知ってると楽しい『通】学! ■すぐ役立つ法律問題Q&A
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交通機動隊がノルマ達成に狙う交通違反ベスト3

交通機動隊は、パトカーや白バイを使って交通違反を取り締まる専門部署です。元白バイ隊員によると、交通機動隊には「目標件数」と呼ばれるノルマが存在。新人だと月に100件の交通違反が目標といった具合です。このため月末は、目標件数を目指して小さい交通違反も必死に追いかけるため注意が必要なのです。

交通機動隊の優秀な隊員には狩り場

「交通機動隊には目標件数があります」というのは元白バイ隊員です。新人だと、月に100件の交通違反が目標といった具合です。「目標件数を達成しないと、部署の来期予算を減らされることになるので必死に守ろうとします」といいます。

月に100件の交通違反ということは、1日に最低3件以上の交通違反を取るということ。そんなに取り締まれるものでしょうか。実は、優秀な隊員は各自に“狩り場”があり、捕まえやすい交差点などを押さえています。

そういう人は“狩り場”を回ってスピード違反車を追尾し、しっかり捕まえています。できる人なら1日で20件も交通違反を取って来るとか。しかし、優秀ではない人は月末になっても必死に違反車を探しています。

交通機動隊がノルマ達成に狙う違反

交通機動隊の場合、スピード違反以外の取り締まりが多いと、あまり優秀ではないとみなされるとか。それでも、目標件数を達成するために小さい違反も必死に追いかけるのです。

そういった人は比較的ラクな左側追い越しや通行帯違反、携帯電話やシートベルトの不備などスピード違反以外の違反ばかりを狙っているとか。先輩の狩り場を借りたりして、なんとか目標件数を越えるように努力しています。

交通機動隊がノルマ達成に狙う交通違反は「通行帯違反」。高速道路では、追い越し車線を走り続けると違反になります。

「左側追い越し」も狙われやすい交通違反。追い越し車線を使わず、左側の通行帯から追い越すのは違反です。踏み切りや一時停止線などで停まらない「一時停止無視」のクルマも、月末に交通機動隊によく取り締まられます。

交通機動隊員もノルマ達成のために小さい違反も必死に追いかけるということ。月末はいつも以上に、安全運転を心がける必要があるかもしれません。

携帯「ながら運転」厳罰化、反則金3倍に…12月1日から

 政府は13日、車の運転中に携帯電話を操作する「ながら運転」の反則金や違反点数の額を引き上げる改正道路交通法の施行令を閣議決定した。12月1日に施行する。

 携帯電話の通話や操作をしながら運転する「携帯電話使用(保持)」の反則金を約3倍に引き上げ、大型車は2万5000円、普通車は1万8000円、二輪車は1万5000円、ミニバイクなどの「原付車」は1万2000円とする。「交通の危険」を生じさせた場合は反則金ではなく、直ちに刑事処分の対象とする。

 違反点数は「使用」を1点から3点、「交通の危険」は2点から6点に引き上げた。

 ながら運転を巡っては、5月に成立した改正道交法で、「使用」は6月以下の懲役または10万円以下の罰金とする罰則を設けた。「交通の危険」は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金としていた。

 警察庁によると、携帯電話の通話や操作などが原因の交通事故は昨年1年間に2790件発生。5年前の1・4倍に上った。このうち死亡事故は42件で、発生率は携帯電話を不使用の場合の2・1倍だった。

差し押さえも? 国民年金を支払い拒否したらどうなるか

 国民年金への加入は国民の義務とされているが、信用度に不安を抱き、保険料を納付していない人は少なくない。年金保険料の支払いを拒否していると、資産を差し押さえられたりすることもあるのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 自営業です。私は年金制度に疑問を持ち、一度も支払ったことがありません。老後は国に頼らず貯金で賄いたいと思っています。しかし、知人の話だと、年金を払わない場合、年金機構が強制的に資産を差し押さえにくるというのです。支払いを拒否していると、本当に差し押さえされてしまうのでしょうか。

【回答】
 国民年金法では、厚生年金の被保険者や、その配偶者以外で20歳以上60歳未満の者を被保険者として、保険料を納める義務があるとされています。従って自営業者はもちろん、就職していない学生でも、原則として国民年金の保険料を支払う義務があります。

 また、同法では国民年金の保険料の徴収手続きについて「この法律に別段の規定があるものを除くほか、国税徴収の例によつて徴収する」と定めています。

 その96条で滞納者がいれば、厚労大臣がまず、期限を指定して支払いを求める督促状を送り、指定の期限までに保険料を納付しないときは、国税滞納処分の例による滞納処分を課したり、滞納者の居住地や財産所在地の市町村に対し、滞納処分をするよう請求することができるとしています。

 さらに国民年金法では、年金機構に対して、これらの手続きを行なわせることにしています。国税徴収法は、税金滞納者からの税金を取り立てる手続きを定めた法律ですが、その滞納処分の方法は年金保険や健康保険の保険料の滞納者にも適用されます。

 具体的には、滞納者の預貯金や不動産を差し押さえる手続きです。滞納処分として金融機関は滞納者に対する貸し付けがあって相殺する必要があるような場合以外は、処分をした役所に支払います。不動産の差し押さえがあると、当該不動産は公売に付されて換価され、その代金から税金や保険料が徴収されます。つまり、滞納処分ができる年金機構が保険料滞納者の預貯金を差し押さえすることは可能です。

 ただし、国民年金法102条では、国民年金の保険料を徴収する権利は2年で消滅時効することとされています。なので、2年を経過した保険料は滞納処分の対象となりません。

【弁護士プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

カーナビにもNHK受信料の支払い義務、法的な根拠は?

