人生の ホールインワン □全国地震:豪雨危険地域情報
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2020年までに南海トラフ地震 西日本の不吉予兆で学者警鐘

緊急地震速報に驚いた人もいただろう――。2日、紀伊半島と四国の間の海域「紀伊水道」を震源として発生した震度4(M5.4)の地震。被害がなかったからといって、「大したことはない」と考えるのは早計である。南海トラフ地震の“予兆”かもしれないからだ。

 立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)は、「2020年までに南海トラフ地震が発生する確率は極めて高い」として、こう警鐘を鳴らす。

「近年、西日本を中心に大きな地震が多発しています。例えば、2016年4月の熊本地震や同年10月の鳥取中部地震、今年4月の島根西部地震や6月の大阪北部地震などです。これらは、南海トラフの予兆だと考えられます。前回の昭和南海地震(1946年)の前にも、3年続けて大きな地震が発生していたからです」

■トヨタは代替ルートを確保

政府の「地震調査研究推進本部」によると、M8~M9クラスの南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は、70~80%。いつ巨大地震が起こってもおかしくないばかりか、今年に入って、紀伊水道を震源とする地震は15回も発生している。昨年の7回と比べ、今年は倍以上だ。

「今年の4月から、愛知県東部や三重県南部、和歌山県南部などで地震が頻発しています。それらは、南海トラフ地震が近くなると起きる内陸直下型の地震です。政府が試算している発生確率80%は『必ず起きる』に等しい数字ですが、南海トラフ地震が『30年後』に起こると言っているわけではありません。だからこそ、明日にでも起こると思って、安全な避難場所と経路を日頃から確認しておくことが大切です」(高橋学氏)

 例えば、愛知に本拠を置く自動車メーカーのトヨタは、巨大地震対策に余念がない。トヨタは昨年10月、南海トラフ地震などで太平洋側の港が被災した場合を想定し、代替の輸送ルート確保のために福井の敦賀港で実証実験を行っている。

 このように一部の企業が巨大地震に備えている一方、「政府や自治体のつくるハザードマップなどは気休めにしかならない」(高橋学氏)という。地震が起き、津波が来てからオロオロしていたのでは手遅れ。自分の住んでいる土地の地盤を確認したり、非常食などを用意したり、最低限の防災対策をした方がいい。

コンビニ駐車場を横切る「コンビニワープ」は危険だけど…「違法」じゃないの?

交差点での信号待ちを避けたり、少しでも時間短縮するために、コンビニの駐車場を通り抜ける――。交差点に面した広い駐車場のある地方などでは、こうしたショートカットの裏わざを使う車両をよく見かける。

西日本新聞によると、この裏わざは「コンビニワープ」と呼ばれているそうだ。本来、駐車場に入ってくる車両は、徐行運転しているが、コンビニワープの車両は運転手が急いでいることもあり、それほどスピードを落としていないことも少なくない。

だが、ほかの車両や歩行者もいるため、非常に危ないときがある。かくいう筆者も、こうした車両にはねられそうになったことがある。はたして、コンビニワープは法的に問題ないのだろうか。櫻井俊宏弁護士に聞いた。

●建造物侵入罪が成立する可能性がある

「コンビニワープ自体が違法と評価される場合もあります。

そもそも駐車場とはいえ、コンビニ店舗とその経営主体の所有権・賃借権などの権利が及んでいる場所ですから、コンビニ側の承諾がなければ、進入することができないのが原則です。コンビニの利用者にだけ、黙示ないし明示によって、駐車場への進入許可が出されていると考えられます。

さらに、その駐車場がコンビニ店舗に隣接している場合は、『建造物』に含まれると考えられます。そうすると、コンビニワープのためにだけ、駐車場に進入することは、先ほど述べたようなコンビニ側の意思に反する行為といえますので、『建造物侵入罪』が成立しえます。

たとえば、コンビニ側が『コンビニ利用者以外駐車場利用はお断りします』といった看板で警告していた場合、なおさらその可能性が高まります。さらに、民事上も不法行為責任を問われる可能性があります」

●駐車場も「道路」とみなされる可能性

もしコンビニワープで事故が起きた場合、どうなるのか。

「建造物侵入罪の刑事罰の程度に明らかな影響を与えることはないと思われますが、量刑を決める上での情状の1つとして考慮されることはありえるでしょう。

なお、過去の判例によると、たとえ駐車場だったとしても、不特定多数の人や車両が自由に通行する場所であれば、『道路』とみなされます。その場合、道路交通法の適用も受けることになるでしょう。また、人身事故となれば、過失運転致死傷罪なども適用されることになるでしょう。

さらに、民事上、コンビニワープ中の事故であれば、通常起こりうる事故ではなく、被害者側も想定しえない事故でしょうから、加害者側の過失は大きく算定されることになると思います。

刑事・民事上の責任を負うこともそうですが、コンビニワープは、そもそも危険極まりない行為です。それで事故が発生した場合には、目も当てられませんので、やめたほうがいいでしょう」

【取材協力弁護士】
櫻井 俊宏(さくらい・としひろ)弁護士
交通事故、離婚・男女問題等を得意としている新宿・青梅の弁護士法人アズバーズ代表弁護士。応援団出身であり、中央大学の学内顧問弁護士(法実務カウンセル)を担当している。「弁護士 ラーメン」と検索するとラーメンブログが一番上に出てくる程のラーメン好き。
事務所名:弁護士法人アズバーズ青梅事務所
事務所URL:http://as-birds.com

「支払い義務以上の金額」を説明なしに請求 奨学金の取り立て方法に疑問の声

大学生や大学院生の半分が受給しているとされる奨学金。連帯保証人とは別に立てる保証人には未返還額の半分しか支払いの義務はないが、奨学金を管理する日本学生支援機構は、その旨を通知せずに保証人に「全額の支払い請求」をしてきたことが分かった。

■膨大な手間を理由に正しい通知せず

本人が返済できなければ連帯保証人に請求がいき、それでも支払えなければ保証人という本人から4親等以内の親族に返済が求められる。しかし、連帯保証人と保証人という2人の保証人がいる以上、たとえ連帯保証人が支払えなかったとしても、保証人の返還義務は法的には未返還額の半分までしかない。日本学生支援機構はこのことを保証人に知らせずに未返還額の全額を保証人に請求してきた。

報道によると、その理由について理事長は「奨学金を貸与する際、人的保証を選ぶのは毎年、約25万人。全員に伝えるには膨大な事務作業がいる」と答えたという。通知の紙に1文添えれば済むように思えるが回収方法には問題はなかったのだろうか。

■半額までだと知っていれば減額に

保証人の返還義務が半分までのはずだと保証人から指摘があった場合には応じていたという。当然借りたお金を返さない本人に問題があるのは間違いないが、ネット上では保証人が不利になるこの回収方法には批判の声が多い。「酷すぎでびびるわ。 奨学金の保証人は本来、未返還額の半分しか支払う義務がない。この法律の知識があれば半額にし、知らなければ全額を回収する。自ら進んでは伝えない」

「自分は完済したが、取り立てがひどいことは知っている。というか取り立ててくるのは支援機構から委託された事情など知るかのただの民間の借金取り立て会社で、もはや支援も血も涙もないのだ」

「ていの良い金貸ローンに近いな! 保証人と連帯保証人を立て、返済方法で伝えるべき責任の範囲、その説明について、事前に伝える事は膨大な手間がかかるからと言い訳。責任の範囲を超えた返済を何の説明もなくさせている実態、本来の学生に支援する趣旨はどこへ」

■借金を抱える人数は少なくない

しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,365名に「借金があるか」について調査したところ、全体の2割弱が「ある」と回答。決して少ない割合ではない。今回の奨学金の問題では、保証人への取り立て方法が問題となっているが、奨学金の借り方には保証人をたてずに保証機関を使うものもある。家族や親族に迷惑をできるだけかけたくないという気持ちがあるなら、そちらを利用するという方法もある。

自分が借りたお金でもないものを返済するために、親族に苦労させるという状況を望むものはいないはず。人的保証制度については見直す時期に来ているといえるだろう。

地震保険の加入 居住地域やローン残債が見極めポイント

熊本地震を境に、改めて「地震保険」が注目を集めている。地震保険は、1994年末時点で9%だった世帯加入率が、2014年には28.8%と約3倍になっているのだ。しかし、2017年1月より、「保険料の値上げ」と「被害の認定基準が“格下げ”される(と想定される)」という制度改定が待っており、「制度改悪」との声も出ている。

とはいえ、現状で地震保険が最大のリスク回避手段であるのは間違いない。

地震保険は官民共同で運営されるため、どの損保会社でも補償内容や保険料は変わらない。問題は、「どういった人が入るべきか」という点に尽きる。自分の住んでいる地域が重要だと話すのは経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。

「自分の居住地の地震リスクや来年からの保険料変動を考慮すべきです。保険料が上がる地域に住んでいて加入を望むのであれば、低い保険料で済む今年中に加入すること。その際、1年契約でなく、5年分の保険料を一括で支払うと4.45年分の保険料で加入できるのでお得です」

