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本を読む子どもに育ってほしければ「絶対言ってはいけない言葉」とは

写真はイメージです Photo:PIXTA© ダイヤモンド・オンライン 提供 写真はイメージです Photo:PIXTA

読書は子どもの成長に良い影響を与えるもの。本を読む子になってほしい……親はそう願っているのに、当の子どもはゲームや動画は見るけれど、本なんてまったく読まない……そういう家庭は多いのではないでしょうか。なぜ「本を読みなさい」と言っても言うことを聞かないのか、どうやったら子どもが本を読むようになるのかについて考えてみましょう。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

※本記事は『親が「これ」をするだけで、子どもの学力は上がる!』から抜粋・再編集したものです。

どうすれば子どもが本好きになるのか

 読書が知的発達に好ましい影響を与えるということは、誰もが何となく分かっているはずです。わが子の知的発達を願う親としては、何とか本を読むようになってほしいと思うものでしょう。

 そこで、「本を読むとためになるから」と言って、子どもに本を買い与えたりします。それなのに、子どもはテレビを見たり、ゲームをしたりするばかりで、一向に本を読む気配がない。いくら本を読むように言っても、まったく関心を示さないわが子を前にして、無力感に打ちひしがれる。そんなことはありませんか。

 でも、子どもはだいたいそんなものではないでしょうか。「本を読むとためになるから」と言われて、「じゃ、本を読んでみよう」と思うのは、特別やる気に満ちた子であって、普通はそんなにうまくいかないものです。

ほとんどの大人も、そんなに意思は強くない

 大人だって、そうでしょう。「ダイエットするといいよ」と言われたときは、「たしかにそうだな。ちょっとダイエットした方がいいな」と思い、甘いものを控え、駅などのエスカレーターは使わず階段を使うようにし始めても、そのうち「今日くらいはいいか」と甘いものを食べたり、エスカレーターを使ったりしてしまう。その頻度がしだいに増えていき、そのうちダイエットのことなど忘れてしまう。思い当たる人もいるのではないでしょうか。

 ダイエットに本気で根気強く取り組むには、ダイエットをするとこんな素晴らしいことがある、今真剣にダイエットをしないとこんなリスクがある、といったことを実感する必要があります。「こうするといい」と頭では分かっても、心から納得していなければ、本気で取り組むところまでいきません。

 そこで大切なのは、読書がどのようにためになるのかを分かりやすく説明することです。そうした説明なしに、いくら促しても、本を読むようになるとは思えません。まずは親自身が、本を読むことの効用をきちんと理解しておくことが求められます。そうでないと、何を言っても説得力がありません。

子どもに「読書は役に立つ」と言うほど、子どもは本を読まなくなる

 いくら本を買い与えても、読むように言い含めても、一向に読む気配のないわが子に根負けして、「まあ、いいか」と諦めてしまう人も少なくないようですが、それは後々、致命的な結果をもたらす危険性もあります。できることなら、幼いうちから本を読むことを習慣づけておきたいものです。そのためにはどうしたらよいのでしょうか。

 さらに、ともすると見逃しがちな大切なことがあります。それは、本を読むことの楽しさを子どもに味わってもらうことです。本の中には、今、自分が暮らしている現実とは違う、もうひとつの世界があります。そこで、ワクワクするような出来事を経験することができます。

本を読むのは「楽しいから」のはず

 親としてわが子に本を読むようになってほしいと思っている人の中には、子どもの頃、「読書は役に立つ」「読書はためになる」「読書をした方がいい」などとさんざん言われたのに、結局あまり本を読まないまま今に至るという人も少なくないはずです。

 それは、「役に立つ」とか「ためになる」と言われるばかりで、本を読む楽しさに目が向かなかったからではないでしょうか。楽しいことなら、子どもは自ら進んでやるでしょう。本を読む楽しさを体験すれば、「もういいかげんに本を読むのはやめなさい」と制止しなければいけないほど読書に没頭する子になるかもしれません。

 そうなると、読書を楽しみながら語彙力や読解力が高まり、教科書や先生の説明もよく理解できるようになり、知的好奇心も高まっていきます。このようなことについては、次回以降、詳しく説明していきたいと思います。

公立と私立の違い! どのくらい子どもの学費がかかるの?(幼稚園~高校まで)

幼稚園から高校までの学習費総額

文部科学省の「子供の学習費調査」(平成30年度)によると、幼稚園(3歳)から高校3年(全日制)までの15年間について、公立・私立ごとに各学年の平均額を単純に合計した学習費総額は、以下のとおりとなっています。

541万82円

1829万8324円

1063万2988円

幼稚園から高校まですべて公立のケースと比べると、すべて私立のケースでは学習費総額が約3.4倍となっています。

また私立の場合、公立との金額の差が最も大きくなるのは小学校です。

公立小学校の学習費総額は6年間で192万6809円ですが、私立小学校では6年間で959万2145円となっています。

そのため、例えば小学校だけは公立の学校で、中学受験をして中学から私立に進学した場合、すべて私立にしたケースと比較して、15年間の学習費総額では約750万円少なくなります。

家庭によって教育方針は異なりますが、私立と公立の学費を比較し、幼稚園、小学校、中学校、高校の中で、どこにお金をかけるのか、事前に話し合っておくといいでしょう。

年収による学習費の違いは?

一般的に年収が高い家庭では、子どもにかける学費が高くなる傾向がみられます。高収入の家庭では、公立学校だとしても、塾や習い事など学校外でかける活動費も増えています。

前述の文部科学省の調査によると、例えば公立小学校の場合、年収400万円未満の家庭の年間での学習費総額は、約23万6000円です。

一方、同じ公立小学校でも年収1200万円以上の家庭では、年間で約54万3000円となっています。

ただし公立・私立に限らず、収入の増加に比例して学習費総額が高くなる傾向は、幼稚園から高校まで、すべてで共通してみられました。

学費を貯めるためのマネープラン

子どもにはしっかり勉強をさせてやりたいと考えているご家庭は多いと思います。子どもの学費の目安としては、まず1000万円をめどに準備するといいでしょう。

先ほど説明したとおり、幼稚園から高校まですべて公立の場合でも、550万円ほどの学費がかかります。

受験の結果などから、幼稚園から高校まですべて公立とはならない可能性もあり、高校卒業後は大学や専門学校へ進学するお子さんも多いと思うので、取りあえず1000万円くらいを見積もっておくと安心です。

ただし、子どもの学費だけを準備していても、自分たち将来のための老後資金が貯められない、万が一のときの貯蓄ができないなど、別のところで経済的に苦しくなってしまう可能性があります。

子どもの学費と並行して、そのほかに必要なお金もしっかりと貯めていくようにしてください。

また、貯蓄だけで学費を準備できない場合は、大学などへの進学時に奨学金を利用することも検討してみましょう。

奨学金は卒業後の返済が必要ですが、子どもが自身で学費を支払うことにより、学習意欲や自立心が増すことも考えられます。

これから子どもの学費がかかるご家庭では、今回紹介した学習費の総額などを参考にしながら、現在の貯蓄のペースは適切なのか、家計を見直してみてはいかがでしょうか。

出典

文部科学省 結果の概要―平成30年度子供の学習費調査

執筆者:下中英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

スマホ中毒のわが子に苛立つ親に伝えたい3視点 「スマホのせいで成績が下がる」は本当か

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

【相談内容】

4月から中1になる子がいます。中学受験に合格したお祝いを兼ねて、スマートフォンを購入しようと思っています。しかし、小学生の頃から子どもにはゲームをやらせていますが、ルールを守っていなかったことも多く、スマホを持たせることでどうなるか心配しています。勉強しなくなり成績も落ちていくのではないかと不安もあります。もし持たせるとしたらどのような点に注意したらいいでしょうか。

(仮名:山村さん)

春になるとスマホの悩みも急増する

 スマホは活用の仕方によってはさまざまな利点がありますが、大人ですら手放せなくなるだけの魅力があります。初めて手にする子は、それこそ“魔法の機器”だととりこになってしまうこともあります。

 筆者の元へはスマホ(ゲーム含む)にまつわる相談が毎年、後を絶ちません。特にスマホを持ち始めて数カ月たった頃には多くの相談が届きます。

 一般的には年度の節目である3月から4月に購入されることが多く、そこからしばらくたった5月から6月には、相談のピークをむかえます。内容としては、「スマホ(動画、ゲーム)ばかり見ていて勉強しない」「成績が下がった」などです。

 しかし、筆者が行ったゲーム・スマホに関するアンケート調査(筆者のSNSを通じた小学生(55名)中学生(78名)の子がいる133名の親対象)では興味深いことがわかりました。このデータが世の中全体をそのまま反映しているとは思いませんが、参考までにご紹介します。

 <スマホを持った時期>

 筆者の調査では、学年では中1でスマホを持った割合が全体の32.7%と目立ちましたが、小学生の間にスマホを持った子は全体の47.6%でした。

 MMD研究所による1000人を対象にした「初めてスマートフォンを持つ子どもと親のスマートフォン意識調査」においても「小学生」が51.6%、「中学生」が28.5%、「高校生」が12.4%となっており、低年齢化が顕著となっています。

 <ルール決めについて>

 スマホのルールを決めている家庭は72.6%で、明確なルールを決めていないまでも、親の監視下にあるなど、ある程度親がコントロールできる状況になっているようです。ルールを決めたにもかかわらず、子どもが守らないというケースは24.8%で全体の4分の1占めています。

子どもがスマホを持つことで起きた変化

 <スマホを持ったことで成績はどうなったか>

 スマホによる成績低下については、下がったと回答したのはわずか16.8%で、それ以外は、成績は変わっていないという結果でした。さらに、成績が上がったという割合が全体の22.1%もあり意外な結果となっています。

 <成績が上がったケースの記述回答(一部抜粋)>

 ・スマホのスケジュール機能の使い方を教えたら、宿題、ドリル、ピアノ練習に加えて、ゲーム漫画等好きなことも勝手に加えて、うまくやっています。

 ・学校の宿題やレポートをまとめたりするのに、インターネットを使って調べてまとめたり、自分からすぐわからないことを調べる癖がつきました。そのため、よくまとめることで、評価があがりました。うまく使えば、学びのツールになると思います。

 ・試験前など、友人同士のLINEで、わからないことを教えてもらったりすることで勉強に活用できています。

 もちろん筆者のSNSに登録されている方は教育に対する意識が高い可能性もあり、この結果によって日本全体の傾向として語ることはできませんが、以上をまとめると、多くの家庭では、ルールを決めており、ルールを守らない子どもも一定数いるものの、成績低下につながっているとは限らないことがわかります。

 もちろん、次のような声もありました。

 ・スマホのゲームをずっとしている。宿題をすぐにしなくなった。忘れ物が増えた。プリントも出さない。提出を忘れ、塾も遅刻。ゲーム以外の意欲が低下しているようにみえる。

 ・集中力がなくなり、驚くほど勉強をしなくなった。

 ・毎日時間切れになるまでスマホを使用しており、明らかに勉強時間が減少しています。

親が一方的に不安やイライラ状態になっている?

 ただ、「学力が低下しているようにみえる」「スマホをやっていること自体が気になる」といった漠然とした記述も多く、直接的にスマホによって学力が下がったかどうかはなんともわかりません。

前記したように、成績が下がったという回答割合が予想するほどには多くないことも考えると、子どもがスマホを使用する場面を見ることで、単に親が一方的に不安やイライラ状態になっている可能性もあります。

 もちろん、一定数の子どもはスマホを長時間使用することで、生活面で影響が出ることや、学業に影響が出ることもあります。そのような事態にならないためにも、明確なルールを決めて実行することも必要だと考えています。

 そこで、明確なルール決めの3つのポイントについてご紹介します。

 【1.ルールの設定】

 通常は親が一方的にルールを決めることが少なくありません。しかし、その場合、一旦問題が起こると子どもはルールを作った親の責任にすることがあります。ですから、ルールを決めるときは、次の手順を踏んでみてください。

(1) どのように使いたいか、ルールに関する意見をはじめに子どもに聞く。

(2) 次に、親の考えを伝える。その際、なぜそのようなルール(1日1時間など)にしたいのか、親側の理由を明確に伝える。

(3) 親子で認識ギャップがある場合、 話し合いで着地点を作っていく。

 【2.ペナルティ制度】

 ルールを決めたものの、守れない場合もあると思います。

 例えば、ゲームがわかりやすいですが、1日1時間と決めた場合、はたして1時間ちょうどで終わるでしょうか。「これが終わってから」「あと3分だけ」と子どもが言い、「しょうがないね!!」と親はブツブツ言いながら認めてしまい、決めたルールが破られていくこともあるのではないでしょうか。

 ペナルティを特に作ることなく、ゆるくやっていくという方法もあります。親がイライラしないのであれば、それでもいいかもしれません。しかし、子どものスマホ使用について気になり、見るたびにイライラするのであれば、子どもとの合意のうえでペナルティを作っておくことをお勧めします。

 【3.不服申し立て制度】

 ルール、ペナルティの内容に問題があるときは再度親子で話し合います。

一度決めたルールやペナルティが適切であるとは限りません。どちらかというと適切でない可能性の方が高いかもしれません。そこで、問題がある場合は、再度話し合いで決めていきます。

 例えば、1日1時間は果たして現実的なのかどうか再検討します。1週間で5時間とか、平日はなしで週末に5時間など、さまざまな利用の設定が考えられます。

親のイライラは親子間で不信感が高まる原因に

 このようにルールが守れない場合は、曖昧化させるのではなく、再設定し、それを繰り返して、親も子も納得できるルールに落ち着けていきます。

 以上、スマホのルール決めについて書いてきましたが、その目的は子どもが勉強するようになることではなく、どちらかというと「親のイライラを減少させるため」になります。親のイライラによって親子間で不信感が高まり、勉強含めた生活全体に影響を与えるかもしれないからです。

 決められた枠の中で子どもが使用するのであれば、まったく問題ないと思います。もしそれでも問題であると感じるのであれば、それは、子どもに問題があるのではなく、ルールの設定に問題があると考えられるため、見直しするとよさそうです。

