知ってると楽しい『通】学! ※年金/保険/退職金のいろは
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「保険料控除」使えていますか?いまさら聞けない保険料控除と種類

そもそも保険料控除とは?

そもそも保険料控除って何だろう? と思っている人もいると思いますので、こちらから解説します。保険料控除は、保険に加入している場合に、年末調整や確定申告を行う際に利用できるもので、所得税や住民税を控除することができます。

つまり、利用することで節税効果が期待できる制度です。しかし、無条件に節税できるというものではありません。上限は設けられています。たくさん入っているからたくさん節税できるわけではないため、その点は注意が必要です。

また、保険料控除にはいくつかの種類があり、それぞれに利用できる上限額が決められています。まずは、保険料控除の種類を知り、その上限額を確認することが大切です。

加入している保険会社からはがきが送られてきたり、ホームページなどで確認することができたりしますので、自分の保険がどの控除として利用できるのか確認をしてみてください。

生命保険料控除について

保険料控除は大きく分けて「生命保険料控除」と「地震保険料控除」の2つがあります。そして、生命保険料控除についてはさらに、「一般生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」、「個人年金保険料控除」の3つに分けることができます。まずは、生命保険料控除の3つを見ていきましょう。

一般生命保険料控除

はじめに一般生命保険料控除は、終身保険や養老保険などの死亡保障がついている保険が主に対象となります。対象にはならない保険もありますので、自分が加入している保険が対象となっているかを確認してみましょう。

介護医療保険控除

次に介護医療保険控除は、病気やけがをした場合に医療費が支払われるような医療保険が主に対象となる控除です。最近では、介護が必要になってしまった時に保険金が支払われる介護保険がありますが、こちらに該当する場合があります。

個人年金保険料控除

最後に個人年金保険料控除は、個人年金保険の中でも税制適格という基準に該当しているものが対象となる控除です。個人年金保険だからといって必ず控除を受けることができるとはかぎらないので、こちらも注意が必要です。

計算してみましょう

これら3つの保険料控除は以下の表の計算式で利用できる金額を確認できます。

(1)新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額、新契約に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。

図表1

出典:国税庁 No.1140 生命保険料控除

(2)旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額

旧契約に基づく旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。

図表2

出典:国税庁 No.1140 生命保険料控除

生命保険料控除については、「新」と書かれているものと「旧」と書かれているものがあるのですが、ご存じでしょうか? こちらに関しては、平成24年1月1日以降に契約したものが「新」生命保険料控除に利用でき、それよりも前に契約し、内容変更等もしていないものは「旧」生命保険料控除となります。

地震保険料控除について

地震保険料控除は、建物保険の中でも地震等損害部分について対象となる控除となっています。注意すべきは、火災保険部分については対象とならないことです。加入している保険が火災保険部分しかない場合は、控除の対象となりません。地震の時に保険金が支払われる保険なのかを確認してみましょう。

また、年間の支払保険料のうち、地震等損害部分が対象となるので、年間の支払保険料をまるまる対象とすることができない点も留意しておいてください。

自分の地震保険料控除を確認してみましょう

地震保険料控除の控除額は以下の計算式から確認できます。

図表3

出典:国税庁 No.1145 地震保険料控除

地震保険料控除についても「新」と「旧」があります。「新」地震保険料控除は平成19年1月1日以降に締結した契約をいい、「旧」長期損害保険料は平成18年12月31日までに締結した契約で、契約の変更をしていないものを指します。

自己申告を忘れずに

保険料控除は年末調整だったとしても、確定申告だったとしても、自分で申告しなければ控除を受けることができません。まずは、自分の加入している保険が生命保険料控除にあたるのか、地震保険料控除にあたるのかを確認し、申告できるようにしておきましょう。

出典

国税庁 No.1140 生命保険料控除

国税庁 No.1145 地震保険料控除

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

国民年金は払ったほうがよい?老後の意外な落とし穴

65歳から遺族年金のもらい方が変わる。その時……

先日、年金相談窓口にもうすぐ65歳になるという女性(昭和32年生まれ)が相談に見えました。お話をうかがうと、奥様(相談者)は現在、年間約120万円の遺族年金を受け取っているとのこと。65歳から年金の受け取り方が変わると聞いたので、どう変わるのか、いくらになるのかを尋ねにきたとのことでした。

ご自身は結婚前に3年くらい勤務していたが、その後は専業主婦とのことでした。国民年金は、ご主人の扶養になっていた期間は第3号被保険者として加入していましたが、ご主人を亡くした後は保険料を支払うことができず、免除の手続きもとっていなかったようです。

友人から、遺族年金と自分の年金はどちらかしかもらえないから、国民年金は支払っても無駄になってしまうという話を聞かされたともおっしゃっていました。

以下が、65歳前と65歳以降の遺族年金の受け取り方の違いになります。

(1)遺族年金か自分の年金かの選択制ではなくなる

(2)遺族年金に加算されていた中高齢寡婦加算がなくなる(生年月日によっては、遺族厚生年金の加算給付の1つ「経過的寡婦加算」がその生年月日に応じて加算される場合がある)

(3)自身の老齢厚生年金が優先的に支給され、遺族年金から自身の老齢厚生年金相当分(基金代行額含む)が減額される

(4)自身の老齢基礎年金が支給される

さて、この人の遺族年金は65歳からどうなるのでしょうか。

国民年金を払っておけばよかった! 遺族年金の意外な落とし穴

奥様(相談者)の現在の遺族年金額は年額約120万円。この中には65歳まで加算される中高齢寡婦加算約58万円が含まれていますので、65歳以降の遺族年金本体の金額が約62万円ということになります。経過的寡婦加算は昭和31年4月2日以後生まれの方は対象外ですので、加算されません。

また、先ほどの説明の(3)と(4)の通り、奥様ご自身の老齢厚生年金と老齢基礎年金が支給され、遺族年金から奥様ご自身の老齢厚生年金相当額分が支給停止となる(差し引かれる)わけですが、金額を調べてみると、老齢厚生年金が年額約5万円、老齢基礎年金が年額約35万円でした。

合計の受給額としては、以下のようになります。

(遺族年金)-(支給停止分)+(老齢厚生年金)+(老齢基礎年金)

=約62万円-約5万円+約5万円+約35万円

=約97万円/年額

なんと! 65歳前よりも年金額が減ってしまうのです。

これは、ご自身が国民年金保険料をあまり支払ってこなかったため、老齢基礎年金が低額となってしまうことによるものです。

あと数カ月でも国民年金に任意加入をして保険料を支払ってはいかがかと提案はしましたが、それでも増やせる年金額は少額であり、焼け石に水となってしまいそうです。奥様はがっかりしてお帰りになりましたが、こればかりは決まりごとなので私にはどうすることもできませんでした。

遺族年金に限ったことではありませんが、老後に少しでも安定した生活が送れるよう、国民年金はぜひ支払っておきたいところです。免除が受けられる方は、免除の手続きだけは最低限行っておくようにしましょう。

文:綱川 揚佐(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、年金アドバイザー)

金融機関在職中に1級FP技能士を取得後、社会保険労務士や年金アドバイザーも取得。年金記録確認第三者委員会勤務を経て、社会保険労務士・FP事務所を開業。法人向けの労働相談や、多数の年金相談業務等を行う。

夫が脱サラして起業。これまで支払っていた厚生年金はどうなりますか?

国民年金の加入手続き

会社員の夫が退職して自営業となる場合、厚生年金の被保険者であった夫とその夫に扶養されていた妻は、退職日の翌日から国民年金の第1号被保険者となります。

そして、夫婦ともに退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村役場で第1号被保険者の加入手続きをする必要があります。手続きには、基礎年金番号通知書または年金手帳などの基礎年金番号が分かる書類が必要です(※1)。

なお、会社が加入していた健康保険組合からも脱退することになりますので、被保険者であった健康保険組合の任意継続被保険者になるか、ご夫婦で国民健康保険に加入する必要がありますが、ここでは手続き方法などの説明は省略します。

支払った厚生年金保険料は老齢厚生年金に反映される

厚生年金の被保険者であった期間に支払った厚生年金保険料は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たせば、将来受給する老齢基礎年金に上乗せされる老齢厚生年金として受給することができます(※2)。

1.老齢基礎年金の受給資格期間とは

受給資格期間とは、国民年金の保険料を納めた期間、厚生年金の被保険者および厚生年金の被保険者の被扶養配偶者(国民年金の第3号被保険者)であった期間、ならびに年金額には反映されない合算対象期間や保険料が免除された期間を含んだ期間をいいます。

そして、老齢基礎年金はもとより老齢厚生年金も、受給するためには受給資格期間が10年以上あることが必要となります(※2)。

2.受給できる老齢厚生年金の額は

老齢厚生年金は原則として65歳から受給でき、その年金額は下式のとおり報酬比例部分に経過的加算と加給年金額を合計した額になります(※3)。

老齢厚生年金の年金額 = 報酬比例部分 + 経過的加算額 + 加給年金額

(1)報酬比例部分

報酬比例部分は、老齢厚生年金の年金額において基礎となるもので、厚生年金の加入期間と過去の報酬などに応じて下式により求められた額になります(※4)。

報酬比例部分の額 = 平均標準報酬額 × 0.005481 × 加入期間の月数(注1)