先に保険料の値上げについて触れたが、地域によっては下がるケースもある。

地震保険の保険料は、木造か非木造かの「建物の構造」と、「住居の所在都道府県」によって変わる。後者については各都道府県の地震発生リスクを基に、3段階に区分けされている。これも来年変更される。

最もリスクの高い「3等地」に分類された8都県のうち、東京都や神奈川県の保険料は来年の改定で11.4%増となり、南海トラフに接する高知県や徳島県は14.4%増となった。対して、「2等地」にランクダウンする三重県や和歌山県は15.3%減となる。

保険額の増減によっては今年加入するメリットがあると言える。オールアバウト損害保険ガイドで平野FP事務所代表の平野敦之氏が挙げるのは住宅ローンの残債が多く残っている人である。

「家やマンションを買ったばかりで被災すれば、自宅を失った上に、住宅ローンは丸ごと残るといった最悪の事態に陥りかねません。被災後、ローンだけでも軽減できるよう備えとして地震保険を活用したい」

住宅ローンを組んでしばらくの間は、保険料は高いが手厚い内容の補償に入り、ローン残高が減るのに合わせて保険金額を減らすのも一つの手だ。

預金や財産の少ない人も地震保険に加入したほうがいいという。蓄えがなければ、被災してすぐに生活は追い詰められるが、地震保険で当面の生活資金を賄えれば、苦境も回避できる。

「収入源が1つに集中している人も加入の必要性は高いでしょう。自営業だと被災時に家を失うと同時に収入も断たれる可能性が大きい。会社員でも震災後、勤務先が事業をすぐ再開できるかなど未知数の部分があります。被災後の収入をいかに確保するかは切実な問題です」(平野氏)

逆に、ローン返済が済み、預金もあり地震リスクの低い地域に住んでいる人は、地震保険によるメリットはそれほど大きくない。いざという時に後悔しないためにも、いまこそ再考するいいタイミングなのではないだろうか。

3.11直前と酷似…環太平洋で頻発する大地震が暗示するもの

 発生から10日が過ぎたインドネシア・スラウェシ島の大地震(M7.5)。インドネシア当局は8日までに、死者が1948人に上ったと発表した。この地震は、日本列島も属する環太平洋造山帯の活性化によって起こった。日本も対岸の火事じゃない。

 日本の地震だけでなく、視野を広げ、世界で起こっている地震を眺めると青ざめてしまう。このところ、大きな地震の発生は環太平洋に集中しているのだ。

 9月6日の北海道地震(M6.7)以降、世界のM6以上の地震を調べると――。9月7日南太平洋フィジー諸島(M7.8)、エクアドル(M6.2)、10日ニュージーランド(M7.6)、ソロモン諸島(M6.7)、11日ニューカレドニア(M6.6)、17日フィジー(M6.5)、23日グアム(M6.4)、28日インドネシア(M7.8)、30日フィジー(M6.8)。M5クラスの地震もほとんどが環太平洋だ。日本列島が属する造山帯グループは“地震の宝庫”なのである。立命館大の高橋学教授(災害リスクマネジメント)が言う。

「アルプス・ヒマラヤ造山帯はおとなしく、欧州で地震はあまり起こらない。一方、環太平洋造山帯の太平洋プレートは、地球上の15枚のプレートの中でダントツに元気がいい。太平洋プレートの東端で、溶けたマグマがプレートを次々と生産しており、他のプレートをグイグイ押している。だから、環太平洋で地震や火山の噴火が頻発するのです」

■ダントツで活発なプレートには要警戒

 2011年3月11日の東日本大震災前も、環太平洋で大きな地震が頻発していた。
 太平洋プレートの活発な動きには要警戒だが、日本列島は西も東も危険な状況だ。

「日本列島の東にある太平洋プレートが西のフィリピン海プレートを押していて、南海トラフ地震を引き起こす可能性があります。また、東日本大震災は、太平洋プレートが東日本上にある北米プレートに強く圧力をかけて起きた地震ですが、その挙動はやんでいない。いまだにストレスがたまっている状況で、いつ大きな揺れを引き起こしてもおかしくありません。北海道地震もその一環です。東日本全域で警戒が必要です」(高橋学氏)

 環太平洋造山帯の動きから目が離せない。

北海道胆振東部地震を体験した筆者が、被災して気づいた「ケチらず備えておくべきもの」3つをご紹介します。

日々の暮らしのなかで、つい節約志向に走ってしまうのは仕方のないことですし、むしろある程度は必要なことです。

最近はキャッシュレスでの暮らし、物を減らす暮らしを提案する声も多く、

「モノやお金を持たない(持ち歩かない)暮らしこそ、ベスト!」

という風潮がありますね。

筆者もそんな考えの一人でしたが、先日北海道胆振東部地震で被災し、

「ケチらずに備えておけばよかった…」

と後悔したものがありました。

そこで今回は、ケチらずあえてお金を使ってでも持っておくべきものを3つ紹介します。

1. ポリタンク…水の確保用

なによりも必要だと感じたのがこのポリタンク。

生命線ともいえる水こそ、真っ先に確保しなければなりません。

筆者の自宅はアパートの2階ということもあり、停電の影響でポンプが作動せず断水状態になってしまいました。

水を友人知人からもらってこようにも、ポリタンクがありませんでした。

さて、どうやって水を調達したでしょうか。

持ち運びが大変でしたが、45リットルの容量のゴミ袋を利用しました。

ポリ袋いっぱいに水を入れ、マイバスケットやクーラーボックスに入れて持ち運びをしてしのいだのです。

ただ、水を使いたいとき使いたい量だけ出すことはままならず、結局トイレを流す用の水としてお風呂にためることにしたのです。

筆者の両親が被災直後にホームセンターに2時間半並び購入したというポリタンクは、20リットルの容量で840円だったとのこと。

あっという間にポリタンクは売り切れてしまい、ポリタンクを購入するために待っている間に「市内全域で断水になるかも」などとデマ情報に踊らされるなど、心的ストレスは相当なものでした。

もしも備えていたら…すぐに水の確保のために行動にうつせたことでしょう。

2. 充電器、インバーター…車からの電源確保

大規模な停電に見舞われた当時、我が家一番の情報源はスマホのみでした。

手回し充電器があれば最強!

だったのでしょうが、備えはなく、たまたま車好きな主人が持っていたシガーソケット用の充電器とコンバーター、筆者の車には純正のUSBポートがあったためこの3つが本領を発揮しました。

ただ、純正のUSBポートからの充電は速度が遅く、正直「エンジンかけっぱなしでガソリン残量が心配…」というストレスにも繋がってしまったため、主人の充電器とインバーターを使い、充電をすることに。

シガーソケット用の充電器は安いものでは、1000円前後で購入できます。

高速充電対応のタイプになると、相場感は2倍ほど。

でも、持っておくに越したことはなく、車に搭載しておけば、いざというときになによりも活躍してくれることでしょう。

インバーターはコンセント穴とUSBポートが何個ついているか、何ボルトかにもよって価格は変わりますが、大体2000円から。

高速充電可能でかつ、コンセント穴とUSBポートが複数ついているものだと3000円


3. ハンディガスレンジ(カセットコンロ)とガスボンベ…加熱調理用

オール電化の家庭にお住まいの方が慌てて購入した、ガスボンベとハンディガスレンジ(カセットコンロ)。

ハンディガスレンジは3000円程度、ガスボンベは3個入りで大体500円程度で購入できます。

「インスタントラーメンさえ煮ることができない…」

と、火を使えない不便さを強く感じました。

なにより、被災し不安でいっぱいのなかでも「暖かい食べ物・飲み物」で人はかなりホッとできるということも学びました。

ほんの数日でインフラは回復するだろう…とは思いつつ、子どもを守らねば、両親を守っていかねばと思う気持ちで皆とても焦りを感じ過ごしていました。

温かい食事で一瞬でも和み、ストレスと上手に折り合いを付けていくために、確実に加熱調理用の器具は備えておくべきだったと感じました。
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まとめ

そのほかにも懐中電灯やウェットティッシュ、マウスウォッシュなど、あげればキリがないほどの物を必要だと感じました。

が、やはりこの3点だけは確実に備えておくべきだと声を大にして言いたいのです。

何不自由ない「日常」では、これらのアイテムは、ただ家の限りあるスペースを圧迫するだけです。

しかし、いつ起こるかもわからない「非日常」には、備えがあるとないでは初動に大きく関わります。

そしてその差は埋まることなく、被災生活は続くのです。

被災してしまえば、備えはあっても憂いあり…

でも「備えあれば嬉しいな」と被災生活を乗り切る救いになることは違いなし!(執筆者:三浦 希枝)

大地震で病院停電 人工呼吸器、透析、新生児室への影響は?