 ホテルの客室のテレビの受信料を巡ってNHKと東横インが争っていた裁判で、最高裁は東横インの上告を退け、およそ19億円の支払いを命じる2審判決が確定した。受信料を巡っては様々なケースの裁判があり、カーナビにも支払いを命じる判決が出たこともあるが、どういった法的根拠があるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 今年5月、東京地裁は『自宅にテレビを持たず、受信機は車のカーナビのみ』という原告に対し、NHKの受信料を払いなさい、との判決を出しました。この判決に納得がいきません。家のテレビで視聴するNHKには受信料を払うべきですが、カーナビにまで契約を求めるのは、やり過ぎではないでしょうか。

【回答】
 地上デジタル放送用に割り当てられた周波数帯を13分割し、そのうちの一つであるワンセグ(ワンセグメント)を使い、地上デジタル放送を送信するのがワンセグ送信です。受信機で地上デジタル放送を見ることができ、出先でもテレビ番組を見ることができます。

 放送法では、NHKが公共の福祉のための放送ができるよう広く国民に負担を求めています。具体的には、【1】/NHK放送を受信できる受信設備を設置したものは、NHKと受信契約を締結する義務があります。【2】/ただし、放送の受信を目的としない受信設備であれば、義務はありません―─など。

 この裁判で原告は「設置」とは、一定の場所に置くことであるとした上で、それは自宅の車庫だが、そこではNHKの地デジ放送が受信できないから【1】の要件はないし、カーナビ目的で買ったものだから、【2】の受信目的もないと主張、受信契約の締結義務がないことの確認を求めました。


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2019年8月2日 15:00

 裁判所は原告自宅付近でワンセグ放送が受信できることを認め、設置とは「放送を受信することのできる状態に置いているか否か」で判断されるべきで、自動車に設置したことにより、受信設備を使用できる状態に置いたものと判断、【1】の要件を認めました。

 さらに【2】の「受信を目的としない」かどうかは、受信設備を設置した者の主観によるのではなく、放送を受信し、これを視聴しない目的であることが客観的、外形的に認められるか否かにより、判断するのが相当であるとし、本件では【2】に当たらないと判断しました。

 なお、放送法は設備された受信機ごとに契約を締結せよ、とはしておらず、NHKの受信規約も受信は原則世帯ごとで数え、自動車も住居の一部と看做すので、自宅で受信契約をしていれば、自家用車のカーナビでの契約は不要です。

【プロフィール】竹下正己●1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

SNSで守秘義務違反、「個人が取引先に罰金500万円」は有効か

 ネットやSNSがこれだけ一般的になった今、ビジネスの世界において「守秘義務違反」は大きなリスクとなっている。広告代理店と契約をした映画製作会社が「守秘義務違反したら罰金500万円」という罰則を設けた場合、これは有効なのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 広告代理店に入社したての若造です。先日、大作映画の宣伝に携わったのですが、映画製作会社より守秘義務違反を犯した場合「罰金500万円を支払う」という書類にサインを強要されました。いくらなんでも、映画の内容を外部に漏らしたぐらいで500万円は高過ぎますし、法的にも間違っていませんか。

【回答】
 映画製作会社が広告発注先の広告代理店の従業員個人から、直接違約金付きの守秘義務念書を取り付けたとのこと。このケースにおいては、映画製作会社と広告代理店の会社同士で守秘義務契約を締結し、これを受けて特に必要な場合に、代理店が従業員に守秘義務を誓約する文書を差し入れさせるのが、正常な有り方のように思います。

 その場合であれば、会社は守秘義務違反の罰金を定めることはできません。労働基準法で「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と規定されているからです。

 あらかじめ決めておけるのは、就業規則で義務不履行への懲戒として「減給」を定めることだけであり、その場合であっても、減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額以下、月給制なら1か月の総額が月額の10分の1以下までとなります。もっとも違約罰の定め等が無効でも、労働者に故意や過失が認められ、会社に損害をかけた場合には、実損害額に基づく応分の賠償義務を負うことにはなります。

 あなたが差し入れたのは勤務先ではないので、映画会社から直接指揮命令を受けるなど実質的に雇用関係にあると認められる場合以外、その守秘義務違反の罰金合意には労働基準法は適用されません。それでも500万円は破格であり、勤務先の広告代理店であればともかく、一労働者に負担させるのは疑問です。大切な顧客で断われないことを利用した、優越的地位の濫用のように思います。

 仮に守秘義務違反があっても、損害が明確でなく些少な場合、この罰金合意に基づく500万円の賠償請求は権利の濫用になるでしょう。また、そもそも雇い主である広告代理店が引き受ける責任です。会社に相談し、罰金条項の解消を求めてはいかがでしょうか。

不倫関係を解消しようとしたら「手切れ金」を要求された!

最近、ご相談いただくケースの中で、不倫をしてしまったのだが関係を解消しようと相手方に話をしたら「手切れ金を支払え」と言われたという話をちらほら聞くようになりました。

この手切れ金は支払義務を負うのでしょうか。

法的に「手切れ金」という概念はありません。

契約関係のない男女間でのお話ですから「手切れ金」を法的に考えるのであれば、不法行為に基づく損害賠償請求ということになるでしょう。

では、不倫関係にある間柄で、一方が他方に対して、上記のような不法行為に基づいて損害賠償義務を負うことはあるのでしょうか。

結論から申し上げると、原則として、不倫関係にある間柄において、一方が他方に対して不法行為に基づく損害賠償義務を負うようなことはありません。

ご相談を受ける中でお伺いするのは、相手方から「人生の大事な時期を棒に振った」「結婚すると話をしていたのに、結局してくれなかった」「性的欲求のはけ口とされ傷ついた」などの主張をされたというお話ですが、これらの主張は基本的に、自ら不倫に関わるリスクを認識したうえでの結果ですから、法的に賠償請求をすることは難しいでしょう。

なお、例外的に、既婚者であることを隠していた(相手方は不倫関係にあるとは考えていない)という場合には、相手方から意思決定の自由を侵害した、貞操権(貞操の利益)を侵害したとして賠償義務を負う可能性があります。

法的には上記のとおりなのですが、ご相談いただくのは、上記のような法的結論をお話しても納得いただけないケースです。

結局、相手方はお金や関係の継続を求めており、自らの要求を実現するために、様々な揺さぶりをかけてきます。

典型的なのは、配偶者(奥さんや旦那さん)にバラす、職場にバラすといった揺さぶり行為です。

このように法的に立たない要求を脅迫的な方法で通そうとする行為は、いわゆる不当要求に該当するものです。

不当要求に該当するような不倫相手からの手切れ金の請求にお困りの方は、弁護士に対応を要請されたほうが良いかと思います。

*執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)

*画像はイメージです(pixta)

不倫関係を解消しようとしたら「手切れ金」を要求された!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。