注1:平成15年3月までの加入期間に関する計算式は異なります。

平均標準報酬額とは、計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、加入期間で割って得た額です。

また、厚生年金保険料は、加入期間の標準報酬月額や標準賞与額に保険料率を掛けて計算された額を支払っていますので、今までに支払った保険料は、老齢厚生年金の報酬比例分に反映されます。

(2)経過的加算

経過的加算は、昭和61年4月の年金制度改正に伴って設けられた制度で、以下の計算式で求められた額となります(※3、5)。

経過的加算=(1621円(注2)× 厚生年金加入月数)-(77万7800円(注2)×20歳以上60歳未満の厚生年金加入月数/480月)

注2:令和4年度の額

経過的加算額は通常数百円程度ですが、20歳未満の加入期間がある方は多少多くなります(支給対象であるかは、生年月日によります)。

(3)加給年金額

加給年金は、退職するまでの厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳到達時点で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されます(※3)。

(※3を基に筆者作成)

注3:配偶者が、被保険者期間が20年以上の老齢厚生年金などを受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。

注4:配偶者の加給年金額は、16万5100円の特別加算額を含んだ額です。なお、老齢厚生年金を受けている方の生年月日が昭和18年4月1日以前の場合は、特別加算額が異なります。

まとめ

会社員の夫が退職して自営業となる場合、夫婦ともに退職日の翌日から14日以内に、第1号被保険者の加入手続きをする必要があります(妻が第3号被保険者であった場合)。

これまで支払っていた厚生年金保険料については、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば老齢厚生年金の報酬比例分として受給することができますし、経過的加算にも反映されます。

さらに、厚生年金の加入期間が20年以上である方には、一定の要件を満たす配偶者と子供に加給年金が支給されます。

出典

(※1)日本年金機構 国民年金に加入するための手続き

(※2)日本年金機構 老齢年金

(※3)日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

(※4)日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分

(※5)日本年金機構 年金用語集 た行 定額部分

執筆者:辻章嗣

ウィングFP相談室 代表

CFP(R)認定者、社会保険労務士

今すぐチェック!「年金を毎月20万円」もらえる人・もらえない人

老後の生活の要となる年金だが、できれば20万円以上もらいたいものだ。年金を20万円以上もらうためにはどれくらいの年収が必要なのだろうか?

■年金受給額が20万円以下になってしまう年収のボーダーラインはいくら?

夫婦ともに65歳以上かつ無職である世帯の支出額は、1ヵ月におよそ22万円ということが公益財団法人生命保険文化センターの調査で分かった。そのため、年金とこれまでの貯蓄で生活していこうと思えば、少なくとも20万円の年金は受け取りたいところだ。年金受給額が20万円以下になってしまう年収のボーダーラインはどれくらいなのだろうか?

●厚生年金を40年支払った場合のボーダー年収

厚生年金加入者が将来受け取れる年金額は、厚生年金加入期間や加入期間中の年収などで違う。受け取れる年金額は、日本年金機構や各金融機関の年金シミュレーションで試算可能だ。

今回は、夫が会社員、妻が専業主婦の場合について解説する。

まず、厚生年金を40年支払った場合、月額20万円の年金を受け取ることのできるボーダー年収がいくらなのか調べてみた。

ここでいう年収は、期間中の平均年収を示している。

その結果、420万円前後の年収が必要だと判明。この場合の年金額は月額およそ14万円、妻の国民年金6万5,000円を合わせて月額20万円前後の年金になる。

●厚生年金を30年支払った場合のボーダー年収

次に、国民年金を40年、厚生年金を30年かけた人の場合、年金月額20万円となるボーダー年収を見てみよう。

同様に試算すると、厚生年金の加入期間が10年短いため、年収がおよそ520万円のときにやっと夫婦の年金月額が20万円を超えることになる。

10年前に米ドル預金を100万円していたらこんなに増えていた!

■年金を月20万円もらうには年収はどれくらい必要?

老後の年金はいくらくらいもらえるのか、具体的な金額を知らないという人も多いのではないだろうか。会社員や公務員の方は、現役のあいだの収入が多いほど将来の年金も多くなる。年収がいくらくらいなら月20万円の年金を受け取れるのか?

●月20万円の年金をもらうために必要な年収は?

厚生年金に加入している人が月20万円の年金をもらうには、年収がいくら必要なのか?

会社員だった人が受け取る老齢厚生年金の平均は月額およそ14万6,000円だということが、厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報(2019年度)」には記載されている。

月20万円の年金を受け取るためには、平均以上の年収が必要ということだ。

具体的には、20歳から40年間加入する場合、その間の年収が800万円程度あれば年金額が月20万円前後になる。

外国人がビックリ!日本にしかないスゴいモノ9選

●夫婦2人で達成するなら

夫婦2人で月20万円ならもっとハードルは低くなる。夫婦どちらかが「平均的な老齢厚生年金額(月14万6,000円)」、もう片方が自営業や専業主婦(主夫)などで「平均的な老齢基礎年金額(月5万6,000円)」をクリアしていれば、達成できる。

文/編集・dメニューマネー編集部

自己破産すると年金はもらえない?老後破産しやすい夫婦の特徴

老後に生活資金を捻出できず、老後破産に陥ってしまったら──。破産しやすい夫婦の特徴にはどのようなものがあげられるのだろうか。もし万が一、自己破産してしまった場合、年金は没収されてしまうのか?

■銀行員は見た!老後破産してしまう夫婦の特徴3選

老後破産のリスクが高い夫婦はどんな夫婦なのか?ここでは、老後破産してしまう夫婦の特徴的な3つのケースを解説する。

●定年後に住宅ローンが残る夫婦は老後破産に至るリスクが高い

定年後に住宅ローンが残る夫婦は返済で生活が苦しくなって貯蓄も減り、老後破産に至る確率が高くなる。

そのような老後破産を防ぐには、定年前に住宅ローンの繰り上げ返済を行ってローン残高をゼロまたは最小限に減らすことが鉄則だ。

●生活レベルを下げないと支出過多で老後破産に陥りやすい

生活レベルを下げないと毎月支出過多になる。その結果急激に貯蓄が減って早々に老後資金が枯渇し、老後破産の危険に陥る。

毎月必ず発生する費用の削減から始めると生活レベルを下げやすいだろう。例えば、以下のようなことを検討してみよう。

●子どもや孫にお金をかけすぎると老後の生活が苦しくなる

老後資金数千万円程度の一般の夫婦が、年間数十万~数百万円単位で子どもや孫に学費などの援助を行えばたちまち資金は枯渇してしまう。

その結果、生活が苦しくなって老後破産に至る可能性が高くなる。子どもや孫にお金をかけるのはほどほどにすべきだろう。

風水的に金運ダウン?玄関に置くべきではないモノ3選

■老後に自己破産しても年金はもらえるの?

借金が多すぎて返せないなど、生活に行き詰まったときの選択肢の一つが「自己破産」だ。借金を帳消しにすることもできる強力な手段だが、「自己破産=財産を没収される」と思っている人も多いのではないだろうか。老後の年金も没収されてしまうのか?

自己破産しても年金は受け取れる!

結論から言うと、老後に自己破産しても年金を受け取り続けることは可能だ。

公的年金は、たとえ自己破産していても受け取る権利が保障されている。

国民年金、厚生年金、共済年金、企業年金などは、自己破産していない場合と同じ金額を受け取れる。

ただ、保険会社などで「個人年金」の契約をしている場合は、処分すべき財産とみなされ解約することになってしまう。個人年金も解約返戻金も受け取れなくなる場合があるので要注意だ。

マイナンバーカードを保険証代わりにすると損?知っておきたい3つの注意点

●自己破産しても年金の支払いは必要!

自己破産で借金が帳消しになっても、未納の年金保険料の支払い義務は消えない。

自己破産すると、それまで抱えていた住宅ローンやカードローンなど借金はゼロになる。ただし、年金保険料や税金の未納、子どもの養育費、慰謝料、罰金、年金担保貸付の返済などは例外だ。

これらは自己破産したあとも支払っていく義務が消えないで、その後も請求され続ける。

文/編集・dメニューマネー編集部

60歳代前半の年金に多い「勘違い」を検証

同じ老齢厚生年金でも、全く別物

公的年金は老齢、遺族、障害と3つの種類があり、その中で中心となるのはなんといっても老齢年金です。会社員が加入する厚生年金からは、「老齢厚生年金」が支給されますが、この老齢厚生年金には2つの種類があることをご存じでない方も少なくありません。

その2つの老齢厚生年金とは、

・60歳代前半の老齢厚生年金

・65歳以降の老齢厚生年金

です。

▼2つの「老齢厚生年金」、違いって?