 スマホやゲームについてのルールは、初めて持つとき決めると大変スムーズなことが多いです。ぜひ参考にしてみてください。

子供の願いを完璧に叶えてはいけない…精神科医が「子育ては手を抜いたほうがいい」と助言するワケ

親の存在は子どもの成長にどう影響するのか。精神科医の斎藤学さんは「泣いている赤ちゃんを無視するような親のもとで育つと、思春期に大暴れするケースがとても多い。一方で、なんでも子どもの願いを叶える親の子にも、意外なリスクが潜んでいる」という――。

※本稿は、斎藤学『「毒親」って言うな!』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

赤ちゃんに不断の関心を払うのが「よいおっぱい」

イギリスの精神分析医(もともとは小児科医)のドナルド・ウィニコットは、「グッドイナフ・マザー」という言葉を提唱しています。滅多にいないほどの理想的な親ではなく、「まぁまぁ普通の親」という意味です。

子どもが生まれてすぐに親が感じるのは、何ひとつ自分ではできない、言葉にさえできない、赤ちゃんの無力さと脆弱(ぜいじゃく)さでしょう。親は「大変だ。必死で育てないと死んでしまう」と感じます。泣いていないか、布団をかぶって窒息していないか、何か異常なことが起きていないか、お腹がすいていないか、おっぱいは足りているのか、始終見張っていないと心配です。

「よい親」とは「よいおっぱい」ですから、タイミングよく授乳などの世話をしてくれる親。どうしてタイミングよく授乳できるかといえば、赤ちゃんに不断の関心を払っているからです。常に赤ちゃんに関心を持ち、ちょっとグズったら、「おむつ?」「おっぱい?」と世話をします。

現実的には、親の側にも生活がありますから、必ずしもタイミングよく世話ができないこともあるでしょう。しかし、少しくらいタイミングが遅れたとしても、泣いている理由がわからなかったとしても、赤ちゃんのことを気にかけて世話をしていれば、「まぁまぁ普通の親(おっぱい)」です。

「悪いおっぱい」の子どもは泣かなくなる

一方、生まれたばかりの赤ちゃんに“自分が世話をしなければ死んでしまう”という脆弱さを感じることができず、赤ちゃんが泣いているのを無視する場合は「悪いおっぱい」です。つまり「おっぱい」とは、個別の部分対象を指すというより、「場合」や「状況」を指す言葉なのです。

例えば家業の店を営んでいて、忙しすぎるような場合もあるでしょう。親に時間的な余裕がなく、おっぱいがほしくて泣いてもかまってもらえない。そういう場合に、あきらめてねだらなくなる赤ちゃんが現れます。これが「サイレント・ベビー」です。どんなにほったらかしにしておいても、ちっとも泣かず、おとなしくじっと待っている。母親がそばにいても静か。

子どもが思春期に突然暴れだすのはなぜか

こんな「まったく手のかからない子でした」というような子が、思春期になると手首切りから首吊りまでやってみせて大暴れする「自己愛性憤怒(ふんぬ)」という大爆発をすることがあります。というかそういう例が異常なほど多い。乳児期に一番大切な自己主張ができていないためです。「お腹すいたー!」とギャーギャー泣いて怒るという自己主張をやっておかなかったツケで、成長して言葉を持ってから爆発的に自己主張をして「毒親(悪いおっぱい)」を攻撃してしまうのです。

いずれにしても、子どもは少し成長すると、親の言うことを聞かなくなるのが普通です。喜ぶだろうと親が注文してくれたお子さまランチを見て癇癪(かんしゃく)を起こしたり、「さわっちゃダメよ」と言っておいたものに限って親の目を盗んでいじって壊したり。

また、自分も大人になりたい、ひとつ上の段階へ進みたいという要求(親をモデルにした理想的な自己に達したいという要求)も出てきます。だから、ひとりで階段を上りたがって、「危ない」と親が手を貸そうとすると、その手を振り払って暴れたりする。

自分の能力を試したい、ちゃんとやれることを示したいのです。こんなとき、「あらあら、つい最近まで赤ちゃんだと思っていたのに」と我が子の成長をほほえましく思うのは、まぁまぁ普通の親でしょう。

叱り、叱られを繰り返していくのが普通の親子

しかし、子どもは、まだ大人と同じようには行動できません。「こぼすよ、こぼすよ」と心配する親の手を振り払って運ぼうとしたみそ汁をぶちまけてしまい、イライラした親に「だから言ったでしょ!」と怒られる。これも普通の親子の姿。どこの家庭でもよくある光景です。

こんな騒ぎを繰り返しながら、まぁまぁ普通の親は、子どもが自分の手を離れていくことを、ちょっぴり寂しく思ったりしながらも許します。子どもというのは自分の思い通りになるものではないと悟(さと)り、少しずつあきらめていくわけです。同時に、子どもが生まれたばかりの頃は「将来は宇宙飛行士かオリンピック選手に」などと楽しい夢を描きますが、成長するにつれて「そういえば、この子は私の子だった」と思い直すので無謀な夢も消えてゆき、そこそこの願いに落ち着きます。

周囲にかわいがられて健全に育つ子には、半年もすると「自己愛的自己」の中核ができてきます。自分のことをいつも見つめ、一生懸命に世話をしてくれる両親、その瞳(ひとみ)に映る自己が「自己愛的自己」です。この自己はやがて「自己の歴史」を肯定的に語れるようになりますが、この頃の子どもは、「もし私がいなかったら親は生きていけるのだろうか」くらいに思っています。

6~7歳になると「王様」じゃないことに気づく

反対に親から叱られるときには、その目に映る“ダメな自分”を発見し、「批判的な自己」も生まれてきます。

「ごはんは全部食べなさい」

「遊んだらちゃんとお片づけしなさい」

などと言われて、“ごはんを残さずに食べた自分はいい子”や“片づけない自分は悪い子”というようなセルフイメージも作られていきます。

普通の子どもというものは、最初は誰でも傲慢(ごうまん)、無礼、傍若無人(ぼうじゃくぶじん)の王様状態。その“俺様的セルフイメージ”からだんだんに落ちぶれていくのが普通の発達です。6~7歳頃になると、子どもとして扱われる一人前でない自分を繰り返し認識させられます。

家でお母さんにかわいがられているうちはまだマシで、何しろ小学校にあがったら子どもたちの中でも一番小さいのです。

「1年生並んで」

「はーい」

と先生や先輩の言うことをよく聞いて行動しなければなりません。先生や先輩は、親ほどは自分に注目してくれないことにも気づきますが、それを我慢しなければならないことも学びます。これが、まぁまぁ普通の子でしょう。

「毒親」は「よいおっぱい」の中からも現れる

子どもの世話を放棄する親(悪いおっぱい)が「毒親」として攻撃されるのは、わかりやすいと思います。しかし、常に子どものことを気にかけて、タイミングよく世話をするよい親(よいおっぱい)の中からも、「毒親」とされる“過保護・過干渉型”の親が現れます。

まぁまぁのところであきらめずに、いつまでも子どもに影響を及ぼしたがり、子どもに高い望みをかけてがんばってしまう。いい加減に自分で判断させたほうがいい時期になっても、まだ子どもの判断をすべて自分の判断に置き換えてしまう。赤ん坊の頃と同じように子どもをしょっちゅう見張っていて、なんでもしてあげるエクセレントな(極上の)親です。

子どものほうもエクセレントだったりすると、早めにダメぶりを発揮して親をあきらめさせてあげられない。ずっと成績のよい子や最後まで脱落せずにがんばる子には、親のほうもいつまでも期待をかけてしまいます。

つまり、大人になってから「毒親」騒ぎを起こしている人たちの中には、世間一般から見ると、いい方向にずれすぎているエクセレントな親子も多いのです。早めにあきらめがつかず、人より長く勘違いが持ちこたえてしまったのでしょう。

子どもの希望をすぐに満たしてしまうリスク

まぁまぁ普通の親は、忙しくしているうちに夕方になって、子どもに「ごはんまだ~?」と催促(さいそく)されながら夕飯を作ることもあります。あるいは「もう今日は疲れたから、スーパーのお惣菜を買って帰ろう」ということもあるでしょう。

これに対してエクセレントな親は、子どもが「お腹すいた」と言う前に“そろそろお腹がすく頃だ”とタイミングを見計らってサッと食事を出す。子どもが欲求不満を起こす前に、なんでも満たしてあげてしまうのです。王様が「乳をもて」と言う頃合いを見計らっておっぱいをあげるので、王様はいつまでも自分が無力な子どもにすぎないという現実から目をそらして、王様気分を持ち続けることができます。

この場合、子どもは相当な努力をしないと親(多くは母親)との一体感を切り離し、「自己」というものを確立できなくなります。そもそも自己というものは、挫折(ざせつ)体験から生まれてくるものです。周囲からの逆風(つまり他者)がなければ、そもそも「自己」などという意識はいらないわけです。その逆風の極初期の一撃が「空腹」です。自分が周囲に受け入れてもらえないときに自己主張が強くなり、どうしてこんなに苦しいのだろうと思うときに自己意識が高まる。

子どもは挫折、屈辱を乗り越えて成長していく

万能感を持っていた幼児は、自分が万能でないことを知ったときに恐怖を感じて傷つきます。しかし、自分を説明する言葉を持ち、もう一度自己を定義していきます。何もできない小学校1年生に落ちぶれた子どもも、その屈辱を乗り越えて、また新たな自己を獲得していく。これを「成長」と呼ぶのです。ナルシシズムそのものは健康なもので、傷ついた自己像を修復して新たな自己像を求める心の働きも健康なものです。

自分の行動が適切でないとき、親に叱られるという経験も大切です。例えば、「熱いからさわっちゃダメ」と言われたガス台にさわろうとして強く叱られる。こういう親の怒声、叱声(しっせい)を“自分のためにやってくれている”と受け入れられるような人格ができると、社会化の段階になって外界との関係が楽に結べます。

自己が発達しないまま大人になるとどうなるか

ところが、エクセレント親子のように順風満帆で、羊水の中に漂っているような子どもは親と一体化していますから、自己はなくていい。いつも欲求不満をたちどころに解消できて、親に叱られることもなく生きていると自己は発達しません。幼児的な自己愛にとどまってしまいます。そのまま大人になると、自己愛が傷つくのを非常に恐れるようになります。

しかも、いつも先回りして自分の気持ちを汲(く)みとり満たしてくれる人のそばで生きていると、自己主張の技術も発達しません。自分の微妙な欲求を、周囲と折り合いをつけながら伝えていくことができなくなってしまいます。

自分を表現できないというモヤモヤを抱え、モヤモヤ部分の中心には表現したがっている自己がありますので、主張しようとすると「自分、自分」になってしまい、やや幼児的になります。これでは周囲に受け入れられませんから摩擦(まさつ)が起きます。

親は子どもに「適切な量の不満」を残しておこう

そう考えてみると、子どもの欲求を完全に充足しようという親の野心は逆効果。いつもグズったり不満があったり、たまには与えられるけど何か欲求不満が残る、そんな適切な量の不満を自分で解決していくことで自己が育ち、人格が育っていくのです。

トラウマとなるような危険な体験は、健全な自己の発達を阻害(そがい)します。けれども不満や逆風がなさすぎても自己が発達しない。では、“適切な量の不満”とか“まぁまぁの不満”とは、どんなものかという問いは無意味です。

胎児(たいじ)の状態から脱して以来、人間は常に欲求不満の中にあり、それを緩和(かんわ)しようとするさまざまな試みを強いられているのですから。で、そうしたアヒルの水かきのような水面下での努力と忍耐の中から、「自分らしさ」ないし「パーソナリティ(人格)」が生じてくるのです。

---------- 斎藤 学(さいとう・さとる) 精神科医 1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。 ---

中学受験しない子が、高校・大学受験を見据えて小学生のうちにやっておきたいこと

中学受験はしない予定だけれど、高校受験やその先の大学受験も見据えて、小学生のうちから学校の授業以上の学力を少しずつ付けていきたい。けれど、具体的には何をすればいいのかわからない……という悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか。
そこで、中学~大学の受験技術に詳しく、受験生の指導や教材作成経験をもとに『学習の作法』シリーズを書かれた天流仁志さんに、小学生のうちにやっておきたいことについて解説していただきました。

自由に学習計画を組めることが、高校受験組のメリット
中学受験をしない場合の小学生の学習ですが、まず子どもの興味に合わせて自由に学習計画を組めることが、高校受験組の最大のメリットであることを押さえてほしいと思います。中学受験の勉強にはよい面もありますが、難しすぎる算数(中学・高校の数学にはあまりつながらない)や、細かすぎる理科・社会の用語知識を覚えることに、多くの時間とエネルギーが必要とされます。好きな子であればよいですが、そうでない子にとっては、相当ハードです。

中学受験をしないのであれば、その時間を自分の興味のある教科に使うことができます。算数が好きな子は中高の数学まで学習を進めたり、中学受験組がこの時期手薄になりがちな英語に力を入れたりしてもよいでしょう。それ以外でも、自分のやりたいことをじっくり追求する経験は、将来的に「やりたいことがない」とならないためにも有意義なのではないでしょうか。

とはいっても、高校受験のときには教科の好き嫌いにかかわらず、すべてある程度のレベルに持っていかなければなりません。そのため、小学生のうちから学習習慣と、正しい学習方法を身に付けておくことが重要です。

学習は、好きなものから&易しいものをシンプルなやり方で
学習習慣を身に付けるには、小学校低学年や幼児のころから、親も一緒に取り組むことが有効です。このとき気を付けたいこととしては、親が教えるのではなく、「一緒にする」ということ。自分の勉強や読書でもよいので、隣で一緒に学習タイムを過ごすことで、日々学習することを「当たり前」と子どもが思うようにしていきましょう。

学年が上がってくると学習内容も難しくなり、勉強を嫌がることもでてくると思いますが、ゲームの前に学習、などのきまりを守ることで、「やるべきことはやる」という意識付けを図ってください。気分が乗らないときでも手を付けやすいように、学習は好きな教科から始めるとよいでしょう。エンジンがかかれば、苦手な教科もその勢いで取り掛かりやすくなります。

正しい学習方法、つまり「何を」「どのように」学習するかですが、学習内容が難しすぎたり多すぎたりすると、たちまちやる気がなくなってしまいます。保護者のかたにお伝えしたいのが、最初は易しい教材を使うことをためらわない、ということです。はじめて学習する分野や、苦手な問題に取り組むときには、易しい教材をできるだけシンプルなやり方で進めるとよいでしょう。音読するだけ、書きこむだけ、といったシンプルな学習法なら、子どもが初めて見る内容でもできないことはありません。最初のハードルを下げて入り口をクリアすることを最優先し、レベルはあとから上げていけばいい話です。