 史上初となる全域停電、「ブラックアウト」を引き起こした、9月6日の北海道大地震。信号機が止まり、交通は大混乱。携帯電話の充電が切れ、情報収集手段が失われた人も続出した。

 なかでも深刻な状態を迎えたのが、「病院」だった。9月6日午前3時の地震発生以降、最大で376病院が停電。翌7日正午時点でも191病院が停電したままで、全病院で電力が復旧したのは9日午前のことだった。

 多くの病院で非常用電源が作動したとはいえ、最大72時間以上にわたって通常電力が止まっていたことになる。

 停電に加え、非常用発電機も止まった場合、病院ではどんな事態が発生するのか。機器やケースごとに専門家に聞いた。

◆人工呼吸器のバッテリーは約10時間

 停電時、真っ先に影響を受けるのが、自発呼吸ができず人工呼吸器に頼る患者である。米山医院院長の米山公啓医師が解説する。

「非常用発電機も使えない場合、人工呼吸器に内蔵されているバッテリーに切り替えますが、そのバッテリーは10時間程度しか持たない。

 電源が確保されている病院へ移送することになりますが、エレベーターやエスカレーターも停止しているので患者の移送も簡単ではない。通信機能もダウンしてしまうため、受け入れ要請を出すこともできない」

かつてない揺れと40時間を超える停電 「平成30年北海道胆振東部地震」を体験して感じたこと

9月6日に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」と、それに伴う長時間の停電を体験したので、気付いたこと・役に立った物などをまとめてみます。

地震発生~6日午前中

 筆者の自宅は札幌市内の高層マンション上層階。スマホの緊急地震速報が鳴り響くのと同時に大きな揺れが発生、ガラスがぶつかる音が続きました。

 揺れが収まってみると閉まっていたはずの内窓(防寒用・カギは無い)が20~30センチ移動しており、床の上に物が散らばっています。

 その時点で停電していたのでスマホの明かりを頼りに懐中電灯を取り出し、スリッパをはいて家の中を見て回ります。

 大きく壊れたものはないようなので、ヤカン・バケツ・バスタブなどに水をため(水量は落ちましたが、断水することはなかったです)、情報収集しながら家の中の備えを思い起こします。

【主な備え】
懐中電灯、キャンプ用ランタン、ヘッドランプ、ロウソク、乾電池、ソーラーキャンドル
カセットコンロ カセットボンベ数本
小型のラジオ
水(2リットルペットボトル数本)、生鮮食料品(台風が来ていたのでいつもより多め)
米、乾麺、カップ麺、モチ、乾パンなど(普段から買い置きをするタイプ)
スマホの充電:モバイルバッテリー、車の充電器

 明るくなってくると家の中の被害が徐々に判明。本棚が倒れたり、引き出しが飛び出したりしています。驚いたのは本やCDを入れてあった大型の棚が30センチくらい前に移動していたこと。ドアストッパーのネジが床から抜けてしまったところもありました。

 6時を過ぎるとニュースを見た知人や実家(関東地方です)から連絡が。特にケガなどはないことを伝えます。

 IHクッキングヒーターが使えないのでカセットコンロを準備。冷蔵庫にあるもので朝食をとります。

 公共交通機関はマヒし、信号も消えてしまっているので多くの会社や学校が臨時休業・休校に。スーパーやガソリンスタンドの状況はTwitterが、友人・知人の情報はFacebookが便利でした。

 エレベーターが使えないので外出がままならず、午前中は家の中の片付け。被害があった家具は向きを変え、散らばったものを安全なところに避難します。

 割れたものはありませんでしたが、停電の中でガラスなどを片付けることになったら大変。「おしゃれなビンなんて並べてる場合じゃない」と反省します。

 停電が長期戦になることを考え、お昼は冷凍庫のものを消費することに。カセットコンロと普段から使っているIH土鍋でご飯を炊き、お刺身をいただきます(後で聞いたら、牛肉やアイスクリームなど家庭によって優先順位があったようです)。

 このころからスマホの電波が怪しくなり、メールやLINEのメッセージがほとんど送れない状態に。小型のラジオが唯一の情報源となります。

6日午後~夜

 スマホを充電したいので非常階段を使って地上へ。車で充電をしつつカーナビのテレビを見ます(駐車場には同じように充電をしている人が何人かいました)。

 外に出たついでに徒歩圏内のスーパーやコンビニをのぞきますが、開いているところは半分くらい。コンビニは長蛇の列でお弁当やパンの棚はガラガラ。大型スーパーは真っ暗な店内に列ができていました(反対側の明るいところで水や食料を売っていたとのこと。ダメになってしまうからと冷蔵・冷凍の食品を配ったスーパーもあったそうです)。

 急いで必要なものはないので何も買わずに帰宅。新聞を回収して(夕刊は紙1枚、4ページでした)非常階段を昇り、自宅に帰りつきます。

 暗くなってみると、少し離れた地域は停電が解消している様子。幹線道路の信号機も復活していました。

 夕食もお刺身。ワンセグで少しだけテレビを見て、やることもないので早めに就寝します。

 あって良かったなと思ったのがフェリシモのソーラーキャンドル。やさしい明るさが常夜灯にぴったりでした(キャンプ用ランタンや懐中電灯は寝るときには明るすぎるし乾電池の減りも心配。ソーラーなら翌日また充電できるので)。
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7日

 朝起きても停電は解消せず。大きな鍋でお湯を沸かして髪と体を洗います(Facebookを見ると水風呂を浴びた人もいました)。

 朝食を終えて外出。停電が解消した地域に向かいます。前夜見えた信号機は発電機を使ってつけていました。

 多くの人がスーパーに入っていくと思ったら、開店したばかりだったもよう。懐中電灯・乾電池のあたりが大混雑でした。

 筆者は地元の農家さんが作ったというトマト・キュウリなどを購入して帰宅しました。

 夜、出掛けていた家族がセイコーマートのおにぎりを買って帰宅(丼に入ったご飯も売っていたそうです)。イクラのしょうゆ漬けが作ってあったことを思い出し、おにぎりに乗せていただきました(道民あるあるかもしれません)。その後、停電が解消したので洗濯をしました。

8日

 エレベーターが使えるようになったので、行きつけのスーパーへ。豆腐・納豆・牛乳・パン・冷凍食品の棚はスカスカでしたが、肉・魚・野菜・果物はそこそこの量と種類がありました。

 この日の夕食は冷凍してあったジンギスカン。Twitterなどで「北海道の人は停電の中でもジンギスカンをしている」と話題になっていましたが、我が家も同じようなものでした。

 筆者は札幌に住むまでバーベキューは一部の人の趣味、炭起こしは特殊技能だと思っていたのですが、道民にとってバーベキューやジンギスカンは日常の延長。海に行っても花見に行っても、炭火で肉を焼いている光景を見かけます。
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9日

 ショッピングセンターの専門店街が営業を再開するというので出向きます。通路の照明は控えめで案内用の液晶画面は消されていました。アウトドア用品店はバーナーなどを買い求める人で混雑。ガスは数量制限がありました。

 飲食店は大半が準備中。ステーキ店・そば店・回転すしは営業していました。混雑していたのはドーナツ店。パン類が品薄だったので「パンがなければドーナツを食べればいいじゃない」ということになったようです。
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10日

 朝イチでスーパーに行き、牛乳を購入。この時間にはパン類もたくさんありましたが、夕方のぞいたら牛乳・パン・ヨーグルト・納豆は品薄に。仕事帰りに買い物をする人は困ったのではないかなと思います。
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11日

 用事があったので地下鉄に乗り外出。訪ねた先(店舗兼オフィス)は電気の復旧が早く、地震の後しばらくトイレが使える充電場所として開放していたそうです。 帰りにのぞいたパン屋さんは長蛇の列。食パン(北海道では「角食」と呼びます)を買い求める人が多かったようです。

12日

 半分しかなかったガソリンを入れにスタンドへ。週末は何時間も待ったそうですが、この時はスムーズに入れられました。車を出したついでに少し離れたスーパーへ。大きなスーパーにはない納豆や牛乳の在庫がありました。

15日

 延期されていた「さっぽろオータムフェスト2018」へ。時間短縮・自家発電での開催でしたが、そこそこの人出でした。
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あって良かったもの

 懐中電灯・カセットコンロなどはフル活用しました。北海道はキャンプをする人が多いのか、ランタンがある家庭も多かったようです。

 食料は買い置きのものから使って、乾パンやペットボトルの水は使わずに済みました。ただ、「あれがあるから」という安心感のためにも用意しておいてよかったと思いました。
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続けていてよかったこと

 東日本大震災の後から習慣になっていたのが冷水筒に水をくみ置きすること。ペットボトルの水は買い置きしてあるものの、洗顔などに使うのはもったいない、ということで週に1回ペースで中身を入れ替えていました。

 今回、筆者の自宅は断水にならずに済んだのですが、この習慣は続けていてよかったと思いました。.