緑の部分が60歳代前半、黄色が65歳以降の老齢厚生年金© All About, Inc. 緑の部分が60歳代前半、黄色が65歳以降の老齢厚生年金この2つの年金は同じ老齢厚生年金で、見かけはかわりないのですが、法律の条文でも、60歳代前半は「法附則8条」、65歳以降は「法42条」と全く別物となっています。別物ですから、裁定請求も形式的とはいえ、別々に2度行うことになります。

図を見ると、「厚生年金って60歳から受け取るんだ!」と喜んでしまいますが、残念ながら「過去はそうだった」ということになります。

この60歳代前半の「特別支給の老齢厚生年金」ですが、いずれなくなる運命の制度です。法律の条文にも「当分の間、65歳未満の者が……」と書かれているとおり、期間限定、タイムサービスの年金制度となります。

生年月日によって、

■60歳から受け取れる人

■一部分が受け取れる人

■全く受け取れない人

に分かれます。

残念ながら、昭和36年(女性は昭和41年)4月2日以降に生まれた方は、60歳代前半の老齢厚生年金は1円も受け取ることができません。

「60歳代前半の老齢厚生年金」は、繰り下げ受給しても、増額されない

別物ですから、要件や取り扱いに差異があり、これを理解しないと思わぬ不利益をこうむる可能性もあるので注意が必要です。

さて、取り扱いの差があるのが「繰り下げ」受給の可否です。65歳以降の老齢厚生年金や老齢基礎年金は繰り下げ受給が可能で、繰り下げた月数に応じて受け取る年金が増額されることになります。

しかし、60歳代前半の老齢厚生年金には繰り下げという制度はありません。それにもかかわらず、「請求をちょっと遅らせて、年金を増やそう」と考えておられる方も少なくありません。

仮に、60歳から受け取らず、65歳まで待って請求したとしても、残念ながら増額をされることはありません。

増額されないだけでなく、「減額」や全く受け取れない場合も

仮に60歳から受け取れる年齢の方が、65歳でもまだ請求せず、65歳以降に請求したとすると、増額されるどころか、逆に「減額」されてしまうのです。

年金の請求は時効の関係で5年間しかさかのぼれないことになっているからです。仮に68歳になって請求したとすると、受け取れる年金は5年さかのぼった63歳からとなり、60歳から63歳までの年金を受け取れなくなってしまいます。

ですから、「増額したい」と70歳以降まで待って請求したら、5年さかのぼっても65歳以降となってしまい、60歳代前半の年金は「1円」も受け取れないということになるわけです。

「増額するつもりで繰り下げたつもりが、全く受け取れなくなる」としたら、「悲劇」ですね。

別物であることが、「お得」を生み出すことも

老齢厚生年金と雇用保険の基本手当を両方受け取ることができないことは、以前の記事でも書いたことがありますし、皆さんもよくご存じだと思います。

ただし、この年金と雇用保険の調整は「60歳代前半」の老齢厚生年金だけが対象(65歳以降の老齢厚生年金を繰り上げた場合も対象となる)となります。

65歳以降に基本手当を受け取るような場合は、年金は65歳以降の老齢厚生年金となり、両方受け取ることができることになります。基本手当は65歳までに離職することが要件となりますので、かなりのレアケースであることは間違いありませんが、こちらは別物であることが生み出した「お得な矛盾」といえますね。

文:和田 雅彦(社会保険労務士)

大学卒業後、地方銀行に勤務。1999年9月、社会保険労務士資格を取得し独立開業する。FP資格も取得し、年金を含めたライフプランの相談も多数受ける。年金、保険、労働問題の執筆や講演業務も行っている。

会社員の妻と自営業者の妻。夫に先立たれた場合に受け取る遺族年金にどのくらいの差がある?

遺族年金の種類

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがあります。どちらの遺族年金も、亡くなった夫に生計を維持されていた妻であれば、要件を満たすことで受け取ることができるものです。

遺族基礎年金は、国民年金に加入していた方に生計を維持されていた子がいる配偶者、または子が受給対象です。国民年金の第1号被保険者である自営業者の妻が受け取る遺族年金は、通常、遺族基礎年金となります。

それに対して遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた方に生計を維持されていた遺族のうち、優先順位の高い方が受け取ることができます。厚生年金の被保険者である会社員の夫に生計を維持されていた妻は、要件を満たしている場合に遺族厚生年金と遺族基礎年金を合わせて受け取れます。

ちなみに、夫が自身の経営する会社で厚生年金に加入しているようなケースでは、妻は遺族厚生年金の受給対象となります。

受け取る遺族年金の差は?

万が一、夫が亡くなった場合、会社員の妻と自営業者の妻が実際に受け取れる遺族年金にはどれくらいの差があるか、以下の条件を前提に計算してみます。

__●遺族年金の受給要件は満たしている

●18歳未満の子が2人いる

●自営業者の夫は過去、厚生年金には加入していない

●会社員の夫は平成15年4月以降に厚生年金に加入(加入期間は25年未満)__

自営業者の妻が受け取る遺族年金の額

子がいる自営業者の妻が受け取る遺族基礎年金の金額は、一律で年額77万7800円(令和4年度)となります。

また、子(18歳になった年度の3月31日までの間にある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子)の人数に応じて、加算額が上乗せされた金額を受け取れます。

子の加算額は2人目までは1人につき22万3800円、3人目以降は1人につき7万4600円です。子が2人いる妻が受け取る遺族基礎年金は、年間で122万5400円となります。

会社員の妻が受け取る遺族年金の額

会社員の妻が受け取る遺族厚生年金の金額は、亡くなった方の厚生年金の加入期間や収入を基に計算されます。

平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入期間の月数×4分の3

上記の平均標準報酬額とは、平成15年4月以降の厚生年金加入期間の給与や賞与によって決まるものです。また、平成15年4月以降の加入期間の月数について、300月未満の場合は300月として計算されます。

平均標準報酬額を40万円と仮定すると、会社員の妻が受け取る遺族厚生年金の金額は49万3290円となります。

40万×5.481÷1000×300月×4分の3=49万3290円

さらに会社員の妻は、要件に該当していれば遺族基礎年金も合わせて受け取ることができます。子が2人いる妻の遺族基礎年金は年間122万5400円となるため、受け取る遺族年金の合計額は171万8690円となります。

会社員の妻と自営業者の妻では遺族年金に差がつく

基本的に会社員の妻と自営業の妻では、前者の方が受け取る遺族年金の額は大きくなります。会社員の妻は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる可能性があるのに対し、自営業者の妻は遺族基礎年金しか受け取ることができないからです。

また、子どもの数など同じ条件の場合、亡くなった夫が加入していた年金制度によって、妻の遺族年金には差がつきます。万が一のときに備える場合、遺族年金として支給される金額を踏まえて、必要な保障について考えるべきでしょう。

遺族年金の詳細は、最寄りの年金事務所へお問い合わせください。

出典

日本年金機構 遺族年金ガイド 令和4年度版

執筆者:柘植輝

行政書士

年金の繰上げ受給を利用する方は、「老後2000万円問題」を参考にしよう

2019年6月くらいに、「高齢社会における資産形成・管理」という報告書から始まった「老後2,000万円問題」が、大きな話題になりました。

参照:金融庁[https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf](pdf)

この報告書を読んでみると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)は、次のような金額の実収入と実支出の差によって、毎月5万4,520円の赤字が発生しているようです。

実収入(月額):20万9,198円

実支出(月額):26万3,718円

また赤字は自身が保有する金融資産から補填するため、30年に渡って赤字が続いた場合には、1,962万7,200円(5万4,520円×30年×12月)の金融資産が必要になります。

この1,962万7,200円という金額が、老後に2,000万円が必要になるという報告書の試算の、根拠になっているのです。

要するに「実支出-実収入」で算出した赤字額の30年分になるため、医療や介護にかかる一時的な費用などは含まれておりません

そのため老後のために準備する金融資産は、2,000万円では足りないと主張する方がいるのです。

一方で高齢になるほど外出する機会が減って、交際費やガソリン代などの支出が少なくなるため、赤字額がずっと変わらないのは不自然と、主張する方もおります。

こういった主張から考えると、老後に2,000万円が必要になるという報告書の試算は、あまり参考にならないのかもしれません。

ただ「実支出-実収入」で赤字額を算出し、それに対して生存しそうな年数を掛けるという、老後のために必要となる金融資産の簡易な計算方法は、参考にしても良いと思うのです。

老齢年金は60歳まで支給開始を繰上げできる

公的年金の保険料の納付済期間、国民年金の保険料の免除期間(納付猶予の期間、学生納付特例の期間も含む)などの合計が、原則として10年以上ある場合には、国民年金から老齢基礎年金が支給されます。

また20歳から60歳までの40年の間に、国民年金の保険料の免除期間や未納期間などが1月もないと、老齢基礎年金の金額は満額(2022年度は77万7,800円)になるのです。

一方で原則10年の老齢基礎年金の受給資格期間を満たしたうえで、厚生年金保険の加入期間が1月以上ある方には、厚生年金保険から老齢厚生年金が支給されます。

どちらの老齢年金も支給開始は、原則として65歳からになりますが、繰上げ受給の制度を利用すると、最大で60歳まで支給開始を繰上げ(前倒し)できます

ただ支給開始を1か月繰上げするごとに、0.4%の割合で老齢年金が減っていくため、60歳まで繰上げした場合の減額率は、24%(0.4%×5年×12月)になります。

また老齢基礎年金と老齢厚生年金は原則として、一緒に繰上げする必要があるため、片方だけを繰上げすることはできません

なお1962年4月1日以前に生まれた方は、改正前の制度が適用されるため、1か月繰上げした場合の減額率は0.5%、60歳まで繰上げした場合の減額率は30%になる点に、注意する必要があります。