母が事故で絶対安静に。手伝いに行きたいけどバイトを始めたばかりで…【お悩み相談】

夫との関係、義実家との付き合い、仕事やキャリア、ママ友などの人間関係……。毎日がんばって生きていると、悩みは尽きませんよね。そんなお悩みに、専門家がアドバイス。

今回はお母様が大怪我をしてしまった「ひまわり」さんのお悩みです。

◆相談者プロフィール

ひまわり(39歳女性)

出産で仕事を辞めてから約10年ぶりに働きに出て、緊張と楽しみの中、日々を過ごしているアラフォー女です。

■ お悩み相談

母(66歳)が交通事故にあいました。幸い命に別状はなく、入院後は自宅に帰れることになりました。腰椎を圧迫骨折したので、今はコルセットで固定しています。当分の間は絶対安静と強く言われています。

母は、父(72歳)と兄(41歳)の3人暮らしです。兄は毎日仕事で朝早く出て、夜も遅く帰ってくる生活なので、母を助けることは期待できません。また、父は定年し家にいるのですが、料理・洗濯・掃除など、家のことは何ひとつできません。

一方、私はといえば実家から自転車で10分ほどのところに住んでいるので、母の介護や家事をしに行こうと思ってはいるのですが、今は時間をつくるのが難しい状態です。実はちょうど1週間ほど前からバイトを始めたばかりで、9時から17時まで仕事に出ています。覚えることも多いし、約10年ぶりに働くということもあって、毎日緊張で家に帰るとグッタリです。そんな状態なので、自分の家のことをするだけで精一杯な日々なのです。

父は「ご飯は買うから大丈夫。洗濯はしに来てほしい」と言います。でも、3食とも買ったものというのも心配です。そして母本人は「大丈夫だから、来れるときに来てくれたらいいよ」と言ってくれています。ですが、私が行かなければ母が無理をして動くにちがいありません。腰椎の骨折で絶対安静なのに、治りが遅くなるだけでなく、なにか後遺症が残ったらと不安になってしまいます。

母にはゆっくり休んでもらって、きちんと治してもらいたいのですが、今の状態で実家のことをするのは正直しんどいし、時間をつくることも難しいと思ってしまいます。

母のこと、実家のこと、バイトのこと、自分の家のことを考えると、何を優先して、どう動くのがいいのか分からなくなります。バイトを辞めて母を看ることを考えたほうがいいのかとも考えたりもします。母に安静にしてもらうためにはどうすればいいでしょうか。

■ 民間サービスの利用を検討してみるのも手

アルバイトを始められたということで、ひまわりさん自身お仕事と家事の両立でお忙しいですよね。

お金はかかってしまいますが、ここは民間サービスを導入してみることも一つの手です。訪問介護事業所によっては、介護保険を利用していなくても1時間いくらという形でヘルパーを派遣してくれるところもあります。介護保険と違って私的な契約となるため、好きな支援を受けることができますよ。

また、ボランティア団体やNPO法人が安い料金で家事を手伝ってくれることもあるため、お近くの社会福祉協議会に尋ねてみてはいかがでしょうか。食事に関しても、配食サービスを利用してもよいと思います。業者によっては、曜日の指定やおかずのみの注文もできるため便利ですし、栄養バランスもとれるのでおすすめです。

◆回答者プロフィール なち
大学時代にホームヘルパーや放課後等デイサービスにてアルバイトしながら作業所でボランティアに活動。卒業後は介護職、相談員を4年経験後、介護認定調査員4年務める。介護福祉士、社会福祉士所持。

不動産、自動車、貯金…財産を守る「名義変更」裏技

 今年7月1日、相続法が大きく改正された。改正点はさまざまあるのだが、これを機会に、知らないと損する“相続”の裏ワザを紹介したい。今回の改正では、新しく「婚姻期間20年以上の妻に生前贈与された自宅は、遺産分割の対象外になる制度」がスタートした。「妻が生前贈与を受けた自宅の評価額が、贈与税の配偶者控除の金額である2000万円に贈与税の基礎控除額(110万円)を合わせた2110万円以下であれば、贈与税はかかりません。しかも、夫の遺産とならないため、妻の名義で自宅をそのまま残せるようになったんです」(ファイナンシャルプランナー)

 もし、自宅の評価額が2110万円を超えるなら、超えた部分については贈与税がかかってしまうので、従来型の「死後相続」を選ぶほうがお得。配偶者には相続財産について、1億6000万円までの相続税の非課税枠があるからだ。

 加えて気をつけたいのが、〈二次相続〉についてだ。「財産を相続した配偶者が亡くなった後、子に自宅を相続させる二次相続の際には、基礎控除3000万円プラス“600万円×法定相続人の数”しか非課税枠がないので、注意しましょう」(前同)

〈生命保険の契約〉の見直しも、忘れてはならない。「生命保険の保険金には、相続人1名に対して500万円の非課税枠(非課税限度額)があります。あらかじめ親の生命保険の受取人を子どもに設定しておけば、相続税をグッと節税できるわけです」(同)

 いずれにしても、ポイントは「元気なうちに、自宅や実家の資産価値を確かめて、名義変更など必要な手続きをすませておくこと」である。不動産をめぐる手続きは、特に急ぐ必要がある。「祖父の名義の不動産が、自分の親の名義に変更されていない場合には、注意が必要です。自分がその不動産を相続するつもりなら、権利を持つ他の親族らと遺産分割協議をしなければなりません。さらに、父の死後、祖父から父、父から自分へと、2回の名義変更をしなければならないわけです。2021年3月までに登記をすれば、1回目の名義変更の手続きにかかる登録免許税が免除されますので、お早めに」(不動産業者)

 知らずに損をしないために、田舎の両親に放ったらかしになっている(未登記の)土地がないか、今一度確認をしておきたい。

 自分の預貯金や不動産は、子に残したいと考えるのが親心。逆に親からもらえる遺産があるなら、1円も損することなく受け取るべきだろう。だが、親子の間であっても、何も考えずに金を受け取ると、生前なら贈与税、死後なら相続税がかかってしまう。「生前にお金を贈与するなら、贈与税の基礎控除額110万円となる“暦年課税”を賢く活用しましょう。毎年、子に110万円未満の金額を生前贈与して合計1000万円を渡しても、贈与税はかかりません」(税理士事務所スタッフ)