停電時に白ご飯をあたためたい ~昭和生まれの知恵袋~

 我が家はストックの都合で刺身が続いたのですが、その時に欲しくなるのが白いご飯。でも、停電時に電子レンジは使えません。そんな時に試したいのが、冷やご飯を蒸してあたためる方法です。

 鍋に水を2~3センチ入れ、蒸し皿(100円ショップにも売っています)の上にザルなどに入れたご飯を乗せて火にかけると数分でアツアツになります(蒸し皿がない場合は、深さのある器の上にお皿を乗せても簡易蒸し器になるそうです)。

 残ったお湯はインスタントみそ汁やスープに使えば無駄もありません(熱いので取り出すときは気を付けて)。
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今回の地震・停電でわかったこと

 今回の地震は9月初旬だったので自宅にいる限り寒さの心配はなかったのですが、これがもし1~2月の厳寒期だったら大変なことになっていたと思います。

 我が家の場合、キッチンはIH。暖房・給湯は灯油式ですが、こちらも電気がなければ動かず(北海道の家庭は灯油・ガスなどの熱源にかかわらず電気を併用するタイプの暖房が多いと思います)。

 水道管が凍らないようにヒーターを付けている家庭もあるので、停電になるとライフラインがマヒしてしまいます。

 備えとしてポータブルの灯油ストーブはあるのですが、ガソリンスタンドの行列を考えると地震の直後に灯油を手に入れるのは大変そうですし、非常階段を使って自宅のある階まで運ぶ自信がありません。寒くなるまでに対策を考えねばと思っています。

まとめ

 大きな地震と1日半に及ぶ停電を体験して思ったことは、それぞれの家庭に合わせた備えが必要だということ。備えがあれば非常時に買いに走ることも減りますし、被害が大きい地域に物資を回してもらうことができます。

 我が家の場合、停電中のネックになったのはエレベーターが使えないこと(この部屋を選んだ時から分かっていたリスクなのですが)。

 次に大きな停電があった時は、なるべく自宅から出ずに過ごせるような工夫をしなければと思い、通信販売でソーラーパネルのスマホ充電器を購入しました(注文後数日で届いたので物流も回復しつつあると思います)。

 まだ避難生活を送っている方もいますが、観光に支障がない地域も多くあります。すぐに元のようになるのは難しいと思いますが、道内に住む人などが積極的に動くことも支援の1つだと考えています。

富士山大噴火 気象研「降灰量シミュレーション」の衝撃

 全国で相次ぐ自然災害――。9月以降でも、大阪が台風21号の直撃で高潮などの被害に遭い、関西空港は閉鎖に追い込まれたし、北海道では胆振東部地方を震源とする最大震度7の巨大地震が襲った。西日本や九州では今も復興作業が続いている。列島はどこも被害ばかりだが、最も恐れられているのが富士山の大噴火である。その時、いったい何が起こるのか。日本人であれば知っておくべきだ。

■10センチ積もるだけで都心はパニック

 気象庁気象研究所が「大規模噴火時の火山現象の即時把握及び予測技術の高度化に関する研究」を発表した。簡単にいえば、富士山の大規模噴火(宝永噴火)の降灰量シミュレーション。1707年12月に起きた宝永噴火の噴煙の高さや継続時間の推定値を、実際の風向きなどの気象データ(2015~17年)に当てはめて推計したものである。

 その結果が恐ろしい。東京都心部の降灰量は10センチ以上になるという。研究に携わった、同研究所火山研究部の新堀敏基主任研究官は言う。「3年間のデータを基に1096件の降灰事例を出しました。その結果、東京・大手町(都心部全般)は36事例で降灰量が10センチ以上になることが分かりました。確率にすると3%ですが、大きな数字と捉えています。実際の宝永噴火の降灰分布を見ても十分にあり得る値です」

 たかだか10センチでもバカにできないし、そもそも10センチは最低ラインと考えておいた方がいい。全パターンを重ね合わせた最大降灰量の分布図を見ると、神奈川全域、東京都、静岡、山梨各県の一部では最大30センチ~1メートルだ。神奈川、静岡、山梨各県の一部地域では1メートルを超える。千葉、茨城、埼玉各県でも、最大10~30センチとなる可能性を指摘している。宝永噴火では降灰が16日間続いた。同じように富士山が噴火した場合、山梨県と静岡県で75万人の避難者が出ると推定されている。

 東京都心に住む場合、一斉避難は物理的に無理だろう。火山灰が舞う中での生活を強いられることになりそうだ。気象庁が降灰予報で使用する降灰量階級表を見ると、1ミリ以上の降灰で地面は灰色に染まる。視界も濁るという。要するに、みんな身動きができなくなるのだ。

■1250万人が目・鼻・のどをやられる

 富士山ハザードマップ検討委員会(2004年)では、被害エリアの通行不能区間は、3700~1万4600キロ、不通になる線路区間は1800キロだ。これではどこにも脱出不能だ。航空機は0.1ミリ未満という少量の降灰で6空港が不能になる。フィリピンのピナツボ山の大噴火(1991年)でも、4ミリで国際空港が使用不能になり、回復に10日を要している。

 むやみに外に飛び出すのも危険だ。ガラス質の灰が目に入れば激痛が襲い、息を吸えば肺や気管を傷つけて炎症を引き起こす。米ワシントン州のセントヘレンズ山の事例では、降灰量6ミリで1000人あたり2~4人が目・鼻・のどの異常など健康被害を訴えている。7.5センチで速やかな手当てを要したのは人口の1~2%もいたという。

 先の検討委員会のデータでも、「目・鼻・のど・気管支の異常」を被るのは、実に1250万人と推計されるから、避難所に向かうのもリスクが高い。  宝永噴火が発生した12月は特に最悪だった。

「冬は偏西風が強いので東方向に集中します。これは春まで同じで、逆に7、8月の夏に発生すれば西側にも降灰し静岡県全域が被害を受ける。ただ、噴火における降灰量は同じなので、分散される分、エリアごとの被害は小さくなる。それでも台風シーズンに噴火した場合の被害は計り知れません。風と雨で遠くまで運ばれて降りますし、土石流につながれば危険な水を浴びながら、逃げ場もありません。積雪シーズンも同様にリスクが高まります」(新堀研究官)

 火山灰は水分を含めばコンクリートのようになる。雨水を吸い込めば体内のまわりの灰が固まる恐れもあり、命が危険だ。もっとも、これは火山灰を発生させた宝永噴火と同タイプが起きた場合に過ぎない。800年代の噴火では溶岩流が発生したし、約2900年前に山体崩壊している。2012年の静岡県防災・原子力学術会議では、地震やマグマの突き上げなどによって富士山の山体崩壊が起きれば、東側に崩れた場合、御殿場市や周辺の河川沿いに住む約40万人が被災するという試算を出していた。

 1707年の宝永噴火の49日前には宝永地震が起きている。南海トラフ沿いを震源にした巨大地震だ。噴火と地震が同時期に起きればひとたまりもない。災害に備え、覚悟はしておくべきだ。

北海道地震を予測した東大教授が予測する「今、危険なエリア」

 気象庁の統計が始まった1923年以降、北海道内陸部で起きた地震はわずか8回。政府の地震調査委員会が予測していなかった“想定外”の大地震が起きた。しかし、発生の約1か月前に「北海道胆振(いぶり)地方」と地名まで的中させ、再三警告を出していた人物がいる。それが東京大学名誉教授でJESEA(地震科学探査機構)会長の村井俊治氏(78才)だ。

 村井氏は1999年に「第3回国連宇宙会議」で議長を務め、2013年には日本測量協会の会長に就任している“測量学”の世界的権威である。JESEAではその測量学を応用して地震を予測し、「週刊MEGA地震予測」というメールマガジンを毎週配信している。 村井氏が行う「MEGA地震予測」とは、国土地理院が全国約1300か所に配置する「電子基準点」のGPSデータを用いた地震の予測方法。地表は絶えず動いており、それが短期・長期的に見て上下や水平方向にどれくらい動いているかを分析。過去に起こった地震前の変動と比較して、地震の「前兆」を察知する。

「胆振地方は今年6月頃から、地表の沈降が目立っていました。これまでの研究でわかってきたことは、沈降が長く続くのは危険のシグナルで、その後に大地震がくることが多い。なので、7月下旬からメルマガで注意を喚起していました」(村井氏) そこで本誌・女性セブンはJESEA協力のもと、「MEGA地震予測MAP」を作成。今年2月下旬からの約半年間で、地表に5cm以上の高さ変動があった地域をもとに、村井氏が予測した警戒ゾーンを記した。その中でも特に大地震が発生する危険性の高いエリアを紹介していこう。

◆地盤の緩い東京の震度は非常に高い

 村井氏が“今最も危険なエリア”として挙げたのは、東京・神奈川・静岡東部を含めた首都圏と東海。静岡県の「御前崎」や「伊豆諸島」に見たことのない「異常な地表変動」が、つい最近起こったという。 「2011年の東日本大震災以来、日本列島は全体的に“南東向き”に地表が移動していましたが、静岡県東部をはじめとする日本の南側、つまり『南海トラフ』に並行する一帯だけは“北西向き”に移動していました。

