところ。どこを見ても私が大好きなものばかり。自分が心の中で作り上げた国じゃないかって思える」

その後、ふたりは銭湯へ。同僚女性はショシャンナに感心して、しみじみこう口にします。

「あなた仕事に燃えてたのに、ゆっくり人生を楽しむことを覚えたのね」

穏やかで満ち足りた表情のショシャンナ。

「ええ、桜の開花と同じ。ゆっくり待つものよ」

同僚も「ほんと同感」とすっかり意気投合します。

アメリカの異常な住みづらさを凝縮したワンシーン

最後はシーズン5の第8話「早く家へ帰りたい」の冒頭です。

結局、ホームシックにかかってNYに帰ってくるショシャンナでしたが、到着した空港で、動く歩道を走ってきたアメリカ人にぶつかられて怒り心頭。こう叫びます。

「あなたたち、マジ? これ(動く歩道)を降りるまでの短い時間も待てないの? 最低な国ね。マナーなし。あなたたちが自分勝手な人間だから。その態度がまさにそうよ。……なぜ私はここ(アメリカ)に? 何でいるの!」

一連のシーンにはアメリカ人の一般的な20代の若者から見た「東京の魅力」と「アメリカの絶望」が凝縮されているように思います。

ショシャンナが自分の国であるアメリカやアメリカ人を悪く言い、日本(東京)は最高だと絶賛するのは、アメリカのごく普通の若者たちにとって、アメリカ、とりわけ大都市部が異常に住みづらい場所になっているからです。

新進政治家はなぜニューヨークの若者から支持されたか

アメリカの若者が大変生きづらくなっていることを表す一つの大きな現象として、ここ数年、アメリカの特にNYの若者たちの間で最も注目を集めている政治家の存在があげられます。アレクサンドリア・オカシオ=コルテスです。2018年に行われたニューヨーク州第14選挙区予備選挙で、下院議員を10期務めた現職大物候補ジョー・クローリーを破り民主党下院議員となり、2018年米中間選挙最大の番狂わせなどと報じられ、メディアの注目を浴びるようになりました。

彼女は政治家になる前に、高すぎるアメリカの大学の学費ローンを返済するためにウェイトレスやバーテンダーをしていたこともあり、また、「民主的社会主義者(democratic socialist)」を名乗り、格差反対を訴え、アメリカの若者の代弁者ととらえられています。

そんな彼女が最大の番狂わせとして突如登場する程、今、アメリカの若者は大変生きづらくなっているのです。

だから、本国でイケてなかった『GIRLS』のショシャンナは「私は(NYから東京に)逃げて成功した」と言う。その結果、彼女の同僚女性が指摘したように「ゆっくり人生を楽しむことを覚え」ました。彼女にとって東京での暮らしは、現在のアメリカ、特に大都市部の若者には実現できない精神的に豊かな人生の送り場所になったのです。

世界の主要先進都市と比べて「安い」東京

この同僚女性のように、ショシャンナの生活圏であった「東京」のファンになる外国人、特に欧米先進国やアジアを中心とした先進エリアの若者は今後間違いなく増えていくと世界中で若者研究をしてきた私は強く確信しています。

何故なら、『GIRLS』で描かれていたNYに限らず、ロサンゼルス(LA)、サンフランシスコ、ロンドン、パリなどの欧米先進国の大都市部の若者たちは皆、似た状況に置かれているからです。さらに、欧米先進国に限らず、アジアを中心とした先進エリア、例えば、香港、台北、ソウル、上海、シンガポール、シドニーなどの若者たちも同じような状況に置かれるようになっています。

つまり、他国からの「移民」や地方からの「移住者」によって、世界の先進国や先進エリアの大都市部の人口が増え過ぎ、賃料や物価が上がり、そこに住む若者たちの多くが、ドラマ『GIRLS』に出てきた若者たちのように、皆、大変生きづらい状況に置かれているのです。

ただし、東京以外。日本は長らくデフレが続き、今は円安もあり、欧米先進国の大都市部や一部アジアの先進エリアとは比べものにならないくらい若者たちが安く生活できるエリアになっているのです。