教科別! 押さえておきたいポイント/おすすめ学習法/学習目標

【■国語(全教科):「読解力」を高める】
国語をはじめ、どの教科でも必要になるのが「読解力」です。読解力が不十分だと、他の教科でもいずれつまずいてしまうので、小学生のうちから意識して読解力を高めていきましょう。

読解力にも、いくつか要素があります。一つは語彙(ごい)力や、文章の背景知識といった知識事項。もう一つ大きいのが、文章の読み方です。感情移入して物語を読む読み方などとは異なり、文章全体の構造を客観的にとらえて、しっかり理解する練習をしておいたほうがよいでしょう。

そのための素材としておすすめなのが、中学生向けの理科・社会の参考書や、『岩波ジュニア新書』『ちくまプリマー新書』といった読み物です。高校入試で必要な知識量は、難関中学入試よりかなり少ないので、中学生向けの参考書は、理屈の理解を重視したものがけっこうあります。またジュニア向けの新書は、幅広いジャンルがそろっているので、さまざまな知識や語彙力を付けるうえでも役に立ちます。

語彙力でいうと、参考書で太字になっていない普通の言葉の意味がわからず、つまずいている子が少なからずいます。辞書をひいても載っている説明が難しいことがあるので、普段の生活の中で「この言葉わかる?」と確認するなど、大人が気にかけたいところです。教材や本を選ぶときは、子ども向けに言葉の意味を解説しているかどうかもポイントです。

入試まで遠く、日々の学習の目標を立てにくい高校入試組ですが、外部の検定を利用するとよいでしょう。国語では、「文章読解・作成能力検定」が新傾向の高校入試問題にも傾向が合っていておすすめです。また、「ことわざ検定」も語彙力を高めるのに効果的です。

有名な「漢検」は、どうしても漢字の書き取り練習がメインとなり、意味や読みが手薄な対策教材が多い印象です。ただし採点が細かいので、きちんと漢字が書けているかの確認として、中学の早いうちに受けておくとよいでしょう。高校入試の国語では、漢字が正確に書けていないために減点対象となることがあるので、ていねいに字を書く動機付けになります。

【■算数:「図や表を使った分析力」を身に付ける】
大学入試まで見据えると、数の性質の問題で表をかく練習や、図形の移動の問題でいくつもの図を作成する練習は、ぜひ早いうちから取り組んでほしいと思います。算数でも数学でもよいですし、公立中高一貫校の適性検査にも、よい問題がたくさんあります。大切なのは、「自力で」図や表をかいて考えること。とっかかりとして「お絵かき算数」という、問題文を自分で絵にかいて表す手法も使えそうです。

計算スキルについては、四則演算(小数、分数を含む)はしっかり仕上げておきたいですが、中学受験算数で要求されるような複雑な計算は、よほど好きな子でない限り必要ないと思います。特に小数の計算は、中学・高校ではほとんど出番がありません。ただし、大体の見積もりができるようにしておくことは、他教科においても重要です。理科や社会でも概算は頻出ですし、高校生が多く受ける英語試験「GTEC」にも、概数計算をする問題が出題されています。

目標として、「思考力検定」はまさに図や表で考える問題ばかりなので、おすすめです。数学に進んで「数学検定」を目標にしてもよいでしょう。中学・高校で習うベーシックな内容が主なので学習しやすく、役立ちも実感しやすい検定です。

【■英語は、「読む、聞く(+話す)」を中心に】
英語のいわゆる4技能(読む、書く、聞く、話す)でいうと、バランスとしては「聞く」を多めに「読む、聞く(+話す)」力をつけていくとよいでしょう。親世代から様変わりしており、中学教科書の音声は速くて長いので、ついていくのが大変です。高校入試のリスニングテストも、地域による差はあるものの、量もスピードも段違いです。小学生のうちから聞き取りの力を伸ばしておくと、だいぶ楽になります。

日本人にとって大きな壁といえる、英語の「発音」「リズム」「後置修飾」の3つは、小学生のうちに身に付けたいものです。「後置修飾」とは、たとえば「the book on the desk」(机の上にある本)のように、後ろから前の単語を修飾する使い方のことです。この「英語では、後ろから前を修飾することがよくある」という構造の違いを知っておくと、内容がとらえやすくなります。

「発音」「リズム」を身に付けるためにおすすめしたいのが、英語の歌です。拍やリズム、発音を意識しながら聴き、自分で歌えるようになると、英語を聞き取る耳ができてきます。よくある童謡ではものたりない場合、最近は日本のヒット曲でも、たいていバイリンガルのかたが英語バージョンを歌う動画をYouTubeなどで見つけることができます。

目標として、「英検」は有名ですが、現在の英検は3級からライティングが必須で負担が重いので、まずは「TOEIC Bridge」、「JET」(ジュニアイングリッシュテスト)、「TOEFL primary」などから始めるとよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS
小学生のとき自由に学習計画を組めるというメリットは、主体的に学ぶ姿勢にもつながるのではないでしょうか。まずは学習習慣を付け、検定などを活用しながら、正しい学習方法を身に付けるサポートをしていきましょう。
(取材・文/荻原幸恵)

プロフィール
天流仁志(てんりゅう・ひとし)
北海道生まれ。公立の中学校から鹿児島のラ・サール高校に進学し、そのカルチャーショックから受験技術の研究を始める。東京大学在学中から、複数の塾・予備校でさまざまな学力層の生徒を指導し、現在はGLS予備校の教務主任。学習参考書マニアでもある。著書に、『学習の作法(増補改訂版)』(中高生向け)、『学習の作法 実践編 中学生のための勉強法』、『学習の作法 中学受験・中学入学準備編』(小学生向け)など。

小学校と中学校受験、どっちが大変なの? メリットとデメリットから比較

「みらのび」1周年を記念して12月5日、幼児教室「こぐま会」の久野泰可代表と、教育家・小川大介先生をお招きし、『受験を支える親の力~小学校と中学校受験、どっちが大変なの?』の対談イベントを開催しました。

合計で500人を超える方に視聴いただいたイベントを、2回に分けてレポートします。小学校入試と中学校入試それぞれのメリットとデメリット、受験という機会をとらえて親はどんな力を身につけたら良いのかなど、様々な疑問にお答えいただきました。

増加する小学校と中学校受験の現状
最初に「みらのび」の平岡妙子編集長が、増加が著しい小学校と中学校受験の現状について解説しました。

2022年度入試の首都圏での主な私立小・都立小の志願者数の速報データが下の表です。洗足学園小学校(神奈川県川崎市)は、HPにも「本校では卒業生のほぼ全員が、有名国私立中学校へ進学しています。

進路サポートルームがあります」とはっきりと書かれていることもあり、中学受験も視野に入れた志願者が増えています。東京農業大附属稲花(とうか)小学校(東京都世田谷区) は、1年生から毎日英語科のカリキュラムがあることで人気です。

全国で初めてとなる都立の小中高一貫校、都立立川国際中等教育学校附属小学校は驚くほどの志願者を集め、倍率は30・98倍となっています。

中学校受験も過熱する一方です。下記の表は首都圏の小学校6年生の児童数と中学受験者数の推移です。リーマンショック後に減ったのですが、2015年を機に増加を始めました。

2014年に文科省が大学入試改革をすると発表したことで、親がいろいろと不安を感じたことが要因になっていると思われます。さらに来年2月の2022年度入試はこれまでの模試の受験者数から、昨年度比103%の増加になると予想され、過酷な受験になると言われています。

これだけ増加していると聞くとどうしたら良いのか、親は不安になってしまいますよね。 中学校受験があまりに過酷なので、小学校から受験した方が良いのか。でも、それも大変なのではないかと悩みが尽きません。このことを踏まえて、久野先生と小川先生にお話をいただきます。

こぐま会久野代表が語る「小学校受験のメリットとデメリット」
小学校受験には教科書がありませんし、どんな問題が出るかという情報が学校側からほとんど開示されていないのが特徴です。
また、小学校受験は主に「ペーパー試験」「行動観察」「三者面接」の3つの総合点で評価されます。

これは中学校以降の受験との大きな違いで、対策しようにも学習のやり方がわからないところに難しさがあります。そのため、過去問を使ったトレーニングに陥るケースが多くあり、子どもに相当大きな負担がかかりますし、教え込みの教育は将来の子どもの成長の芽を摘み取ってしまいかねません。

小学校受験をメリットにつなげるには、学びのスタートとして小学校受験を考えて、その後につながる力をどう育んでいくか、というとらえ方が大切になります。こぐま会で最も大切にしているのは、「子どもの主体性をどう育てるか」ということ。

小学校側は、「自分で考え、判断し、行動できる子」を評価していると思います。主体性を育むために大切になるのが、親子関係の取り方です。ポイントは3つあります。1つ目は、一緒に学ぶことの前に、まずは一緒に遊ぶ経験をいかにもつか。子どもは遊びの中で学ぶのです。

2つ目は、「子どもを信じる」こと。信じることによって子どもの成長に期待し、それを見守る姿勢が大事です。

3つ目は、「試行錯誤する時間を大切に」する。幼児期には、知識を与えるのではなく、子ども自身が失敗を繰り返しながら試行錯誤する時間が大切。大人はその時間を辛抱強く待つことが必要です。

ある小学校から「子育ての総決算として入試を受け止めてください」とメッセージがありました。幼児教室に預けて訓練をして入試に臨むのではなく、学びは生活や遊びの中にあるもので、年齢にふさわしい学びを重ねる。その先に入試があると考えるべきだと思います。

小学校受験に挑戦することをメリットにするためには、将来の学びの基礎となる「考える力を育てる」ことを目的に考えてもらいたいです。実際、最近の入試問題は考えさせる問題がとても多いです。試験の合否に関係なく、幼児期に考える力を身につけることは次のステップにつながっていくのだと受け止めていただきたいと思っています。

小川先生が語る「中学校受験のメリットとデメリット」

「成果主義で評価する」親が子どもを潰す納得理由 子どもにはその大人の常識は通じない

ここ数年、中学受験は過熱の一途をたどっています。日能研の推計によれば、2021年の首都圏の中学受験人口は6万1700人で、中学受験率は20.8%。東京都に限れば3万1300人で、中学受験率は30.6%にもなるそうです。漫画『二月の勝者』(小学館)がテレビドラマ化されたこともあり、今後いっそう注目を集めていくことでしょう。


中学受験は、子どもが勉強に打ち込み、能力を伸ばしていくための機会として、大変すばらしいものです。親子で困難にチャレンジし、二人三脚で乗り越えて成功をつかむストーリーにも、多くの親が憧れるでしょう。しかし、その負担は体力的な意味でも精神的な意味でも、親子ともにとても大きなものです。負荷が大きすぎて子どもをツブしてしまう危険とつねに隣り合わせなので注意が必要です。


ここでは、『小学生の勉強は習慣が9割』の著者で、20年の指導経験を持つ菊池洋匡氏(中学受験「伸学会」代表)に、「仕事ができる親」にありがちな「子どもを潰してしまう原因」を伺いました。


「成果を出す方法を考えられる子」は少ない

 私がこれまでに指導してきた生徒たちの親御さんは、多くは高学歴で、社会的にも高い地位にいたり、専門的な職業に就いたりしている方でした。私立の中高一貫に子どもを6年間通わせようというのですから、ご家庭には経済力が必要です。「中学受験をさせよう」という親御さんに競争社会を勝ち抜いてきた方が多いのは、当然のことかなと思います。


 そのような方の中には、「成果主義での評価が公平・公正」で、「どうやって成果を出すかを考えることまでが大事なこと」と考えている方がいらっしゃいます。確かに、この考え方自体は間違いではありません。ただし、「中学受験をする年齢の子どもは、まだ人生経験が短く、大人に比べて能力的にとても未熟である」ということを考慮すると、この考えには落とし穴があります。


 大人であれば、しかも上場企業や外資系企業などの優秀な人材が集まる場であれば、成果を出す方法まで自分で考えさせることもできるでしょう。


 ヘタに手取り足取りやり方を指導すれば、相手は「決められたとおりのことしか、させてもらえない」と感じ、仕事に対してのモチベーションが下がってしまうかもしれません。自主性を尊重し、自分で考えさせる割合を大きくすることが必要になってきます。


 しかし、中学受験に挑むのは10~12歳の子どもです。自分で成果を出す方法を考えられる子は、大人に比べてグッと少数派になります。10人中、2~3人くらいといったところでしょう。


 このことがよくわかる、ハーバード大学のフライヤー教授らが行った有名な研究があります(※)。

 この研究では、250以上の学校において、小中学生を対象に「ご褒美」による成績アップの効果が検証されています。「ご褒美」が与えられる条件をいろいろと変えてみて、どういう条件のときに子どもの学力が伸びるかを比較検証しているのです。


 「ご褒美」の対象は大きく2つに分けることができました。1つは、「学力テスト」や「通知表の成績」といった「成果」に対しての「ご褒美」です。もう1つは、「本を読む」「宿題を終える」「授業に出席する」といった「行動」に対しての「ご褒美」です。


 大人の感覚だと、「行動」に対してご褒美を与えてもいい成果は得られないのではないか、と感じてしまいます。「表面的でうわべだけの行動に終始して、成果につながらない無駄な行動が増えてしまうのではないか?」「やはり結果にコミットすることが大切なのでは?」と。


勉強のやり方がわかっていない子どもは多い

 しかし、成績アップにつながったのは「行動」にご褒美を与えた場合でした。「成果」に対してご褒美を与えた場合には、成績アップはほとんど実現されませんでした。


 なぜこのような実験結果になったのでしょうか?