この一帯は日本列島全体の動きに逆らっていて、互いに押し合った状態で均衡していたわけです。しかし、8月下旬にその均衡が突如崩れました。列島の南東方向への移動が突然消え、南海トラフに平行な陸域の一帯が大きく北西方向に移動し始めたのです。この7年間で初めてのことであり、最初は目を疑いました。これまでに例のない“異常な水平変動”が起きています。また、御前崎や伊豆のあたりでは長期的な沈降が見られ、周辺地域との境にひずみがたまっていると考えられます。さらに、三宅島の変動も大きいので、火山性の地震が発生する可能性もある。伊豆周辺で地震が発生すると、地盤の緩い東京の震度は非常に高くなります。よって、静岡県東部から関東にかけてのエリアが最も警戒が必要です」(村井氏)

「世界一危ない都市」東京は“水害”にも弱かった! 迫り来る水没のXデー

 東京での災害は“地震”だけだと思っていませんか? しかし、地形上弱点だらけの東京では、“水害”もまた起こりやすいのだといいます。迫り来る水没のXデーには、いったいどのような被害が予想されるのか、専門家に伺いました。

予想被害額は利根川の氾濫で34兆円、荒川の氾濫で33兆円

「東京は間違いなく、世界一、危ない都市です」

 こう断言するのは、東京都建設局の元職員で洪水対策に詳しい土屋信行さんだ。

「東京は地震リスクがあるうえに、水害に弱い。たまたま70年近く大きな水害に遭っていないだけです」

 災害研究の第一人者である河田惠昭教授も、首都の水害に対するもろさを危惧するひとりだ。

「東京都心が広範囲に水没すると、1000人単位の死者が出ることは確実です。水没の原因としては、利根川と荒川の氾濫、東京湾に来襲する高潮と津波が考えられます。わが国の巨大災害の四天王は歴史的に地震、津波、高潮、洪水ですが、東京23区を中心とした地域はこの4点がセットでそろっている。横浜や名古屋、大阪なども該当しますが、東京の被害規模は抜きん出ています。世界の都市と比較しても、断トツのトップです」

 内閣府・中央防災会議の想定(’10年)では、利根川が氾濫した場合、死者数は約6300人と予測されている。

「さらに江戸川、荒川の堤防も決壊した場合は、住まいは水没し、3日以上も浸水することになり、避難者は約421万人にのぼると予想されています。予想被害額は利根川の氾濫で34兆円、荒川の氾濫で33兆円です」(土屋さん)

水没の可能性があるのは東京の約4割、さらに山の手も浸水する

 そもそも、東京が位置するのは関東平野のいちばん低い場所。

「東京は地形上、弱点だらけ。湿地が広がる東京は、江戸時代から埋め立てを進め、そして広大な経済産業用地を生み出し、発展してきました。江戸幕府の“利根川の東遷事業”で、利根川は銚子沖(千葉県)へ流れるように東京湾から無理やり河口を変えました。ひとたび洪水になれば、水は昔の川筋に従って流れます。なぜなら、そこが自然地形としていちばん低いから。“水の低きに就くが如し”です」(土屋さん)

 特に、満潮時の平均海水面よりも低い土地にある海抜ゼロメートル地帯では、水没の可能性が大きい。

「わが国の3大都市圏には広大な海抜ゼロメートル地帯が広がっています。過去に地下水の過剰な汲み上げを行ったせいです。特に東京では、地下水にメタンガスが含まれていたため、工業用に大量に汲み上げられました」(河田教授)

 その結果、地下水の利用規制が始まった1985年前後までの約50年間で、東京では最大4.5m、大阪では2.8mも地盤が沈下している。これによって、東京の洪水の危険性はさらに高まった、と土屋さん。続けてこう語る。

「海抜ゼロメートル地帯である墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区では干潮になっても水が引かない。その外側には満潮になると水没する足立区、北区、荒川区、台東区がある。さらにその外側には、高潮災害が起こると水没する千代田区、中央区、港区、品川区、大田区、板橋区が広がっています。

 ここまで挙げただけで、もはや東京の約4割です。これらの地域は当然、浸水しやすく、また浸水後も水が抜けにくい」

 昭和33年に首都圏を襲った狩野川台風は、三浦半島に上陸し、関東東部を縦断した。東京では約33万戸が浸水。ゼロメートル地帯の広がる“下町”だけでなく、台地にあって水害は起きにくいと思われていた世田谷区、杉並区、中野区などの“山の手”でも大きな被害を招いた。

「狩野川台風では、河川の堤防は決壊していません。しかし、排水ポンプの能力を超える雨がたまり続けた結果、洪水が引き起こされました。近ごろはゲリラ豪雨も頻発しています。東京の山の手も、やはり浸水するんです」(土屋さん)
予想では、地下鉄の17路線97駅が水没

 ただでさえ脆弱(ぜいじゃく)な東京の水害リスクを高めた、もうひとつの原因──複雑に張り巡らされた地下鉄だ。

 土屋さんが警告する。

「荒川放水路の右岸21キロ地点(北区志茂地先)で堤防が決壊した場合、6時間後には西日暮里駅など6駅、9時間後には上野駅など23駅、12時間後には大手町駅など66駅、15時間後には銀座駅など89駅が浸水すると予想されています。最終的には、17路線97駅、延長約147kmが水没します。

 また、足立区千住の堤防が決壊した場合は、約4時間で東京駅が浸水し、最終的には16路線89駅、延長約138kmが水没します」

 実際、台湾・台北市では、’08年に台風による洪水で地下鉄が浸水したが、犠牲者は1人も出なかった。

「浸水する24時間前にすべての交通機関を止めたからです。それでも電気系統の復旧に3か月かかりました。これが日本だったら、ギリギリまで地下鉄を動かすでしょうね」(土屋さん)

“東京は大変ね”ではすまされない。日本中が大混乱に陥る

 首都水没が引き起こす最悪のシナリオとは?

 河田教授は、次のように見通す。

「帰宅難民、長期の停電・断水・ガス供給の停止、通信機能の麻痺、水・食料・燃料の不足、長期にわたる電力不足や計画停電の発生、国際社会や市場への影響、物流機能の支障……被害は挙げきれません。地方に住んでいる人も“東京は大変ね”ではすまされない。わが国全体を人間の身体と見なすなら、東京は脳。ほぼすべての重要事項の決定が行われています。日本全体が大混乱に陥るのは間違いありません」

 未曾有(みぞう)の水難に備え、私たちにできる対策はあるのだろうか。

「地震と違い、“水害は天災にあらず”と私は思っています。なぜなら台風の事前情報は得られるし、洪水の起こる場所は特定されているからです。水が来ると聞いたら、まず地下にいないようにする。もし、海抜ゼロメートルの場所にいたら、上層階へ避難する。肝心なのは、“知って恐れて備えよ”なんです」(土屋さん)

<解説してくれた人>

◎土屋信行さん
東京都で道路、橋梁、下水道、まちづくり、河川事業に従事。首都圏低平地防災検討会座長、公益法人えどがわ環境財団理事長。著書に『首都水没』(文藝春秋)

◎河田惠昭さん
関西大学社会安全学部社会安全研究センター長・教授。日本自然災害学会会長などを歴任してきた防災・減災研究の第一人者。近著に『日本水没』(朝日新聞出版)

豪雨被災者の後悔 「土砂撤去費用10万円のレシートさえあれば…」

常に大規模な自然災害と隣り合わせの日本では、災害が起きることを前提に暮らしていかなくてはならない。被災からの再起を図る上でとりわけ重要となるのが「お金」だが、“手助け”となる制度もあることが十分に意識されているだろうか。岡山、広島、愛媛を中心に200人以上の犠牲者を出し、記録的な被害をもたらした西日本豪雨。発生から1か月半が経った8月下旬時点でも、2000人以上が避難所生活を余儀なくされている。

 自宅に戻れた人の中にも、怪我をしたり、住宅に被害を受けたりしたケースは多く、「被災者」の数は何倍にも膨れあがる。その人たちが直面するのが、「お金」の問題だ。被災男性がつぶやく。 「氾濫した土砂が流れ込んできて、家の中を目茶苦茶にしてしまいました。水が引いた後に見ると、10cm近く土砂が積もっている。自分1人でなんとかできるわけもなく、土建業者に10万円ほど支払って撤去してもらったんです。バカにならない額ですが、家が流されてしまうようなことに比べれば、ねえ?