インパクトが強かった20年前の東京の物価の高さ

数年前、東京が如何に安いエリアになったかを痛感する出来事が個人的にありました。私がNYに仕事でたくさんの若者たちにインタビューをしに行った時の話です。

私は調査の空き時間に学生時代の友人のアメリカ人と久しぶりに会ったのですが、その時の彼との会話の中から気づかされました。

私は学生時代にアメリカの学生と交流する「日米学生会議」という学生団体に所属しており、よくアメリカ全土の各都市に行っていました。

現在44歳の私の学生時代ですから、今から約20年前の1990年代後半〜2000年代初めの頃です。

私同様、アメリカ人の彼もその団体にアメリカ側の学生として所属し、当時の彼も頻繁に日本に来ていました。

久しぶりに彼に会った私は、学生時代以降、日本に来ていない彼に対し、「久しぶりに東京においでよ」と言いました。その誘いに対し、彼は、「いやいや、僕は公務員で給料があまり高くないから、あんなに物価の高い東京には行けないよ」と渋い顔をしました。

既にバブルははじけていたとは言え、まだ1990年代後半から2000年代初めの東京は、バブルの名残を残しており、世界的には物価の高いエリアでした。その頃にNYから東京によく来ていた彼は、東京は本当に物価の高い場所だという印象を持ち、それ以来彼は日本に来ていないので、そのままの感覚で今もいるのです。

若者の安価な旅行先になりつつある日本

彼に対し、私はちょっと意地悪な質問をしてみました。「東京の物価が高いって言うけど、今、東京でラーメン食べたらいくらくらいすると思う?」。それに対し彼は、「NYで食べると1500〜2000円くらいだから、高い東京だったら2500〜3000円くらいするんじゃない?」「800〜1000円だよ」。私のこの回答に対し、ものすごく驚く彼の顔が大変印象的でした。

その後、実際に彼は奥さんと子供と東京旅行を久々に敢行し、「安くて本当に快適だった」と大変満足げでした。

このエピソードが象徴するように、この約20年の間に、東京も含めた日本は、欧米先進国の大都市部に比べると、大変物価の安いエリアになった(なってしまった)のです。

日本では昔からバックパッカーが安価な旅行をする場所として、東南アジアが選ばれることが多かったですが、今、欧米先進国やアジアの先進エリアの主に若者が、安価な旅行をする先が実は日本になりつつあるのです。

「駐在員にとって物価の高い都市」2位になるカラクリ

しかし、世界の物価を比較した様々な民間企業の調査結果を見ると、何故か東京の物価が高く算出されているものばかりを目にします。

例えば、組織・人事コンサルティング会社のマーサーは、世界生計費調査の2019年版を発表しました(世界500都市以上で、住居費や食料、衣料など200品目以上の価格を調査したもの)が、それによると、駐在員にとっての物価の高い都市2位に東京が入りました(ちなみに、トップ10のうち8つがアジアの都市)。

香港やシンガポールの家賃や物価が高いのは誰しもが納得できると思いますが、NYより東京が物価が高いというのは、恐らくNY駐在の日本人、あるいは、NYに旅行に行く日本人の誰もが納得できないのではないでしょうか。

この調査を否定するつもりはありませんが、この調査は多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬や手当を設計するために行われたもので、ここからは私の仮説になりますが、庶民の暮らしではなく港区など欧米外国人が住んでいるエリアのスーパーあたりで統計をとっている可能性があります。

品目もラーメンなどではなく、カマンベールチーズやワイン、高級パンを日用品の中心と捉えると、関税が高い日本の物価が欧米より高く算出されることになります。指標を取る品目が偏っていたり、例えば、欧米外国人の金融業界の人間が多く住んでいる港区だと家賃も高く算出されてしまいます。

他の欧米企業による調査も同様のものが多く、あくまで欧米人のエリートが日本で欧米と同じ高級な暮らしをする費用を算出するために調査されている可能性があり、それはそれで彼らにとっては意味のあるものだと思いますが、そのまま日本人が客観的事実として受け入れてはいけません。

日本にいるときが一番支出が抑えられる

私はマーケターとしてこの20年近く、先進国も発展途上国も日本国内も含めた世界各国を頻繁に飛び回り、世界の若者調査を行ってきましたが、年々、日本にいる時が一番支出が抑えられるようになっていると実感しています。