 また、子や孫への教育資金としてなら上限1500万円まで、結婚・子育て資金としてなら上限1000万円(結婚関係の支払いは300万円)まで、非課税で贈与できる制度もある。

 さらに、資産として見落とされがちなものに自動車がある。死後だと、相続人全員の同意がないと名義変更ができない。「ただ、評価額110万円未満の自動車の場合、贈与税はかかりません。中古車は数年の使用で評価額が大きく下がることが大半なので、生前に名義を変更しておくと、手間を大きく省けますよ」(前同)

 納税は国民の義務だが、無駄に払いすぎる必要はまったくない。知識をつけて賢く“節税”したい。

【知らなきゃ損!】保険会社は怖い。交通事故の示談金も弁護士通すとここまで違う

「交通事故での示談交渉など、自分には関係ない話」だと思っている方も多いのではないでしょうか。実際はいつ自分が事故の被害者になるとも限りません。そんな時に、適切な金額交渉ができる自信がありますか?今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では著者で現役弁護士の谷原誠さんが、示談交渉を弁護士に相談すべき理由を記しています。

交通事故示談交渉の驚きの真実

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

今回は、交通事故の被害に遭った際の示談交渉における驚きの真実についてご紹介します。

交通事故の被害に遭うと、会社を休んだり、後遺症が残ったり、など、様々な損害が発生します。参考記事です。

● 交通事故で正しい後遺障害等級が認定される人、されない人の違いとは

そこで、加害者に対し、慰謝料など損害賠償の請求をしていくことになります。多くの場合には、加害者が任意保険に加入していますので、保険会社との示談交渉となります。

ケガの治療が終わった後に保険会社から示談金が提示されます。この示談金について、多くの被害者は、初めて交通事故に遭うでしょうから、「この金額が妥当なのかな」「大手保険会社が適正金額だというのだから、正しいのだろう」などと思ってしまい、示談書に捺印してしまいます。

しかし、これは、大きな間違いです。みらい総合法律事務所では、年間1,000件以上交通事故の被害者からご相談を受け、日々事件を解決しています。ご依頼いただくことで、保険会社から被害者に提示された賠償額が、2倍、3倍に増額する例は、日常的にあります。

ところが、中には、驚くほど増額することがあります。実際にみらい総合法律事務所で解決した事例をご紹介します。被害者は、75歳男性です。交通事故で脳挫傷などの傷害を負い、高次脳機能障害の後遺症を残し、自賠責後遺障害等級2級が認定されました。

被害者は、まず自賠責保険に被害者請求をして、自賠責保険金約2,500万円を確保しました。その後、保険会社は、被害者に対し、示談金として、すでに自賠責保険金を受け取っていることから、約25万円を提示しました。そこで、被害者は、みらい総合法律事務所に依頼することとしました。示談交渉は決裂し、裁判になりました。そして、最終的な解決金額は、2,315万円で解決しました。

約25万円→2,315万円

なんと、【約91倍】に増額したことになります。保険会社の提示額は、どんな計算だったのでしょうか。とても疑問ですね。こんなことが現実に起こっているということです。

その他、金額が大幅に増額したケースでは、四肢麻痺で重度後遺障害が残ったケースで、保険会社が7,800万円を示談金として提示し、みらい総合法律事務所が示談交渉等を行った結果、最終的に、【約2億7,600万円】で解決した事例があります。なんと、【1億9,800万円】も【増額】したということになります。もし、被害者が保険会社が提示した金額で示談していたら、約2億円も損をしていたことになります。

これらは、とても珍しいケースであり、こんな事例ばかりではありません。極端な事例をご紹介しました。そうしないと、保険会社提示額がなんとなく正しいと思って示談してしまう人が多いのではないか、と危惧するためです。

しかし、少なくとも、保険会社が提示する金額が正しいとは思わないでいただきたいと思います。そして、被害者が自分で示談金額を計算するのは難しいので、必ず弁護士に相談して、正しい金額かどうか、確認していただきたい、ということです。さらに詳しくは、こちらの記事を参考にしていただければと思います。

● 交通事故で弁護士に相談する7つの理由と2つの注意点● 交通事故の慰謝料請求で被害者がやってはいけない6つのこと

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● 弁護士が教える法律知識 ご相談・お問い合わせ

今日は、ここまで。

妻の浮気の原因がセックスレス、離婚時の慰謝料請求は可能か?

 配偶者が不貞を働いたら離婚を考えるのは当たり前だが、その原因が「セックスレス」だった場合、慰謝料を請求できるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 妻の浮気が発覚。私は離婚を決意し、慰謝料も請求しようとしたところ、妻が「2年間もセックスレス状態にした、あなたに責任がある。私を抱かなかったから浮気に走った。逆に、慰謝料を請求する」といってきたのです。事実、妻とは長年性交渉がなく、となると妻の主張のほうが正しいのでしょうか。

【回答】
 法律では、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と同居義務と相互扶助義務を課しています。責任としては、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と定めています。同棲して助け合って生活し、経済的負担も稼ぎに応じて分担し合おうというのが夫婦ですが、性行為を義務とする規定はありません。

 法は必要以上に家庭に立ち入ることをしません。性的関係を持てと書いていなくても、結婚して夫婦になり、子を生して形成する夫婦と子供の家庭こそが、民法の家族の基本単位ですから、性的関係を持つことを前提としています。

 夫の異常な性行動の故に悩んだ妻の離婚請求を認めた最高裁も「夫婦の性生活が婚姻の基本となるべき重要事項である点」と説示しています。そこで性的不能者が、そのことを隠して結婚した場合には、妻からの離婚を認めるだけでなく、不法行為になるとして慰謝料を命じる事例もあれば、逆に、潔癖症の妻が婚姻以来性交を拒否し続けた事件に、夫からの離婚と慰謝料請求を認めた裁判例もあります。

 ですが、これらの事件はたいていが婚姻当初の出来事です。結婚後時期が経ってから性交渉がなくなったケースではありません。  なので、奥さんからの要求を拒否し続けたのでなければ、不法行為にならず、慰謝料請求を受ける心配はなく、奥さんの不貞行為が正当化されることはありません。

 ただ、あなたが理由なく性交を拒否し、その結果、夫婦関係がすでに破綻してしまっていたとすれば、奥さんの浮気は不貞行為には当たらず、離婚は認められても慰謝料の請求はできないと思います。

 ただ、あなたが理由なく性交を拒否し、その結果、夫婦関係がすでに破綻してしまっていたとすれば、奥さんの浮気は不貞行為には当たらず、離婚は認められても慰謝料の請求はできないと思います。【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

定年後、妻から離婚を突きつけられたら財産はどうなる?