 ただ後日、室内の被害状況のわかる写真や業者の領収書があれば、特例的に自治体が費用を負担する方針を出したと聞いたんです。大慌てだったものでレシートも残していなかった。そういう制度があると知っていたら……と悔やまれてなりません」 地震、豪雨、土砂災害、竜巻と、災害大国ニッポンに暮らす以上、誰もが「被災者」になるリスクがある。割れたガラス窓をはめ直し、家具を買い直す。住宅が甚大な被害を受けていれば、建て替える必要に迫られる。被災者にはいくらお金があっても足りない。危機管理教育研究所代表の国崎信江氏が話す。

「自然災害に直面した場合、まずは命を守ることが第一です。その後、日々生きるための水や食料と同じくらい重要なのが、受け取れる補助金や支援制度に対する知識。避難生活の心強い支えになります。ただ、その制度や法律は多岐にわたり、内閣府が作成した『被災者支援に関する各種制度の概要』は、「概要」にもかかわらず50ページにも及ぶが、知っておいて損はない。

そんな準備で大丈夫?災害時の安否確認「スマホに電話」は甘すぎる

9月1日は防災の日。最近は地震、河川の氾濫、高温、噴火などに相次いで発生していますから、ぜひ改めて避難についての意識を高めておきたいものです。グループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」の会員3,522名に対しアンケート調査を実施した『防災・安否確認に関するアンケート』によると、いざという時の避難場所や連絡手段について、意外なほど多くの人が連絡手段についてあまり真剣に考えていないことが判明しました。

避難訓練、参加率はわずか18.7%

2017年の大規模災害を想定した避難訓練への参加状況について尋ねたところ、『参加した』と回答した人は全体のわずか18.7%に留まりました(【グラフ1】)。また、どこで実施された避難訓練かを質問すると、『地域(町内会など)』が1位、次いで『勤務先』、『小学校』の順となりました(【グラフ2】)。いざという時に行動するには、訓練が必要です。昨年避難訓練に参加しなかった方には、今年実施される避難訓練への積極的な参加をして、災害時すぐに動けるよう練習しておきましょう

85%が指定避難所を家族の集合場所に決めている

「お住まいの地域の指定避難所がどこか知っていますか?」と尋ねたところ、『知っている』と回答した方は約85%という高い回答率となりました(【グラフ3】)。また、指定避難所は、大規模災害が発生した際の「家族との一番最初の合流場所」として設定されており、避難所および集合場所としての役割を期待されていることがわかりました

安否確認の方法、同居家族とは決めている傾向

「大規模災害が発生した場合の安否確認の方法について相談した経験」を質問したところ、『配偶者』、『子供』と「相談した」と回答した方が多い結果となりました。また、半数以上が、相談した結果、安否確認方法が決定したことがわかりました(【グラフ5】)。その一方で、両親と相談した方は半数を割りました。同居の有無が結果に影響していると考えられますが、同居していない場合にも、どのように安否を確認するかについての相談が必要だと思われます。

安否確認手段はスマホ・携帯に依存気味

一方、「安否確認の方法」について、対象者毎に上位3つを挙げていただいた結果、『携帯電話・スマートフォンへ電話』が上位を占めました。また、『LINEで確認』、『携帯電話・スマートフォンのメールで確認』を含めると、安否確認において携帯電話・スマートフォンへの依存度が高いことがわかりました

スマホが使えなかったら?半数以上が「想定していない」

しかし、大規模災害の発生時に、必ずしも携帯電話やスマートフォンを利用できるとは限りません。そこで、「安否確認の相談の際、携帯電話やスマートフォンが使用できなくなった場合についても想定したか?」と尋ねたところ、全ての対象者において、『想定していない』が半数以上という結果になりました(【グラフ6】)。“携帯電話・スマートフォンは使用できないがパソコンはインターネットにつながる場合”や、“どちらも使用できない場合”、複数のケースを想定し、検討することをお薦めします。また、昨今の災害発生の状況から、「地震」や「大雨」、「河川の氾濫」など、いくつかの大規模災害について、それぞれの安否確認方法を確認する必要もあるようです。

この機会にいま一度、いざ災害が起きた時の行動や連絡手段を、身近な家族や離れて住む大切な人と、様々なケースを想定した連絡方法を確認しておきたいものです。

情報:株式会社イオレ
http://www.eole.co.jp/

9月1日は「防災の日」! 4人家族が備蓄すべき水の量は何リットルか知っていますか?

今日、9月1日の「防災の日」は、台風、高潮、津波、地震などの災害についての認識を深め、それらの災害に対処する心構えを準備するために制定された日です。今年は6月18日に大阪府北部での地震や、6月28日から7月8日かけて「平成30年7月豪雨」が発生し、甚大な被害をもたらしました。今後もいつどこで起きるか分からない大規模災害に備えて、日頃から準備をしておく必要性が改めて認識されています。

「トクする!防災」プロジェクトは、20~40代の女性600名に「家庭の備蓄状況」に関するアンケート調査を実施。もしものための準備、何をどのくらい準備すべきなのでしょうか。

「備蓄には3日分×家族の人数分」が必要、知っていた?(n=600)

「備蓄には3日分×家族の人数分が必要」ということは、約半数が知っていると回答。

知っている(46.8%)
知らない(53.2%)

一般的に、備蓄には「3日分×家族の人数分」が必要とされています。これは大規模災害発生時、人命救助のリミットである3日間(72時間)は人命救助が最優先されてしまうため、まずは災害初期を乗り切るための最低限の備蓄量として、「3日分×家族の人数分」の備蓄が推奨されているからです。備蓄には「3日分×家族の人数分」が必要であることを知っているかについては、約半数(46.8%)の人が知っていることが判明しました。

そこで、実際に備蓄ができているか聞いてみました。

あなたは「3日分×家族の人数分」の備蓄ができていると思いますか?(n=600)

約8割が実践できていないことが判明。

十分できている(4.8%)
それなりにできている(16.5%)
あまりできていない(36.2%)
全くできていない(43.0%)

しかし実際に、その量を備蓄できているかというと、79.2%ができていない(「あまりできていない」と「全くできていない」の合計)と回答しました。続いて、具体的に「4人家族が備蓄すべき水、米」の量について聞きました。一般的には、4人家族(大人2人、大学生1人、高校生1人)の場合、備蓄に必要な水の量は36リットル(1人3リットル×3日間×4人分)、またアルファ化米・レトルトご飯などの備蓄必要量は36食(1人3食×3日分×4人分)と言われています。

4人家族(大人2人、大学生1人、高校生1人)の場合、備蓄に必要な水の量は何リットルだと思いますか?(n=600)

4人家族が備蓄すべき水の量は36リットルですよ!

12L未満(35%)
24L未満(21%)
36L未満(20%)
36L以上(24%)

4人家族(大人2人、大学生1人、高校生1人)の場合、備蓄に必要なアルファ化米、レトルトご飯の量は何食分だと思いますか?(n=600)

自宅で備蓄しているアルファ化米やレトルトご飯、再チェックを!

12食未満(25%)
24食未満(29%)
36食未満(8%)
36食以上(38%)

水に関しては76%が36リットル未満(12L未満、24L未満、36L未満の合計)、米に関しては62%が36食未満(12食未満、24食未満、36食未満の合計)と回答しました。また、平均回答値は水が26.1リットル、米が24.9食分でした。これはそれぞれ、必要量よりも約1日分も備蓄が足りていないことを意味します。いま一度、備蓄の水と米の量を見直してみましょう。

「3日分×家族の人数分」の備蓄を「十分にできている」、「それなりにできている」と回答された方に対し実際に備蓄しているものを聞いてみました。

備蓄しているものを教えてください。(n=125)

備蓄できていないものは「寝袋」「うがい薬・マウスウォッシュ」「携帯電話の予備バッテリー」

1位:水(83.2%)
2位:ティッシュペーパー、除菌ウェットティッシュ(77.6%)
3位:トイレットペーパー(72%)
4位:レトルト食品、インスタント食品(68%)
5位:大型ビニール袋、ゴミ袋(64.8%)
6位:懐中電灯、ランタン、ヘッドランプ(62.4%)
7位:乾電池(59.2%)
8位:缶詰(魚、野菜、果物、小豆など)(58.4%)
9位:軍手(57.6%)
10位:ナプキン(57.6%)

備蓄できているものTOP3には「水(83.2%)」、「ティッシュペーパー、除菌ウェットティッシュ(77.6%)」、「トイレットペーパー(72.0%)」が上がりました。

その一方で、「寝袋(15.2%)」、「うがい薬、マウスウォッシュ(25.6%)」、「携帯電話の予備バッテリー(30.4%)」は、備蓄できている人が少ないことが明らかになりました。「うがい薬、マウスウォッシュ」は、災害が発生してからインフラが復旧するまでの間、生活を続ける上でとても重要です。避難生活では水不足などにより、口腔ケアがおろそかになり、むし歯や歯周病などが生じやすくなります。特に高齢者は、体力低下も原因となり、感染症を引き起こしやすくなります。そのため、水を必要としない「うがい薬・マウスウォッシュ」を備蓄しておくことも重要です。

今回の調査では、多くの人が本当に必要な備蓄の量よりも少なく認識していることがわかりました。あれもこれもと一度に準備するのは大変ですが、日頃から行ないやすい備蓄法「ローリングストック」(普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量を備蓄しておく備蓄法)などを取り入れて、常日頃から備えておきましょう。

「首都水没」著者が提言…行政の指示より前に自主避難を

 異常気象が続く今夏、豪雨や台風が西日本各地につめあとを残しているが、もし東京で河川の氾濫が起きれば、東京23区は4割のエリアが水没。首都機能は完全に麻痺する。「首都水没」(文春新書)の著者で、都庁職員として都市防災を手掛けた専門家、リバーフロント研究所・技術参与の土屋信行氏が水害の危険性を緊急提言する。荒川の堤防が決壊したそのとき、北千住駅の浸水予想は実に7.25メートルに達するという。※インタビューは【動画】でもご覧いただけます。