今後、世界中の若者にとって東京が更に人気になるであろう理由は、このように生活コストが安いから、ということだけではありません。「流行の最先端をいく都市だから?」と思う方もいるかもしれませんが、東京の給料がそこそこで生活コストが安くて世界最先端の街だから……という短絡的な理由ではありません(もちろん、これもかなり大きな魅力ですが)。最先端という意味では、大変残念ながら、ニューヨークやロンドンやパリはもとより、今や上海やソウルの後塵を拝しつつあります。

スタバは東京よりも上海を重視するようになっている

例えば、2019年2月に東京・中目黒にできた大人気の焙煎工場も併せ持つSTARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO。2014年にアメリカ・シアトルに一号店をオープンして以来、2017年の中国・上海、2018年9月のイタリア・ミラノ、12月のアメリカ・NYに続き、東京は世界で5番目の出店となりました。このことからも、スタバが東京よりも上海を重視しており、東京よりも上海の方がアメリカのトレンドが入ってくるのが早いエリアになっていることがわかります。

また、日本の若者、特に女子のファッションやコスメやスイーツ等のトレンドを見ても、ソウルや台北の方が東京よりも早い、あるいは、ソウルや台北のモノが日本で流行るケースが多くなっています。

このように、アジアが経済発展するにつれ、大変残念ながら、流行の最先端エリアはアジアの中では東京ではなくなりつつあるのです。

もはやアジアで最先端な場所でなくなりつつある東京は、今後、最先端だからという理由ではなく(アジアで先端的なエリアではあり続けると思いますが)、それとは違う理由で人気になっていく可能性があると私は見ています。

それは、東京が世界の先進国の大都市部で最も楽(ラク)に暮らせる街だからです。

---------- 原田 曜平(はらだ・ようへい) マーケティングアナリスト 1977年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを経て、現在はマーケティングアナリスト。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。主な著作に『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)、『パリピ経済 パーティーピープルが経済を動かす』(新潮新書)、『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)、『寡欲都市TOKYO』(角川新書)などがある。 ----

ひろゆきが教える「迷える就活生へのアドバイス」ベスト1

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。

彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

就職のための「軸」とは

 就活生からの質問で、「将来、どんな仕事をすればいいかわかりません」というものがあります。

 とても多い悩みだと思います。だって、まだ働いたことのない学生が「イメージ」だけで仕事選びをするのですから。

 極論を言うと、なんでもいいんですよね。とにかく世に出ていけば現実がいろいろわかってきます。そこで実際に見たり感じたことを元に、転職をしていけばいいんです。

 ただ、そうは言っても、ブラック企業やダメな業界なども多いので、何か1つ「軸」のようなものを授ける話をしてみようと思います。

見るべきポイントは「外国人」

 学生がイメージできる仕事は、たぶんメディアやマスコミのように華やかな業界だったり、食品やレジャー施設のように好きなものの業界くらいでしょう。

 じつは手堅くBtoBで儲けていたり、参入障壁に守られて圧倒的なシェアを誇っているような企業は、学生には見えにくくなっていますよね。

 そこで、企業や仕事を見るポイントとして持っていてほしいのが、「外貨を稼いでいる」ということです。

 日本のマーケットだけを見ているような仕事は、いったん切り捨てます。

 いかに、海外の人がお金を使っているかどうかだけを見ます。

 少し昔であれば、自動車やメーカーが圧倒的に海外に輸出されて、外貨を稼いでいました。ただ、いまはコンテンツや観光など、サービスに関することのほうが海外でも人気があります。

 その視点で企業や仕事を見ると、自分だけの視点とはまったく違う発想ができると思います。

ひろゆき

本名:西村博之

1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、40万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

香取慎吾はケジメで結婚したが…中高年「事実婚」のメリット&デメリットを専門家が解説

新しい地図のメンバー・香取慎吾(44)は、昨年末、一般女性との結婚を発表した。10代から交際していて事実婚状態だった女性らしい。2人の愛のカタチはさておき、世の中、事実婚ってどうなのか。