実支出と実収入の目安額で累計の赤字額を算出してみる

繰上げ受給の利用を検討している方は、ねんきんネットの試算機能などを活用して、希望する年齢まで繰上げした場合の、老齢年金の金額を試算してみるのです。

このようにして実収入の目安額がわかったら、数か月だけでも家計簿をつけてみて、実支出の目安額を調べてみます。

そうしたら「実支出-実収入」で赤字額を算出したうえで、この赤字額に生存しそうな年数(繰上げから30~35年くらい)を掛け、累計の赤字額を算出してみるのです。

この金額と自身が保有する金融資産(退職金も含める)を比較し、「累計の赤字額<>」になっていたら、繰上げ受給を利用しても亡くなるまで、生活費を賄える可能性が出てきます。

最近はNISAやiDeCoを通じて、投資信託などの価格が変動する金融商品を保有する方が増えておりますが、こういったものは評価額(資産の現在価値)で、試算してみるのが良いと思います。

また繰上げした後も働き続ける場合には、繰上げ受給の老齢年金に対して、給与や事業収入を加えたものが実収入になります。

なお定年年齢(従業員を再雇用する制度の上限年齢)や、60歳以降に受け取れる給与の目安額については、勤務先の就業規則などで調べてみましょう。

累計の赤字額を少なくするための2つの対策

累計の赤字額と自身が保有する金融資産を比較した時に、「累計の赤字額>金融資産の合計額」になっていたら、次のような2つの対策を実施してみるのです。

(1) 収入を増やす

60歳以降もできるだけ働いて、年金以外の収入(給与、事業収入など)を増やせば、累計の赤字額を少なくできます

また繰上げ受給を利用した後でも、60歳~70歳までの間に厚生年金保険に加入していれば、その分だけ老齢厚生年金は増えていきます。

そうすれば累計の赤字額は少なくなるため、60歳以降も雇用されて働くなら、厚生年金保険に加入した方が良いのです。

なお60歳以降の月給や賞与の見込額がわかれば、70歳まで厚生年金保険に加入した場合の老齢厚生年金の金額を、ねんきんネットで試算できます。

(3) 支出を減らす

固定費(通信費の基本料金部分、生命保険や医療保険の保険料など)の節約によって支出を減らせば、累計の赤字額を少なくできます。

また変動費(食費、交際費など)を節約する際には、先取り貯蓄(給与などが振り込まれたら一定額を先に貯蓄し、残ったお金で生活する貯蓄法)を、取り入れてみるのが良いと思います。

これによって変動費を節約しやすくなるだけでなく、金融資産の合計額を増やせるのです。

以上のようになりますが、これらの対策を実施しても、「累計の赤字額<>と思います。

年金の損得だけを判断基準にしない

年金について解説したウェブサイトや本を読んでいると、老齢年金の金額が減ったり、障害年金を受給できなくなったりするため、繰上げ受給は損と解説する方がおります。

また「〇〇歳まで生きるのなら、65歳から受給した方が得」というような、繰上げ受給の損益分岐点について、解説している方もおります。

いずれの解説も説得力はありますが、60歳以降も給与などの収入を確保できるのなら、繰上げによる減額分をカバーできるため、年金の損得だけを判断基準にして、繰上げするか否かを決めない方が良いのです。

個人的には年金の損得より、繰上げ受給の老齢年金、給与(事業収入)、金融資産からの補填で、繰上げから30~35年くらい生存した場合の生活費を賄えるのかを、判断基準にすべきだと思うのです。

試算の精度を高めたい場合には、入院や介護にかかる一時的な費用などを実支出の中に含めてみたり、高齢になるほど実支出を減らしたりしてみるのです。

また例えば夫が妻より年上の場合には、夫が亡くなったと仮定した時の遺族年金を試算してみると、更に精度が高まります。

ただ精度を高めると計算が難しくなるので、「実支出-実収入」で赤字額を算出し、それに対して生存しそうな年数を掛けるという、冒頭で紹介した報告書の簡易な計算から、始めてみるのが良いと思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

年金とは別の給付制度「年金生活者支援給付金」 3つの制度と注意点

2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられたことを契機に設けられた制度として「年金生活者支援給付金」制度があります。

全ての方が年金とは別にもらえる給付金というわけではありませんが、年金額やその他の所得が一定額以下である場合に、生活の支援を目的として、年金に上乗せされる給付金です。

今回は「年金生活者支援給付金」にフォーカスをあて、解説します。

年金生活者支援給付金制度の種類とは

年金生活者支援給付金には老齢、障害、遺族と3つの制度が設けられています。

年金生活者支援給付金【老齢】

以下の要件を全て満たしている場合に対象となります。

  • 65歳以上で老齢基礎年金の受給者である
  • 同一世帯全員の市町村民税が非課税である
  • 前年の公的年金等の「収入金額」が他の所得と合算し、881,200円以下である※「収入金額」とは非課税とされる障害年金等は含まれません。

給付される額は、「月額5,020円」を基準として、保険料納付済期間等に応じ算出されます。

年金生活者支援給付金【障害】

以下の要件を全て満たしている場合に対象となります

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得が4,721,000円以下である※障害年金等の非課税収入は所得に含まれません。 ※「4,721,000円以下」については、扶養親族等数に応じて増額されます。

給付される額は障害等級が2級の場合、月額5,020円、障害等級が1級の場合、月額6,275円となります。

年金生活者支援給付金【遺族】

以下の要件を全て満たしている場合に対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得が4,721,000円以下である※遺族年金等の非課税収入は所得に含まれません。 ※「4,721,000円以下」については、扶養親族等数に応じて増額されます。

給付される額は月額5,020円となります。

ただし、2人以上の子が遺族基礎年金をもらっている場合は5,020円を子の数で割った額をそれぞれがもらえます。

注意点1:遡ってもらえない

「年金」であれば、原則として時効である5年前までは遡ってもらえますが、「年金生活者支援給付金」は書類を受け付けた翌月からもらえるので、要件を満たしていたとしても過去に遡ってもらうことはできません

該当した場合、速やかに年金事務所で手続きをしましょう。

新たに基礎年金の受給権を得た方は、受給権を得た日から3か月以内に、「年金生活者支援給付金」の手続きをすることで、年金の受給権を得た日に「年金生活者支援給付金」の請求手続きを行ったものとみなして遡ってもらえます(3か月を過ぎると手続きをした翌月分からとなります)。

「受給権を得た日」とは、老齢基礎年金の繰り上げ受給をしている方については、65歳到達の日であり、老齢基礎年金の繰り下げ受給をする方については、繰り下げの申し出を行った日となります。

注意点2:添付書類

原則として、添付書類は不要です。

市町村からの所得情報等を基に年金生活者支援給付金の要件を満たしているか否かの判定が行われます。

万が一、所得状況が確認できない場合には所得情報の提出を求められる場合はあります。

なお、2年目以降は原則として手続きは不要ですが、要件を満たさなくなった場合(例えば所得超過)は、もらえなくなります

その際は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が発送されてきます。

はじめて請求した時点では要件を満たしていない場合であっても、その後、要件を満たした場合は、将来的に請求することが可能です。

注意点3:給付額の改定

毎年度、物価の変動による改定が行われます。

給付額が改定された場合には「年金生活者支援給付金額改定通知書」が送付されてきます。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)

パートの私が厚生年金の被保険者に!? “106万円の壁”がパートのあなたに迫ってくる!自民党は国民を泣かせる政党!

「106万円の壁」とは

パート勤務者であっても、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分3以上である場合(図表1のパート勤務者1)は、夫の扶養の有無に係らず厚生年金の被保険者となります(※2)。

【図表1】

© ファイナンシャルフィールド

また、パート勤務者の中で、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3未満、またはその両方の場合(上図のパート勤務者2)でも、特定適用事業所に勤めている方が以下の要件を全て満たせば厚生年金の被保険者となり、自分自身の社会保険料を支払う必要が生じます(※3)。

__(1)週の所定労働時間が20時間以上あること

(2)雇用期間が1年以上見込まれること

(3)賃金の月額が8万8000円以上であること

(4)常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

(5)学生でないこと

__

ここで、対象となる賃金月額8万8000円を年収に換算すると105万6000円となり、パート収入の「106万円の壁」になります。

現在、特定適用事業所は、従業員数が501人以上となっていますが、2022年10月からは、101人以上の企業が対象となります。そして、2年後の2024年10月からは51人以上の企業に適用範囲が拡大されます(※3)。

【図表2】

© ファイナンシャルフィールド

(※3を基に筆者作成)

「106万円の壁」を超えると収入が減る

特定事業所で106万円の壁を越えて働いた場合、給与収入から厚生年金保険料、健康保険料などの社会保険料が差し引かれますので、実質的に収入が減ることになります。

1.厚生年金保険料

厚生年金の保険料は、標準報酬月額(給与を一定の幅で区分した月額)と標準賞与額(税引き前の賞与の額から1千円未満の端数を切り捨てた額)に、共通の保険料率18.3%を掛けて計算され、これを労使で折半して負担します(※4)。