 確かにどちらのパターンでも、子どもたちはやる気になりました。しかし、「成果」に対してご褒美が与えられた場合には、子どもたちの「勉強する」といった具体的な行動は増えませんでした。ご褒美が欲しくても、具体的に何をしたらいいかわからず、行動を起こせなかった子どもが多かったのです。行動を起こさなければ、成果も得られないのは当然のことですよね。


 それに対して、「行動」にご褒美が与えられた場合には、やることが明確なので、行動できた子が多くなりました。「本を読む」「授業に出席する」といったいい行動が増えたため、成績もよくなったというわけです。


 これは、ご褒美目当ての場合に限った話ではありません。成績を上げたい。クラスアップ(上級クラスに入ること)したい。志望校に合格したい。目標が何であれ同じです。多くの子どもは目標があっても、それを達成するために何をしたらいいかわかりません。だから、何もできないまま時間ばかりが過ぎていくことになります。


 仕事ができる親御さんは「目標を達成するために、何をすべきか考える」ということを自分が当たり前にできてしまうために、「子どももできるはずだ」と思い込んでしまうことがあります。そして、それを考えないのは「やる気がないから」「サボっているから」と判断してしまい、やる気を出すように子どもを追い込んでしまいます。


 これは子どもをツブす原因となるので要注意です。


わが子は「部下」ではない

 仕事であれば、極論、部下は「代替可能」です。「何をすべきか考える能力がない部下は切り捨てていく」という方針は、会社の利益を最大化するための戦略として選択肢の1つです。能力のある社員だけが選別され、生き残っていく成果主義のシステムは、うまく機能する場面もあるでしょう。


 でも、わが子はそうではありません。そうですよね?


 わが子を成績アップに導きたければ、子どもに寄り添いながら、子どもに勉強のやり方から教えていくことを心がけることが必要です。まずは「能力の不足」と「やる気」の問題を分けて考えることから始めてください。とくに、子どもが相手の場合には、ほとんどの問題は「能力の不足なのだ」と思っておきましょう。


 初めのうちは、目標を達成するために「何を」「どれくらい」「いつ」やるのか、考えるのを手伝ってあげてください。そして徐々に手放して、本人だけで考えられるようにしていきましょう。このようなトレーニングをして、能力を身につけさせてあげればいいのです。


 以上、仕事ができる親が陥りがちな子育ての落とし穴でした。自分の常識や感覚を子どもに押しつけると失敗します。その自分の感覚や常識は、「今」「大人の自分が」できることで、「子どもが」できることではないからです。


 成果を出すための「PDCA」的な考え方や、効率のいい学習法などは、年齢を問わず普遍的です。それを教えてあげることは、とてもいいことです。ただ、身につけさせるためには手厚いフォローが必要です。しっかりフォローしてあげてください。そうすれば、お子さんの能力を引き出し、成績アップや受験の合格に導いてあげられますよ。


(※)The Power and Pitfalls of Education Incentives

「大丈夫!」「大したことないよ」もNG?子どもに言うべきではない5つの“有害な”フレーズ

© ハフポスト日本版

子育てをしていると、親なら誰でも、あまり自慢できないようなことを言うものです。子どもたちは私たちの心を揺さぶるのが驚くほど上手ですが、私たちは常に優しさや思いやりを持ってその時に臨めるとは限りません。(つまり、こういうことです。今朝、私は未就学児の目をまっすぐ見て、ミトンをはめていないと警察に逮捕されるよと彼に言ってしまいました)

幸いなことに、専門家によれば、親が時々「間違った」ことを言うのは問題ないばかりか、普遍的なことなのだそうです。親はそれについて恥や罪悪感を感じるべきではありませんし、より大きな視野で考えることも大切です。子どもたちは、安全で、愛されていて、自分らしくいられると感じるでしょうか?そうです。言葉の“誤爆”があったとしても、それは変わりません。

しかし、親や子どもに関わる大人がついつい使ってしまう言葉の中には、私たちが意図する以上に子どもたちにダメージを与えてしまうものがあります。

ここでは、気をつけるべき5つの言葉と、代わりに言うべきヒントを紹介します。

1. 「大丈夫!」や「大したことない」

子どもが遊び場で転ぶと、どうしても「大丈夫!」の大合唱になります。

同様に、子どもが比較的穏やかそうな問題の真っ只中にいるときもです。例えば、遊んでいたおもちゃを友達に取られたとか、年上の子どもが学校での他愛のないことを話したとか、それほど深刻そうには思えないとき、私たち親の多くはこう答えるのです。「大したことではない」と。

その気持ちはよくわかると、専門家は言います。

「Mindful Little Minds」の創設者で、心理学者のサラ・コンウェイは、「私たちはしばしば、子どもが悩んだり傷ついたりしているときに、気持ちを楽にしたり落ち着かせようと、子どもに(これらのフレーズを)口にします」と説明します。

「私たちは、私たちが大ごとにしなければ、子どもたちも大ごとにしないと思っているのです。しかし、私たちが子どもにこのようなことを言うと、子どもは否定されたと感じ、耳を傾けてくれないと感じるのです」

もし子どもがこのメッセージを頻繁に聞いていたら、難しい瞬間や感情について、私たちを信頼できないと感じるようになる危険性がある、とコンウェイは述べています。

また、自分自身の感情も信頼できないと感じ始めるかもしれません。だから、「泣くのをやめなさい」という似たような言葉も問題なのです。(こちらも効果はありません。注意:泣いたりかんしゃくを起こしたりするのは、低年齢の子どもには発達上適切なことです)

子どもたちに反射的に「大丈夫」「大したことない」と言う代わりに、とても簡単な方法を紹介します。

「その代わりに、『大丈夫?』と言ってみましょう」とコンウェイはすすめています。

「これは、子どもたちに、私たちは彼らがどう感じているかを気にしており、彼らは私たちと感情を共有することができるというメッセージを送るものです」

2. 「あなたはいつも...」や「あなたは決して...」

まず第一に、「いつも」や「決して」という言葉は、ほとんど真実ではありません。しかし、特に自分自身を理解しようとしている子どもたちには、その通りになると思ってしまう言葉になる可能性があります。

心理学者で「The Psychologist’s Child」の創設者であるキンバリー・ベネットは、こう述べています。

「親である私たちからこれらのメッセージを聞いた子どもたちは、それを信じるようになります。そして、そして自分自身を定義するためのレッテルを貼るような行動が多く見られるようになります」

可能な範囲で見方を変え、子どもたちがあなたが好きではない行動とは逆のことをやっているときに気づくようにしましょう、とベネットは促しました。

「たとえば、私たちが『あなたはいつも弟に乱暴だ』と言っているとき、弟に優しく、愛情深く、親切にしている状況に気づいて、それを一緒に祝ってあげましょう」とベネットは言います。また、あなたが他の大人に自分のことを肯定的に話しているのを子どもに聞かせるのも効果的だと言います。

また、子どもがあなたの気にいらない行動をしたときは、一緒に問題を解決しようと誘ってみましょう、とベネットは言います。

例えば、「こうならないようにするには、どうしたらいい?」「次にそのように感じたら、どうしたらいい?」といった質問をするのです。

3. 「あなたが〇〇をすると悲しくなる、怒る、嬉しくなる」

「多くの親は、このフレーズを使うとき、子どもに共感について教えていると考えています」とコンウェイは言います。「しかし、このフレーズは、子どもたちに、私たちの大きな感情の原因は自分にあり、それを管理する責任は自分にあるというメッセージを送っているのです」

最終的に、子どもたちは大人たちを動揺させることを恐れて、自分の人生の中で物事を隠すようになるかもしれません。また、幼児や未就学児、小学校低学年の子どもには、物事を別の側面から見るという「遠近法」は発達上不可能であることも覚えておいてください。

もちろん、親がしっかりと境界線を引いて、子どもがそれを超えたら介入してはいけないということではありません。

「共感についてのレッスンは別の機会にして、事実だけを伝えるようにしましょう。相手の気持ちを理解した上で、『私はあなたに〇〇させないよ』という言葉で境界線を明確に示すのです」とコンウェイは言います。

4. 「失礼のないようにして。ハグをして」

これは、家族が集まるホリデーシーズンや、就寝直前に、子どもが乗り気でなくても、親が祖父母や従兄弟にハグをするように促すときによく出てくる言葉です。(私は、心理学者やセラピストから、この禁句を何年も前から教えてもらい、様々な育児の話に取り組んできました。そして、今でも時々、ハグを嫌がる7歳の子どもに、お別れのときに祖父母とハグするように促すことがあります)

しかし、そのようなときに私たちが子どもに教えていることは、子ども自身の境界線は重要ではないということだと、Psyched Mommyの創設者であるアシュリナ・リームは述べています。

「私たちが子どもに誰かをハグするように強制するとき、あるいは子どもがまだ準備ができていないのに謝るとき、私たちは子どもに、他人を喜ばせるために演技をする必要があると教えているのです」とリームは説明します。

「私たちは、例えば、親戚を抱きしめるのに体が不快に感じて、とにかくそれをする場合、体が送る信号を無視する必要があると教えているのです」

この境界線は、親が子どものためにしっかりと守る必要があるかもしれません。こぶしを突き合わせたり、軽くキスをしたり、さようならやおやすみなさいと手を振ったりすることでも、まったく問題ないことを伝えてください。(リームは、「自分にとって心地いいのはどれ?」と聞いてみて、と言います)

自分の体の声に耳を傾けながら、相手への敬意と愛情を示すことができるのだと、子どもと相手の大人を安心させてあげましょう。

5.「そんなことない!」

「実は最近、私自身がこのようなことをしているのを発見したんです」とリームは言います。

彼女の息子は、「誰も自分と遊びたがらない」と言ったそうです。「直感的に『そんなことない!』と言いたくなりました。あるいは、10代の女の子が『私ってブスだから』と言ったとき、私たちの本能は『そんなことないよ!』と言うでしょう。なぜなら、子どもたちが傷ついているのを聞くと、私たちも深く傷つくからです」

しかし、子どもが何か気になることを話してきたときに、親が直感的に「そんなことない」と即答してしまうと、子どもは私たちが自分のことを信じていないと聞いてしまう、とリームは警告しています。あるいは、自分の直感や読みが信用されていないのだ、と。

「たとえバカなことを言っているとしても、それが彼らにとっての現実なのです。間違っていると言うのは、私たちの仕事ではありません。彼らの話を最後まで聞くのが私たちの仕事です」とリームは言います。

その代わりに、好奇心を持ち、次のような質問をしましょう。

「なぜそう思うの?」

覚えておいてください。親としての私たちの仕事は、そうしたいのはやまやまですが、子どものためにすべてを解決することではありません。

また、常に完璧な台本を用意することでもありません。

私たちの仕事は、子どもたちが今後ずっと、良いこともつらいことも、すべての感情を安心して私たちに打ち明けられるようにすること、そして打ち明けられたら、それに真摯に耳を傾けることです。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。

「親の英語の教え方」が子どもに決定的な影響を与えるワケ

子育て世代の英語教育熱は年々、高まる一方だ。昨年から小学校で英語が正式教科となり、さらに今年から始まった大学入学共通テストでは英語の出題パターンが刷新されるなど、英語学習を取り巻く環境が大きく変化しているからだ。

いまや、日本の大学ではなく海外の大学に直接進学するケースも珍しくない。そのため、子どもが学校で後れを取ったり大学受験で失敗したりしないように「家庭で英語をどう教えればいいのか」、「どうすれば英語力が伸びるのか」と悩む保護者も多いだろう。

そこで参考になるのが、元イェール大学助教授で現在は英語塾の代表を務めている斉藤淳氏の著書『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)だ。

本稿では、「親の英語の教え方」が子どもの英語力に決定的な影響を与える理由を解説する。

「学校英語=役に立たない」という状況に変化の兆し

 日本の学校で教える英語は「実践的な技能が伸びない」「社会に出てから役に立たない」などとこれまでたびたび批判されてきた。実際、仕事や海外旅行でいざ英語を使う場面になっても、思うように話したり聞き取ったりできなかった、という経験をした人もいるのではないだろうか。

 しかし、今後は「実用的な英語力は学校では身につかない」という状況が変わるかもしれない。子どもたちが早い時期から英語に慣れ親しみ、コミュニケーションツールとして実践的に習得できるようにしようと、昨年から新しい学習指導要領のもとで小学校での英語教育が必修化されたためだ。

小学校で英語を必修化するメリットとは?

 これにより、「聞く」「話す」を中心とした「外国語活動」の開始は5年生から3年生に前倒しとなり、年間35コマ導入された。この「外国語活動」は教科として扱われてはいないため、成績評価の対象にはならない。

 一方、5・6年生では英語が正式な教科になったので、成績がつくようになった。内容としては、「聞く」と「話す」だけでなく、「読む」と「書く」学習も加わり、授業時間は3・4年生の2倍で年間70コマとなっている。

 この必修化には、初歩的な英語力を小学生の間にきちんと身につけることで、中学校から始まる本格的な英語学習にスムーズにつなげる狙いがある。また、英語学習に対する子どもたちの苦手意識をなくし、ポジティブな動機づけを促す機会にもなる。

英語の教え方に悩む保護者は多い

 小学校での英語必修化にはメリットがある一方、保護者には不安要素もある。親世代の多くが小学生時代に学校での英語学習を経験していないため、家庭での適切な学習方法がわからず、自分の子どもに英語を教えることに自信を持てないという点だ。

 小学生の段階で「英語嫌い」になってしまうと、中学校以降の英語学習でも苦手意識を持ち続けてしまうケースは少なくない。それだけに、「自分も苦手だったから教えられるか不安」「どうすれば英語好きになってくれるのかわからない」など、英語学習にまつわる親の悩みは尽きない。

英語を教えることに教員も不安を感じている

 さらに、学校で指導する教員の側も、英語を教えることに不安を抱いているケースが少なくない

 英会話教室を運営するイーオンが実施した、現役小学校教員が対象の「小学校の英語教育に関する教員意識調査 2021夏」では、実際に小学校 5-6 年生の英語を「教科」として教えた教員のうち、授業運営が「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」と回答した割合が計27%だったのに対し、「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「あまりうまくいっていない」と答えた割合は計33%だった。

 小学校3・4年生の「外国語活動」を担当した教員の場合も同様で、「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「あまりうまくいっていない」と答えた割合(計24%)が、「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」と回答した割合(22%)を上回った。なかでも、スピーキングの指導に苦労しているという。

 2019年度に実施された文部科学省の調査によると、現役の公立小学校教員のうち、英語の教員免許状を所有する割合はおよそ6%だった。教員の英語力向上も今後の課題と言えよう。

大学入試でも求められる英語力に変化

 また、英語教育のありかたが変化しているのは小学校だけではない。これまで実施されてきた従来の大学入試センター試験に代わって今年からスタートした大学入学共通テストでも、英語の出題パターンが大きく変化した。

 以前から検討されていた「聞く・話す・読む・書く」の4技能を測る英語民間試験の活用は見送られたが、今年1月に実施された初めての大学入学共通テストでは、実用的な英語やリスニング能力を重視する傾向が目立った。

 具体的には、リスニングの配点がこれまでの2倍の100点となり、逆にリーディングは200点から半減して100点となった。また、発音やアクセントを単独で問う問題はなくなり、デジタル情報の読み取りや複数の資料を基に考える実践的な設問が特徴的だった。

家庭での英語教育の重要性が高まっている

 このように、学校で英語を学び始める年齢が早まり、大学入試で問われる能力も変化するなか、子どもの総合的な英語力を着実に伸ばしていくためには、学校だけでなく家庭での英語教育もきわめて重要になってくる。

 そこで、家庭での英語学習の強い味方になるのが、元イェール大学助教授で現在は英語塾の代表を務めている斉藤淳氏の著書『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社刊)だ。

 次回以降の連載では、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』より一部を抜粋・編集し、英語力がよく伸びる子の特徴や、「英語が大好きな子」を育てるための環境づくりなどについて紹介していく。

私立中学に進ませたいけどお金がない…どうすればいい?