◇ ◇ ◇

香取と女性はすでに同居していて、事実婚状態だったとされる。さらに香取は、彼女の両親に都内のマンションをプレゼントしていて、彼女や両親に誠意を示し、仕事とプライベートのタイミングをうかがっていたフシがある。それだけに今回の結婚発表は、彼女へのケジメとみられる。

香取の行動はあっぱれだが、なかなかマネできることではない。男女問題研究家の山崎世美子氏が言う。

「トップアイドルという仕事を全うするには、恋愛どころか結婚はご法度になります。香取さんはそこを守り抜いて、ファンの気持ちに配慮しながら、彼女にも気を配っていたと報じられています。彼女の両親にマンションをプレゼントしたのは、その気持ちの表れでしょうし、“いつかは結婚”のタイミングをうかがっていた行動と読めなくもありません。トップアイドルだから、今回のケジメは成立しますが、一般の若いサラリーマンでは成立しにくい」

一般の男性が結婚を保留するなら2、3年がせいぜいか。20年も結婚を保留して事実婚だと、ケジメを忘れてしまいそうだ。

ここで簡単に事実婚の定義を押さえておく。事実婚とは、婚姻届を出して共同生活をする法律婚の対義語で、婚姻届を出さなくても結婚の意思を持ち共に暮らす男女を指す。戸籍は別々で、住民票の続き柄に違いが見られる。法律婚は「夫」「妻」なのに対し、事実婚で同居すると「夫(未届)」「妻(未届)」になる。

2010年の国勢調査によると、事実婚は約60万人。一概に比較はできないが、21年の法律婚約53万人を7万人上回る。軽視できない。

子供の反発をかわす材料になる

いろいろな事情を抱えて事実婚を続けるカップルが少なくないわけで、そのメリットも、当然ある。そこで、事実婚の損得について、山崎氏に聞いた。

「男女で事実婚を望んでいても、女性が20代くらいの出産適齢期だと、子育てを考え、入籍に傾くことが多い。事実婚は共同親権を持てないためで、事実婚を望む男性との間に溝が生まれやすいのです。その点、中高年同士のカップルなら、子供を望む女性が少なく、子供での意見対立はまれ。何より相手を選ぶ基準が恋愛感情ではなく、生活スタイルにあり、その折り合いがつけば、すんなりといきやすいのです」

中高年は、親の介護があったり、成人した子供の反発を受けたりして、事実婚をするにも大変そうだが……。

「逆です。どちらかに介護が必要な親がいる場合は、通い同棲のような“半事実婚状態”を挟み、事実婚を待つケースが珍しくありません。たとえば、女性が親を介護している場合、介護が必要なときは自宅にいて、必要ないときは男性の自宅で過ごす。特に女性は『親を見送ってから』と考えるので、関係をうまく取り持つには、柔軟な対応が不可欠。法律婚にこだわることはないのです」

子供への対応もしかりだという。

「高齢者の再婚を巡っては、子供から『財産目当て』と猛反発されることがあります。しかし、事実婚だと、パートナーに相続の権利がないので、子供の反発をかわすことができます。あえて事実婚を選ぶ中高年がいるのはそのためです」

事実婚は税制面の不利が多く、扶養控除や配偶者控除が受けられない。パートナーに相続権がないのもそのひとつだ。ただ、そのまま事実婚に突き進むと、男性が亡くなった場合、残された女性がピンチになる。工夫が必要だ。

「自宅が持ち家だと、財産分与の対象になり、相続人の間で分割されて、最悪の場合、相続権のない女性が家から追い出される恐れがあります。そうならないように、遺言を残し、自宅については『妻の生存中は居住できる』などと記しておき、生活が困らないように財産分与もある程度用意しておくことです」

法律婚だと、改姓に伴って銀行やクレジットカード、携帯電話など多くの変更を余儀なくされる。相手の親戚付き合いも避けられないだろう。

事実婚なら、姓がそのままだから、銀行などの手続きが住所変更などで済む。親戚付き合いも、入籍するより軽くなることがあるという。

「たとえば、女性の親の介護や闘病で費用がかさんだとき、法律婚だと家庭によっては一部の費用負担を求められることがありますが、事実婚なら金銭の要求は少ないイメージです。中高年の結婚には、若いときとは違うわずらわしさがハードルになりやすいのですが、事実婚はそのハードルを下げる効果がある。その意味は、とても大きいです」