 定年後の暮らしにはトラブルがたくさん潜んでいる。健康や家族関係、犯罪被害など数々のリスクが存在する。そんな時、自分を守るための最大の武器になるのが“法律”だ。定年後、家にいる時間が長くなり、妻との関係が悪化。ある日、「あなたと離婚したい」と切り出されたら――。

 アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士が語る。

「不倫やDVがあったならともかく、性格の不一致という程度では裁判所は離婚を認めません。民法では離婚事由といって、離婚する際には法的な条件があり、『配偶者に不貞な行為があったとき』『配偶者から悪意で遺棄されたとき』『配偶者の生死が3年以上明らかでないとき』などに当てはまらなければ、離婚を拒否できます」

 ただ、妻が出て行ってしまい別居状態になると、話が複雑になるという。

「夫に収入があり、妻が無職の場合、別居した妻に生活費を支払う義務が生じます。別々で生活すると経済的な負担が大きくなり、結局、離婚に至るケースが多いです」(高橋氏)

 いざ離婚となれば、民法768条で規定されているように、夫婦で築いた財産は分配しなければならない。

「定年後となれば婚姻関係も長く子供も成長している場合が多いので、不動産や預貯金、退職金などの財産を妻と折半にするケースが多い。不動産しか財産がなかった場合は売却して財産分与となり、住むところを追われる場合もあります。

 また、不倫などの不貞行為があった場合、資産状況に関係なく、慰謝料も支払わなければなりません。一般的に100万~200万円になります」(高橋氏)

「えっ、これも違反?」夏の連休前におさらいしたい! うっかりやりがちな交通違反5選

うっかりやりがちな交通違反とはどんなもの?

 お盆休みやGW、年末年始など、大型連休には普段クルマに乗り慣れていない人が運転する機会も多くなります。また、運転に慣れている人でも見知らぬ土地にいくと不安になることがあります。

 そのような場合、普段当たり前のように交通ルールを守っていても、うっかり違反行為をしてしまう可能性も高くなるのです。楽しい気分や渋滞のイライラによって違反切符を切られる前に、ついやりがちな交通違反を5つ紹介します。

●歩行者がいるときの横断歩道

 道路交通法では歩行者が横断歩道にいる場合、車は必ず一時停止をして通行の妨げにならないよう義務付けられています。道路交通法第38条第1項には、次のように記載があります。

「車両等は、横断歩道又は自転車横断帯に接近する場合は、当該横断歩道等を通過する際に、当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き、横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。

 横断歩道等により進路の前方を横断し、又は横断しようとしている歩行者等があるときは、当該横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければらなない」

 横断歩行者等妨害違反の罰則は、基礎点数2点、反則金は大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原動機付自転車6千円です。また刑事処分の場合は3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰則が課せられます。

 家族連れや友達同士で行楽地などに出かけていると、会話に夢中になって横断歩道に気づかないということもありまが、前方をしっかり確認をして、歩行者や横断歩道が見えてきたら、手前で停車できるよう減速するように心がけることが大切です。

 夏休み期間中は、子どもたちも気分が盛り上がり、信号がとくにない横断歩道などで突然飛び出してくる可能性も高くなります。公園の近くや狭い道路は安全運転を心がけて運転しましょう。

●一時停止無視

 一時停止の標識がある場所では、完全に停車し安全を確認しなければなりません。しかし見通しのいい場所や、周囲に人やクルマの通行などが無いからと、一時停止を無視してしまうケースも時々見られます。自分の判断で標識を無視するのではなく、正しく交通ルールは守りましょう。

 道路交通法第43条には、「車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあっては、交差点の直前)で一時停止しなければならない」と記載されています。

 指定場所一時不停止違反を起こすと、基礎点数2点と、大型車9千円、普通車7千円、二輪車6千円、原動機付自転車5千円の反則金が課せられます。

 一時停止したつもりだとしても、クルマが動いている状態だと、言い逃れもできません。

●携帯電話やスマートフォンを使いながらの運転

 携帯電話やスマートフォンは、生活において無くてはならない便利なツールですが、携帯電話の画面を見ながら運転したり、通話しながら運転し交通事故を起こすケースが増加しました。携帯電話を約2秒間見ている間に、時速60キロの車は約33メートル進むというデータを警視庁が発表しています。

 道路交通法第71条に、「自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」と記載されています。

 要約すると通話やスマートフォンの画面を見ながらの運転はしてはいけない(緊急時などの例外を除く)とあります。どうしても電話や画面の操作が必要な場合は、クルマを安全な場所に停車してから通話や操作をおこなうようにしましょう。

 ちなみに、罰則は基礎点数2点、大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原動機付自転車6千円です。

夏の大型連休に多くなる「うっかり違反」とは
●夏場のサンダル運転

 海水浴などへ出かける際に、サンダルを履くこともあると思いますが、道路交通法第70条では、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と明記されています。

 また、東京都や大阪府、広島県など地域によっては条例で、運転に支障を及ぼす履物での運転はしないよう記載があります。反則金は普通車で6千円、大型車7千円と決して安くはありません。

 サンダルによる運転操作では、とっさのブレーキなどの操作がしにくい状況が起きかねません。運転中は、走行している地域の条例までは確認できないので、スニーカーなどのシューズ類で運転をおこなうことを日頃から心がけておくのが良いでしょう。

●子どもを乗せるときの注意点

 道路交通法71条には、次のように記載されています。

「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。

 ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない」

 違反した場合の基礎点数は1点で、反則金はありません。6歳未満の子どもがいる場合は、チャイルドシートを使用していないと違反となります。

 例えば、友人の子どもが6歳未満の場合でもチャイルドシートに乗せる必要があるので、そうした機会があるときは事前に準備しておきましょう。ただし、同乗する子どもが病気や怪我をしてるためチャイルドシートの装着が困難な場合は、違反の適応にはなりません。

カーナビにもNHK受信料の支払い義務、法的な根拠は? NHKは民間放送にしろ!