私立中高一貫に進みたいと長男に言われているが……

「私立中学に進ませたいがお金が十分でない」という相談を受けることがあります。子供を私立に入れてもわが家はやっていけるのでしょうか? その判断はどうしたらいいのでしょうか。

お金の悩みを抱えるAさんの悩み

Aさん夫婦は、私立中高一貫に進みたいと長男に言われて、経済面での問題に頭を抱えています。

<Aさん一家のプロフィール>

Aさん:会社員35歳(年収650万円)

妻:専業主婦

子供:長男小6、次男小4

住まい:持家

現在の貯蓄:300万円(200万円は教育資金)

年間の貯蓄可能額:70万円(できれば住宅ローン繰上返済したい)

年収が600万円あれば私立の中高一貫校に行かせられる?

Aさんは、家も買ったばかりで、手元の資金はあまりなく、受験の準備をする塾に通っているため、塾代もかかり、年間の貯蓄は70万円程度しかできそうにありません。

子供の成績が伸び、親からは「公立にしよう」と言い出せずに今に至ってしまいました。年収が600万円あれば中高一貫校に行かせられる、などという雑誌の記事も目に入り、なんとか大丈夫なのかなと、悩んでいます。

私立の教育費は「大学卒業までの10年間」で考える

大まかな捉え方として、私立の期間は年間100万~150万円かかるものと考えましょう。私立中高一貫校に入学するということは、中・高・大と10年間、その費用が発生し続ける可能性があるということです。これが、子供の人数分、かかるのです。

Aさんの場合には、多い時で年間200万~300万円の教育費負担に耐えなければならないことになります。これが可能かどうか。そこから考えてみてください。

教育費負担は可能?

年間200万~300万円の教育費負担が可能かどうかを測るために、次のように考えてみましょう。まずは、現在の「わが家の教育に充てられる上限額」を知るのです。

<A家の「わが家の教育に充てられる上限額」>

長男の塾代……年間約100万円

次男の塾代……年間約30万円

現在の貯蓄可能額……年間約70万円

合計……200万円

Aさんの家で、現在教育に回せる最大のお金が200万円と見ることができます。数字を見れば、学費があまり高くない学校を選ぶなどすれば可能な範囲と考えられます。でも、繰上返済はもちろんしばらくお休みでいいのですが、車の買替費用も、大きめのレジャー費用も、購入10年目の家のお手入れ費用などの準備にも手が回らないほどギリギリの状態となります。

ですので、妻の働き方を変えてみてはいかがでしょう。

妻の働き方を考える

A家では奥様が専業主婦ですので、健康状態や親の介護といった事情がなければ、働くことも考えられるでしょう。それによって、上限額を増やすことも可能です。

たとえばパートで年間90万円の収入を増やした場合はこうなります。

<A家の「わが家の教育に充てられる上限額」>

妻がパートで年間90万円の収入を増やした場合

長男の塾代……年間約100万円

次男の塾代……年間約30万円

現在の貯蓄可能額……年間約70万円

妻の収入……年間約90万円

合計……290万円

足りない時は、教育資金用貯蓄の200万円を取り崩していけば、どうにかなる範囲と考えられそうです。

派遣社員や正社員になるなどで200万円くらいの手取り収入を増やした場合には、さらにゆとりができます。社会保険料が引かれたり、夫の側の扶養控除がなくなる影響も出ますが、実質的な収入は増えます。

<A家の「わが家の教育に充てられる上限額」>

妻が働き、収入が200万円くらいになった場合

長男の塾代……年間約100万円

次男の塾代……年間約30万円

現在の貯蓄可能額……年間約70万円

妻の収入(手取り)……年間約180万円

夫の手取り減……年間▲約5万円

合計……375万円

これくらいのゆとりができれば、車の買替費用も、大きめのレジャー費用も、購入10年目の家のリフォーム費用などの準備にもお金を回すことができますね。

筆者のつぶやき

受験を決める前には、学校見学をして学校の雰囲気を肌で感じ、教育方針なども聞いて、子供に合っているかどうか、よく確認することも大事です。「みんなが行くから」「成績がいいから」ではなく、本当にその学校でないといけないのかを判断しましょう。

文:豊田 眞弓(マネーガイド)

「子どもへの声かけ」が家庭不和をチャンスに変える!?

いままでの当たり前が大きく変わった昨今。家族が家にいる時間が増えた結果、「どうやって対応したらいいかわからない!」という場面が多くなったという声が聞かれます。仕事や家事に集中したいという気持ちから、何気なく話しかけてくるわが子につい、きつい言い方をしてしまうと悩む人も…。

 

「子どもと衝突する親は、子どもへの第一声を工夫するといいでしょう」と、国内外の学校運営や生徒指導に長く関わってきた足立啓美先生は指摘。子どもへの声がけの問題点を、具体的なシーンに則して紹介します。

【その1】オンライン会議中、子どもが部屋に入ってきたら?

在宅勤務をする人が増え、オンライン会議も一般的になりましたが、会議中に子どもが声をかけてきたり、画面に入ってきたり…という経験をした人も多いと思います。そんなとき、どうしたらよいのでしょうか。

押しつけの「Youメッセージ」ではなく気持ちを伝える「Iメッセージ」を

「会議中は部屋に入ってこないで」と伝えたのに、それを子どもがすっかり忘れて部屋に入ってきてしまった…そんなときつい、感情に任せて「あっち行って」などと言ってしまいがちです。

 

これは主語が“あなた”になる、“Youメッセージ”と言われるもので、相手を責めたり避難したり、行動を変えさせたいという指示をするように伝わり、本当に伝えたいことが相手の心に届きにくくなります。親子関係を悪くすることになりかねませんし、子どもの自主性を育てません。


この場合の適切な声かけは、“Youメッセージ”ではなく、「お母さんは会議中なんだ。あなたが一緒に映ってしまうと困っちゃうの」「(お母さんは)この会議、集中して終わらせたいな」という“私”が主語の“Iメッセージ”で伝えることです。

“Iメッセージ”の声がけは、自分も相手も尊重するコミュニケーションの一つで、相手の言動によって自分がどう感じたのか、相手に何を理解してほしいのかを素直に伝える効果があります。ですから、子どもがみずから考えて次の行動を選択・決断することにつながります。お母さんが集中して早く仕事を終わらせるには、別の部屋に行ったほうがいいんだな、などと子どもが考え、行動してくれたら大成功です。

自分で考えて、行動する子どもの成長につなげる“Iメッセージ”はさまざまな場面で利用できるそう。日ごろから親子の会話で意識して使うことをおすすめします。

× ネガティブワード:「あっち行って」「入ってこないで」「邪魔しないで」

○ ポジティブワード:「お母さんは集中して会議を終わらせたいな」

子どもと話し合って見通しを立てておく

そもそも、前もって“何時から仕事なのか”“いつから大事な会議があるのか”ということを丁寧に子どもに伝えておくことも大切です。親は仕事に集中でき、子どもも気持ちよく過ごせるように、見通しを立てて、それぞれがどのようにしたら良いかを話し合っておくと良いでしょう。

過ごし方を決めていくポイントは、親が一方的に決めるのではなく、子どもと話し合うこと。誰でも一方的に決まりを押しつけられたら気分はよくないものです。お互いが納得のいくアイデアを出し合ってみましょう。

たとえば、オンラインの会議中はドアの前にホワイトボードなどに「会議中」と書いておいておくのも、子どもが見通しを持つためには効果的です。子どもは時間の感覚の終わりを認識しにくいので、ホワイトボードには時計の絵を描くなどして、終わりの時間を書くなどの工夫も必要です。見通しを立てる力を育てることは、今後のテスト勉強やスケジュール管理にも役立っていきます。

【その2】オンライン会議があるのに部屋が汚いとき。何と伝える?

突然入ったオンライン会議に慌てふためいて、片づけるように子どもに怒鳴る…なんてことにならないようにしたいもの。常日頃から子どもに協力してもらって部屋をきれいに保てるのが理想ですよね。そのためにはどうしたらよいのでしょうか。

大切なことは、“親子で片づけの大切さについて共通認識を持つこと”と“ルール決め”です。ルールについては、置き場所や片づけの時間を決めたりと、既に工夫されている方も多いかもしれませんが、そもそも片付けがなぜ大切なのでしょう?子どもと話し合う機会はなかなかないかもしれません。

片付けは、家族みんなが気持ちよく過ごすために大切であり、家族の一員として協力しあって取り組むことなのだと実感できると、責任感とともに、子どもの意識も変わってくるでしょう。

命令や脅しはNG! 家族の一員としての責任感を育てる

部屋が散らかっていると、「何回言ったらわかるの!」「部屋を片付けて!」と一方的に命令してしまいがち。感情的に命令され、そのときは片付けたとしても、結局継続しないことも…。片付けの大切さとともに家族の片付けルールを理解していたら「洋服が落ちているね」「プリントが山積みだね」と状況描写をするような声かけをするだけで気がつくこともあります。

また、部屋が散らかっている状態で嫌な思いをしているのは、親だけかもしれません。「お母さん部屋が散らかっていると気持ちよく過ごせないんだ。一緒に片付けよ!手伝って欲しいな」と伝えて一緒に片付けるのも良いでしょう。

よく言いがちな、「片付けないなら捨てるよ」と脅すのはNGです。このような脅しも長い目で見て片付けの習慣の定着にはつながりません。

× ネガティブワード:「部屋が汚い!部屋を片付けて!」「片付けないなら捨てるよ」

○ ポジティブワード:「部屋がキレイだと、みんな気持ちいいね」「一緒に片付けしようか!」

ルールは一方的にならないようによく話し合う

親の言い分を伝えたらもちろん、子どもの言い分も聞きましょう。部屋を片づける必要性について双方が納得し、現実可能なルールを決めてみましょう。オンライン会議や授業では、個人的なものも映り込んでしまう可能性がありますし、簡単に録画することもできます。片付けないことで起こるリスクについても話し合うことで、片付けへの理解が深まることもあります。

また親は、在宅での仕事が増えているという現状を考慮して、完璧にきれいな状態を目指すより、会議ができるスペースが確保できれば良いくらいの気持ちに余裕が持てると良いかもしれません。コロナ禍のような非常時は、自分や周りへの期待値を高く持ちすぎないことも大事です。

育児をしていると、つい親の都合で「~しなさい」と言ってしまいそうになりますが、子どもを一人の人間として尊重することはとても大切な視点。「子どもの気持ちはどうなんだろう?」という考えを、常に頭の片隅におきながら子どもと接するようにすると、親子でよりよい関係が築けます。

子供と親は相互に影響しあって関係性を育んでいきます。子どもが家族の一員としての責任感を感じられることは、家族での所属感を育てることにつながり、逆境に負けない力(レジリエンス)を育てることにもつながります。

片付けを通して、家族の一員である実感と責任感を持てるとよいでしょう。

【その3】「ゲーム、タブレットをやめられない」ときはどうする?

コロナ禍により学校でもタブレット等のデジタルデバイスがますます積極的に活用されるようになりました。その延長線上で、ゲームや動画視聴などの時間も増え、親子げんかに発展する家庭も少なくないようです。

アメリカ小児科学会のガイドラインによると、メディア関連の養育には、4つの重要な点があるとされています。この4つとは、会話、教育、共同視聴、家庭内ルールです。

一番にルールを守ることを考えてしまいがちですが、メディアに触れる子どもとの会話を持つことや、一緒に見てみることも大切です。「新しいゲームなのかな?どんなの?」「今、どんな調子なの?面白いね!」などと子どもの熱中するものに興味を示してみてみましょう。子どもの好奇心も満たされていきます。

同時に、タイミングを見て、「携帯やパソコンってブルーライトが出ていてね。長い時間見ると目に良くないって書いてあったよ」などと、リスクについても伝えていくことが大事です。その上で、家庭内のルールを守れるようにサポートしていきます。

特に家庭内のルールは親が一方的に決めてしまいがちですが、子どもが納得して約束を守れるように、子供と話し合って現実的なルールを一緒に作ることが大事です。

しかしながら、ルールを守ることに頑なになりすぎるよりも、家族が良い時間を創り出すために、デジタルメディアを上手に利用できると良いでしょう。

ルールを守れなかったときの対応も子どもと話し合う

いざルールを決めたからと言って、それで終わりにはなりません。時にはなかなかゲームや動画視聴をやめないこともあるでしょう。大人でもゲームやインターネットはおもしろくてついついやめられないことがありますよね。

ゲームや動画を見始める前に「楽しそうなゲームだね。30分遊べるよ。5分前になったら知らせようか?」と言葉で伝えたり、終わり時間の前に「あと5分だよ。楽しいところで止めるのは難しいね。でも約束守らないと明日は使えなくなっちゃうものね」などと、気持ちを受け止めながらもルールを守ることを促す声がけをすることも忘れないようにしましょう。

× ネガティブワード:「いい加減にしなさい!」

○ ポジティブワード:「ゲームについて教えて」「あと30分遊べるね」

ときにはルールの更新も必要

ルールは柔軟に見返していくことも大切です。これだけやったけれど、それでも守れなかったときは、また話し合ってルールを更新していきましょう。根気よく、お互いが納得のいく落としどころを模索しましょう。