お互いの過去を知る異性の友達

女優の深津絵里(49)は7年前、最愛の母を亡くしている。そんなとき深津を支えたのが、専属スタイリストの男性で、「女性自身」は交際期間が今や15年に及び、事実婚状態と伝えている。中高年になると、家族や周りで大切な人の死と隣り合わせだ。もしそれで寂しさを感じたら、パートナーと事実婚で寄り添うのもひとつの手だ。

「家族や友達の死が相次ぐと、だれしも寂しさが少しずつ募ります。過去を共有できる人がいなくなるのはつらい。腐れ縁というか、昔からの知り合いとほそぼそとでいいからつながっていたいと思うのが、この中高年。私の相談者の中にも、そんな周りの死をキッカケに事実婚に踏み切っていいかどうか悩んで来られることがあります。『50代からは、一人でいたらアカン』が私のモットーですから、『相手がいるならぜひ、第一歩を踏み出してください』と背中を押します」

それが法律婚でないのは、これまで記した通りでお互いの複雑な事情による。「ほそぼそと」がキーワードだという。

「中高年の事実婚は、若いころと違い、仕事も生活も上昇志向がなくなるので、今をほそぼそと楽しむスタイルです。出向や左遷もあるかもしれませんが、パートナーがいれば不安は和らぎます。そんなつらい目に遭おうと、遭うまいと、それぞれに生活力があり、それぞれの財布がある程度自由になるため、つらい状況をしのぐには最適のスタイル。お互いの過去を知る異性の友達くらいの感覚でいるとうまくいきやすい。離婚経験者も、中高年まで未婚の人も、ハードルの低い事実婚はお勧めです」

ちなみに、事実婚でも社会保険には加入できるし、死亡保険の受取人になるのも可能だ(保険会社によって手続きは異なる)。もちろん、将来、法律婚に移行してもいい。人生の折り返しを過ぎて独身なら、事実婚を考えてみてはどうか。

靴の脱ぎ方だけじゃない!訪問時、育ちがいい人は絶対やらないこと

『「育ちがいい人」だけが知っていること』の第2弾、『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』がついに発売! 内容は、第1弾を発売して以来、「じゃあ、こういうときはどうすればいいんですか?」と、多数お問い合わせをいただいた、さらに具体的なシーンでの対応。明確な決まりがないからこそ迷ってしまう日常の正しい所作&ふるまいに加え、気のきいた人なら当然のようにできているけれど、意外と教えてもらえない話し方や気遣いなど。第2弾でも「育ちがわかる」と言われてしまいそうなものばかり260項目を紹介しています。しかも、第1弾と同じ項目はないので、『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』も必見ですね! 今回は、訪問時の玄関先でのふるまいの中で、とくに気をつけたいことについてご紹介していきます。

手土産を床に置いてしまう人が、意外と多い

訪問先の玄関では、「正面を向いたまま靴を脱いで上がり、振り返って腰を落とし、靴の向きを変える」と前作でお伝えしたところ、「正解がわかってよかった!」と大きな反響がありました。しかし、靴の脱ぎ方に気をとられ、思わぬNGなふるまいをしてしまっている場合が。

荷物が多いときや、ひと手間かかる靴を脱ぐとき、バッグや手土産をいったん床に置いていませんか?

ご自身のバッグはよしとしても、これから相手に差し上げる手土産を床に置くのは失礼な行為となります。

とくに、食べ物の場合は避けてください。手土産はできるだけ手に持ったまま、もしくは、腕にかけたままで上がりましょう。

シリーズ第2弾となる『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』では、普段の生活の中で「育ち」が出てしまうポイントや、どうふるまうのが正解か? というリアルな例を260個も紹介しています。誰にも指摘されたことがないのに、実は「あの人は、育ちが……」なんて周囲の人から思われているとしたら、本当に恥ずかしいですよね! 今さら聞けないことばかりですから、参考にしてみてくださいね!

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