 ホテルの客室のテレビの受信料を巡ってNHKと東横インが争っていた裁判で、最高裁は東横インの上告を退け、およそ19億円の支払いを命じる2審判決が確定した。受信料を巡っては様々なケースの裁判があり、カーナビにも支払いを命じる判決が出たこともあるが、どういった法的根拠があるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 今年5月、東京地裁は『自宅にテレビを持たず、受信機は車のカーナビのみ』という原告に対し、NHKの受信料を払いなさい、との判決を出しました。この判決に納得がいきません。家のテレビで視聴するNHKには受信料を払うべきですが、カーナビにまで契約を求めるのは、やり過ぎではないでしょうか。

【回答】
 地上デジタル放送用に割り当てられた周波数帯を13分割し、そのうちの一つであるワンセグ(ワンセグメント)を使い、地上デジタル放送を送信するのがワンセグ送信です。受信機で地上デジタル放送を見ることができ、出先でもテレビ番組を見ることができます。放送法では、NHKが公共の福祉のための放送ができるよう広く国民に負担を求めています。具体的には、【1】/NHK放送を受信できる受信設備を設置したものは、NHKと受信契約を締結する義務があります。【2】/ただし、放送の受信を目的としない受信設備であれば、義務はありません―─など。

 この裁判で原告は「設置」とは、一定の場所に置くことであるとした上で、それは自宅の車庫だが、そこではNHKの地デジ放送が受信できないから【1】の要件はないし、カーナビ目的で買ったものだから、【2】の受信目的もないと主張、受信契約の締結義務がないことの確認を求めました。裁判所は原告自宅付近でワンセグ放送が受信できることを認め、設置とは「放送を受信することのできる状態に置いているか否か」で判断されるべきで、自動車に設置したことにより、受信設備を使用できる状態に置いたものと判断、【1】の要件を認めました。

 さらに【2】の「受信を目的としない」かどうかは、受信設備を設置した者の主観によるのではなく、放送を受信し、これを視聴しない目的であることが客観的、外形的に認められるか否かにより、判断するのが相当であるとし、本件では【2】に当たらないと判断しました。 なお、放送法は設備された受信機ごとに契約を締結せよ、とはしておらず、NHKの受信規約も受信は原則世帯ごとで数え、自動車も住居の一部と看做すので、自宅で受信契約をしていれば、自家用車のカーナビでの契約は不要です。

【プロフィール】竹下正己●1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

遺言書は60歳で作成しても早すぎることはない 第2の人生設計の契機に

 多くの人は70代後半や80歳を過ぎてから、「子供が相続争いをしないように、遺言書でも」と考え始める。しかし、それでは遅い。

「遺言書は60歳から作成に取りかかっても早すぎることはありません」

 そう指摘するのは「夢相続」代表の曽根恵子氏だ。“まだまだ元気でバリバリ仕事をしている年齢で遺言なんて”と考えるのはもっともだが、遺言書の作成には、相続トラブルを防ぐ以外にもメリットがある。曽根氏はこう語る。

「遺言書を書くときにはセットで財産目録を作成します。サラリーマンの方であれば、雇用を延長して働く場合でも、60歳の定年時点で退職一時金が支払われるケースが一般的です。

 退職金は人生の中で最も大きな収入だから、退職金をもらった段階で総資産がいくらあるのか、老後の資金計画がほぼ見えてくる。だから60歳で遺言書、つまり財産目録を作ってみることが、第2の人生の生活設計を立てるいいきっかけになるのです」(曽根氏)

 では、財産目録作成のポイントは何か。

「預貯金、株や債券、不動産など資産の種類ごとに金額を書き出してみる。預貯金は通帳の残高を見ればわかります。株や債券は変動するのでその時点の評価額。

 ちょっと難しいのは自宅など不動産の評価で、原則は国が決めている路線価で計算します。路線価が分からない場合は、固定資産税の通知書にある評価額でもいいでしょう。住宅ローンなど借金が残っていれば、当然、差し引いて資産総額を計算します」(曽根氏)

 それを元に、60代、70代、80代ではいくら生活費が必要で、最終的にどのくらいの資産が残るかを見る。

「金融資産は流動しますが、遺言書には分け方を記しておけばいい。『現金は妻に7割、長男に3割』と“割合”で書いておけば金額が変わっても遺言書を何度も書き換える手間はなくなります」(曽根氏)

 遺言書と財産目録の作成はまさに「老後資産計画」のプランニングそのものといっていいのである。

退職金 60歳で一括受け取りしないと270万円も負担増になる

 年金と並んで老後を支える退職金は、「もらうタイミング」の選択が命運を分ける。60歳定年退職の人なら、60歳で一括でもらう「一時金方式」か、60歳から数年にわたって分割してもらう「年金方式」かを選択するのが一般的だ。

 年金方式は、受け取り始めてからも運用が続くので退職金の元本が増える。長い老後を考えると“少しずつ分割で受け取ったほうが得”のようにも思えるが、社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの北山茂治氏は、「一時金方式でもらったほうが断然有利」と指摘する。

「退職金を一時金で受け取ると多額の税金がかかりそうですが、実は『退職所得控除』が受けられるので税制上のメリットが大きい。例えば大卒から38年間勤務した一般的なサラリーマンの場合、退職金を一括でもらっても最大2060万円まで税金がかかりません。

 一方、分割でもらった退職金は『月々の収入扱い』となり、税金や社会保険料の負担が増します」

 別掲の図は、勤続年数20年で退職金2000万円、60~64歳の5年間は再雇用や再就職などで働いて年収300万円、65歳からは年192万円の公的年金のみで暮らすモデルケースの試算だ。

 C氏は退職金を全額一時金で受け取り、D氏は60~69歳まで利回りが年率2%の年金方式で受け取るとする。

 双方の違いは一目瞭然。年金方式は、運用益で退職金総額が増えるものの、それ以上に税・社会保険料の負担が大幅にかさむ。約270万円の負担増となり、その結果、「60歳一括」でもらったほうが約50万円も得になるのだ。

「しかも現在、2%の高利率で運用されている企業年金(年金方式の退職金)は極めて少ない。利回りが低ければ両者の差はもっと開き、一時金のほうが圧倒的に得になります」(北山氏)

 もちろん、運よく2%を超えるような高利率の設定になっていれば、年金方式のほうが有利になることもあり得る。

「会社によって退職金の算出法や年金方式にした場合の給付利率などが違うので、退職前に総務部などの担当部署にきちんと確認しておくことが重要です」(ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏)

吉本騒動で考える、サラリーマンの防衛術 。「クビ」「録音NG」と言われたら?上司の話をこっそり録音 NG?