■荒川氾濫で62兆円の損失を想定

  ――今夏、荒川の河川敷で行われた「足立の花火」を見物してきました。打ち上げ場所と客席がとても近く、ダイナミックで素晴らしい花火大会でした。そこでふと思ったのは、「こんな大きな川が氾濫するものだろうか?」という疑問です。なにしろ、北千住側の高さ10メートルの堤防から対岸の小菅側の10メートルの堤防まで優に400メートルの距離がある。とてもあふれるようには思えませんでした。

 河川安全の基準の範囲内で雨が降ってくれればいいのですが、自然の雨はそうはなってくれません。想定外のことが起こるから、それに対し準備しなくてはいけないのです。台風の月別の発生頻度は9月をピークに10月、11月初旬に突出し、一般的には北上してくるものでしたが、近年は太平洋側地域で海水温27度以上のゾーンが広がっています。より日本に近いエリアで台風が発生しやすく、発生した台風にエネルギーを供給しながら勢力を高めてしまう。日本はすでに亜熱帯化しており、「過去に起きていないことが起きている」と考えるべきです。実際、西日本豪雨では、積乱雲が連なって猛烈な雨を降らせる「線状降水帯」が多発しました。東京にこれが起こらないとは言えません。

  ――内閣府想定では、72時間雨量が550ミリを超えると荒川が氾濫します(西日本豪雨の72時間雨量は最大1319ミリ)。その場合、土木学会は約62兆円の被害を想定しています。

 大きな金額と感じるでしょうが、これには地下の被害が算入されていません。日本人の性と言っていいですが、公共交通機関で働く人は最後まで人員を輸送しようと頑張ります。勤勉な鉄道マンの性ですが、あふれた水は地下鉄構内になだれ込み、直結した百貨店や地下街を水没させます。地下からの脱出がどれくらいかかるのかシミュレーションはありません。健康な人は逃げられるでしょうが、車椅子の人やお年寄りもいる。堤防の決壊から3時間で大手町駅、約4時間で東京駅、約7時間で銀座駅まで浸水する。机上の訓練ではダメで、実際にやってみないといけません。2012年10月29日の夜、ハリケーン「サンディ」がニューヨークを直撃しました(死者43人=編集注)。このとき、ニューヨーク都市交通公社(MTA)は、前日の夕方までにすべての地下鉄とバスの運行を中止しました。そのため、地下鉄内での人的被害はゼロでした。

  ――NYが参考にしたのが、台湾・台北市を襲った01年9月の台風16号だったようですね。

 地下鉄が約12キロにわたって水没し、完全復旧までに3カ月を要しました。台湾がすごいのは、これを全世界に公開したこと。台湾を参考にしたニューヨークはハリケーンの前日に地下車両や機器類を移動させ、被害を最小限にとどめました。東京では、地下鉄の運行を止める権限は、東京メトロの管理者にあります。ただ、地下鉄を止めることによる経済被害は計り知れず、果たして重大な決定を企業判断で下せるものか。事前に取り決めがあった方がいいと思います。もちろん、台北市への視察は日本からも行っています。

   ――今まさに想定外のことが起ころうとしていますが、過去の日本人は上げ舟といって、岐阜、愛知、三重の木曽川水域の家では、軒先に脱出用の小舟をつるしていました。現在の人は、危機感が薄いようにも感じます。

 一番大事なのは、洪水の災害情報を共有することです。私の両親は昭和22(1947)年のカスリーン台風を体験しています。私が生まれたのは埼玉県の栗橋町(現・久喜市)。まさに利根川右岸堤防が決壊した場所でした。父は当時内務省に勤めていて、河川改修を担当していました。その時点で私はまだ生まれていませんが、近所には昔の五人組のような連携があって、水防団の一員として母親も他家の2人の子供をあずかったそうです。たまたま7~8メートルの盛り土があって、河川工事用の砂利や材木のストックヤード(一時保管所)がスーパー堤防の役割をしたため、幸いにも近所で死者は出ませんでした。

  ――昔の人は「あすは我が身」という意識が高かったのですね。

 私がまだ幼い頃、お月さまが出ていない日の夜中、母親に「起きろ!」と叩き起こされたものです。東西南北も分からないような真っ暗闇の中、玄関まで感覚で歩いていき、父と母、姉、自分の靴の位置がわかるようにしつけられた。母親の施す避難訓練でした。現在、避難情報は自治体のおのおのの長が発しますが、これが判断の乱れる要因です。行政に言われる前に自主避難する。それも明るいうちに行うのが大事です。

■台風に高潮が加わると江東区で最大水深10メートル

  ――カスリーン台風規模の台風が来て荒川が決壊すれば、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の江東5区で、人口255万人のうち最大178万人が避難しなくてはいけません。スーパー堤防の建設で防ぐこともできそうですが、民主党政権時の事業仕分けで廃止されました。さすがに総額100兆円と聞くと、今の貧乏な日本では手が出ません。

 スーパー堤防は国交省が1980年代に整備を始め、首都圏、近畿圏の6河川で873キロ造る計画でしたが、現在はとくに氾濫危険の高い120キロに計画が縮小されています。私の試算では、これなら全体で7兆円、関東だけなら5兆円の予算で済みます。日本人は何かあると、復旧・復興ばかりに目がいきますが、本来は事前の防災や減災対策の方が重要。もし荒川が決壊すれば、62兆円の被害が出るのです。しかも、日本の中枢である首都機能が麻痺すれば、経済・政治に混乱が起こるし、もっと大事なのは世界の信用を失うことです。海外の人は自分たちの首都さえ守れないのか……と思うでしょう。一方、ハリケーン上陸の前日に公共交通機関を止めたニューヨークは、住民や観光客の安全を必ず守ると世界に宣言したようなものです。

  ――意外に軽視されていますが、高潮被害も怖い。高潮とは台風など発達した低気圧により、海面が吸い上げられて異常に高くなる現象ですが、海水が流入する墨田区や江東区などの一部では、最大水深10メートルにもなる。水泳の高飛び込み競技のプールですら基準が水深5メートル程度ですから、かなりの深さになります。

 明治期以降、東京は地盤沈下に合わせて堤防の高さを変えてきました。しかし、東京都の今年3月の予測では、墨田、葛飾、江戸川の3区で9割以上が浸水し、千代田、新宿、港なども含め17区に浸水が想定されます。浸水の想定区域は約212平方キロ、この区域内の昼間人口は約395万人、水深は最大約10メートルに達します。水深10メートルというのは、10メートルの津波が襲ってくるのと一緒。西日本豪雨などの雨と違って、海の水は無尽蔵に流入してきます。また満潮は1日2回ですから、そのたびに入ってくるのです。過去になかったから安全だろうと思ってはいけません。

 (聞き手=本紙・加藤広栄)

▽つちや・のぶゆき 1950年埼玉県生まれ。工学博士。75年東京都に入り、建設局区画整理部移転工事課長、道路建設部街路課長などを歴任し、03年から江戸川区土木部長。11年江戸川区環境推進事業団理事。13年から現職。

防災袋に入れたい意外なアイテム なぜビタミン剤、耳栓など?

西日本豪雨の爪痕が癒える間もなく台風12号が列島を襲った。直下型地震のリスクも指摘されるなか、「とりあえず防災袋だけでも用意しておかなければ」と考えるのは自然なこと。ただ、被災した当事者たちの声に耳を傾けると、「防災袋に入っているものだけだと、ちょっと足りない」という現実が浮かび上がってきた。そうした貴重な体験談から学ぶべきことは多い。そこで、防災袋に入れておいて役立ったという意外なアイテムをいくつか挙げてもらった。

【ビタミン剤】

 東日本大震災で被災し、避難所で約1か月生活した40代男性の話
 「カップ麺やレトルト食品が続いて野菜不足になったため、家族揃って口内炎に。そのとき、同じ避難所で仲良くなったご家族がビタミン剤を分けてくれて、2日続けて飲んだらすっかり治った。こういう補助的なものほど、“手元にあると助かるんだな”と膝を打ちましたね」

【七味唐辛子、山椒などの調味料】

 栄養面以外の問題も出てくる。

「避難所の食事は、誰でも食べやすいように薄めの味付けにしてあるので、どうしても飽きが出てきて、食欲が落ちてしまう。配給されたみそ汁やおにぎりを食べながら、七味や山椒などで“ちょい足し”したいと何度も思いました」(東日本大震災で被災した40代男性)

【ドライフルーツ】

「食物繊維が不足して避難所では便秘になっていたのですが、一緒に避難していた友人にドライフルーツを分けてもらえて本当に助かりました。常温で長期間保存できるので、防災袋に入れておくには適していますよね」(阪神淡路大震災で被災した50代男性)


カップ麺は水でつくれる 災害時のために知っておきたいこと

西日本で拡大している豪雨災害。集落の孤立なども、各地で相次いでいます。電気や水道、ガスなどのインフラが止まっている地域も出ています。そのような災害時。お湯がなくてもカップ麺をつくる方法があることを、ご存知ですか? 【BuzzFeed Japan / 籏智広太】警視庁警備部災害対策課がTwitterで紹介し、話題を呼んだ方法です。