もちろん、完璧な人はいませんし、うまくいかないときもあります。時に親子喧嘩になってしまうことも…。しかし、そんなうまくいかない経験も次への学習材料として受け止めつつ、進めていきましょう。

PROFILE 足立啓美(あだちひろみ)
一般社団法人日本ポジティブ教育協会代表理事。小学校や適応指導教室などでレジリエンス教育の講師を務める。著書に『子どもの心を強くするすごい声かけ』(主婦の友社)ほか。

取材・文/田賀井リエ

「早慶よりお金がかかり、進学実績は未知数」それでも"河合塾の中高一貫"に生徒が集まるワケ

東京都調布市にあるドルトン東京学園は、河合塾が経営する中高一貫校だ。2019年に開校した。初年度納付金は148万円で東京都の私立中学校の平均を上回るのにもかかわらず、偏差値は難関校の粋に達している。どんな教育をしているのか。子育て・教育ナビゲーターの中曽根陽子さんが取材した――。

詰め込み型教育への問題意識から生まれた教育メソッド

ドルトン東京学園は、2019年に東京都調布市に開校した新設校です。初年度から注目を集め、2021年度の予想偏差値は男子54~64、女子55~64(首都圏模試調べ)に達しています。

同校は文字通り、ドルトンプランを取り入れた国内唯一の中高一貫校です。

ドルトンプランは、今からおよそ100年前に、米国の教育家ヘレン・パーカーストによって提唱された、学習者中心の教育メソッドです。画一的で型にはめようとする教育のスタイルから、子供の関心や感動を中心に、より自由で生き生きとした教育体験の創造を目指そうとする自由教育として、当時ブームとなりました。しかし、いわゆる目に見える学力が身につかないという批判や軍国主義に傾く世論に押されて、その思想が根付くことはありませんでした。

それが100年たった今、ドルトン東京学園が開校したことで、再び注目されています。しかも、経営母体は河合塾です。河合塾と言えば、大学受験の大手予備校として、これまでの教育システムを支えてきた側のはず。なぜ今、学習者主体のドルトンプランを取り入れた学校を作ったのでしょうか。

そこで2020年から校長を務める荒木貴之さんに、21世紀にドルトンプランを取り入れた学校が作られた理由やこの学校が目指す教育、この学校で何を実現していきたいのかを聞きました。

「学びに没頭している子供の環境を重視する」という共通点

なぜ、河合塾が最先端に振り切った教育へチャレンジしているドルトン東京学園を作ったのでしょうか。それは、5年後・10年後が予測できない変化の時代だからです。

荒木校長はこう話します。

「学校教育は、時代の最先端を意識しなければなりません。本校で学ぶ生徒たちが社会に出るとき、テクノロジーは今よりずっと発展していることでしょう。中学・高校という成長が著しい時期に、固定化された教育メソッドではなく、新しい手法やツールを積極的に取り入れた、個別最適化された学びを体験している必要があります」

河合塾とドルトンプランのつながりは、幼児教育から始まっています。河合塾は1970年に、2才から12才までの幼児・児童の知能開発を目的として、ドルトン教育を実践する英才教育研究所を開設しました。その後アメリカのドルトンスクールと提携し、名古屋と東京で、幼児教育の教室と小学生のアフタースクール事業を展開しています。中高の開設は、先代理事長の夢だったとか。

「ドルトンプランは、学びに没頭している子供の環境を整えることを大事にしているのですが、その辺りの考え方は、河合塾と一致しているところかもしれません」(荒木校長)

授業で使うPCはあえて一括購入しない

ドルトンプランが作られた100年前は、1クラス70人という大教室で授業が行われていたので、とても学習者主体の教育などできませんでした。それが現在1クラスの人数が半分になり、教育にICTが取り入れられるようになったことで、ようやく、ドルトンプランの「自由と協働」という理念が実現できる下地ができたと言えるのかもしれません。

実際、ドルトン学園の1クラスの人数は25人。これくらいのサイズであれば、教員はすべての生徒の様子を把握することができそうです。それに加えて、生徒は一人一台のPCを持ち、それを活用した授業が行われていました。

PCは家庭で自由に購入したものを使う、BYOD(Bring Your Own Device)方式を採っています。授業で扱いやすいからと学校で一括購入するケースが多いのですが、ドルトン学園があえて同じものを与えていない理由は、PCは文房具のレベルになっているから。自前のものを使い勝手の良い文房具として活用したほうが学びやすいという考え方です。

教師と生徒の契約によって作られる学習プラン

新型コロナウイルスの影響によって公立小中学校でも、学校教育にICTが取り入れられようとしているなか、私立ではだいぶICT活用も進んでいます。では、ドルトン東京学園の教育は、どこが他と違うのでしょう。

ドルトンプランは、「アサイメント・ラボ・ハウス」という3つの柱によって組み立てられています。大きな特徴は、定期テストがなく、生徒と教師の契約によって、カリキュラムが組み立てられていることです。そして、異年齢集団による学び、好きなテーマについて探究を行う時間があります。1つずつ説明しましょう。

【アサインメント】

これは、学びの羅針盤とでもいうようなものです。ドルトン東京学園には、定期テストがありません。先生と生徒が契約をして、4〜8週間単位で学びを進めていきます。その際、いつまでに何をし、何ができるようになるかを把握できるようにしたものがアサインメント。学習内容ごとに用意されており、学習の目的や到達目標、方法、手順などが示されています。進捗も含めて、生徒の情報はすべてクラウド上で管理され、保護者にも公開されます。

まるでハリーポッターの世界、「ハウス」の役割

【ラボラトリー】

自由に学ぶマインドやスキルを身につけ、研究室で学ぶかのように自分の探究を行うことができる時間です。通常の時間割の中にラボラトリーの時間が組み込まれており、生徒は自分の学びたいことや必要な科目を選んで、事前にネットで予約したラボに参加します。

中学生は、全員が同じテーマについてグループ学習をする「基礎ラボ」と、先生が各自の得意分野から設定する「探究ラボ」があります。例えば、「英語で数学を教えるラボ」というようなものがあります。荒木校長も、自分が気象予報士の資格を取りたいとずっと思っていたので、この際生徒と一緒にチャレンジしようと「気象予報士になろう」というラボを立ち上げたそうです。

また、来年から高等部ができるので、通常の大学受験にも対応できるラボも立ち上げる予定だそうです。これには、河合塾のリソースを活用できるというメリットがあります。最先端の教育を行いながらも、既存の教育にも対応しているところが、人気の理由の一つかもしません。高校で予備校いらずになれば、保護者にとっては安心材料の一つでしょう。

【ハウス】

異学年の生徒で構成される、自治的な生徒コミュニティのことです。ドルトンプランの理念である「自由」と「協働」を体験的に学ぶ目的があります。すべての生徒が、縦割りの4つのハウスに所属し、朝のミーティングや行事をハウス主体で行います。

「ハリーポッターの世界を想像していただければわかりやすいでしょう。中高は、思春期の子供たちを預かります。思春期の成長には有能な他者が傍らにいることが大事なのですが、この時期の子供たちは、先生や保護者への信頼が下がる時期でもあります。反対に信頼できるのは友達や先輩です。この時期は、年齢が近い集団で育ち合うことが大切で、それを可能にするのがハウスというシステムなのです」(荒木校長)

学びや交流が生まれる仕掛けのある校舎

開校して3年の真新しい校舎。入り口すぐの階段を上がった先には、3階まで吹き抜けになった広いホールが広がっていて、開放感が溢れていました。ガラス張りの図書室の前には、カラフルな椅子とテーブルが置かれたラーニングコモンズ。反対側には畳敷のスペースが。また3階に続く宝塚ばりの大階段は、プレゼンテーションの舞台にもなるなど、生徒たちが思い思いの場所で過ごしながら多様な学びや交流が生まれる仕掛けが随所にあります。

生徒たちは、学習指導要領の範囲を超えて、自由に学んでいますが、そのフィールドは、学校の中だけでは完結しません。まだ中学校しかありませんが、教員によって組織されたキャリア教育部から呼びかけて、東大金曜特別講座を受講したり、ビオトープを作るラボに国立環境研究所から科研費をもらって研究を進めたり、企業からのオファーをもらって、VRやARの実証研究を行ったり、さまざまな活動が行われています。

「実験的な学校なので、成長にいい影響があると判断したら躊躇せず取り組んでいきたいですね」と荒木校長。

親に求められる「子供を信じて見守る覚悟」

また、現在STEAM(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)専用の校舎も建設中です。今も実験室やラーニングコモンズなど、生徒が自由に学べる施設はありますが、さらにこれを充実させて、生徒がサイエンスやアートなどの学びに集中できる環境を整えるのだとか。

授業でもプロジェクト学習がたくさん行われています。当然、生徒は失敗をしますが、教員は、それをどれだけ容認できるかが問われます。

実際、生徒の一人が、「この学校は安心して失敗させてくれるから、思い切っていろいろなことにチャレンジできる。学校が楽しくて仕方ない」と目を輝かせて話してくれた様子が印象的でした。こんな学校なら、自分のやりたいことを思う存分探究できそうです。

一方、子供を通わせているある保護者は、「先生は『もう少し、じっくり見守りましょう』と言ってくださるけれど、やる気が見えない息子を、親としてはどこまで見守っていればいいのか、ハラハラすることもある」とその胸のうちを語ってくれました。

子供の意欲をどうやって引き出すのか。学習者主体で自主性を尊重する教育ならではのジレンマでしょう。子供を信じて見守る覚悟が、親にも必要です。

「生徒たちが自ら考え、協働していくためには、生徒たちの考えを否定しないこと。誘導ではなく考えを引き出す関わり方をして、生徒の自由な発想を応援していきたいと思っています。中高は、子供たちが社会に接続をしていく大切な期間です。ある時に集中した経験は、他にも応用できます。できるだけ生徒の手にまかせていきたい」と荒木校長は熱く語ります。

「知的好奇心やチャレンジ精神に溢れた子供たちを歓迎している」ということですが、その学校に入るためには、厳しい受験勉強をしなくてはならないのが現実。

中学受験においても、知的好奇心やチャレンジ精神も含めて多面的に評価してもらえるように、入試の多様化が進むことを願います。

保護者の金銭的負担は重いが、今必要とされる教育の形

まだ高等部ができていないので、進学実績はありませんが、留学や海外大学への進学を希望する生徒も多いといいます。これまでの東大を頂点とする偏差値主義の教育とは一線を画す、多様な進路に進む生徒が出ることが期待されます。

それにしても、東京都の私立中学における令和3年度初年度納付金の平均が97万176円(入学金25万9706円、授業料48万2162円、施設費3万7881円、その他19万421円)なのに対して、ドルトン東京学園の初年度の納付金は148万円(入学金40万円、授業料93万円、施設維持費9万円、教育充実費6万円)。東京都の私立中学校で3番目に高い金額です(東京都「令和3年度 都内私立中学校の学費の状況」より)。保護者の負担は重いのが事実です。

でも、これだけの施設と、少人数制によるきめ細かい教育を受けられるというメリットもあります。

現時点では、こうした教育が受けられるのが一部の人に限られてしまうのが残念ですが、正解のない時代においては、生徒一人ひとりの中から湧き出る学びへの意欲を喚起する教育が必要とされています。「学習者中心主義」で、生徒一人ひとりが自分の立てた目標に向かって学習を進めていく教育は、今、求められているはずです。

100年前からある教育が、ICTという新しい道具を手に入れることで成功することで、日本の標準教育システムとして広がってほしいと思いました。

---------- 中曽根 陽子(なかそね・ようこ) 子育て教育探究ナビゲーター マザークエスト代表。出版社勤務後、女性のネットワークを活かして取材・編集を行う、編集企画会社を発足、代表に。「お母さんと子どもたちの笑顔のために」をコンセプトに、数多くの書籍をプロデュースした。その後、教育ジャーナリストとして、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆する傍ら、海外の教育視察も行う。ポジティブ心理学コンサルタントも取得し、最近は子育て教育探究ナビゲーターとして、親に寄り添った発信をしている。最新刊『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの探究力の育て方』(青春出版社)他著書多数。 -------

「教育には保育園より幼稚園」と誤解する人の盲点 幼児期の「教育の質」は「遊びの質」に左右される

 親が働く家庭は保育園、専業主婦(夫)家庭は幼稚園という選択が一般的ですが、このところ預かり保育を充実させる幼稚園がふえてきて、親が働く家庭も幼稚園を利用できる場合も増えています。保育園、幼稚園の選択、どう考えたらいいのでしょう。

3歳からは幼稚園に転園すべき?