 吉本興業の岡本昭彦社長が7月22日に行った記者会見は衝撃的なものだった。ほとんどの日本人が知っている有名企業のトップが、会見でしどろもどろになったり、「全員クビや」などの発言を「冗談だった」と釈明したのだ。  こうした態度に所属芸人だけなく、弁護士などからも企業体質やガバナンスを疑問視する声があがった。それを受け、吉本興業は7月25日、経営アドバイザリー委員会を設置して、体制を見直すことを発表した。

 お笑い芸人は吉本興業の社員ではなく個人事業主なので、一般企業の労使関係にそのまま当てはめることはできないが、一般企業に勤めるサラリーマンが似たような状況に遭遇した場合、どうしたらよいか。特定社会保険労務士、澤上貴子氏に聞いた。

退職届を出したのに「冗談」だったら?

 そもそも岡本社長は質疑応答で、雨上がり決死隊・宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号・田村亮が明かした「テープを回してないやろな」「(記者会見をしたら)全員クビにするぞ」といった疑惑について、「場を和ませるための冗談だった」と釈明。

 詐欺集団の被害者への謝罪の意思が伝わってこなかったので、「親が子どもに言うような」感覚で「ええ加減にせえ」という意図だったと、岡本社長は説明した。 一般企業で「(会社)辞めろ!」と言われて退職届を出したあとで、「冗談だ」と言われてしまった場合、どうなるのか。特定社会保険労務士、澤上氏はこう語る。

「パワハラまがいの言葉を浴びせられ、辞めろと言われて退職届を出してしまった後に、その上司が『冗談だった』と弁解した場合(仮に弁解がなくても)、退職届を出したのだから本当に会社を辞めなければならないかと言うと、そうではありません。

 上司からの強要(無理強い)により退職届を出した場合は、退職届を取消しにできる場合があります。また上司の話などから、労働者が自らの行為が懲戒解雇になると誤解して退職届を提出して自主退職し、会社もその誤解を知っていながら承認した時などは、退職届は無効になります」

こっそり録音した音源は有効。ただし…

 また、岡本社長が「(録音)テープ回してないやろな」と発言したとされるが、上司などとの面談を、こっそりテープで録音した音源は法的に有効か? 「会話の当事者同士の話であれば(不法行為となり得るリスクは、全くゼロではありませんが)、相手に無断で録音したとしてもただちに違法とまでは言えません。また、証拠としての能力もあるとされています。

 ただし、録音の手段方法が反社会的である場合はその限りではありません。また、録音したものをどう使うのかは別の話で、安易にSNSなどで公開するなどの行為は損害賠償請求の対象となり得るので注意が必要です」

職場のパワハラをもみ消されたら?

 そもそも職場でパワハラ被害にあった場合、「内部通報制度」「コンプライアンス窓口」などがある。もし、こうした通報窓口があるのにもみ消し工作などで機能していなかったら……。「そんなときは公益通報者保護法という法律があります」と、澤上氏。

「ここでは、労働者が勤務先の一定の法律違反行為に対して通報を行ったことを理由として、解雇などの不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへ(事業者内部も含みます)、どのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にしています。

 違反の対象となる法律には様々なものがありますが、仮にパワハラに関するものであれば、刑法、労働安全衛生法などの観点から保護の対象となる可能性もありますし、公益通報者保護法の保護の対象ではない場合でも、労働契約法などの法令によって通報者が保護される場合もあります」

 昨今ではコンプライアンス意識の徹底により、こうした企業の数は少なくなってきている。しかし、澤上氏は「もし何事にもルーズな面が増えたり、社長に横暴な面が出てきたりすれば働きにくい職場になってしまうかもしれません」と語る。違和感を覚えたら、すぐに動き出したほうが良いだろう。

蕎麦屋の秘伝の味付けを盗んだ従業員を罰することはできるか

 長い歴史を持つ会社にとって、長年の歴史で培ったノウハウは会社の宝。飲食店でもそれは変わらない。父親が苦労して作った秘伝の味付けを盗んだ従業員がいた場合、罰することは可能か? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 父から受け継いだ蕎麦屋を経営。多くのお客様が父の作り上げた味を愛してくださり、足を運んでいただいています。ただ、問題なのはその味付けで、レシピを文章化しているのですが、どうやら辞めた従業員が盗み、他店で活用しているようなのです。そのレシピを利益としている点を罪として問えませんか。

【回答】
 味覚で判断する味付けから、レシピの模倣と断定できるか難しいと思いますが、仮にそうだとしても、よい味が真似されるのはやむを得ません。なぜなら、模倣によって食文化は発展してきたからです。

 なので、特許がない限り、独占はできません。また、従業員が働いている間に覚えた味付けや調理法は、その従業員の財産。習得した技能を活かして競業店に移ることも、職業選択の自由の一つ。

 とはいえ、先代が努力して完成させた味付けです。事業者が辛苦して得た情報は敬意をもって大切に保護されるべき。野放図に、ただ乗りを許すと新しい開発意欲もそがれます。そこで不正競争防止法が生産方法、販売方法、その他事業活動に有用な技術上、または営業上の情報であり、公然と知られていない情報で、秘密として管理しているものを「営業秘密」と定義、保護しています。

 営業秘密を不正取得して使うことはできません。違法な使用の差し止めや損害賠償請求もできますし、不正取得等は犯罪となります。顧客を引き付ける独特の味付けは蕎麦屋営業に利用され、役立っており、レシピは営業上有用な技術上の情報といえます。一般には知られておらず、あなたの店に来なければ味わえないのですから、公然と知られていない情報です。