ラーメンだけではなく焼きそばやカップうどん、袋麺にも応用可能。やり方は以下の通りです。

・カップ麺

水を注ぎ、ほぐれるまで待つ。チキンラーメンなどの場合は15分ほど。うどんなどの場合は20分以上。粉末スープは先に入れる。

・カップ焼きそば

麺が隠れる程度に水を注ぎ、20分待ち、その後液体ソースをからめる。

・袋麺

水を袋麺に直接注ぎ、15分間待つ。倒れないようにペットボトルなどに立てかける。

水害時、井戸水などは汚染されている可能性があります。ペットボトルの水を使うなど、衛生面には十分注意して調理に当たってください。

30年以内の震度6以上の確率 千葉市85%、横浜市82%

「対岸の火事」という言葉があるが、文字通りにあなたが火事に遭う確率をご存じだろうか。「今後30年以内に1%」である。さて、地震の場合はどうだろう。先日の大阪北部地震と同じ震度6弱の地震が、あなたが暮らす街を襲う確率は──。

 午後5時ちょうど頃、広島県北部に揺れが走った。M(マグニチュード)は4.9。三次市などで震度4を記録した。約2時間半後に、千葉県南部を震源とする地震が発生。最大震度は4で、Mは4.4だった。そして、そのわずか20分後、岩手県沖の深さ50kmのところで震度3の地震が発生した。

 3つの地震すべてが6月26日の夕刻の3時間ほどの間に立て続けに起きた。距離が離れているので、直接的な関連性はなさそうだ。余震などではなく、震度4クラスの地震がそんなに短時間に起きることはとても稀なケースだ。日本の地下で何が起きているのか――本当に不気味である。

 最近、日本が“地震列島”であることを改めて認識させられるような揺れが相次いでいる。その最たるものが、6月18日に大阪北部で起きた震度6弱の大地震だ。

 その地域が震災に見舞われるのは、実に約400年ぶりだという。「慶長伏見地震」(1596年)。当時は天下を統一した豊臣秀吉の治世だった。贅を尽くした新築の伏見城はもろくも崩れ、当時の記録によると城内の犠牲者は570人を超えた。秀吉は配下の名将・加藤清正に背負われて、命からがら救出されたという逸話が残っている。

 大阪を襲った地震は「忘れた頃にやってくる」という教訓そのものだ。しかし、文部科学省が設置している「地震調査委員会」が6月26日に発表した最新の地震予測を見ると、忘れている場合ではなく、眼前に迫った危機であることがよくわかる。

 先ごろ発表された「全国地震動予測地図2018年版」では、「30年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる確率」が示されている。地図の中で濃い色で示した部分ほど「30年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる確率」が高く、薄い部分は低い。

 このデータでは、一部の地域の確率の高さに驚かされる。都道府県の県庁所在地の上位でいうと、千葉市で85%、次いで横浜市の82%、水戸市の81%の順。待ったなしの状況なのだ。

大震災に備えよ!読めば生き残る「本当に役に立つ防災5カ条」(2)知られざる震災関連死の実態

 自宅にいる時、巨大地震に襲われた場合はどうか。今回の地震でも、3名の犠牲者はいずれも家具などの転倒により亡くなっているのだ。「危険なのは寝室の『和ダンス』です。二段式の上の部分が寝ている上に落ちてくるケースを想定したほうがいい。自宅でも会社でも倒れてきそうなものを確認しておく必要があります。冷蔵庫やコピー機など、通常は移動することを予期していないものが大地震では飛んでくることを想定すべきでしょう」(和田氏)

 上からの落下物以外でもことさら重大なのが、トイレの問題だという。

「震災後はトイレも死活問題です。一戸建の場合、最悪、外の庭で用を足すことができますが、マンションではそうはいきません。地震の影響で下水管の破損の疑いがあれば、使用禁止になるケースも多い。実際、安全が確認できる前に使用し、下の階で汚水漏れを起こして訴訟ざたになったケースもあります。せっかく水や食料が完備できていても、トイレが使えなければ、2日で避難所に逃げ込むしかなくなる。マンション暮らしには簡易トイレを常備しておきたい」(和田氏)

 安全なはずの避難所。ところが、そこにも危険が潜んでいることは過去の巨大地震でも実証済みだ。

「災害で全ての通信網がダウンした際、情報源となるのが避難所です。避難所の掲示板で行方不明者や病院などの情報を入手できる。しかし、すぐに避難所に身を寄せればいいというわけではありません。熊本地震では、地震が直接の原因で亡くなった方が50人、これに対し震災関連死は認められているだけで200人を超えている。あまり報じられませんが、実は慣れない避難所の生活で体調不良を起こし、亡くなる高齢者が非常に多いのです。ですから、避難所に行かなくても自宅で過ごすには何が必要なのかを考えておくことが必要なのです」(和田氏)

 避難民になることを安易に選択するのは早計と言えよう。 最後に、渡辺氏が警鐘を鳴らす。「大阪北部地震は、向こう30年で7割の確率で起こる可能性がある首都直下型大地震の教訓ともなりました。朝の通勤時間帯に起こる非常に珍しいケースでしたが、交通網が完全ストップし、復旧するまで相当な時間を要した。東日本大震災では帰宅難民が問題となりましたが、首都直下で起こった際にも同様になることを学ばなければならない。通勤途中で大地震が発生した場合どうすべきかを、各自がシミュレーションしておくことが必要です」 いつ何時、容赦なく襲いかかってくるかわからない巨大地震に対抗するには、万全に装備して待ち受ける気構えこそが必携だ。

大震災に備えよ!読めば生き残る「本当に役に立つ防災5カ条」(1)都市直下地震で危ない場所とは?

いつアナタの身を襲うかわからない大震災の恐怖。一大事発生となっても後悔先に立たずとなりかねない。これを読んで実行すれば、九死に一生間違いなしの「サバイバル5カ条」を特別に伝授しよう。 6月18日早朝、通勤のため地下鉄・御堂筋線を利用していた会社員男性が語る。「電車に乗っていたら、いきなりドカンって下から突き上げたんや。そんなどでかい揺れじゃなかったから、そのまま地下鉄が完全ストップするとは夢にも思わんかった。駅が封鎖され地上に上がったら路頭に迷う人の波。阪神・淡路の時でもこんなパニックにはならんかった」

この不測の事態は、他人事ではない、誰の身にも起こる現実であることをまずは心得ておきたい。 地震発生直後、誰もがすぐに欲しがるのが詳細な災害情報だろう。 災害危機アドバイザーの和田隆昌氏が提唱する。「東日本大震災でも家族・友人との連絡や情報収集に活躍したのが、ツイッターです。テレビ・ラジオでは大きな被害を受けた場所の情報しか報道しないため、実際にはそれほど役に立たない。その点、ツイッターならば自分の生活圏の情報をピンポイントで集めることができます。ふだんから住まいのある自治体、利用する鉄道などを登録しておけば、いざという時に本当に必要な情報を入手することができる」

 ツイッターなどスマートフォンのアプリとなると、若者の専売特許と言って、いまだに使っていない中高年も少なくないだろう。だが、巨大地震の危機管理の視点からは、孫の手を借りてでも携帯でツイッターを利用すべし、なのだ。とはいえ、SNS情報への過信は諸刃の剣で、危険とは表裏一体とも言える。防災ジャーナリストの渡辺実氏が解説する。

「今回の大阪では、通勤中の人はなかなかテレビ・ラジオなど既存のメディアに触れることができず、SNSで情報を取っている人が多かった。そこで最も怖いのがデマ情報です。熊本地震の際には『ライオンが脱走した』という偽情報が出回りましたが、今回も『シマウマ』のデマがあった。受け手には冷静な判断力が求められます。また、携帯電話が一部不通になりましたが、災害時に安否が確認できる災害伝言板など情報伝達システムは国民全員が知っておくべき」

 災害用伝言ダイヤルの番号は「171(イナイ)」。家族で使用法をしっかり確認しておくことが大切だ。今回の地震による死者5人のうち、ブロック塀の倒壊による死者が2人となるなど衝撃が走った。ブロック塀に限らず、都市直下地震で危ない場所とは?地下にいる時に揺れを感じたら、むやみに地上に出てはいけません。実は、地上に比べて揺れる度合いが低く、大きな地下街は非常用電源が備わっているので停電しても安心です。むしろ、慌てて地上に飛び出すと、ビルの外壁やガラスが落下してくる可能性があります。また、同じ商店街でも盲点なのがアーケード街です。アーケードは建物ではなく屋根なので耐震基準を満たしていないところがほとんど。阪神・淡路大地震、熊本地震でもめちゃめちゃに壊れました。看板やネオンが落ちてくる前に近くの建物の中に避難すべきです」(和田氏)

 災害時にパニックに陥り、慌てていると命取りになることを肝に銘じておくべきだろう。

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