2.健康保険料

健康保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛けて求められ、労使で折半して負担します。

健康保険料率は勤務先の企業が加入する健康保険ごとに違いがあり、例えば、全国健康保険組合が運営する「協会けんぽ」では、東京都内の企業に適用される保険料率は9.81%です(※5)。

実質的な収入は124万円以上で得になる

106万円の壁を越えて働いた場合、収入から負担する社会保険料を差し引いた実質的な収入額について考えてみましょう。

なお、ここでは、前述した厚生年金保険料の保険料率と東京都に適用される「協会けんぽ」の保険料率を使用し、年収にそれぞれの保険料率を掛けて労使で折半した概算値を用いて計算しています。

【図表3】

© ファイナンシャルフィールド

(※4、5を基に筆者概算・作成)

従って、収入が106万円の壁を超えて働く場合、実質的な収入が105万6000円を上回るためには、下式のとおり123万円を超える収入を得ることが必要となります。

123万円×{1-(9.15%+4.905%)}≒105万7124円>105万6000円

壁を越えて働くと老齢厚生年金を受給できる

特定適用事業所で106万円の壁を越えて働いた場合、将来、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受給できるようになります。

65歳以降に受給できる老齢厚生年金(報酬比例部分)は、年金の加入期間と報酬に応じて下式で算出された額となります(※6)。

__老齢厚生年金(報酬比例部分)=平均標準報酬額×0\.005481×加入期間(注)

注:平成15年3月以前の加入期間については、計算式が異なります。__

平均標準報酬額とは、計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間で割って得た額で、平均年収を12月で割った値に相当します。

この式から、平均年収と勤務年数から老齢厚生年金(報酬比例部分)の額を概算すると、図表4のとおりとなります。

【図表4】

© ファイナンシャルフィールド

(※6を基に筆者試算・作成)

まとめ

夫の扶養を外れる「130万円の壁」は、パート勤務者の意志で乗り越える壁です。

一方、特定適用事業所で厚生年金の被保険者となる「106万円の壁」は、特定適用事業所の適用範囲が拡大されることに伴い、パート勤務者に迫りくる壁になります。

従って、従業員数が50名以下の企業で働く場合や年収を意図的に106万円以下に抑える場合を除き、多くのパート勤務者が「106万円の壁」を超えることになります。

「106万円の壁」を超えて働く場合は、123万円を超える収入を得ることができなければ、実質的な収入が減ることになります。

一方、年収と勤務年数に応じて、老齢厚生年金を将来受給できるようになりますので、無理のない範囲で収入と勤務期間を延ばすことをお勧めします。

出典

(※1)日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き

[(※2)日本年金機構 適用事業所と被保険者

](https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150518.html)

[(※3)日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

](https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html)

[(※4)日本年金機構 厚生年金保険の保険料

](https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html)

(※5)全国健康保険協会 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)

(※6)日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

執筆者:辻章嗣

ウィングFP相談室 代表

CFP(R)認定者、社会保険労務士

「夫の定年退職」を機に離婚します。年金はパートを続けながらいくらもらえますか?

年金分割とは?その種類と仕組みを紹介

年金分割には、「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。

・年金分割の概要

年金分割は、離婚時に将来受け取る厚生年金を分け合う制度です。夫か妻に厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)がある場合に限って、離婚時に当記録を分割できます。双方が当記録保持者の場合は、標準報酬が多い方から少ない方へ移動させます。

なお、離婚時に分割の対象となるのは受給額ではなく、あくまで厚生年金記録です。また、分割されるのは婚姻期間中の報酬額の記録のため独身期間は含まれません。

・合意分割

合意分割では、平成19年4月1日以降に離婚した場合に、婚姻期間中の厚生年金記録を双方合意の上で上限の50%まで按分(あんぶん)できます。例えば、分割前は80%対20%だった按分割合を、50%対50%へ変更することも可能です。

なお、夫婦の話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所への調停や審判の申し立てを行った上で按分割合を決定します。

・3号分割

3号分割では、平成20年5月1日以降に離婚した場合に、第3号被保険者の請求によって配偶者の厚生年金記録を2分の1に分割して按分できます。ただし、請求できるのは、平成20年4月1日以降の婚姻期間中における第3号被保険者期間の厚生年金記録だけです。合意分割と違って、双方の合意は必要ありません。

・年金分割に必要な手続き

年金分割は、「標準報酬改定請求書」に「基礎年金番号かマイナンバーを証明できる書類」「婚姻期間を証明できる書類」「請求日前の1カ月以内に交付された2人の生存を証明できる書類」「年金分割の割合を証明できる書類」を添付して、年金事務所に請求申請を行います。なお、請求期限は離婚日の翌日から2年以内です。

夫の定年後に離婚した妻が受け取れる年金額はいくら?

第3号被保険者だった妻が離婚後もパートで働く場合の年金額について解説します。なお、本記事で想定しているのは、夫と同い年の25歳で結婚して65歳で離婚した妻の年金額(概算)です。

・年金分割を行わない場合の年金額

日本年金機構によると、平均的な標準報酬43万9000円(賞与含む)で40年間働いた会社員の厚生年金支給額は21万9593円です。当支給額には夫婦2人分の老齢基礎年金も含まれます。そのため、年金分割をせずに離婚した場合、夫の扶養内で第3号被保険者だった妻の年金額は、国民年金による6万4816円です。

・年金分割を行った場合の年金額

年金分割をして夫の厚生年金の50%を分割できれば、双方の国民年金を差し引いた金額の半分である約4万5000円が受け取れます。なお、厚生労働省によると、令和2年度における年金分割による平均年金月額は、合意分割が約8万2358円、3号分割が約4万6895円となっています。

・離婚後に年金を受給しながらパートで働くなら

厚生年金の適用事業所に勤務している70歳未満の人は、一定の条件で厚生年金への加入が義務付けられています。そのため、パートであっても、一定の要件を満たしている場合は加入する必要があります。

年金額を増やせるメリットはありますが、すでに厚生年金を受給している60歳以上の人は、在職老齢年金制度により年金額の全部または一部が支給停止となる場合があるため注意が必要です。年金額と賃金・賞与を12で割った金額の合計が47万円を超えた場合に、厚生年金の全部か一部が停止されます。

年金分割で老後の安心を手に入れよう

年金分割を行うことで、離婚した夫が加入する厚生年金の一部や半分を受給できる可能性があります。夫の扶養家族であったとしても、その会社員生活を後方からサポートしてきた妻が、年金分割を請求することは正当な権利の一つです。

もし、条件に該当する人が夫の定年退職を機に離婚を考えているのなら、自分への報酬と老後の安心のためにも当制度の積極的な活用は大切です。

食事を買わずにフードコートの座席利用…なにかしらの罪になる?

ショッピングモールなどに併設されていることが多いフードコート。広いスペースにテーブルとイスが設置され、そのまわりを複数の飲食店が取り囲む形式で、客は好きな店舗の食事を味わうことができます。

飲食店の利用を前提に設置されているフードコートですが、最近は「ただ座って水を飲むだけ」というケースや、自分で飲食物を持ち込む人もいるようです。

このような場合、施設側は場所から立ち去るよう求めたいところ。また、営業妨害を主張したくなります。そのようなことが可能なのか、星野・長塚・木川法律事務所の星野宏明弁護士にお話を伺いました。

■フードコートで飲食店を利用しない場合どうなる?

「刑事上の責任までは問われず犯罪になる可能性は低いものの、民事上の責任を負う可能性はあり、かつ、退席を求められた場合は、退席する義務があると考えられます。

フードコートもしくはフードコートが入っているショッピングモールの利用規約上、明文がなくとも、持ち込み利用または飲食店非利用の席占拠は、禁止されていると解釈できることが多いと思います。

したがって、正規の使用方法でない席を長時間占拠し続けることは、民事上、営業損害等の賠償責任に問われる可能性があります。

ショッピングモール側から退席を求められた場合は、退席する義務があると解釈されます」(星野弁護士)

■刑事責任は問えない可能性が高い

「ショッピングモールのような誰もが出入り自由な公開の店舗にあっては、たとえ結果的にショッピングモール内のサービス利用や物品購入をしなかったとしても、それが建物施設管理者の意思に反する立ち入りとはいえず、窃盗等の違法行為をする目的での立ち入りでない限り、建造物侵入罪に問われることはありません。

したがって、フードコートエリアで飲食せずに居座っていたり、飲食物持ち込みをしていても、刑事責任に問われる可能性は極めて低いと思います。

もっとも、長時間にわたって不正使用し、ショッピングモール側から退去を求められたにもかかわらず、退席しなかったような悪質なケースでは、建造物不退去罪が成立する可能性はあります」(星野弁護士)

フードコートで店舗を利用しない行為は、刑事責任に問われる可能性は低いものの、「正規の使用方法」ではないため、賠償責任が発生する上、退席要求にも応じる義務が発生するそうです。

「場所だけ利用したい」という気持ちは理解できますが、フードコートは「店舗の利用が前提」のスペース。そのことを、忘れないようにしましょう。

*取材協力弁護士:星野宏明(星野・長塚・木川法律事務所(旧星野法律事務所)。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