 保育園に通ってきた家庭が「3歳から幼稚園にしたほうがいいのかな」と迷う話を聞きます。保育園は「預かってくれるところ」で「教育」はやっていないという誤解もあり、不安になってしまうようです。そもそも幼児期の教育をどう考えるかという本質的な問題がありますが、まず、基本的なことを説明しておきます。

 認可保育園は、厚生労働省が所管する「児童福祉施設」で、幼稚園は文部科学省が所管する「学校」です。この制度上の定義の違いが、「幼稚園では教育してくれるが、保育園は教育の場ではない」というイメージを与えているのではないでしょうか。

 これは昔からある誤解で、定められている教育内容は同じです。詳しく説明すると、国は保育内容の基準を、保育園に関しては「保育所保育指針で、幼稚園に関しては「幼稚園教育要領」で定めています。どちらも教育に関しては「ねらい及び内容」が健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域にわたって示されており、共通の内容になっています(ただし幼稚園教育要領は3歳以上児に関する内容のみで、保育所保育指針は0歳児と1・2歳児についてもそれぞれ示されている)。

 つまり、制度としては、どちらも同水準の教育を行うことになっているということです。そうしなければ、義務教育の小学校への接続に支障が出るからです。

 ちなみに、内閣府管轄の幼保連携型認定こども園も、教育については同じ内容の基準が定められています。この基準をベースに実際にどんな教育を行うかは、保育園も幼稚園も園ごとにかなり違っています。教育の考え方や手法という点では、保育園だから幼稚園だからというよりも園による差のほうが大きいかもしれません。

 今、保育園や幼稚園に「習い事」を求める保護者がふえています。何か特別な時間を設けて教室的な指導をすることを「教育」と考えているためだと思います。

 正規の保育時間内に子どもたちを集めて体操や音楽、英語などの指導を行うことを「習い事的な保育」と呼ぶとすると、その実施率は、公立と私立で大きな違いがあり、認可保育園・幼稚園ともに私立のほうが高い傾向にあります。私立の認可保育園と幼稚園では、あまり大きな違いはありません。ただし、幼稚園は正規の保育時間が短いため、午後に課外活動として有料で選択制の「習い事」を取り入れている園も多くなっています。園は教室を貸しているだけで、外部の事業者が実施している場合もあります。

 これに対して認可保育園は、正規の保育時間そのものが11時間(短時間認定では8時間)と長いので、課外活動をやる時間はありません。正規の保育時間内に「習い事的な保育」を行う園もふえてきています。大半が無料で実施しています。

 私立の保育園・幼稚園で「習い事的な保育」や「習い事」の実施がふえているのは、保護者のニーズに合わせているためです。そのニーズはどちらかというと「習い事をさせないと周りの子に遅れてしまう」と保護者に思わせる商業ベースの空気感によるものにほかなりません。一種の「習い事神話」が広がっている状況です。

 ちなみに公立の認可保育園・幼稚園が「習い事的な保育」をあまり行わないのは、「遊びを通して学ぶ」という保育所保育指針や幼稚園教育要領の理念に忠実な保育を目指している園が多いこともあります。

幼児期の「教育の質」は「遊びの質」

 保育所保育指針や幼稚園教育要領が「遊びを通して学ぶ」ことを大切にしているのには、理由があります。それは、乳幼児期の子どもの発達が、子ども自身の主体的な活動によって最もよく促されることがわかっているからです。好きな遊びに夢中になるときや、友だちと一緒に遊ぶとき、子どもの心や体は最も活発に活動します。

 子どもの遊びは、五感で感じること、体を動かすこと、頭を働かせること、心を働かせること、仲間とコミュニケーションをとることといった多様な活動を自然に促し、心身を発達させます。

 特に、大人や友だちとの「かかわり」の中で育まれる自己肯定感や意欲、共感性、自制心、社会性などは「非認知能力」と呼ばれています。教育政策についてまとめられたOECDの報告には「社会情動的スキル」(非認知能力)は将来の学力等の伸びにもつながるものであり、早い時期から育成することが望ましいと書かれています。

 このため、保育園や幼稚園は、子どもが集団でいて、遊びの中で「かかわり」を深められる場であるという特性を活かすことが期待されています。

 子どもの遊びが充実しているかどうかは、保育(教育)の質を測る重要な指標になっているのです。保育者の働きかけや保育環境を工夫して子どもの遊びを豊かに広げられるかどうかは、保育者の専門性が試される部分です。室内や戸外の遊びの環境が豊かで、子どもが生き生き活動している園は、通り一遍の「習い事」よりも優れた教育プログラムをもっていると言えます。

自由時間が少ないのは逆効果

 反対に、大人の指示・命令で動かす一斉活動が多すぎて、自由な遊びの時間が少なくなっているような園は、「教育の質」が低下している恐れがあります。

 2016年に保育園・幼稚園の子どもの運動能力を計測した調査で、特別な体育指導を行なっていない保育園・幼稚園の子どもの平均値ほうが、指導を行っている園の子どもの平均値よりも高かったという結果も出ています。

 「3歳から幼稚園?」と思っている人は、現在通っている保育園の保育に満足していないのかもしれません。もしも満足していて、子どもが喜んで通っているのであれば、そして保育者との信頼関係ができているのであれば、わざわざ転園する必要はありません。

 園生活について親子が安心できていることは、大きな財産です。親は余計な心配をしないで仕事ができるし、子どもは信頼できる保育者に見守られて安心できます。安心できれば、元気いっぱい遊ぶことができて、心身の健やかな育ちが促進されます。

 この観点からもう一度、今通っている園や子どもの様子を観察してみてください。そして、転園先候補の園の保育についても、見学したり保育者の話を聞いたりして、どちらがわが子に合っているか見きわめてほしいと思います。

 なお、転園先が保育園か幼稚園かに限らず、転園を検討したほうがよい場合もあります。たとえば、次のような場合です。

園庭がないのにお散歩も少ない

幼稚園の基準では園庭は必須ですが、認可保育園の基準では公園で代替してもよく、園庭のない園がふえています。園庭がないのにお散歩も少ない園は、この時期の体の発達に必要な運動量を確保できていない可能性があります。体操教室などがあっても、戸外遊びは十分に確保する必要があります。

幼児が少ない

低年齢児中心の認可外園などでは、3歳以上児が少ない場合があります。数人いれば仲間遊びができますが、1人とか2人になると、小さい子どもたちの中でぽつねんとしてしまう時間があるかもしれません。

保育者がきつい・子どもが怯えている

子どもへの当たりがきつい、怒鳴る、侮辱する、閉じ込める、体を乱暴に扱う、といった保育者の行為は問題です。こういった不適切保育は子どもの心に悪影響を与える場合があります。

「保育園から幼稚園」に転園する際のチェックリスト

 転園先として幼稚園を選ぶ場合、念のために次のことをチェックしておいたほうがよいでしょう。

預かり保育:保育時間、保育日(長期休暇中も含め)、保育の内容(部屋の中でビデオを見せているだけという園もあった)、お昼寝の有無(年少で長時間保育の場合、お昼寝がないと困ることも)などは確認しておきましょう。

給食:保育園は必ず調理室があって園内調理の食事が出ますが、幼稚園はない場合も多いでしょう。外部の業者から食事を搬入している場合は、どんな食事内容なのか、お弁当の日はあるのか、どのくらいあるのか、などが気になります。

行事等:保育園では行事を土日に設定する場合が多いのですが、幼稚園は平日の日中に行事やPTA活動などを行うところも少なくないようです。仕事を休みにくい人は、行事日程にも注意しましょう。

働く親への理解:上記のことに関係しますが、親が働いている家庭の事情を理解し、応援してくれているかどうかは見ておく必要があります。預かり保育を実施していても、母親が働くことに賛成ではない園もあって、いろんな場面で対立してしまうこともあります。

 保育園も幼稚園もさまざまです。保育園にしても幼稚園にしても、園生活をしっかり見て選ぶことをお勧めします。

夢を叶えるには?子どもが本気になる本田圭佑さんのアドバイス

子どもの頃は様々な職業に憧れますが、実際に夢を叶えるのは難しいですよね。以前サッカー選手の本田圭佑さんが、小学生に夢を実現させる方法を教える動画を公開。サッカー界で活躍してきた本田さんはどのように頑張ってきたのでしょうか?

大切なのは自分で考え抜くこと!
まず本田さんは動画冒頭で、サッカー選手を目指している子どもたちに週何日練習しているか聞きます。2日という答えに対し、“週2回の練習で日本代表になれると思いますか?”と尋ねました。

「なれない」と返答する子どもたちに、本田さんは「それ(週2日の練習では代表にはなれない)を自分で考えないと」と、アドバイス。そして練習がたりないのは子どもの知識でもわかるのだから、あとは自分でどう練習するか考えようと説きます。

別の場面では子どもにトップ(FW)のコツを聞かれ、“トップとは何か”を逆に質問。まず子どもの答えを引き出そうとする本田さんの指導に、子を持つママたちからは「他人からやれって言われるよりも、自分で考えた方が続けられるよね」と絶賛の声が尽きません。

自分で考えさせる方法は、サッカーに限らず子どものやる気を引き出すのに役立ちそうですね。

どこまで頑張ればいい?
自主的な練習が重要だと教える一方で、本田さんはどれくらい頑張ればいいかもアドバイス。話を聞いて週7日練習するという子どもに、休むのも大事だと切り出します。

人間は練習をいっぱい頑張ると強くなる前にケガをしてしまうと説明。ケガをするレベルの練習はやりすぎなので、まずは自分の限界を探ってどのタイミングで休むべきかを学んでほしいと伝えていました。

また、サッカー以外の遊びについても言及。ちゃんとサッカーの練習をするなら、空いた時間でゲームなどをしてもOKだと語っています。実際、本田さん自身も子どもの頃はゲーム好きだったそう。

バランスよく練習を続けてきた本田さんの言葉に、視聴者からは「スポーツ選手ってずっと練習漬けなイメージだったのでびっくり」と驚きの声が。「しっかり息抜きしてるからこそ頑張れるのかも」「大人でも勉強になった!」など称賛する人が相次いでいます。

意識を高く保つのが重要!
本田さんは2019年に公開した動画でも、どうやってサッカーの練習をしてきたかを伝授。例えば“指導者が悪くても自分で何をすべきか考えてメニューを構築”“レベルの高い環境をイメージしたトレーニング”をおこなうことで、周囲の環境に左右されない練習をしていたようです。

ほかにも常に意識を高く持ち、「『周りにいるお前らとは違う』って言い聞かせてた」と話す本田さん。そしてこれら3つの練習方法をできたのは、根性や才能があったわけではなく、父や祖父母が人生の行き先を教えてくれたからだと言います。

本田さんの説明に感心する人は多く、「子どもが夢を諦めないように親はサポートしないとな」「夢を挫折しかけていたけど励まされた」といった声も。

子どもの夢を応援したい人はもちろん、自分の目標がある人も本田さんの教えを参考にしてみてはいかがでしょうか。

文/内田裕子

参照/本田圭佑公式YouTube「小学生に本田圭佑が語る『夢』を叶えるには...」https://www.youtube.com/watch?v=Ty9GbJ2iMD4

本田圭佑公式YouTube「《 VISION 》10代で簡単に夢を諦めてはいけない」https://www.youtube.com/watch?v=zCss5WcHkeM

学童の多すぎるメリットに感動し…母はまさかの決断を

横峰沙弥香連載「へたのよこずき」バナー横峰沙弥香連載「へたのよこずき」バナー

長男のまめ(6歳)が放課後、毎日通う学童クラブ。

 

そこで勤しむ謎の工作の仕上げに付き合わされ、結局仕事を圧迫しているのではないか…と思わないでもないのだけれど、良かったこともたくさんありました。

学童はメリットいっぱい!その結果、思わず私が取った行動は

例えば通学。心配性な私は学童クラブの集団下校に参加させることすら怖くて、毎日迎えに行っていたのですが、1か月もたたないうちにまめの方から「集団下校に参加するから、もうお迎えはいらない」と断られました。

 

今では学童クラブが終わると同じ交通機関を利用するメンバーで集まってバスに乗り、最寄りのバス停から15分ほどひとりで歩いて帰ってきます。正直、こんなに早く自分で帰ってこられるようになるとは思わなかった。

 

それからコマまわしが上手くなった。上級生にコツを習ったらしい。

 

天体について面白く話してくれる友達のおかげで、天体に興味を持って熱心に星の本を読むようになった。

 

仕事にかかりきりになりがちな私たちとだけ過ごしていたとしたら、こんな成長が見られたとは思えません。

横峰さん連載イラストP1横峰さん連載イラストP1

そうか、学童クラブは単に「働く親が保育を頼むためだけの場所」ではなくて、私がフォローしきれない遊びと学びの部分を子どもたち同士で補い合う場所でもあるんだ。

 

感動した私は学童クラブの運営委員の一員となり、また仕事を増やしました。

横峰さん連載イラストP2横峰さん連載イラストP2文・イラスト/横峰沙弥香

私立高校の就学支援金、両親の年収目安は? 在学中でも申請は可能?

制度の改正によってどのように変わった?

世帯年収の判断基準

入学時だけでなく在学中でも申請は可能

支給期間は原則36月

まとめ

【受験指導の現場から】生涯年収、中学・高校入試で最初の決着はついている!? 学力勝負はリスク大!

 「学力・学歴と年収とのあいだには(比較的)高い相関がある」ことについて、「そうあるべきではない」と考える人はいても、「それは事実ではない」と現実を否定することは難しいだろう。

 高学歴偏重主義者と誤解をされたくないので念のため付言しておくと、筆者は「日本は適度な実力主義、競争社会でありつつも、生活は一億総中流が理想」と考えている(今さら実現可能かどうかは別の話)。いわば、対外的には国益主義者であっても国内的には社会主義者である。無論、ごく一部のスター選手や名優、名経営者などが1億円プレーヤーであることに異議があるわけではない。

 もちろん、社会人として生きていくためには、相応の教養は必要である。「日本人の9割に英語はいらない」と題する著名人の著書もあるが―筆者も同書の(タイトルではなく)内容には首肯できる―英語は教養ではない。コミュニケーションや情報収集のためのツールである。

 逆に、生活をしていくためには、社会や理科の知識はけっこう役に立つというか、必要となる場面は少なくない。では、算数はどうか? 

日本の算数教育の「帰結」

 筆者は、高校を卒業した生徒を“受け入れている”学校で―あえて“受け入れている”としたのは、基本「全入」だからである―就職試験対策講座の講師も務めているのであるが、つい最近、愕然としたというか、唖然としてしまったことがあった。

 数学(算数)を受け持っていたクラスが複数あり、カリキュラム進行や期末試験の内容は揃えるようにしていたのだが、以下は前期末試験問題の中の1問である。

問題1 ある品物を定価の3割引で3個買い5000円を支払ったら、お釣りが800円だった。この品物の1個の定価はいくらか。

 小6になったばかりでも、塾に通っている生徒であれば、おそらく8割方の生徒は正解できるレベルの問題だろう。ところが、担当していた100名以上の学生のうち、ざっくり、正答は3割、誤答が4割、空欄が3割といった様であった。

 誤答者のほとんどは「1820円」と書いている。「なぜ?」と思いながら問題文の下のスペースに書かれている式を見ると、売価が1個1400円であることには辿り着いているのであるが…、なぜかその後 ÷0.7とせずに×1.3と計算している。検算をしている様子もない(むしろ検算しないということのほうが仕事の進め方という側面では問題が大きいかもしれない)。

 さすがに、「数学は苦手」と言っても、原価・売上・利益、値引き・売価…など、損益が計算できないようでは、就ける職業(職種)は相当に限られてしまいそうだ。

 さらに、算数(数学)が苦手な生徒・学生は、数字に対する勘が鈍い。例えば、以下の問題は同じ前期末試験問題の中の1問である。

問題2 20%の食塩水150g、12%の食塩水250g、7%の食塩水400gをすべて混ぜ合わせると何%の食塩水になるか。

 食塩水の濃さに関する問題には、大きく分けて4通りの解き方があるのだが、最も基本的な解き方であれば、塾に通っていれば小6になったばかりの生徒でも、半数以上は正解できる(だろう)。

 にも関わらず、解答欄に「20」よりも大きい数字を書いてくる学生が1割以上いる(正解者は2~3割)。算数がすべてではないにせよ、中学・高校教育の何かがおかしいと思わざるを得ない。

我が子の適性に合ったフィールドは?