 問題は「秘密として管理」していたかどうか。レシピを鍵のかかる場所に保管していたとすれば、レシピは秘密として管理されていたことになり、こじ開けてコピーすれば不正取得です。しかし、調理の過程を従業員が見る機会があった場合、レシピがなくても同じ味付けが可能ではありませんか。

 その場合でも秘密を守るため、従業員にそれがお店にとって大切な営業秘密であることを理解させ、秘密を守ることの誓約書を取り付けるなどの工夫が必要となります。

【プロフィール】1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

120年ぶり「民法改正」 賃貸物件の修繕、原状回復義務はどう変わったか

 2017年5月に民法改正法案が成立し、2020年4月1日より施行される。120年ぶりの民法改正で私たちが注意を払うべき点は何なのか。弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 民法が120年ぶりに大改正。来年をめどに、徐々に施行されるそうです。ただ、テレビや新聞などで120年ぶりと大騒ぎされても、具体的に何がどう改正されるのかよくわかりません。そこで竹下先生が最も注目している改正のポイント、これからの私たちが留意すべきことは何なのかを教えてください。

【回答】
 民法改正には、一昨年に改正法が成立、来年4月1日から施行される契約などの債権法を中心とした分野の改正と、昨年成立して一部は施行され、残りの大半が今年7月1日に施行された相続法分野の改正などがありますが、まずは債権法の改正について紹介します。 債権法改正は、契約関係を中心に社会・経済の変化に対応し、実際に通用しているルールを取り込み、かつ世間一般にも理解しやすくしたもの、といわれています。

 ここでは日常生活に直接関係しそうな改正の例として賃貸借について説明します。借家に住んでいて、家主が修繕をしない場合、従来から借家人も修繕できると解釈されていましたが、改正法607条の2では、一定の場合に修繕する権限があることが明記されました。

 また、借家明け渡し時に借家人は原状回復義務がありますが、賃貸借期間中の壁クロスの日焼けなど、経年劣化や自然損耗について借主に修繕義務がないことは判例で確認されていましたが、改正法621条で明文化されました。

 さらに賃借人の保証をすると更新後も継続するため、保証を忘れたころに、長年滞納した高額の家賃の請求を受けることがあり、裁判所は貸主側の怠慢を理由に権利乱用や信義則違反として、責任範囲を限定することで保証人を救っていました。

 ところで、家賃保証は個々の家賃の包括的な保証(根保証)ですが、従来は個人の根保証は貸金等に限定して制限されていました。改正法では、限度額を定めない根保証はすべて無効となります。この結果、施行日以降の賃貸借契約では、限度額を書かない根保証は無効になります。

 これらは一例で、その他に時効制度も大きく変わりました。不良品をつかまされた場合の対応の幅も広がっています。今後、機会を見ながら説明していきましょう。

【プロフィール】1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

「特別寄与料」請求で“争続”に発展するリスク 円満に解決するには/相続ルール改正により

7月1日からの相続ルール改正により、義父母の介護をしていた妻も「特別寄与料」を受け取れるようになった。新制度以前は、介護で泣き寝入りしていた妻たちの状況は大きく変わろうとしている。ただし、新ルールにはリスクもあるようだ。

 相続・終活コンサルタントの明石久美さんは、「特別寄与料を主張したために、家族関係が壊れて“争続”に発展する危険性もはらんでいる」と指摘する。

「そうならないようにするには、義父母が存命中に準備をするのが理想的です。“介護してくれた嫁に遺産を贈与する”という遺言書を作成してもらったり、死後、保険金を受け取れるよう生命保険の受取人に指定してもらう、生前贈与をしてもらうなどの方法があります」(明石さん)

 特別寄与料として受け取った分は、相続税の課税対象になる。相続税には、相続人以外が遺産を受け取ると、2割加算されるという決まりがあるので、生前贈与の方が税負担が軽く済む場合もあるという。「円満相続税理士法人」統括代表社員で税理士の橘慶太さんが語る。

「生前贈与をする場合、非課税の範囲となる年間110万円以下の暦年贈与が理想的です。ですが、認知症が進むなど体調の変化によって贈与を続けられなくなる可能性もあります。500万円以下の贈与なら税負担も約10%で済むので、その範囲内で生前贈与をしてもらうのがよいでしょう」(橘さん)

 特別寄与料の請求は、まだ始まったばかりの制度だ。専門家の間でも、どこまでが特別の寄与として認められるのか手探りの状態だという。

「そのため、イメージ通りの金額が受け取れる保証はないと考え、義父母の存命中から親族との関係をよくしておくに越したことはありません」(明石さん)

 介護について親族間で話し合ったり、「私が介護するので、その分の寄与は認めてほしい」と事前に約束しておくことも重要になってくる。

 義父母が亡くなってからではもう遅い。“争続”にならずに介護の労力を認めてもらうには、ぬかりない準備と日頃からのコミュニケーションが必須なのだ。

相続の「配偶者居住権」に落とし穴も 老人ホームに入れなくなる?

 今年から本格的に始まる相続制度の大改正で「配偶者居住権」が新設される(来年4月施行)。

 これは夫が亡くなった後、遺産分割で自宅が売却され、残された妻が住む家を失うといった悲劇を招かないようにするために、夫の遺言などで自宅の所有権は子供たちが相続し、妻には「居住権」を与えて死ぬまで無償で住み続けることができるようにする制度だ。

「配偶者の権利を守る制度」とされるが、鵜呑みにすると思わぬ落とし穴がある。税理士・板倉京氏の指摘だ。

「この新しい相続制度を使った場合、一番問題になりそうなのは、自宅で1人暮らしをしていた配偶者が介護が必要になり、老人ホームに入居したいといったケースです。配偶者が自宅の所有権を持っていれば家を売ってホームの入居金などに充てることができるが、居住権は売買ができないので入居費にあてることができません」

 もちろん、自宅の所有者である子供たちが「売ってホームの資金にしていい」と合意すれば問題は起きないが、そもそもこの新制度は、円満でない家族関係を想定した制度のはずだ。

「こうしたトラブルを避けるには、新制度に飛びつくのではなく、相続時によく話し合い、『将来的には売却して相続分を分割する』という合意を結んで子供たちと配偶者の共同名義にするようなやり方のほうが配偶者が権利を主張しやすいと思われます」(同前)
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