日本年金機構からピンク封筒が届いたら要注意!? 届くまでの流れと対処法

年金保険料の納付期限を過ぎると未納の状態になる

国民年金には自営業者や学生、無職の人などの「第1号被保険者」、会社員や公務員など厚生年金保険加入者である「第2号被保険者」、第2号被保険者に扶養されている「第3号被保険者」という区分があります。

第2号被保険者および第3号被保険者の保険料は、厚生年金加入者の給与から天引きとなりますが、第1号被保険者は納付書のほか、口座振替やクレジットカード払いなどにより自分で保険料を納めます。

国民年金保険料は、原則として納付対象月の翌月末日までに納めなければなりません。例えば、4月分であれば5月末、8月分であれば9月末が納付期限ですが、特に納付書を使用する場合は自動引き落としではないので、期限までに支払わない人が出てくることもあります。

納付期限を過ぎても保険料を納めていない状態が「未納」です。未納が続くと、老後に受け取る年金額の減少や、障害基礎年金や遺族基礎年金が受け取れなくなるといったデメリットが発生します。

納付のお知らせは段階を追って警告のレベルがアップ

保険料の未納が続いている場合、年金事務所から納付のお知らせが届くようになります。

まず、「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」というはがきが届きます。これまでの納付状況が記載されており、免除・猶予制度があることや、委託事業者から納付の案内として電話・戸別訪問・文書による案内がなされることが記載されています。

未納があるという連絡程度に感じるかもしれませんが、できればこの時点で納付の必要性を認識し、収入が少ないなど事情がある場合は免除・猶予制度の利用を検討しましょう。

そして、そのまま未納の状態が続くと「特別催告状」の封書が届くようになります。封書の色には、青色、黄色、赤色(ピンク)の3種類があり、段階的に警告のレベルがアップします。特別催告状の文面も、強制徴収(差し押さえ)の可能性に触れるなど、警告度の高いものになっていきます。

さらに未納状態が続いた場合は「最終催告状」が届き、その後に「督促状」が送付されて、最終的に強制徴収(差し押さえ)になる可能性があります。ピンクの封書が届くのは、すでに警告のレベルが上がった状態と考えられますので、できるかぎり早く未納の対応をしなければなりません。

保険料を払えないときは免除や猶予の手続きを

催告状が届いた場合には、まず未納の年金保険料を納めましょう。

納付期限が過ぎても2年以内であれば保険料の納付はできます。納付書を紛失した場合は、年金事務所などに納付書の再発行を依頼して納付しましょう。また、未納分の全額を一括で納付することが困難な場合は、年金事務所や街角の年金相談センターへ相談してください。分割での納付について相談が受けられることがあります。

なお、延滞金が発生するのは督促状が発行され、督促状に記載された指定期限を過ぎたケースなので、特別催告状の段階では延滞金は発生しません。

経済的な事情により納付が困難な場合は、年金事務所に相談し、免除や猶予の申請手続きを行いましょう。

まず免除制度ですが、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や、失業した場合では、申請により保険料の全額または一部(4分の3、半額、4分の1)が免除されることがあります。

納付猶予制度は20~50歳未満の人で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、申請によって保険料の納付の猶予が受けることができます。また、学生については在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。

まとめ

国民年金は加入が義務付けられている一方で、免除や猶予など、保険料の納付が困難な場合の制度も設けられています。

未納状態を放置せず、保険料が払えない場合は早めに年金事務所に相談しましょう。

出典

日本年金機構 国民年金保険料

[日本年金機構 国民年金保険料を納付いただいていない期間がある方にお知らせをお送りいたします。

](https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202111/bsjol10202.html)

[日本年金機構 国民年金保険料の延滞金

](https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/entaikin.html)

[日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

](https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html)

執筆者:伊達寿和

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

「年金生活者支援給付金」は年金だけでは足りない人がもらえる給付金。請求できる要件とは?

年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金は、「前年の公的年金などの収入金額とその他所得の合計額が88万1200円以下」など、公的年金などの収入・所得が一定基準額以下の方への生活支援を目的としており、年金に上乗せして支給されます。

消費税率引き上げ分を活用しており、2019年10月にスタートした制度です。年金生活者支援給付金の要件を満たしていれば、給付金を継続的に受け取ることが可能です。

年金生活者支援給付金の支給要件と給付額

年金生活者支援給付金は「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類あり、それぞれで要件や給付額が異なります。

どのような要件を満たすことで、いくら受け取れるのか、事前に把握しておくことは大切です。

ここでは、3種類の年金生活者支援給付金の要件や給付額について見ていきましょう。

老齢年金生活者支援給付金

次の3つの要件をすべて満たす方は、老齢年金生活者支援給付金を受け取ることができます。

__●前年の公的年金などの収入金額(障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれない)とその他所得の合計額が88万1200円以下

●65歳以上で老齢基礎年金の受給者

●同一世帯全員が市町村民税非課税__

老齢年金生活者支援給付金の支給額は、月額5020円を基準とし、次の1・2の合計額です。

__1\.保険料納付済期間に基づく金額(月額)

5020円×保険料納付済期間÷被保険者月数480月

2.保険料免除期間に基づく金額(月額)

1万802円×保険料免除期間÷被保険者月数480月

__

※保険料全額免除、4分の3免除、半額免除期間は1万802円〔老齢基礎年金満額(月額)の6分の1〕、4分の1免除期間は5401円〔老齢基礎年金満額(月額)の12分の1〕で計算

例えば、被保険者月数480月のうち、免除月数がなく、納付済月数が480ヶ月の場合の支給額は5020円(5020円×480÷480)です。

障害年金生活者支援給付金

次の要件をすべて満たす方は、障害年金生活者支援給付金を受け取ることができます。

__●障害基礎年金の受給者

●前年所得(障害年金などの非課税収入は含まれない)が472万1000円(扶養親族の数に応じて増額)以下__

障害年金生活者支援給付金の支給額は、以下のように障害等級によって変わります。

__●障害等級が2級の方:月額5020円

●障害等級が1級の方:月額6275円__

遺族年金生活者支援給付金

次の要件をすべて満たす方は、遺族年金生活者支援給付金を受け取ることができます。

__●遺族基礎年金の受給者

●前年の所得(遺族年金などの非課税収入は含まれない)が472万1000円(扶養親族の数に応じて増額)以下__

__遺族年金生活者支援給付金の支給額は、月額5020円です。

ただし、子どもが2人以上遺族基礎年金を受給している場合は、5020円を子の数で割った金額がそれぞれの子に対して支払われます。__

年金生活者支援給付金の注意点

年金生活者支援給付金を受け取るには、請求手続きが必要です。年金生活者支援給付金請求書を提出して、1~2ヶ月すると「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が届きます。手続きをした翌月分から支給対象となります。

また、年金生活者支援給付金をかたる詐欺が発生していますので十分に注意してください。厚生労働省や日本年金機構から電話で口座番号などを聞き取ることはありません。

年金生活者支援給付金は収入や年齢などの要件がある

年金生活者支援給付金は、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類あり、要件を満たしていれば、年金に給付金が上乗せされます。

給付金を受け取るには、「年金生活者支援給付金請求書」を提出する必要があります。不明点があれば、年金給付金専用ダイヤルまたは年金事務所に問い合わせしてください。

年金受給者で所得が低い方は、給付金の対象になるか確認してみましょう。

出典

日本年金機構 年金生活者支援給付金

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

「年金前倒し受給」は本当にもったいないの? 60・65・70歳それぞれの年金受給額を比較

高齢社会の現状は

令和3年度の日本の人口構成(12月確定値)は、15歳未満が1474万人(約12%)、15歳から64歳が7441万人(約59%)、65歳以上は3623万人(約29%)となり、総人口では1億2538万人となっています。(※1)

前年度に比べ、15歳未満の子供が26万人、15歳から64歳の働き手が62万人減った一方、65歳以上の高齢者は17万人増え、10人に3人弱が65歳以上の高齢者となっています。

こうした長寿社会を背景に、「働き方の問題」、「年金の問題」、「老後2000万円問題」などがクローズアップされてきました。今回はその中の年金について見ていきましょう。

公的年金の種類と受給額は

公的年金には、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。「老齢基礎年金」は、40年(満額)掛けて受給額は約78万円ですので、「掛けた年数×2万円」でおおよその金額の目安が分かる計算になります。

一方、「老齢厚生年金」は、掛けた金額により受給額が変わりますので人それぞれとなります。厚生省の令和2年のデータで見てみると、公的年金受給者の「平均年金月額」は老齢厚生年金で14.6万円、老齢基礎年金で5.6万円となっています。(※2)

公的年金の繰上げ受給とは

公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)の受給は、原則65歳からですが、本人の希望により60歳から65歳までの期間で繰り上げて受け取ることができ、これを「繰上げ受給」と言います。

老齢基礎年金と老齢厚生年金は基本的には同時請求が必要です。また、老齢基礎年金のみの人の繰り上げは、原則全部繰り上げとなります。

受給期間を繰り上げると、受給額は減額されることになります。減額される年金額は、老齢基礎年金(振替加算は除く)および老齢厚生年金(加給年金は除く)に下記の減額率(令和4年4月改正以降の対象者の場合)を乗じて計算されます。

減額率は「0.4%×繰り上げ請求月から65歳に達する前月までの月数」で、仮に60歳から受給すると、最大24%(=0.4%×12月×5年)の減額となります。なお、受け取り請求した時点で年金は減額され、減額率は一生変わりません。