 文部科学省の「学校基本調査」によると、2020年度は「高等教育機関(大学・短期大学、高等専門学校および専門学校)への進学率は83.5%で過去最高となった。そのうち大学・短期大学への進学率は58.6%、大学進学率は54.4%、専門学校進学率は24.0%で、いずれも過去最高」だそうだ。

 しかしながら、誤解を恐れずに言えば、中・高校入学の時点で、すでに学力面での最初の階層化は済んでいて、その先は同一層内での競争になっている。

 我が子が高校生になったら、親は「猫も杓子も会社員か公務員」というパラダイムをいったん措いて、子どもの適性(得手・不得手、向き・不向き)をきちんと掴んでおきたい。

 使い古された言葉であるが、仕事を「頭脳労働」と「肉体労働」に分ける考え方がある。筆者はこの言い方はどこか差別的で好きではないのであるが、最近、「感情労働」という概念が提唱されている。

 そこで筆者としては、仕事の質を「知能労働」「技能労働」「感情(対人)労働」「単純労働」の4つに分けて捉えている。学力が大きくものを言うのは、知能労働と技能労働の一部分であろう。

 例えば、看護師、介護士、保育士、ホテルマンをはじめとする接客業は感情(対人)労働に該当する。職人さんは技能労働者であり、外科医や歯科医は究極の技能労働者かもしれない。

 単純労働は、昔であれば機械に、今であればAIに置き変わっていく中で、我が子は「知能労働」「技能労働」「感情(対人)労働」のどのフィールドをやりたがっているのか、向いているのか、本人の意思を引き出しながら早め早めに手を打てるように準備しておきたい。

■吉田克己(よしだ・かつみ) 講師。京都大学工学部卒。株式会社リクルートを経て2002年3月に独立。産業能率大学通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」(小論文)講師、近畿大学工学部非常勤講師。日頃は小~高校生の受験指導(理数系科目)に携わっている。「SankeiBiz」「ダイヤモンド・オンライン」で記事の企画編集・執筆に携わるほか、各種活字メディアの編集・制作ディレクターを務める。編・著書に『三国志で学ぶランチェスターの法則』『シェールガス革命とは何か』『元素変換現代版<錬金術>のフロンティア』ほか。

【受験指導の現場から】は、吉田克己さんが日々受験を志す生徒に接している現場実感に照らし、教育に関する様々な情報をお届けする連載コラムです。受験生予備軍をもつ家庭を応援します。

「保育園か幼稚園か…育ちで違いはある?」たったひとつの結論

10月、来年春からの保育園の入所申し込みがスタートした地域も多いことでしょう。


育休中などで確実に保育園を希望する人もいれば、保育園にも幼稚園にも空きがありどちらに通わせるか迷っている人もいるかもしれません。


「将来の教育費も考えれば早く仕事につくべきだけど、小さいうちは親と一緒がいいとも聞くし…」と、かんたんに決められない人も多いのではないかと思います。

また、すでにお子さんがいずれかの園に通っている人も、SNSや世間話で「保育園育ちの子より幼稚園育ちの子の方が学力が高い」「幼稚園育ちの子はおっとりしていてすぐ大人に頼る」「保育園育ちの子は性格がきつい」など、通っていた園で子供の将来が左右されるような発言を耳にするとさらに気になってしまいますよね。


そこで今回は、保育園と幼稚園はどう違うのか、実際にお子さんが保育園または幼稚園に通っている(通っていた)ママの体験談も参考に、本当に子供たちの育ち方に違いがあるのかを考えてみました。

保育園と幼稚園はそもそもどう違う?
まずは、制度の面から保育園と幼稚園の違いを確認してみましょう。

保育園は生活と育児を担う場所、幼稚園は教育の場所
保育園を管轄しているのは、人々の生活に関わる業務を担う「厚生労働省」です。


保育園は、勤務中の保護者に代わって子供たちを保育するための「児童福祉施設」という位置づけです。


遊びを通じて人との関わりかたを身につけたり、食事やお昼寝といったお世話をしたりしてもらえます。


対して幼稚園は教育を担う「文部科学省」が管轄しており、保育は家庭で行うという前提のもと、年齢に応じた教育を行う施設…という位置づけとなります。


活動は教育的な目的を持ったカリキュラムに沿って進められ、トイレトレーニングなど生活面のお世話は基本的には行われません。

「認定こども園」も
現在では、2006年にスタートした「認定こども園」制度も存在します。


認定こども園は内閣府が管轄する「教育・保育を一体的におこなう施設」とされており、保護者の働き方を問わず入園できます。


保育・教育の内容は以下の4タイプに分かれます。

・幼保連携型…幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ単一の施設として、認定こども園としての機能を果たすタイプ

・幼稚園型…認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプ

・保育所型…認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすタイプ

・地方裁量型…幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ

※内閣府HPより

変わりつつある保育園・幼稚園の区別
サラリーマンの夫と専業主婦の妻というモデルが圧倒的に多かった昭和の時代とは異なり、働き方も家庭のありかたも多様化した現在では、幼稚園・保育園(こども園)のありかたも変化してきています。


保育園向けの「保育所保育指針」(3歳以上児)の「ねらい」や内容を見てみると、幼稚園向けの幼稚園教育要領と全く同じことが書かれています(※保育士/教師、子ども/幼児など呼称のみ一部異なります)。


つまり、どちらに入園しても、その子の成長や学びのゴールは同じところを目指しているということ。


多くの保育園では年長になるとお昼寝の時間がなくなるなど、小学校入学が近付くほど、園での活動や生活パターンの違いはなくなっていくといえるでしょう。

保育園はたくましい、幼稚園はお利口というけれど…
とはいえ、「保育園卒の子は自己主張が強くたくましい」「幼稚園卒の子は行儀がよくおっとりしている」といった評判はときどき耳にします。


はたしてそのイメージは本当なのでしょうか。


ここでは実際にお子さんが保育園や幼稚園に通っている(通っていた)ママたちの体験談をいくつか紹介します。

保育園ママの体験談
「保育園に通う子は、集団の中で生き残っていけないから自己主張が強いというイメージがありますが、5歳の息子はむしろ忙しい私に気を使ってくれることが多いと感じます。専業主婦の姉の4歳の子は、妊娠中の姉がつわりでしんどそうでも、遊んでくれるまで全力でだだをこねているそうで。どっちがいい・悪いではなく、保育園と関係ないのでは…という気がしてます」(Kさん・5歳児のママ)


「いま住んでいるところは待機児童がなく、勤めに出ていなくても保育園に入園できます。それで2歳から保育園に入り、パートを始めました。近所の幼稚園ママが行事の準備に駆り出されたりPTA活動が大変そうなのを見て、保育園でよかったー!と思いましたが、幼稚園は運動会とか音楽会の準備をしっかりやるので、入学後も行事慣れしている感じ。ウチの子は低学年のうちは慣れない練習についていけずに苦労しました(笑)」(Iさん・4年生と6歳児のママ)

幼稚園ママの体験談
「夫の転勤で、上の子が小学校2年生のときに転校。上の子は保育園→学童でしたが、下の子は保育園の空きがなく、私も転居に伴って退職してしまったので幼稚園に通いました。そしたら入学後に下の子に宿題をやらせるのに四苦八苦して…!長女は学童で宿題を済ませてきていたので、こんなに宿題で手こずるとは知りませんでした。子供の性格もあるのかもしれませんが、学習習慣はむしろ保育園→学童組の方が早く身につくのではないかと思います」(Wさん・4年生と1年生のママ)


「保育園の子は性格がキツイとか問題児が多いとかたまに聞きますけど…うちの子の幼稚園では、いつも固まっているママグループが気に入らない人の悪口を言っては無視するというのを繰り返していたため、そこの子供たちも同じように仲間はずれや誰かをいじめて楽しむ様子が見られて問題になりました。想像ですが、保育園の子はママ関係もあっさりしているので、ケンカとかはあっても陰湿ないじめを覚えるというのはなさそうな気がします」(Mさん・5歳児のママ)

結論・個人差のほうがはるかに大きい!
入学前の数年間の過ごし方が違えば、入学直後にはふるまいかたが違うことも当然あるでしょう。


しかしそれは、保育園同士でも規模が違ったり、公立幼稚園と私立幼稚園との違い、さらには園ごと・学年ごとのカラーによっても変わってくるもの。


さらに家庭での過ごし方の影響もとても大きいため、もし保育園と幼稚園のどちらに通っていたかで子供の性格や態度に影響があるとしても、「なんとなく」といった範囲にとどまるのではないでしょうか。


この先も「やっぱり保育園は…」「幼稚園の子って…」という話題を持ち出したがる人に出会うかもしれませんが、できるだけ自分では先入観を持たずに1人1人の子供を見ていきたいですね。

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子どもの習い事、月謝の平均はいくら? 小学生がしてみたい習い事とは

株式会社ベネッセコーポレーションが発表した、小学生の習い事に関する調査結果(※1)を見てみます。これは、全国の小学生とその保護者1236組を対象に行われたもの。

まずは、小学生がしたいと思っている習い事を見てみます。

【現在している習い事以外に、最もしてみたい習い事は何ですか】
1位:動画制作 8.3%
2位:ダンス 7.6%
3位:プログラミング 7.4%
4位:サッカー・フットサル 5.3%
5位:ピアノ・エレクトーン 4.6%

回答がばらけているのかパーセンテージは低めなものの、TOP5は上記の結果に。時代を反映しているのか、動画制作が1位という結果になりました。3位はプログラミングということで、イマドキの小学生が自然とITに親しんでいるということがわかります。

では、親はどのような習い事をさせたいと思っているのでしょうか。

【現在している習い事以外に、最もさせてみたい習い事は何ですか】
1位:水泳 11.0%
2位:英会話などの語学 10.4%
3位:プログラミング 6.3%
4位:思考力をのばすための学習 5.3%
5位:受験のための学習 4.8%

いずれも子どもの将来のためになるようなものばかりがランクインしていますね。3位のプログラミングだけは、子ども側のニーズと一致しています。プログラミング教育は小学校で必修化されたこともあり、親も注目しているようです。

イマドキの小学生は純粋に自分が好きなもの・興味のあるものを習いたいと思っていますが、親は将来のためになるものを習わせたいと考えていることがわかりました。

ちなみに、同社が2020年11月に行った調査(対象:小3~6「進研ゼミ小学講座」会員7661人)によると、「小学生がなりたい職業」の1位は「YouTuber」、2位は「芸能人」、4位は「ゲームクリエイター・プログラマー」でした。

こう考えると、小学生が動画制作やプログラミングを習いたいと思うのは当たり前のことなのかもしれませんね。

親が一番気がかりなのは、ずばり月謝
次は、同調査のスクリーニング段階で3~12歳の保護者2万1768名を対象に行った内容を見てみましょう。

【子どもの習い事の数】
1位:1つ習っている 49.7%
2位:2つ習っている 33.1%
3位:3つ習っている 12.2%
4位:4つ以上習っている 5.0%

こう見ると、子どもの習い事は1~2つという人が8割以上ということになります。いったい週にどれくらいの時間を費やしているのでしょうか。

【習い事にかける週の平均時間】
1位:1時間以上~2時間未満 25.4%
2位:30分以上~1時間未満 24.6%
3位:2時間以上~3時間未満 19.0%
4位:3時間以上~4時間未満 10.1%
5位:4時間以上~5時間未満 5.7%

ちょうど半数の人が、30分~2時間未満と回答しています。子どもの集中力は長く持ちませんし、習い事1つであれば1時間程度で終わるものが多いのかもしれません。

6位以下の回答も合わせると、1割程度の人は週に5時間以上習い事に時間をかけていると回答。そのうち、7時間以上という人は4.8%でした。送り迎えなど含め親の付き添いが必要なものも多いため、これだけ時間がかかると親の負担も大きそうです。

では、親が子どもの習い事に対して最も負担・不安に感じていることは何なのでしょうか。

【習い事をしていて、保護者の方が直近の1年間で負担や不安に感じていることは何ですか】
1位:費用がかかること 26.9%
2位:特に負担や不安は感じていない 15.0%
3位:子どもが疲れていたり、やる気が下がっていたりすること 14.2%
4位:送り迎え 14.0%
5位:新型コロナへの感染リスク 13.6%

3割近くの人が、「費用がかかること」が負担だと回答しています。やはりネックになってくるのは、月謝なのですね。3位に関しては、「行きたくな~い」という子どもを連れ出さなければならないつらさを感じます。

5位については、今の時代ならではの悩み。親がさせたい習い事第1位の水泳などはマスクもできないため、感染対策が気になるという人も多いのかもしれません。

さて、親が負担に思っている月謝ですが、その平均金額はいくらなのでしょうか。

【1ヶ月あたりの習い事の平均費用】
・1万3680円

1ヶ月あたりの習い事の平均費用は、1万円を優に超えてきました。このくらいの金額になってくると、もとを取るために“多少無理してでも通わせないと”と考える人も多そうです。

子どもがこれから中学、高校、大学と進学していくことを想定し、これらの月謝のほか、進学費用の備えについて悩むこともあるでしょう。ソニー生命保険株式会社が調査した(※2)、子どもの進学費用のための備えについては以下のとおり。

【子どもの進学費用のための備えとして、一人あたり月々いくらくらい支出をしているか(対象:高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親751人)】
1位:0円 28.0%
2位:1万円~1万4999円 19.3%
3位:2万円~2万9999円 15.3%
4位:3万円以上 14.8%
5位:1万5000円~1万9999円 9.5%

3割近くの人はなにも備えていないものの、全体の平均支出金額は1万4189円でした。進学費用の備えと習い事の月謝を足すと、平均で月に3万円近くかかることになります。

このほかにもさまざまなお金がかかるわけですから、子どものためと思って習い事をさせたくても月謝がきついということは大いに有り得る事態ですね。親も子も疲れてしまわない程度に、できる範囲で楽しく習い事をするのがよさそうです。

出典
※1 株式会社ベネッセコーポレーション「小学生の習い事調査」
※2 ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金に関する調査2021」

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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