公的年金の繰下げ受給とは

また、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は、66歳から70歳までの間で繰り下げて受給することができ、これを「繰下げ受給」と言います。繰り下げた期間により年金額が増額されます。

なお、繰り下げについては、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げることができます。増額率は「0.7%×繰下げ受給を申請した翌月から70歳までの月数」で、70歳まで繰り下げた場合、最大42%(=0.7%×12月×5年)の増額となります。

また令和4年4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで繰り下げることができるようになり、75歳での増額率は最大84%(=0.7%×12月10年)の増額となります。そして「繰下げ受給」の増額率は一生変わりません。

繰上げ受給・繰下げ受給の年金受給額比較は

年金受給額の比較を分かりやすくするために、具体例で比較してみましょう。

(条件1)会社員の夫「老齢厚生年金14.6万円」、専業主婦の妻「老齢基礎年金5.6万円」合計20万円を受給する夫婦とし、

(条件2)年金を受給する最終年齢を、平均寿命男性82歳・女性87歳の「平均85歳」とします。

このモデルケースで、「繰上げ受給」と「繰下げ受給」の受給額を単純計算し比較してみると、

__

(1)原則65歳で受給した場合の支給額は、

「20万円×12月×20年=4800万円」となります。

(2)60歳まで「繰上げ受給」した場合の支給額は、

「15.2万円×12月×25年=4560万円」となります。

(3)70歳まで「繰下げ受給」した場合の支給額は、

「28.4万円×12月×15年=5112万円」となります。

__

原則の65歳と比較してみると60歳まで繰上げ受給した場合は、240万円減、70歳まで繰下げ受給した場合の支給額は、312万円増となります。

ちなみに75歳まで繰り下げした場合で計算すると、「36.8万円×12月×10年=4416万円」となり、65歳での受給額との比較では384万円減になります。75歳まで繰り下げた場合、65歳での受給よりも受給額がプラスとなる分岐点は86歳時点となります。

したがって、年金を夫婦ともに85歳まで受給するという計算をした場合の受給額は、70歳までの繰り下げが一番高く、65歳、60歳、75歳の順となります。

まとめ

公的年金は老後を支える大切な資金になりますので、年金を受給する場合には、上記の受給額を参考にし、それぞれのライフスタイルに合わせて受給時期を考えましょう。

企業の定年も原則65歳となり、男女の平均寿命85歳までは20年あります。楽しい老後を過ごすために、金銭的なことも含め、健康に留意し、生きがいを見つけましょう。

出典

(※1)総務省統計局 人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)

(※2)令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(P8・P20)

執筆者:小久保輝司

幸プランナー 代表

家庭教師バイト「いつでも辞められる」は嘘、退職できず、就活に支障…どうすれば?

「なんで自由にやめられないのか。もうバックれてしまおうか」。都内の大学生ショウタさんの最近の悩みは、家庭教師派遣のバイトをやめられないことだ。ショウタさんは、就職活動が始まることを理由に、希望時期の2か月以上も前に退職を申し出たのにもかかわらず、家庭教師派遣会社が承諾しなかったそうだ。

雇用契約を結んだ際には期限の定めがなく、事前に申し出れば、「いつでも辞められる」と説明を受けたのにもかかわらず、退職が承諾されないため、ショウタさんは憤っている。会社は、「派遣先の家庭が継続的に指導してもらうことを望んでいる」と譲らないそうだ。

家庭教師派遣会社が、派遣先の要望を理由に、家庭教師の退職を拒むことは法的に認められるのか。ショウタさんが家庭教師を辞めるためには、どのような手段をとればいいのか。大西敦弁護士に聞いた。

●雇用期間の定めがなければ、一方的な意思表示で退職可能

雇用契約に期間の定めがない場合、退職の意思表示から2週間が経過すれば、雇用契約は解消されます(民法627条1項)。退職するためには、勤務先の承諾は必要ありません。労働者の一方的な意思表示によって退職することができます。

今回のケースは、意思表示から2週間経過後に退職できます。その方法についてですが、退職の意思表示は口頭でも有効です。ただ、言った言わないという問題になり得ることから、内容証明郵便といった証拠が残るような方法で行うのがいいと思います。もちろん、メールでも構いません。

●有期雇用でも1年経てばいつでも退職できる

一方、有期雇用契約の場合、期間満了前に退職するためには、「やむを得ない事由」が必要です(民法628条)。もし、今回のケースが有期雇用契約だった場合を考えてみましょう。

やむを得ない事由に該当するかどうかは何とも言えないところですが、やむを得ない事由はかなり厳格に判断されます。就職活動が始まることは当初から予定されていたと考えられることや、家庭教師であればある程度時間の融通が利くと考えられることから、おそらくやむを得ない事由には当たらないのではないかと考えられます。

なお、有期雇用契約が1年を超える場合には、1年を超えた日から、労働者はいつでも退職することが可能です(労働基準法137条)。

【取材協力弁護士】
大西 敦(おおにし・あつし)弁護士
2004年弁護士登録、東京弁護士会所属。2015年に千代田区神田神保町において、大西法律事務所を開設。労働組合の顧問弁護士を始め、労働事件を労働者側、使用者側で多数受任している。
事務所名:大西法律事務所  URL:http://www.onishi-law.com/

配偶者との年齢差が大きい夫婦ほど、年金受給のときにお得! その理由とは?

配偶者との年齢差があると加給年金額が支給される

配偶者と年齢差があると年金支給額で得をするのは、生計を維持されている配偶者または子どもに対して加算して支給される「加給年金」という制度があるからです。年金における家族手当ともよばれることもあるので、給与に家族手当が支給されるのと同じと考えると分かりやすいでしょう。

なお、配偶者だけではなく、条件を満たした子どもに対しても支給されるのが加給年金制度です。

加給年金が支給される条件

加給年金は厚生年金の加入期間が20年以上の人でないと支給されません。加給年金を受給できる人は、老齢厚生年金受給者であることが前提で、さらに下記の条件を満たした方になります。

__●厚生年金保険に20年以上加入

●65歳になった時点で、生計を維持している65歳未満の配偶者、または18歳未満の子どもがいる__

なお、生計を維持しているというのは、以下の条件を満たしている必要があります。

__●同居していること(別居していても仕送りをしている、健康保険の被扶養者であるなどの場合は認められる)

●前年の収入が850万円未満、または所得が655万5000円未満であること__

なお、配偶者が65歳に到達したとき、子が18歳超となったとき、生計が維持されなくなったとき(離婚、死亡など)に加給年金は支給停止されます。

さらに、以下のケースもあります。

●配偶者に老齢(退職)年金が支給されている場合

配偶者の老齢年金が一部でも支給されている場合はもちろんですが、在職による支給停止等で全額支給停止となっていても、加給年金は支払われないので注意しましょう。

具体的な加給年金額

加給年金額は図表1のように対象者によって一律に定められています。

【図表1】

出典:日本年金機構 加給年金額と振替加算

また、配偶者の場合は、年齢によって特別加算額が図表2のように加算されます。

【図表2】

出典:日本年金機構 加給年金額と振替加算

年齢差が大きいほど加給年金額も大きくなる

加給年金額は、対象者別に一律で支給されます。また、図表2のとおり、配偶者に対する特別加算額は年齢によって差がありますが、昭和18年4月2日以後の生まれから特別加算額は一律になります。つまり支給額そのものには年齢差でお得になる要素はありません。

年齢差が大きいほど加給年金額がお得になる理由は、支給に年齢制限があるため支給総額に違いが出るためです。

年間あたりの金額が同じでも、もらえる年数が違う

支給に年齢制限があることで、年齢差が大きいほど夫が65歳に達してから配偶者が65歳になるまでの期間は長くなります。

配偶者と夫が同じ年齢であれば、同時に65歳に達するので加給年金の支給はありません。しかし、年齢差が10歳あれば10年間は加給年金の支給を受けられます。

これが配偶者との年齢差が大きいほど、年金受給でお得になる理由です。

年齢差ごとの具体的な支給金額の差

それでは、具体的に年齢差によってどれくらい支給額に差があるのか、図表3でご確認ください。

【図表3】

※加給年金額は、配偶者が昭和18年4月2日以後生まれの特別加算を含んだ年間38万8900円として計算

特別加算を含んだ加給年金額は月にすると約3万2000円ですが、15年間もらい続けると約583万円という大きな金額になります。

これは、年齢の差が大きいほどお得だということが実感できる金額です。

年齢差が大きいと加給年金額の給付年数が長くなることで得をする

年齢差の大きい夫婦ほど、加給年金額の給付年数が長くなるので、受け取れる加給年金の総額が多くなります。

また、配偶者が年下の夫婦の子どもはまだ若い可能性が高いため、配偶者だけではなく子どもの加給年金も加算される可能性があります。2人目までは配偶者と同じ加算額になるので、加算が倍増することになります。

しかし、加給年金は黙っていてももらうことはできず、申請が必要です。加算の可能性がある方はねんきんダイヤルや年金事務所で手続き方法を確認しておきましょう。

出典

日本年金機構 か行 加給年金額

日本年金機構 さ行 生計維持

日本年金機構 令和4年4月から加給年金の支給停止の規定が見直されました

日本年金機構 加給年金額と振替加算

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

監修:高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

60歳過ぎて働き続けると年金はいくら増える?

年金の支給が始まる時期の引き上げや、再雇用制度などにより、60代になっても働く人は多い。65歳や70歳まで働きながら「厚生年金」に加入すると、将来もらえる年金を増やせるというメリットがある。一体、どれくらい増えるのだろう?

■60歳以降の努力で増やせるのは「国民年金」と「厚生年金」

60歳以降に加入期間を伸ばして受取額を増やすことができるのは「厚生年金」だけでなく、国民年金も同じだ。

●「国民年金」に60歳以降も続けて入る(任意加入)

「国民年金」は、60歳以降も65歳までの最大5年間、国民年金を納めることで、もらえる老齢基礎年金を増やせる。これを「任意加入」という。

ただ、この制度には条件がある。国民年金の加入期間の上限は480ヵ月(40年間)のため、20歳から60歳までの間に未納があるときしか加入できない。

5年間加入すると、65歳から受け取る年金はどれくらい増えるかというと、たとえば70歳までの5年間なら約49万円、80歳までの15年間で約146万円だ。

●60歳以降も「厚生年金」に加入し続けるには

「厚生年金」も60歳以降も加入して保険料を払い続ければ、将来受け取る額が増やせる。この場合、60歳を過ぎたからと言って特に申し込みなどは必要ない。厚生年金が適用される事業で働き続ければいい。

厚生年金の加入(被保険者になること)は事業所単位で、手続きは事業主が行う。このため自分で何かする必要はない。

対象となるのは正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトも含まれる。逆に対象ではないのは、臨時での雇用や、週の労働時間が一定以下などの場合だ。

また厚生年金に入れるのは70歳未満の人だけなので、適用事業所に勤めていても、70歳になると加入できなくなる。

固定資産税や住民税をお得に納税する知るべき3つのこと

■60歳以降も厚生年金に加入すると受給額はいくら増える?

それでは厚生年金への加入期間を1年伸ばすと、どれくらい増えるのだろうか。

例えば、60歳以降の給与収入が年間300万円(平均標準報酬額25万円)の場合、1年あたりの受給額は約1万6000円増える。

この収入で65歳まで厚生年金に加入し続けた場合、増加額は年間約8万円。70歳まで加入し続けると、年間約16万円も増える。

■「在職老齢年金」が支給停止される可能性があるので注意

ただ厚生年金の加入期間を伸ばすことで注意点もある。それは、年収が増えると支給されている在職老齢年金が停止になってしまう場合があることだ。

在職老齢年金とは、60歳以降に厚生年金に加入しながら受ける老齢厚生年金のこと。

その支給が止まるのは、「老齢厚生年金の基本月額」と「賞与を含んだ1ヵ月あたりの給与」の合計額が47万円を超えた時だ。この場合、老齢厚生年金のうち「47万円を超えた額の半分」の支給が停止されてしまうのだ。

6月に届く「年金振込通知書」 捨ててはいけない3つのケース

こうした注意点はあるが、60歳以降も厚生年金に加入する──適用事業所で仕事を続ける──ことで、年金が支給されるまでの収入を確保できるだけでなく、もらえる年金も増やして老後に備えられるだろう。

文・廣瀬優香(フリーライター)

編集・dメニューマネー編集部

退職後、個人年金保険の満期金の受け取りがある場合、年金は繰り下げ受給したほうがいい?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。

そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、定年退職後、個人年金保険の受け取りがある場合についてです。

Q:個人年金保険の満期金の受け取りがあります。税金対策で年金は繰り下げ受給したほうがいい?

「65歳で定年退職後に、個人年金保険の満期金の受け取りがある場合、年金収入があると税金が増えますよね? その場合、年金は繰り下げ受給して受け取らないほうがお得ですか?」(50代・会社員男性)

A:個人年金保険の受け取り方法によって税金の取り扱いが変わります。いくらの税金がかかるのか、計算して判断しましょう

公的年金の他に民間の個人年金保険に加入している人もいると思います。個人年金保険を受け取る際、保険料を支払った人と年金受取人が同じで、毎年年金を受け取る場合は「雑所得」、年金を一括で受け取る場合は「一時所得」として扱われます。

今回は、相談者が次のような個人年金保険に加入しており、一括で年金保険金を受け取る場合として計算してみたいと思います。

・個人年金保険の種類:10年確定型個人年金保険

・基本年金受取額:84万円

・年金受取累計額:840万円(84万円×10年)

・契約期間:20歳から65歳までの45年間

・契約期間の保険料:月額1万5000円保険料

・払込保険料の累計額:810万円(45年×1万5000円×12カ月)

一時所得の計算式は次のとおりです。

●総収入金額-必要経費(収入を得るために支出した金額)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

総収入金額は年金受取累計額、必要経費は払込保険料累計額となります。

計算式にあてはめてみます。

●840万円(年金受取累計額)-810万円(払込保険料累計額)-50万円(特別控除額)=▲20万円

マイナス20万円となりました。よって、個人年金保険を一括で受け取る場合、所得税(一時所得)はかからないことになります。

もし計算の結果にて、一時所得が発生した時は、その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

では公的年金の受給していながら一時所得も発生した場合、税金額が増えて手取りが減るといったことはあるのでしょうか?

公的年金は、所得税(雑所得)の対象ですが、公的年金の雑所得を計算する時は、年金収入から公的年金等控除額(65歳未満は60万円、65歳以上は110万円)を差し引いて計算します。基礎控除(48万円)も差し引けますので、相談者が65歳の時に158万円(公的年金等控除額+基礎控除)を超えなければそもそも所得税はかかりません。

もし公的年金の雑所得があった場合も、他の所得額と合わせて総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

つまり、一時所得にせよ公的年金にせよ、額が大きければ税金額が増える可能性もありますが、それぞれ控除等もあるので必ずしも税金が増えるとは言い切れません。繰り下げ受給も66歳から可能ですが、これを実施するほうがお得かどうかについても、まず、どのような税金がかかるのかを税務署などに確認してから、検討するといいと思います。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

『しくじり先生』で北村弁護士が痴漢冤罪対策を提言「冤罪に対応できる知識を持っておこう」

20日に放送された、テレビ朝日系バラエティ番組『しくじり先生』の企画、その道のプロから学ぼうスペシャルで北村晴男弁護士が痴漢冤罪を回避する授業を行った。

■その知識正しい?
多くの人が移動手段として利用している電車。通勤・通学の時間帯は満員になり、乗客同士のトラブルが勃発することもあるが、とくに注目されているのは痴漢問題。多くの場合は実際に痴漢はたらいているケースだが、冤罪であることも。

ネットの普及もあり、巷では痴漢に間違えられたら「名刺を渡してその場を立ち去る」や「駅事務所に連れて行かれる前にとにかく逃げる」などの方法が話題になっている。そのため、「痴漢だ」と指摘された男性が、線路を走って逃げるといった危険行為も起きている。しかし、その方法は正しい回避法なのだろうか…

■北村弁護士が語る痴漢対策
番組で北村弁護士は「痴漢冤罪は急にやってくる、その時対応できる知識を持っておこう」と冤罪回避法を提言

「痴漢冤罪保険に加入したり、行動記録が残る道案内アプリを利用し行動記録を付けることは大切。

電車で痴漢冤罪に間違えられた場合には両手を上げて、これから何も触らないからDNA鑑定をしてくれ! と警察に微物検査・DNA検査を要求することもできる」

その他、職務質問は拒否や黙秘をせずに素直に応じ、録音もすると良いとのこと。名刺を渡して立ち去ったり、逃げ出したりする行為は例え冤罪であっても逮捕される確率が高くなるようだ。

■ネットの反応は…
ネットでは「勉強になった」「社員を会社の金で痴漢冤罪保険に加入させたほうがいいと思う」「しくじり先生、役に立った」などの声が多くなっている。

しくじり先生の痴漢冤罪 回避法
めちゃめちゃ勉強になった。
要らぬ疑いの職務質問は
勇気をもってスマホで録音
させてもらおう。

— かいてんくん (@terarin910) August 20, 2017

ちょっとした企業は、社員、会社を守るためにも全社員に会社の金で痴漢冤罪保険に入れた方がいいと思う これだけで企業のイメージはかなり良くなると思う 新入社員も就職先として安心できる #しくじり先生

— 鴉 (@wingless_crow) August 20, 2017

今日のしくじり先生めちゃくちゃ役に立ったな
痴漢冤罪ほんまひで

— 映姫様の道化@クリボーデッキ (@eikisamanodouke) August 20, 2017

■痴漢の対策してる?
しらべぇ編集部が全国の男性671名に調査を行なったところ、「痴漢冤罪の被害にあわないためにしている対策がある」と答えた人は全体の28%。

©sirabee.com

約3割の人が痴漢冤罪の対策をしているようだ。わざと犯人に仕立て上げる悪質な行為に遭遇しなくても、間違いで痴漢冤罪に巻き込まれてしまう場合もあるだろう。

いつどこで起きるかわからない痴漢冤罪、まずは正しい知識を身につけることが必要といえそうだ。
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